クラウド・エンド・オルタナティブ
激団リジョロ
タイニイアリス(東京都)
2012/12/13 (木) ~ 2012/12/17 (月)公演終了
満足度★★★★
テーマが◎
「罪とその償い」「被害者遺族の心情」に始まり「復讐の連鎖の虚しさ」に至るテーマが◎。
また、幻想と現実を往き来する構造から実は彼らは既に死んでいて地獄で永劫苦しみを繰り返しているのでは?とも思ったり。
さらに、舞台両脇に置いたドラム缶や打楽器を出演者が叩き鳴らしながらの暴力シーンの迫力たるや…。
すべての夜は朝へと向かう
劇団競泳水着
サンモールスタジオ(東京都)
2012/12/12 (水) ~ 2012/12/24 (月)公演終了
満足度★★★★
「上野節」満載
冒頭から「上野節」炸裂(笑)。
以降、以前のトレンディ路線にコメディ、昼メロなどの要素をも加えた発展形的な内容を存分に楽しむ。
しかし、一部の登場人物は恋愛経験の浅い方にトラウマを与えかねないのでは?(半分真顔) ←ある程度慣れていれば(?)「あー、ワカる!」「あるある、そゆこと」なのだけれども。(爆)
なお、プロローグで「ある期間を短時間で見せる」手法が巧み。(複数箇所を混雑させた装置と相俟って、部分的に角角ストロガのフを連想したりも)
それにしても「相楽系」「小劇場系」がほぼクッキリ区分できる客層って…(笑)
弔いの鐘は祝祭(カーニバル)の如く
天幕旅団
劇場MOMO(東京都)
2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
原作を知っていても知らなくてもオススメ♪
イカンよ、原作を知らない人が観たらこういうハナシかと思っちゃうじゃないか!(笑)
しかもそれが大体合っていて大きく間違っていないから始末が悪い。(爆)
…ってコトで、知っていなくても知った気になれるし、知っていればより楽しい75分、オススメ♪
なぉ、勝手に付けたキャッチコピー(笑)は以下
「クリスマス・キャロル補完計画」
「人に歴史あり・スクルージ編、あるいはスクルージはいかにして守銭奴となったか」
健康のため、一時間おきに一五分程度の休憩を取りながら遊びましょう。
613
OFF OFFシアター(東京都)
2012/12/19 (水) ~ 2012/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★
2団体の持ち味を活かした内容
持ち味の違う2団体の特質を活かし組み合わせて「2つの世界」をそれぞれ描き出したことに感心。
が、夢落ちに準ずるカタチで緩和しているものの内容はビター。
一部ぼやかして観客の判断に委ねているし。←嫌いじゃないどころかむしろ好きだけどね。
しかしベテラン制作さんですらメモを確認するほどの長いタイトルはどーよ?(笑)
『上品』
ロスリスバーガー
新宿眼科画廊(東京都)
2012/12/14 (金) ~ 2012/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
温故知新、アッパレ!
余命いくばくも無い妻と寡黙で不器用な高倉健の如き夫というベタな設定のメイン部分は昭和のモノクロ映画に通ずるしっとり感あり。
そこに差し挟まれたブッ跳び系の妄想パートはもしかして照れ?(笑)
そんな組み合わせはまさしく温故知新、アッパレ!
生きてるうちが華なのよ。
グワィニャオン
萬劇場(東京都)
2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
もはや名人芸
ほぼ本格的なゾンビものに夫婦愛、親子愛、ひいては人間愛をたっぷり盛り込みユーモアで味を付けた名作が個性豊かな役者陣を迎えてさらにパワーアップして帰って来た感じ。
2度ある泣かせ所の配置や笑いの挟み方はもはや名人芸?
泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/12/13 (木) ~ 2012/12/25 (火)公演終了
満足度★★★★
頑張れハジメ!
昭和史の一部がグイグイと迫って来る感覚で、戦後の復興の陰にはこういう人達も少なからずいたのだろうななどと思う。
また、大好きな『泥花』の前日譚…どころか「直前日譚」で、あちらの冒頭シーンが浮かんで来るくらい。
いつか三部作の連続上演などあるといいなぁ。
そして、頑張れハジメ!
東の龍と西の太陽
劇団熱血天使
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
スケールの大きい音楽劇
芝居・ダンス・歌が三位(照明・音響もあるので五位?)一体となったスケールの大きい舞台で劇団四季の持ち味に通ずるものアリ。
ただ、古事記からのエピソードが有名なものばかりなのでワカり易い一方、若干の喰い足りなさが無きにしも非ず。
とはいえ、現代の院生が「ある人物」の手引きによって時空を超えて神代にスリップするという枠組みも好みで、漠然と「不思議の国のアリス」を思い浮かべたりも。
ラブサードホテル
ゲイシャフジヤマNo.1
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/12/12 (水) ~ 2012/12/15 (土)公演終了
満足度★★★★
バカバカしくて楽しい
ラブホテルを舞台にしたオムニバス…というか進むにつれ各編が関連してくる連作。
なので序盤はやや味気なさを感ずるも尻上がりに良くなる。
「鍋」「半額で済む手段」「プロレス」(←各編のタイトルではない)などバカバカしくて好き。
また、オープニングとエンディングなどの映像も上出来で楽しい。
評価
大ナカゴー
座・高円寺2(東京都)
2012/12/12 (水) ~ 2012/12/14 (金)公演終了
満足度★★★★
いつもに輪をかけておバカ
「大」を冠するだけにホント大バカ、いつもに輪をかけておバカで声をあげてワロタ。
しかしあまりにおバカであんな方やそんな方のせっかくの「ワザ」を忘れてしまいそうなのはどーよ?(爆)
また、終盤のあるシーンはややクドい感無きにしも非ず。
一方、開演がやや押したが、間のもたせ方は抜群。他団体もそのサービス精神を見習うべし!
「ストレンジャー イン ザ 騎士」
無頼組合
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2012/12/07 (金) ~ 2012/12/10 (月)公演終了
満足度★★★★
シリーズ佳境!
今回は特に70年代後半の東映アクション映画の雰囲気が色濃く漂う。終盤の銃撃戦のせいだろうか?
その銃撃戦もシナトラを流しながらというのがニクいねどうも。また、幕切れに衝撃の事実を明かすのはシリーズ初か?
待たれる次回♪
Knight of the Peach
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
邪道ver.
「表層の正・裏面の邪」「行動の正・心理の邪」なオモムキ。また、正で残った疑問点に対する回答も含まれており、観る順がこれで良かったと思う一方で、逆順で観たらどう感じたろう?と思ったりも。
Knight of the Peach
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
正道ver.
イヌ・サル・キジ(や鬼、キビダンゴ)は出てくるものの桃太郎がなかなか登場しないだけに中盤で4者が集まった時の「キターーーッ!!」感たるや!(笑)
それにしてもあの話をよくもまぁ「海賊風味」に仕立てたものだ、と感服。
ひげ太夫第34回公演「トラジャ百香拳(ひゃっかけん)
ひげ太夫
Geki地下Liberty(東京都)
2012/12/05 (水) ~ 2012/12/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
最高傑作、ここに誕生
形あるものや光など可視的なものならともかく、香りや味などまで身体で表現するとはおそるべしっっ!!!(笑)
また、物語も従来に増して練れており、大技も「いつもより多めに入れております」な上に空中三点倒立などという新技も披露して、15周年の最後を飾るに相応しい。
聞けば近年は11人体制のところ今回は9人での上演だったそうで、その陣容での大技の増量には感服。
最高傑作ここに誕生と言っても良いのではないか?
なお、今回ツボを突かれたネタ(?)は自転車とガチャピン(笑)。
トリビュート企画『feat.白井』 【終演しました。ご来場有難うございました!】
サイバー∴サイコロジック
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/12/04 (火) ~ 2012/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
シューティングガール×バイオミュージック
キャラのたった6人の姉妹が交わす会話は言い争いでさえ血の繋がり故の甘えや思いやりが滲み出ていて鮮やか。
さらに終盤での収束のさせ方も定番ではあるが上手く、満足度高し。
また、「白井肉丸嬢の客演状態を作る」という松澤主宰の企画意図も見事にクリア。
ところで「焼きおにぎり定食」もさることながら「紅しょうが定食」「フルーツグラタン」とはいかなるものなのか?気になって仕方ない。(笑)
第二回 演劇早慶戦
演劇早慶戦実行委員会
牛込箪笥区民ホール(東京都)
2012/12/08 (土) ~ 2012/12/08 (土)公演終了
満足度★★★
奇策が裏目の早稲田2連敗…
作品ではなく沙翁その人をテーマにしたという早稲田の「青の楽園」は奇策が裏目に出て自滅?
対する慶應の「ロミオとジュリエット/ロミオとジュリエットみたいなの」はロミジュリに飛龍伝を組み合わせてワカり易く娯楽性も持ち合わせ、「よくワカっていらっしゃる」な感じ。
思い返せば第1回も早稲田は終盤で映像を使う奇策…と言うより演劇表現を放棄する愚策(←私見)を用いて敗れており、第3回は2度連続の敗退を糧として頂きたく。
なお、今後の改善策の参考までにマチネのタイムテーブルを以下に記しておく。
13:20 開演(20分押し)
13:30 早稲田大学「青の楽園」開演(上演時間65分=5分オーバー?)
14:35 休憩(予定では15分間が40分間に)
15:15 慶應大学「ロミオとジュリエット/ロミオとジュリエットみたいなの」開演
16:15 両校エール交換・開票結果発表
16:35 終演(ソワレ開場予定時刻の5分後)
トリビュート企画『feat.白井』 【終演しました。ご来場有難うございました!】
サイバー∴サイコロジック
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/12/04 (火) ~ 2012/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
閻魔堂モラトリアム
劇中で現世を等活地獄が侵食していった如く、+1の世界をサイバー∴サイコロジックが徐々に侵食して行く感覚は両団体のイイトコ取りで、企画の勝利。
また、「自殺はダメよ」なメッセージで終わるのもイイ。
吃逆の祭り -キツギャクノマツリ-
劇団五〇鬼
北池袋 新生館シアター(東京都)
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/04 (火)公演終了
満足度★★★★
今市子的世界
民間伝承とホーム(?)コメディ要素を融合させた「青嵐のいない百鬼夜行抄」的(あるいは今市子的)世界が好み。
やや古い日本家屋(いわゆる旧家ではなくごく一般的な家)を表現した装置と岡山の訛りも相俟って柔らかくどこか懐かしさを感じたりも。
グッバイ、マザー(たくさんのご来場&コメントありがとうございました!)
劇団ズッキュン娘
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2012/12/07 (金) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
女性ならではの作劇?
やや破天荒な母の行動で笑える前半と、主人公であるその娘が友人の指摘により母と自分について「悟りを開く(笑)」終盤の対比が鮮やか。
また、多感な年頃で時に身勝手な娘の心理も巧みに描かれ、なるほど実体験がベースなだけのことはある、と。
さらに「あー言えばこー言う」な母娘のやり取りや主題歌・挿入歌も楽しく、かなり満足。
(星は御祝儀の意味もありちょっとオマケ(爆))
青のはて ―銀河鉄道前奏曲(プレリュード)―
てがみ座
吉祥寺シアター(東京都)
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/03 (月)公演終了
満足度★★★★
盛り込み過ぎな感無きにしも非ず
意図は汲むし個々の場面も良いが全体としては盛り込み過ぎで頭でっかちな感無きにしも非ず。
一方、賢治作品のモチーフが登場すると、劇中設定から「これが原形なのね」と錯覚したりするのは楽しく、見事に術にハマった感じ?(笑)
お得意の(?)対面客席にした美術や間接的なものも使った照明も◎。