高野ヒロノリ@福岡の観てきた!クチコミ一覧

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座布団一枚の哲学

座布団一枚の哲学

非・売れ線系ビーナス

博多南駅前ビル 多目的オープンスペース (福岡県)

2007/06/15 (金) ~ 2007/06/19 (火)公演終了

満足度★★★★

分かり難い凄さ
半端ない情報量とごった煮の小ネタ、加えて次から次に展開する噺家(=哲学者?)たちのめくるめく群像劇。
作品の土台はあるのかもしれないけれど、これだけの脚本をあれほどのテンポで描くにはちょっとやそっとの才能ではこなせないと思う。
どのようにして作り上げたかという点で考えれば尊敬したくなるほどの詰め込みっぷり。
だけど、それが観る側の満足度に繋がるかというと、別な話なのかも。

ネタバレBOX

落語や哲学の知識が必須、とはいかないまでも、その面白さが分からない人には最初の段階から距離ができちゃうわけで。
(専門的な題材を扱う以上はどうしてもついて回る課題なんですが)
そのへんの匙加減は難しいところですね。


それにしても魅力的な女優さんの多いカンパニーだわ。
滅裂博士

滅裂博士

南河内万歳一座

西鉄ホール(福岡県)

2007/06/03 (日) ~ 2007/06/03 (日)公演終了

満足度★★

やりきれない気持ち
冒頭のB級ホラーなテンションには驚かされたんですが、
本筋の病院の話になってからは比較的おとなしめの(それでもギャグは随所に散りばめられてた!)空気で進んでいって、最終的にはだんだん間延びしていったかなぁー?な印象。

ネタバレBOX

テーマらしきものがあまりにもセリフとして語られすぎていて、受け手としては逆に見失わされてしまった気がします。


なんていうか、見方が難しいつくりでした。
よれた僕らの水平思考

よれた僕らの水平思考

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/05/31 (木) ~ 2007/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

前評判通り!
何も考えずに楽しめる、小粋なコメディ作品でした^^
このくらい元気なのが彼らぐらいの世代にはしっくりくるのかもしれないですね。
無理に背伸びしたりせず、純粋に面白いと思えることを等身大でやっていて、すごく好感が持てました。

ネタバレBOX

いくつか「これは伏線か?」と思わせながらも結局回収されなかった要素があって、深読みしすぎたのかなと。


『“政治”学のテスト』と『“セイジ”先輩』は絶対どこかで絡むと踏んだんだけどなぁ。
見逃しただけなのかなぁ?
モーゴの人々

モーゴの人々

シティボーイズ

J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)

2007/05/19 (土) ~ 2007/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

国内屈指の悪ふざけ。
昔からのファンなのだけど、未だに「どこが面白いのか」という点が説明できなくて困ってます。
「シュール」って一言じゃ何も解決しないし。
ネタの一部を話しても絶対ピンと来ないだろうしで。
だから結局、「観ないと分からない」ってことになっちゃうんです。

ネタバレBOX

無駄にゴージャスなセットに生バンドまで仕込んじゃって、実際やってる事はいつものどーしよーもないおバカなコント(褒め言葉)で。


ホント月並みな表現だけど、ずっと笑いっぱなしでした。


ただやっぱり個人的には三木聡時代を超えるまではいかないな、という印象です。
何が違うんだろう?その正体もやっぱりうまく説明できないや。
お彼岸の魚

お彼岸の魚

ニットキャップシアター

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/05/18 (金) ~ 2007/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

すげ!
こんな芝居をこそやってみたい!とすら思ってしまった。
そのくらいピッチリと肌に合った芝居でした(賛同者不要)。


全然ノーマークだったなぁ…

ネタバレBOX

入場直後からセットの作りこみ方がすごくいいな、と思って眺めていたら、本編中で超ビッグサイズの大仏が登場するわ舞台狭しと「関係ない人々」が暴れまわるやらハイテンションLIVEが始まるやらでカオス状態に。


その上で謎を残しつつしっとりと幕を引くラストシーンの感触がすこぶるクールで、魅了されました。脱帽。
でもこれ、一部のジャンルの舞台人から見れば邪道もいいところなんだろうなぁ。
(だからこそツボを突かれたんだ、きっと)
ツグノフの森

ツグノフの森

G2プロデュース

西鉄ホール(福岡県)

2007/05/11 (金) ~ 2007/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★

役者力。
特に劇団出身者ばかりが集められたらしく、西鉄ホールぐらいの大きさもピッタリはまったキャスティングだったと思います。
中でも久ヶ沢徹さんはやっぱりすごい。
あの力技というか何というか(笑)

ネタバレBOX

コメディ要素は言わずもがなですが脚本の複雑さがミステリアスな雰囲気を作っていて一筋縄ではいかない感じ。
残された謎も沢山。うーん意地悪。


個人的には舞台じゅうに置かれた真っ白なキャンバスに照明が当たって輝くさまが非常に美しくて感動でした。
「OTO~デシベルジャングルにグラマー美人~」

「OTO~デシベルジャングルにグラマー美人~」

劇団きらら

西鉄ホール(福岡県)

2007/05/07 (月) ~ 2007/05/07 (月)公演終了

満足度★★

「12年前の作品」っていう点で
それが古いと感じるか古くないと感じるかの話が多いようですが、
そこで言えばボク的には前者かなと。


作品のフォーマットの話になっちゃうのかな。
なにより背景になった時代が違うだろうしで…

ネタバレBOX

なんだろうな。
観て少し時間が経ってるせいもあってうまく言えないけど。


結局最後までどの登場人物にも感情移入できなかったんですよね。
デジタルでもアナログでもない、その双方を揺れ動いてる感触についていけなくって。
言ってる事は理解できるけど納得までには至らない、そんな感じ。
ボク自身がどこか突き放してるのもあるかもしれないです。
蒲団-futon-

蒲団-futon-

のこされ劇場≡

西鉄ホール(福岡県)

2007/05/05 (土) ~ 2007/05/05 (土)公演終了

満足度★★★★

もんのすごく勉強に
ここの主宰の市原氏はボクと同じ誕生日だそうで。
ていうのもあって良いところ見つけたらなにがなんでも持って帰ろうと思って前のめりになって観させていただきました。


…いやー勉強になりました。

ネタバレBOX

美術関係などは特に。
イスやテーブルに早変わりする、水入りの箱(!)の扱い方、その水に反射する照明効果など、「ああ、ボクの引き出しには無いなぁ」と思わされるものばかり。
役者さんの演技も福岡とは匂いが違う感じで新鮮。ここも学ぶべき点。
脚本の構成についてもいろいろと話題になっていましたけど見事。
ただ少々、劇団プラスチップ(ストーリー上の架空の劇団)のノリを固めすぎてカーテンコールの空気がやんわり流れてしまった感があったかなと。
「プラチ」から「のこされ」に戻る瞬間まで何らかの演出がついていれば、観終わった後のスッキリ感が増したのではないかと。
カンディード ー或いは、楽天主義説ー

カンディード ー或いは、楽天主義説ー

空間再生事業 劇団GIGA

西鉄ホール(福岡県)

2007/05/03 (木) ~ 2007/05/03 (木)公演終了

満足度

予想通り
少なくともボクは苦手な空気のお芝居でした。

ネタバレBOX

あらすじが、パンフレットの裏に始めから終わりまでびっしりと書き込まれていました。
ということはこれははなからストーリー展開で楽しませるようなものではないという事なんですね。
そのストーリーをどう表現するか、という点で見せる舞台なのだと。
実際、ぶっ飛んだセリフや動き、ダンス等のイメージの羅列で構成されたもので、予備知識ナシじゃちょっときつい。
で、パンフにそのあらすじを書いてくれているところまでは良しとして、それを読む猶予(=客入れ時間)がたったの15分ってのはあんまりな気がするんですけど。
まさか、観に来る前に原作を読んで来いとでも?
ひょっとして「みんな読んでて当たり前」だなんてことは思っちゃいませんよね。


そのへんのチグハグさっていうか、観客との距離の取り方がイマイチ分からないんです。
アフタートークでも演出意図についてそこそこ答えやすいパスをもらってるはずなのに、あまりにも歯切れが悪くて辟易。


とにかく興味の続かない舞台でした。
三月の5日間

三月の5日間

チェルフィッチュ

イムズホール(福岡県)

2007/05/02 (水) ~ 2007/05/03 (木)公演終了

満足度★★★★

まいったなこりゃ
予備知識なしで観るとかなりの衝撃を受けます。
それもアッパーカットみたいにフィニッシュブロー級のじゃなくてボディーブロー的な鈍い感じの奴。
後から効いてくる奴。
いわゆる熱い演劇しか知らない人はそのクールさに唖然となりそう。

ネタバレBOX

役者が直接、観客に語りかけるところから始まるんです。
それもあくまで普通~の声量で。
大した抑揚もつけず、理路整然というわけでもなく、ただ、普通に。
例えるならそのへんのファミレスで聞こえてくるようなノリ。
ファミレスどころか、ちょっと人が多いところに行けばどこからでも聞こえてくるノリ。
なんなら、自分の友達と会話するようなノリ。
そんなノリが全編を包み込んでいるわけです。
それが完全に台本通り、っていうのが凄い。
そしてきちんと(?)話が観客に伝わるように作られているのがまた凄い。


あらゆる方法論のスキマを付いた、微妙~なものを抽出・表現するバランス感覚にただひたすら感動しました。


この舞台、「反戦」というテーマがあったみたいですが、それ自体はストーリーに深く係わっていたりはせず、そのへんの主張だ何だを期待していた人にとっては肩透かしに思えるかもしれません。


どちらかというと、肩透かしをくらうような(劇中で語られた「デモの前の方の」)人や逆に何の関心も無かった(同じく「デモの後ろの方の」)人にその事実を確認してもらう程度の狙いに留めておいたのかなと、ボク個人は捉えました。
大ギンギラ博覧会 2007 流通戦争スペシャル

大ギンギラ博覧会 2007 流通戦争スペシャル

ギンギラ太陽's

西鉄ホール(福岡県)

2007/04/19 (木) ~ 2007/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

これがギンギラか!!
評判通りのゴージャスな舞台。堪能しました。
総集編って事であくまで初心者向け、常連さんには少々物足りない、みたいな感想が出てくるのは仕方ないかなと。

ネタバレBOX

何よりもこれは、福岡の物語なんですよね。
その内容を福岡人は“物語として知っている”というよりも“感覚的に染み込んでいる”もので、だから多くの共感を呼ぶのかなって気がしました。
ボク自身「だよね」「なるほど」「へぇ」の連発。


観客をムリクリ巻き込んじゃうノリも、同じ福岡人だからって意識からくるものだとすれば決していやらしくは感じませんでした。


確かに、この劇団は福岡に必要だわ。
八人の女たち

八人の女たち

劇団ショーマンシップ

甘棠館show劇場(福岡県)

2007/03/29 (木) ~ 2007/04/02 (月)公演終了

満足度★★★

女優第一
今回はフランスで映画化されたバージョンを観てしまっていたので、いつものように事前情報を極力シャットアウトしての観劇ではなかったのですが…
それでも充分に楽しめる公演でした。
みなさんが声を揃えて言うように、女優さん達のレベルが高い!

ネタバレBOX

特にK2T3後藤さんの存在感は筆舌に尽くし難いもんで、登場シーンから雰囲気バリバリ。オーラバリバリ。
もちろん他の女優さんも緩急のつけ方が上手くて、ストーリーが気持ちよく転がっていくんです。
勉強になるわぁ。
キャストに関しては申し分ないんですが、ややスタッフワークが追いつけてないような印象も。
とりわけ音響についてはタイミングが微妙、音も小さいし選曲もいまひとつって感じでした。


今どき「バキューン」なんて銃声を使うのはちょっとねぇ…
リトルレディ

リトルレディ

集団あしゃしゃ

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/03/13 (火) ~ 2007/03/13 (火)公演終了

満足度★★

正義はどこにある
若手中の若手ですね。
先日観た、とある芝居に出演していて気になってた役者もいたし、
作・演出がちょっとした知り合いなので(本当にちょっとしたもんですが)どうなるだろうかと楽しみにしていました。


思わずハッとさせられるような、弾けるような躍動を見せてくれる場面もあったのですが、


しかしまだ劇団としての方向性ははっきりとは伝わらず、未熟さの殻を破りきれていないように感じました。

ネタバレBOX

このあたりの世代はやっぱり社会風刺をしたがるものなんですね。
事前情報からも扱っている題材は明らか。
シナリオの導入部もまさにド真ん中でテーマをつく形で始まります。


でもね、


その題材がどれだけ大きく重たいものなのかを作り手は理解してやっているのか、よく伝わらなかったんです。
確かに問題は提起していたかもしれない。
では、提起したなりの、彼らなりの回答は?


完全にネタバレな話をしちゃいますが、この物語のラストは、あらゆる問題の発端となった人物が「ごめん!」と謝ることで締めくくられます。


…それでいいんでしょうか。


マズい料理を作ってしまった。誰もがマズいと腹を立てている。
「ごめんなさい!次はおいしいの作ります!」
そんなアバウトな平謝りで何か解決するのでしょうか。


違う気がします。


「謝れ!」なんて事は誰でも言えるじゃないですか。
表現者ならばもっと違う形で、万人が納得しなくてもいい、何らかの可能性を示さなければならないと思います。


無理に難しい問題を描こうとするよりも、この劇団には元気で魅力的な役者がたくさんいるのだから、カラッとした楽しーい事をやってもいいのかなと思います。
まだまだ期待してますよー。
キャプテン

キャプテン

劇団風三等星

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/03/10 (土) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

こいつはマズいな
カゼサンは過去にも何本か観させてもらったのですが…


“初のシチュエーションコメディ”と銘打たれた今回の公演こそ、実はこの劇団の真骨頂を味わえる、一つの完成形かもしれないと感じました。
舞台狭しと役者を暴れさせる演出スタイルが、空間を限定することでよりドタバタ感の増幅につながり、観ていて楽しい。面白い。
器用な役者さんが多いから数々の小道具を見事に使いこなして、笑いに、ストーリー展開に、的確な味付けを施している。


個人的には、カゼサン史上もっともツボにハマった公演でした。

ネタバレBOX

簡単なあらすじ。


借金取りに追われて腕を骨折した主人公のホテルマン・西沢は結婚式の総合責任者である「キャプテン」の役割をアルバイトの岩崎に任せることになる。
そこへこうるさい支配人やトラブルメーカーのウエイトレス高田、西沢の元恋人・尚子やその兄・尚太郎などが次から次にトラブルを持ち込んできて…


といった感じ。
実はストーリーそのものは真新しい話じゃないんですよね。
シットコムの基本に忠実で(ってのもうるさ方に言わせりゃ山ほど条件があるみたいですがそんなこたぁ言うだけ野暮ってもんですよ)、
突拍子もないアイデアには頼らず、だいたい全ての出来事にきちんとした背景がある。


これがまた、観ていてすごく安心できるんですよね。
丁寧に笑わせてくれるもんだから難しいこと考えなくていい。


結末がまたいいんですよ。
諸々のトラブルがうまい形に収まって、最後にはオチもつく。


ヒントは「おでん」です。


客席はその果てしないサービス精神に完全に乗せられていました。
もちろんボク自身も。
このぐらいのレベルの公演が増えれば間違いなく福岡演劇界は盛り上がっていくと思う。
というより、やっていかなければならない。
そう考えるとペーペーながらも同じ演劇人としては強めに尻を蹴られるような義務感に苛まれちゃうのですよ。


これはマズいことだ。頑張らなくては。
あるブタ肉のおはなし。

あるブタ肉のおはなし。

九州大学大橋キャンパス演劇部

多次元ホール(九州大学大橋キャンパス内)(福岡県)

2007/03/07 (水) ~ 2007/03/09 (金)公演終了

満足度

どうしてくれよう
学生さんだから、練りこみ不足の脚本も容認してあげるべきなのか。
格安公演だから、得るものが無くても仕方ないと諦めるべきなのか。

ネタバレBOX

否!!
無視はできまてん!!


ひとまずは脚本の構成から思案の余地だらけ。
全体的にどうにもご都合主義というか。
おそらくラスト(あるキャラクターがブタ肉を食べるか食べないか選択を迫られる)のために組み立てていったのだろうけれども、その過程が驚くほど大雑把だもんでとても盛り上がらない。
何気なく出会った人物と、自己紹介しただけでお友達になれるっていうのはどうなのだろう。
人と人の出会いにはもっとドラマというか気持ちの流れが生まれるはずですが…
数々の突拍子もない言動に摩擦する事なくホイホイ話を進めていくもんだから、どの登場人物にも感情移入する隙が見えず。
(それぞれのキャラクターは実質「人間」ではないんだろうけど…それでもねぇ)
意外と事件性もなくて、ほとんど道すがらのやり取りだけでストーリーは展開。
大事なシーンに入ってからも次々と伏線なしの新しい事実が発覚。


前のシーンの会話・展開が後のシーンに活かされず、活かすつもりでやっているところもイマイチ弱い。
そういう印象を受けました。


また、役者の演技力にかなりのムラが…そこぐらいはまぁ、学生だからと納得してもいいんだけど。
もう少し「間」を詰めたり、ギャグがウケそうかスベりそうか判断したり、基本的な部分を演出家はどうにかできなかったものかと。


役者だけで か な り の やりたい放題でしたよ。


会話のテンポを上げるだけで上演時間を半分にはできたんじゃないかなぁ…


他にスタッフ的な面でもあれこれと言いたい事が山ほど。


総合的に観て、かなり評価し難い作品でした。
若さにもいろいろあるんですね。
PLAY

PLAY

劇団Doggaebee(トケビ)

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/02/05 (月) ~ 2007/02/06 (火)公演終了

満足度★★★

なるほど…
韓国の劇団ということでややガードを高くして挑みましたが、
今となってはそれが正しかったのか間違っていたのか。

ネタバレBOX

何でもアリと銘打たれた公演内容は確かに何でもアリ。
が、完成度には疑問が残りました。


第1部は光と音を強調したオープニングダンス。
音楽には迫力がありました(演奏してた4人がたぶんこの舞台で一番のエンターテイナーかと)。
がせっかくの光の使い方があと一歩!!
イヤ、綺麗なんですよ、綺麗だったんですけどね。
4本の幕を4色の照明で照らしていて、踊り子の手持ちのランタン?みたいなやつも同配色の4色あるのに、並び順が微妙に食い違ってるから、観ていて「そこ合わせてよ!!」ってなっちゃう。


赤 青 黄 緑
青 赤 黄 緑


↑確かこんな並びになってて。右半分は合ってるやん!!って。
細かい事なんですけど^^;


そんなギリギリのところで惜しい!ってのが随所に見られて、演出家はそーいうとこ何も感じなかったのかなと不思議でなりませんでした。
(その回だけのミスならいいんですけど…)


第2部の仮面劇は純粋に面白かった。


第3部の現代劇は演技に合わせてスライドで字幕を出すんですが、これがもう直訳もいいところ。せめて日本人スタッフに目を通させて、読みやすく潤色するべきだったのではないでしょーか。
その上オペレータースタッフの手際が悪いこと。
会話に追いつかず字幕が先に飛んだり戻ったりしててイライラ。
話が追えない!!


第4部はフィナーレとして再び音楽&ダンス。
ここでも太鼓叩きの4人組のパフォーマンスはズバ抜けて楽しめました。
その前のどんよりした曲(日本の方の作曲ですよねコレ)&ダンスはなんか全体の中でも浮いてた印象。


結果として。
純粋に楽しめた部分、
作り手の意図とは違うところで楽しめた部分、
何も考えず楽しむべきなんだろうけど余計な邪推のせいで楽しめなかった部分、
明らかに心に届かなかった部分、
そういうものがゴッチャゴチャに詰め込まれていて、


まだまだ文化の壁には取り除かれていない何かがあるなと感じました。




そこはつまり今の段階では演ることに意義がある、ってことなのかなァ。
インディゴブルーの本当

インディゴブルーの本当

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

甘棠館show劇場(福岡県)

2007/02/17 (土) ~ 2007/02/19 (月)公演終了

満足度★★

うらやましくもありつつ
予想以上のヤングパワー炸裂!


のっけから舞台狭しと暴れまわる役者たちを観て自分が年を取ったような気にさせられた。(そんな気がしただけだよ!たぶん!)
思ったより上演時間は長め(110分ぐらい?)で、実はボク自身の作品の理想とするサイズにすごく近くて、ますますその方法論への興味が増しましたが。

ネタバレBOX

「起承転結」の「承」だけで話が進んでいる印象でした。
「起」たるスタートポイントが明確じゃなく、「転」のあたりも疾走感に欠けてて、「結」もなんだか全てが解決したのかどうか分からずよろしく感じられない。
伝えたいテーマが重すぎ、多すぎなんですね。
多すぎるもんだから、2時間もあるのにそれでも足りなくて、結果ひとつひとつが薄ーく軽ーくなっちゃったみたいな。
しかも同時進行だから観客としても「今どこ追いかければいいの?」みたいになってたのではないでしょうか。(テーマに対して)


作家の頭の中では膨大な時間をかけて整理できていることでも、観客に与えられた時間は「上演時間」しかないわけだから、その中でどれだけ分かりやすくするかが課題になってくるんですよね。


「理解できない方が悪いんだ」とか絶対に言っちゃいけないわけで。


稽古場もキツかったはずですよコレ。
こういうタイプの芝居の稽古やっててキツくなかったらどんだけテーマの掘り下げに尽力してないんだって話になっちゃいますもん。


あと気になったのは衣装。というかその使い方。
各キャストが元の役とは違うコロス的な位置にいるのに、衣装がそのまんまだから「え?さっき別のところにいなかった?」ってなるんですよ。
せめて何か羽織らせるとかして差別化していただかないと。
(おそらく意図せずに微妙にできているところもあっただけに、ことさら)
そういう部分も全体の分かりにくさに拍車をかけていたかもしれません。


若さ…若さか…


さぁ次回は川口君の作品らしいですね。
まだ観た事なかったので期待大です!!
空想上洋品店

空想上洋品店

劇団ぎゃ。

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/02/09 (金) ~ 2007/02/11 (日)公演終了

満足度★★★

もう一歩先を!
普段あまり舞台を観ないボクもぎゃ。さんはこれで3回目。
どちらかというとたくさん観てる方に入ります。


いやしかし、今までにないくらいポップでしたねー。
「洋服」がモチーフだけに衣装やその他の部分での色彩設定にはかなり気を使ったのではと思います。

ネタバレBOX

以下、超個人的見解。


ものすごく色々な場所で「惜しい!」と感じた部分があり、楽しみたい一方でどうしてもそこが気になっちゃって。


世界観は好きなんです。大好きなんですよ。


でもその世界をより深く味わうためにはまだまだ徹底できた部分があるのではないか。
暗転はもっと短くしてほしかったし、もう1~2本、洋品店と別のエピソード(最初の老婆の話みたいなの)を盛り込んで欲しかった。
ボクが観た回だけだろうか、一番最後のチャプター(たぶん1)のスライドが無くて拍子抜け。
床に描かれた間取り(ドッグヴィル形式?)の使い方が案外普通だった。
ここまできたらドア開閉の音が欲しかった。


などなど。


役者さんのパフォーマンスの方向性はかなり完成に近いものだと思います。
だもんで、演技以外の段取り的な部分が今後強化されていけば、さらに面白くなるはずだ、と期待しています。

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