
超人テレ娘!
Tricobo
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2013/08/02 (金) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★
小細工よりも構造でワカり易くして欲しい
超能力+タイムスリップというジュヴナイル系。
時制を往き来するだけに、その「場」がいつであるかを示す工夫はあるが、入り組んだ構造により今一つワカり難いのが残念。
構想から何度も推敲を重ねている作家と異なり、観客は原則的に予備知識なしで1回しか観ないので、小細工で凌ぐのではなく、もう少し構成面でワカり易くして欲しいなぁ。

PADMA vol.5 「戦国BARASHI」
Performance team PADMA
スクエア荏原・ひらつかホール(東京都)
2013/08/16 (金) ~ 2013/08/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
さらなる進化を遂げた感じ
キャパ400近い劇場でのパフォーマンスはまさに「劇場版」(いや、今までも劇場での公演ではあったのだけれど)。
舞台のタッパを活かした「かつてない」高さからのジャンプや客席通路も使った演出など、あれこれスケールアップ。
ある舞台のバラシと建て込みに来た裏方達が調子に乗って「芝居ごっこ」をしてしまうという構成で、前半はパフォーマンス中心、後半は(パフォーマンスも含まれる)芝居中心としたことにより上演時間時間は115分(休憩10分を含む)と史上最長だったが、体感的には90分程度。
もちろん新ワザやゲストパフォーマーとの複合ワザなどもあり、さらなる進化を遂げた感じ?

銀河鉄道の夜 〜青〜
からふる
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2013/08/19 (月) ~ 2013/08/22 (木)公演終了
満足度★★★★★
来年また新版が観たい!
銀河鉄道内にほぼ特化した前年版と較べ、お馴染みのあのフレーズから始まる分、原作に忠実になった反面「普通になった」感無きにしも非ずではあるが、その略し方が巧く、また、ラストやケンタウロスの祭りシーンを筆頭とした照明、天の川をモチーフとした装置なども良くて感服。
来年、さらに改めた版とか観たいなぁ♪

隣で浮気?
傑作を遊ぼう。rorian55?
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/08/16 (金) ~ 2013/08/18 (日)公演終了
満足度★★★★
翻訳戯曲感と舞台美術が魅力的
良い意味での翻訳戯曲感(言い回しとか論法とか)満載で、変に翻案したりしないその味わいを堪能。
また、白と黒に統一した舞台美術は3組の夫婦と2つの部屋をワカり易くするだけでなくデザイン的にもスタイリッシュでステキ♪

お酒との正しい付き合い方
月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2013/08/15 (木) ~ 2013/08/18 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤の論法・構造が秀逸
ある原因で眠りたいのに眠れないのでアルコホルの助けを得ている姉妹の対話。
愚痴と相手への思いやりがひとしきり語られた後の「心頭滅却すれば火もまた涼し」的なオチに繋ぐ論法、構造が秀逸。

「空のハモニカ-わたしがみすゞだった頃のこと-」
てがみ座
座・高円寺1(東京都)
2013/08/01 (木) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
器楽曲を管弦楽に編曲したようなオモムキ
「劇」小劇場での初演を観ていたので座・高円寺で再演と知った時には「どうなるんだろう?」と思ったが(失礼!)、逆にこちらを観て初演が想像できないほどに的確なスケールアップがなされていて、どちらも完成度高し。謂わば器楽曲を管弦楽に編曲したようなオモムキで、両バージョンを折に触れ上演して欲しい気も。
また、舞台上の演技だけでなく、壁に映る(演者や装置の)影も見どころ。

生きている家
ゲイシャフジヤマNo.1
小劇場 楽園(東京都)
2013/08/07 (水) ~ 2013/08/11 (日)公演終了
満足度★★★★
アイデアに脱帽
元ネタである狂言「梟山伏」でその翻案である本編部分を挟み込む構成によりテーマをワカり易くするアイデアに脱帽。
また、目にして「二方向客席対応」と思った装置の真意も見事。
さらに大好きなメタフィクション系のネタもいくつかありニヤニヤ。
それにしても初見であった前回公演と全く異なるテイストで来るとは…。
次回はどんなテで来るのやら?

黄金のコメディフェスティバル2013
黄金のコメディフェスティバル
シアター風姿花伝(東京都)
2013/08/15 (木) ~ 2013/08/25 (日)公演終了
満足度★★★
オープニングイベント
来賓(?)挨拶を含むセレモニー的なものの他に参加団体の主宰6人を2組に分けてのトークなどで構成された70分弱は随所に(良くも悪くも)江古田のガールズ的なノリが感じられた。
それにしても主宰トークでも話題となったが、コメディとはいえ作風が全く異なる団体の組合せは「異種格闘技戦」の様相、本戦を観るのが楽しみ♪

くろいぬケンネルVOL.3『学級会』
くろいぬパレード
OFF OFFシアター(東京都)
2013/08/07 (水) ~ 2013/08/11 (日)公演終了
満足度★★★★
「小学生あるある」が懐かしい
小学校での学級会のハナシ。
男子と女子の対立からキャラ設定から議論中の茶々の入れ方、ものの考え方にいたるまで見事なほど小学生で「昔、似たようなことがあったなぁ…」と遠い目状態。
それにしても前夜、隣で観たものと共通点が4つもあったのにはビックリ。
ちなみに初演は未見。

鉄の時代
劇団霞座
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2013/08/09 (金) ~ 2013/08/11 (日)公演終了
満足度★★★★
視覚的・聴覚的に美しい
ジグソーパズル的なストーリーを内包する「立体詩」。
どこを切り取っても視覚的・聴覚的ともに美しい場面ばかり。
そんな断片は一見バラバラだが直感的あるいは論理的に結び付けることができ、そんなあたりが「ジグソーパズル」たる所以(笑)。
物語性を犠牲にして芸術性を追求したとも言えるか?

紅の翼
ノーコンタクツ
萬劇場(東京都)
2013/08/02 (金) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
エンタメに徹した佳作
タイトルからも類推できる某人気長編アニメ作品を中心に複数のアニメ作品(他製作会社のものも含む)ネタも絡ませた娯楽編。
内容はもちろん、小道具を使わないマイムの表現(動作にピタリと合わせる神業音響も含む)や炭酸ズノウプロジェクト譲り(?)の飛行シーン、ウイットに富んだ台詞のやり取りなど、まさしくエンターテイメントに徹した佳作。
劇中のショー場面も楽しかったなぁ。(アレの替え歌など見事)

「バカの瞳はもれなく綺麗」
GORE GORE GIRLS
北池袋 新生館シアター(東京都)
2013/08/06 (火) ~ 2013/08/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ブッ跳んだ発想が楽しい
終盤がやや弱い感あるも、冒頭の「外国映画に出て来る誤った日本像」的な地方から見た東京像でツカミはオッケー、本題部分もナンセンスだったりシュールだったりでその発想の跳び具合が楽しい。
ま、一部地域の方は「ディスられた」と怒るかも知れないけれど、あくまでフィクションということで。あれを架空の地名にしてしまうと意味合いが違ってしまうもんなぁ。
上演時間は約70分。

桜の園
時間堂
日本基督教団 巣鴨教会(東京都)
2013/08/04 (日) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★
予備知識があったのが幸い
主要人物3人に絞り、他の人物は台詞も含めて省略するという大胆な手法の小1時間。
吉田秋生原作・じんのひろあき脚本の「櫻の園」を観て概略・人名と相関関係・一部の台詞などを知っていたのでついて行けたしそれなりに楽しめたが、予備知識なしだったら厳しかったろうなぁ。

彼らの敵
ミナモザ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/07/24 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
いろいろ考えさせられる
ユーモラスに始まり、次第にテーマを提示してゆくのでいつの間にか引き込まれて120分弱の長さは感じず。
ほとんど事実に基づいたという「過去パート」とフィクションである「その後パート」の往き来もモーフィングの如く滑らかで、なおかつ場面が変わってすぐにどちらかワカるのが巧み。
そんなスタイルで語るのは表現の自由・言論の自由の反対側(あるいは裏?)にあるものやマスコミの意義。
表現の自由を規制する方向への動きがある昨今、色々と考える材料を与えて貰ったといおうか、観ながらあれこれ脳内を過るものアリ。
暫く前に不慮の事故で遭難したヨット救助に関する批判があったものでそんなことにも考えが向く。
そうして迎える終盤での喫茶店の対決、主人公と女性ライターとの口論は白眉。
瀬戸山主宰の演劇人宣言(←そこまで大仰なものではない)も感じられたが、深読み?
さらに幕の引き方も「画竜点睛打つ」感じで鮮やか。

四畳半ベンチプレス
小松台東
OFF OFFシアター(東京都)
2013/08/02 (金) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
高校生のモヤモヤな日常
あれこれ何かとモヤモヤしている高校生たちを描いて懐かしいと言おうか「あったあった」と言おうか。
また、主人公がある象徴的なことをして幕を引くのも巧い。
2人を除いて皆高校生役というキャスティングも観ているうちに次第に違和感がなくなるのがまたフシギ(笑)。

タイム・アフター・タイム
天才劇団バカバッカ
ザ・ポケット(東京都)
2013/07/31 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★
中心部分の意外性
人数の多さゆえ序盤で複数の流れを併走させるのが雑然とした感あるも、プロローグとクライマックスを対にして本編を挟む構造と最後の落とし所はイイ。
また、親子ネタや社会制度に対する風刺かと思わせておいて語る中心部分の意外性と言ったら!(笑)
そしてそのネタ系としての新案と、それを使ってのクライマックスならびに落とし所に感心。
が、具体的に語るとネタバレになるので(Twitterなどでは)この程度しか語れないのが最大の欠点か?(爆)
あと、カーテンコールで口止めするところもイイ。

永遠の別れは永久の果てに
空想天象儀
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2013/08/01 (木) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★
チカラの入り方と抜け方
三部作の最終章、イマと過去を交錯させながら壮大なスケールの物語に終止符を打った手腕は認めるが、力の入り過ぎた感が無きにしも非ず(140分の長尺だし)。
一方、随所に入る「力を抜いた(=緊張感をフッと緩和する)」笑いの部分は好きだなぁ。
ところで、長めの上演時間を意識してか冒頭場面の台詞が1.5倍速再生のようで聞き取りにくいが、冒頭こそノーマルスピードでしっかり聞き取らせておいて、観客の気持ちを掴んでから徐々にスピードアップした方が良いのではないかしら?

ハネムーンメイビー
タイマン
高円寺 ライトサイドカフェ(東京都)
2013/08/01 (木) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
NGワードあり
新婚らしいのになんで?妻もそこまで言わなくても(こえー!)…な導入部で観客の気持ちをがっちり捉えてから真相(?)を明かして本題に入るのがクレバーで、さらに「そこまで極端ではないがいるかも知れない夫婦像」を「そういうカタチ」で見せるのが巧い。
終盤でちょっと無茶をやったり、必ずしも手放しで喜べない結末だったりもするが、一種のファンタジーとすればアリか?
しかし本作もNGワードと言おうか、コレを言ってはイケナイ、な言葉(?)があるので、迷っていらっしゃる方は、ソレが漏れる前に観ておいた方がイイのでは? そして後半の日程を予約済みの方はなるべく事前情報をシャットアウトした方がよろしいかと。

おしまいと、その続き
ハチビットプラネット
シアター711(東京都)
2013/07/31 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
8月の暫定1位!
前作に引き続き企業内の一見面倒臭そうな(笑)題材をワカり易く娯楽要素たっぷりに描いて痛快。
また、毎度ながら登場人物のキャラが立ってその設定・演技が見事。特に悪役の江ノ島が憎たらしく「悪役が巧いと全体が輝く」という持論に自信を持つ。
多少ご都合主義的な設定があったり、最後の切り札が読めてしまったりもするが、ご愛嬌だし安心して観ていられるし、で問題ナシ…というのは贔屓目か?(笑)

『うそつき』/『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了
満足度★★★★
キャストが1人代わるだけで異なるオモムキ
本作を観るのは踊れ場の2バージョン、前回の雨天決行に次いで都合4度目。
そして踊れ場の2バージョンとは異なり基本的にはそんなに違わない演出ながら、キャストが1人代わるだけでだいぶオモムキが異なるのが面白い。
今後ともいろんなキャスト、いろんな演出で観てみたい作品であり、将来的には「うそつき祭り」(!)のような企画上演があったらな、などとも思う。