秘密の繭
劇26.25団
OFF OFFシアター(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
レトロなサスペンス気味
間違った(?)肉親愛の絡んだサスペンスに昭和40年代の松竹映画(松本清張原作、野村芳太郎監督)のニオイを感じる。
また、TheWHOの「TOMMY」や天の岩戸などとも勝手に結び付けて観たら楽しいの何の!
また、最後に明かされる中学生の娘の不登校の理由も巧い。
恋愛漫画~バンカラ編~
ライオン・パーマ
王子小劇場(東京都)
2012/10/25 (木) ~ 2012/10/29 (月)公演終了
満足度★★★★
構成が巧妙
非常に贅沢かつ巧妙なツクリ。
普通このタイプでは劇中劇パートは1種類だけなのに惜し気もなく複数投入し、また、それにより進行中の場がどちらなのか観客をして惑わせるとは!
いや、少なくともσ(^-^)は終盤のある場面を「実はここも…?」と深読み(結果は誤読)したくらいで。
また、劇中作がそれぞれ面白そうなので、機会があれば各編を独立させて欲しかったり…(笑)
そのゆびにぎって
Pityman
ひつじ座(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★
「会話見本市」的だが難もアリ
いわば「会話の見本市」でああ言えばこう言う、な台詞のやりとりや特徴的な表現が楽しい。
がしかし個々の場が有機的に繋がったりせず羅列終わり単調なのが残念。
一方、照明は素晴らしく、ある場面での下からのアオリのアイデアは秀逸(一見の価値アリ!)だし、最後に各場のあかりをメドレーのように見せるのもイイ。
女子。
gojunko
RAFT(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
納得の落としどころ
各出演者がそれぞれ思い出を語る出だしにブルーノプロデュースのドキュメンタリーシリーズを想起。
が、それはいつしかシュールな方向にシフトし、もしや〇〇の世界の審判?などと思い始めたところで納得の結末。
この徐々に変移して行くところとと落としどころが個人的にツボ。
タナカSUMMER
トツゲキ倶楽部
d-倉庫(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
新旧の融合がイイ
懐かしき大家族系ホームコメディ。
昭和中期のテレビドラマのような味をベースにしながらも、時空を超えて来る人物などSF・ファンタジー系な展開もあり、温故知新と言おうか、新旧の取り合わせ・バランスがステキ♪
『消費と暴力、そのあと』
COLLOL
LIFT(東京都)
2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
三段階に変容?
吹き抜けによって繋がってはいるが、それぞれの客席からもう一方のフロアの演技エリアはほぼ見えないという大胆な使い方をした会場で始まるのは「立体詩」のようなパフォーマンス。
下の階を選んだ身にはまるで「言葉が降ってくる」感覚。
が、階上から下りて来た男の実体験も入っているかと思わせるモノローグ以降は虚実の境界があるようなないような語りが中心となり、ブルーノプロデュースのドキュメンタリーシリーズを想起したりも。
そうして迎えるラスト、人によって解釈は異なると思うが、多くの女性たちは結局1人の女性の様々な内面(=思考・性質的なもの?)であった、と捉えて納得。
星読み騙り / #garadama
ガラス玉遊戯
「劇」小劇場(東京都)
2012/10/25 (木) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
「オトナの道徳教材」的な?(笑)
生命保険のセールスレディたちを中心に描いた物語にして「オトナの道徳教材」的な? 小学校時代の道徳の時間に見せられたTVのアレのオトナ版、みたいな。
営業経験のある身としてイヤーな記憶が蘇ったりしつつも舞台から目を反らすことができないのは「コワいもの見たさ」的心理か?(笑)
いや、それだけではああまで引っ張り込まれないだろう。
あと、まさかのアノ方のノンクレジットでの久々のサプライズ出演も嬉しかった。
NERO/ネロ
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
独特な「深夜2時頃の空気感」を堪能
過去2回の2プログラムものとは趣を異にし、基本的には同じ短編2本を異なるプロローグ&エピローグで挟むスタイル。
なので以前のパターンを期待すると肩透かし気味ではあるが、各プログラムの味わいは違うし、中身はどっぷりOi-SCALE。
どちらかと言えばAは実験的で、後半の「妄想カレンダー」はリドルストーリー風味。
一方のBは結末まで見せるものの漠然とした不安を残し、いずれにしてもOi-SCALEど真ん中。
それ以外の部分も含めて独特な「深夜2時頃の空気感」(←内容が深夜のハナシということではなく、Oi-SCALEの芝居が持つ雰囲気を勝手にそう思っているだけですので誤解なきよう)を堪能。
送別会
バイヲチックリサス
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/10/03 (水) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★
一方しか観られず残念
冒頭の二人のキャラの濃さで一気に引き付け、以降は彼らに振り回される「ややマトモ」な人々も交えて「あるある!」や「ありそー♪」なネタで逃げ切る感じ?(笑)
主宰(かつ作・演)が中心人物を演ずるBキャストはまた違った味のようだがコマがないのが残念!
第三楽章
劇団霞座
アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)
2012/10/04 (木) ~ 2012/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★
久石譲が五月蝿い(爆)
詩的・抒情的で演劇表現として(舞台美術も含めて)美しいが、久石譲が五月蝿い(爆)。
タイトルに因んで音楽を強調したのはワカるし意図も汲むが、台詞にカブせてあれだけの音量で流されると観ていてストレスが溜まるのも事実。
喫茶室あかねにて。
ホントに、月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2012/09/16 (日) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
かしまし芝居(笑)
文字通り「女三人集まれば姦しい」なハナシで構造的には前々作『保母、処女』と同様だが、もう1人、度を超えた(笑)キャラが加わることで差別化に成功。
このキャラ、無茶苦茶濃いものの出番の少なさでバランスを保ち、言わばワサビ的役割を果たしているのがまた鮮やか。
また、20日のチームSは冒頭から「そう来ますか!?」な(ほとんど反則(笑))配役の乱痴気騒ぎ的公演で、これじゃあむしろチームRなんじゃね?みたいな(笑)。
なお、13日にB'とB、20日にAとSを観劇。
ライ・トゥ・ミー【終演致しました。】
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2012/09/28 (金) ~ 2012/10/13 (土)公演終了
満足度★★★★
脚本・演出・出演とも名手揃い
地方都市で町興しに呼んだゲストの控室的に使われるバーでの人間模様。
ユーモラスな中にビターな味わいやスリル、そして捻りの加わった(と言うより「ひねくれた」?(笑))家族愛なども織り込んで、作、演出、出演それぞれに名手を揃えたなぁ、的な。
こい!ここぞというとき!(2012年サンモールスタジオ最優秀演出賞、受賞)
ポップンマッシュルームチキン野郎
サンモールスタジオ(東京都)
2012/10/18 (木) ~ 2012/10/29 (月)公演終了
満足度★★★★
意外にも後味爽やか(笑)
この団体に惚れ込ませた初演(@新宿ゴールデン街劇場)よりもキャラが増えておバカさ、不謹慎さともにグレードアップしたが、「親子の情」が芯を貫いているので意外にも後味爽やか。
ウェルメイド風の幕切れもアッパレ!
『よ〜いドン!!死神くん』と共に「親子もの」の双璧をなす名作だと思う。(「親子ネタ」に弱いだけにちょっと褒め過ぎか?(笑))
ゴベリンドンの沼 終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!
おぼんろ
ゴベリンドン特設劇場(東京都)
2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
「おぼんろマジック」、鮮やか
後味ビターな大人のお伽噺。廃工場を縦横無尽に動き回る役者たちの何と生き生きとしたことか!
また、無声映画の弁士的な語りや歌舞伎風の動きなども良きアクセント。
しかし、前作での全周演技エリアに上下の移動まで加えて次はどうするんだろう?(笑)
それにつけても「おぼんろマジック」、鮮やか。創る側は会場選定の時点から仕込みが始まり、観る側的には会場前に着いた頃から開演と言っても過言ではあるまい。
幕末スープレックス(東京公演)
劇団子供鉅人
ザムザ阿佐谷(東京都)
2012/10/04 (木) ~ 2012/10/08 (月)公演終了
満足度★★★
概ね良好だが欠点もアリ
ザムザ阿佐谷の古材を使った内装にピタリと合った時代もので、以前の劇団☆新感線の作風をも連想。
終盤で権力に屈しない民衆のパワーを見せるかと思わせてアメリカンニューシネマ風な結末となり、しかしそれをネガティブな印象にしない締めくくるのが上手く、また、生演奏・生歌をふんだんに取り入れた音楽劇的なツクリもイイ。
しかし開演定刻を2-3分過ぎてからのアナウンスは「間もなく開演致しますのでもうしばらくお待ち下さい」だけで、結局7-8分押したことについて全く触れなかったのはいただけない。
東京バンビ 最後の公演 !?
元東京バンビ
OFF OFFシアター(東京都)
2012/10/16 (火) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
逆境をバネに高く跳んだ!
作・演出担当メンバーの突然の離脱という事実をモチーフに「もしかしたら辿っていたかも知れないもう一つの道」を笑いをふんだんに取り入れて描いた「変形バックステージもの」、妙なリアリティがあるようなないような(笑)。
逆境を乗り越えよく頑張った、感動した!
冗談も交えて付加すれば「困った時ほと智恵が出る」「やればできるじゃん!」「窮鼠猫を噛む」などの言葉も浮かぶ…(爆)
スタンス
梅棒
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
ジェットコースターパフォーマンス
ジェットコースタームービーならぬジェットコースターパフォーマンス、それも最初に坂をノロノロ上って行く従来型ではなくいきなりスピードが出る新型の…。
そして3つのストーリーを台詞なしで雄弁に見せるだけでなく「あんなシカケ」や「そんなシカケ」も仕込んでいようとは脱帽!
また、アフタートークで出た今人さんの芝居のルーツ関連のハナシにもらい泣きしそうにもなる。
シェイク!!
ゲキバカ
王子小劇場(東京都)
2012/09/20 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★
続編も可能か?
単に沙翁作品を翻案したのではなく、そうせざるを得なくなる経過や劇団の過去も描いて(大好きな)バックステージものの味わいも加え、さらにドラマネタやアニメネタもまぶしたデコレーションケーキのようなツクリがお見事。
直接の続編は無理だろうけれど、あの劇団が新たな試練を迎える形式ならまたできるのでは?
まつもと企画 vol.1『トコトココントコトン 短いのいくつか』
小松台東
RAFT(東京都)
2012/10/10 (水) ~ 2012/10/11 (木)公演終了
満足度★★★★
演者の個性を活かしたコント集
出演者(異色顔合わせも含む)それぞれの個性に合わせた…と言うか何編かは実録気味(!?)な短篇オムニバス。
惜しむらくは落とし方が若干緩いことだが、これにパンチライン1つで落とす切れ味が加わったら鬼に鉄棒、無敵の破壊力になるのでは?
下品
ロスリスバーガー
新宿眼科画廊(東京都)
2012/10/12 (金) ~ 2012/10/14 (日)公演終了
満足度★★★★
見事な結末にK.O.される
専業主婦としての平々凡々な日常に疑問を抱き働いてみる主人公を個性的な面々が取り巻くという図式。
基本的にはすっトボけた会話(や人物)で存分に笑わせる中、主人公が自らの迷いに解答を見出だして「歩き始める」結末は見事でノックアウトされる。