nらoむkれe〜nずaんkの観てきた!クチコミ一覧

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月いちリーディング 16年3月

月いちリーディング 16年3月

日本劇作家協会

座・高円寺稽古場(B3F)(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/05 (土)公演終了

満足度★★★★★

素敵な
劇団「TOKYOハンバーグ」主宰の大西弘記さんの脚本。視点、テーマが興味深いもので、作品として魅力的だった。リーディングであり、視覚的な情報が無い中でも情景が思い浮かぶのは、作品の力であり、言葉の力である。そこに、たしかな表現力を持った俳優陣が、無駄な力みなく生きていて、確かに存在していた。だから、登場人物がみんな魅力的だった。俳優って凄いということを再認識した。ブラッシュアップのためのディスカッションもさまざまな視点で作品を振り返ることができて封意義な時間だった。

ホテル・ミラクル3

ホテル・ミラクル3

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/03/04 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

初日
オープニングが工夫されていて楽しかった。『愛(がない)と平和』が印象的だった。シリーズ中、最も直球のAV 感。これでもかとキスとSEXを見せつけられる。でも、後半の物語の転がり方は見事で、前半のどエロを忘れるほど引き込まれた。覚悟とサスペンス。●チタキヨの米内山陽子さん脚本の『後始末』は可笑しかった。あんな立場になったら恐ろしいけど笑ってしまう。能澤佑佳さんのアジアな女っぷりがツボ。AVかぶれのバカ男のSEXをディスるのが痛快ながら、オトコの愚かさとオンナのしたたかさを改めて知る。こえーよぉ。●今回はシチュエーションが面白い作品が多い。『エンドゲームスタディガール』もかなり可笑しい。いろいろユルイ女の行動検証する友人の前田友里子さんが見事。登場から笑いっぱなし。恋愛テクを指南する様…いや問題行動を指摘する様が最高。男と女の目を持つ感性に脱帽だな。●第1話『VIP』は、サスペンスという新境地を開拓した劇団競泳水着の上野友之さんの作品。武川優子さんの冷静さが物語とギャップがあって素敵。あの後の二人の展開はどうなるのだろう。そう、その後が一番気になる作品だった。一番ソフトな印象。第1話にふさわしかった。

モリー

モリー

Straw&Berry

サンモールスタジオ(東京都)

2016/02/26 (金) ~ 2016/03/02 (水)公演終了

満足度★★★★★

もう
いきなりのエロ。作品は全然過激ではなく、女性でも安心。岩崎緑さんの唇が一番のエロ。いや、ロングニットの後ろ姿の方がヤバイかな。美のポテンシャルをフル活用。山田佳奈さんの客演はいつもイイ。主宰公演より好きかも。役に集中できるからなのかな?素敵。■アマヤドリの榊菜津美さんは意外な役だった。これまでのイメージだと逆のポジションな気がする。欲を言えば、もっと観たかったなぁ。■転換の速さに驚いた。あんな短い時間で衣装を替え、ポジションを変えられる早業にビックリ。着替えたり出入りがあるのに、暗転の短さ。役者ってスゲー。そして終演後毎回、ブランキー・ジェット・シティーを聴きたくなる。洗脳❓

『からす食堂』『黒い三人のこども』

『からす食堂』『黒い三人のこども』

二月のできごと

104Rmond(アーモンド)(東京都目黒区大橋1-6-4 坂本ビルガレージ)(東京都)

2016/02/24 (水) ~ 2016/02/29 (月)公演終了

みなさんが
ガレージのような会場で趣があり、皆さんが楽しんで作品を作っている感じが素敵だった。ただ、正直もっと麻由さんを観たかったなぁ。◆この公演は江本純子さんのためのような公演だった気がする。これまで江本さんの作品で麻由さん素晴らしさが引き出されてきた、そのお返しのように思えた。何だか、大きな愛を感じた。上演は短編2作品。ナンセンスとリアル。昨夏の母の葬儀を思い出した。可笑しく、切なかった。

池袋モンパルナス

池袋モンパルナス

劇団銅鑼

俳優座劇場(東京都)

2016/03/02 (水) ~ 2016/03/06 (日)公演終了

昭和臭
演出は野崎美子さん。女性の演出家の方が大胆なアプローチや女優への露出要求ができるのかもしれない。新国立劇場演劇研究所4期生の土井真波さんが、文字通り体当たりの演技。背中の艶っぽさに釘付け。歌とダンスにも果敢に挑戦。充実しているのだろうなぁ。◆土井真波さんは研究所時代から体をはって演技されていた。今回、いいポジションでイキイキして見えた。歌もダンスも、まだまだ磨かれるだろう。彼女の成長に期待。◆あの頃の大戦へと向かう日本は、大きな権力に呑み込まれていた。そこで抑圧されていた芸術家や文筆家の苦悩、その辺が見えてくるともっと良かった。いろんな場面で、登場人物の台詞も感情も、やや淡白に感じたのが惜しい。本の段階でもう少し抉り出せたらもっと迫ってくる気がする。ただ、登場人物は皆、人がよくて、観ていてほっこりする。昭和の匂いが漂っていた。

逆鱗

逆鱗

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2016/01/29 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

水槽
水槽の中を泳ぐ鰯の群れに驚愕。あの舞台美術というか技術をみるだけでも価値がある。そして鰯の群れを表現するアンサンブルの力量、その「確かさに敬服する。野田作品は作品ごとに、そのメッセージ性を強化している気がする。そして日本の過去の過ちから学び、これからどのように生きていくべきかを問うてくる。フライヤーの持つメッセージも、観劇すると、その奥深さに感心する。計算された素晴らしい作品。◆2回目。最前列で観劇して、目の前にメインキャストがいるのに、水槽をアンサンブルを観てしまうのは、セットの素晴らしさとともに、小劇場好きの性だと思う。ダルカラの中村梨那さんがキラキラしてた。梨那さんらしさが随所に見られ、ワクワクのウキウキだった。◆2回観たのに満足できない。まだ観足りない。野田作品、どんどんメッセージがシンプルになっている気がする。戦後が遠くなり、キナ臭い現代に警鐘を鳴らす。文字通り気の遠くなる孤独と絶望。その無意味さ、虚無感は、まるでヘソから手を入れて五臓を掻き回されるよう。◆井上真央さんの笑顔に宿る狂気に背筋が凍る。『MIWA 』でも思ったが、彼女は舞台に映える。そしてキレる。淀みがない。天性の演技者だと思う。クルクルと表情を変えて、本音と建前を晒してみせる。可愛らしい彼女が戦争で儲けようとするところに恐ろしさが増す。◆今作の演出で一番好きだったのは螺旋階段。ほんの数段上がって下りる作りで、俳優もそこを2周駆け上がり駆け下りるだけなのに、見事に上昇や下降に見せた。その演出力と演技力に敬服する。野田作品独特の掛詞による言葉遊びも切れ味を増した。天晴れ‼◆本当に出演された皆さんが素晴らしい。その中でも、やはり瑛太さんの魅力は抜きん出ていると思った。演技と表現するのも気が引けるほど、そこで生きていた。矛盾を抱えたまま時代に飲み込まれ、孤独の恐怖の中で母に語りながら朽ちる姿は、演劇史に刻まれると確信する。

『夜、さよなら』『夜が明けないまま、朝』『Kと真夜中のほとりで』

『夜、さよなら』『夜が明けないまま、朝』『Kと真夜中のほとりで』

マームとジプシー

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2016/02/18 (木) ~ 2016/02/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

再構築
この三作品が別の公園だったなんて信じられないほどの繋がり。劇場を文字通り隅から隅までフルに使って構築される世界。映像も撮影したものとライブを織り交ぜ、解像度も工夫されている。●感情を抑えたフラットな台詞も独特で、唯一無二の世界観。あの台詞と動きのリフレイン、いやスパイラルはクセになる。でも体調が万全でないと子守唄になりかねないな。俳優には酷な演出だと思う。●反復表現は通常、強調効果を持つが、あの繰り返すという負荷が、俳優の過剰な演技や力みを抜く効果を持つのだろう。そしてあるタイミングで物語が突然動き出す。あのギアが入った感じにゾワゾワする。●女優陣は皆さん素敵なのに、統一化されていることで、やや個性を消されている感じもする。マームとジプシー作品の女優というスタイルに思える。あまり表情をキャッチしない照明もそんな意図からではないだろうか。●個人的には、もう少し俳優の表情を観たい。あの日に囚われてしまった人生に苦悩する表情を観たい。町の出口であり入口でもある無人駅。塞がれた湖には悲しみが積もる。そうして町が記憶する。湖って、女神伝説がよく生まれる。そんな湖があちこちに存在する。●舞台を観ながら、群馬県太田市で起きた、未解決の「ゆかりちゃん事件」を思い浮かべていた。拉致被害者のご家族のことも考えた。囚われた人生、囚われた未来を、取り戻されることを願う。

この声

この声

オイスターズ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/02/19 (金) ~ 2016/02/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

爆笑しましたよ
面白い劇団や作品て、まだまだあるのだなぁ。出会えていないだけなのだなぁ。この出会いも大切にしたい。シアター風姿花伝での公演を見逃したことを、今更ながら後悔している。●RCサクセションの『ぼくの好きな先生』を思い出す。これはいったい罠なのか? 伝わらない思いと、言葉の一部分だけが捻じ曲げられ誇張されて伝わって行く恐怖。善意が悪意にすり替えられていく。痴漢冤罪に仕立てられる恐怖と同じなのだろうなぁ。今、男が社会の弱者だ。●三人の女子高生。こんな子いるよねぇと思わせるほどにキャラが立ち上がっている。アレを振り上げた姿も、小声の前傾姿勢も、服の前を隠す仕草も、可笑し可愛い。デタラメ歌のようなヘンテコな歌が何だか素敵。CDにしてくれたら買っちゃう。川上珠来さんの尖らせた口に釘付け●開演前諸注意の校内放送のセンスの良さ。これまでの諸注意の中でもかなりイイ。開場時から微かに聞こえている音が、なるほどと思わせる。シンプルなセットながら、細部まで練られた、面白い作品だった。

TRIPLE BILL 『P小山』

TRIPLE BILL 『P小山』

セッションハウス

神楽坂セッションハウス(東京都)

2016/02/20 (土) ~ 2016/02/20 (土)公演終了

満足度★★★★★

帰り道のニマニマが止まらない幸せ
素晴らしいダンス公演を観ると帰り道のニヤニヤが止まらない。優れたダンサーはみな、髪の先から足の爪までが踊っている。神経が末端までピリピリと音を立てながら信号を受け渡している。高揚する。温かくなる。●ダンス、美しい肉体、衣装、コトバ、音(吐息、音楽)、映像、光、小道具(鏡のような銀幕、レースのような長い…ベール?)全てが融合して生まれる、まさに総合芸術。ずっと観ていたかった。幸せな時間。●長谷川風立子さんの脚のなんと美しいことか。彫像のようだ。ざっくり開いた背中の後ろ姿は肉体の美の極致。優れたダンスは速さで誤魔化さない。あの体幹に裏付けされた緩急の術。吐息もエロティックだった。●梶本はるかさんの左右対称の美。いや、対象が対称でない美があった。勝手に人間の誕生のようなものを感じた。母にも、誕生した子供にも見えた。片足での連続技に頭がシビれて、クラクラした。●三輪亜希子さんの声。リフレインする言葉、5つのプロジェクターから壁や床に映し出される映像にシンクロするダンス。錦鯉にも孔雀にも見えるベール。激しいラップ音。内に秘めた激情がほとばしる。●青と赤の交わりが、まるで幸せと悲しみや、現実と虚構、過去と未来のよう。そして、進化とともに陸に上がった人間が海へ帰って行くようにも見えた。あの日のコトも?●四人のダンサーが、曲線は美しいということを、そのしなやかな女性のカラダで証明してくれた。そして、しなやかであることは、強さであることも。オトコが叶うものではないことを再認識させられた。幸せだ。

ツイテル!!

ツイテル!!

Show sin モノ

シアター風姿花伝(東京都)

2016/02/18 (木) ~ 2016/02/21 (日)公演終了

まず
開場前に大行列で驚く。芝居を観に来たと思うと妙な気持ちになるけど、コントを観ていると思えばかなり楽しい。ハリセン、タライ落とし、強烈ビンタも。笑いは大真面目にやるから笑える。マチネ終演後にそのままソワレに並ぶ方多数。なるほど。●由永モエさんの凛とした立ち姿が美しかった。魅力的。二見由貴さんの白いジーンズが眩しかった。芸達者が多いから成り立つ作品だった。最後はちょっぴり泣を誘う大道の作りだったけど、思い切って最後まで笑いっぱなしの方がイイかも。

もう一度、僕の目を見て言ってごらん

もう一度、僕の目を見て言ってごらん

キレイゴト。

ART THEATER かもめ座(東京都)

2016/02/17 (水) ~ 2016/02/21 (日)公演終了

若いってイイね
深沢未来さんを観に阿佐ヶ谷へ。美脚が売りの風俗嬢。お金は持っているのに風俗嬢。男をペットにしちゃう風俗嬢。女にも惚れられる風俗嬢。人を惹きつける女性なのだな。未来さん、本当に美脚で(#^^#) スタイルの良さにキュン死。●物語の設定が興味深かった。キャラが立っていて、これは誰を軸にした物語?と思うほどに、それぞれに見せ場があった。むしろ女性三人のそれぞれの話で3本書けちゃうのではないかと思うほど。それくらい三人にドラマが有りそうで観てみたくなる。●欲を言えば、やや硬い感じがしたかな。展開も台詞ももっと滑らかなやり取りにできそう。でも、登場人物の台詞がみんな正直で真っ直ぐで素敵だった。驚いた。ちょっと羨ましくなった。きっと、作家さんが素直な人なんだろうな。●演者を観て、作品を観て、スタッフさんを見て、若いってイイねとしみじみ思った。『あぁ、そういうロマンチックに生きる時代があったよね。みんなそうなんだよね。』そんなノスタルジーに浸る夜になった。

ミセスフィクションズのまんがまつり

ミセスフィクションズのまんがまつり

Mrs.fictions

王子小劇場(東京都)

2016/02/17 (水) ~ 2016/02/22 (月)公演終了

初日
開演の挨拶に現れた主宰の今村さんが、ステレオタイプの漫画家で笑った。公演は70分で5本のオムニバス。それぞれがあっという間過ぎて残念。演劇として可能性のあるものとそうでないものが明らかに見えた。個人的には湯口光穂さんをもっと観たかった。●『リンゴ姫』が良かった。残されたリンゴの芯にウケる高畑遊さんが最高。姫の岩井七世さんの美しさが眩しかった。2回の悲鳴が今作の最高の場面だな。しかし、あんな風俗嬢がいたらダメだ。通わずにはいられなくなる自信がある。●オチが見事だったのは『女王様』の調教。工藤さやさんがあまりにスタイルが良くてビックリ。ストーリーテラーの吉田圭織さんの変貌と笑顔にKO。性的困難者かぁ。豊かな時代だなぁ。

書く女

書く女

ニ兎社

足利市民プラザ(栃木県)

2016/02/14 (日) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

良い作品は全国巡業してほしい
田辺龍子役の長尾純子さん。みんなが着物の中、洋装で闊歩しズバズバ物言う姿が痛快。一葉との対照性が際立った。ラストの一葉へコメントが、女流作家として先陣を切りつつも一葉の活躍に対する悔しさと尊敬が滲み、心に突き刺さった。突然、涙があふれた自分に驚かされた。感服。●木野花さんの存在感はゴジラ級。当時の国民が当たり前だと思わされていた軍国主義的思想をユーモアとともに立ち上がらせる。一葉の元に集う人たちの「帰らないぞ」に「泊まる人カムイン」と英語で招く姿が素敵。集ったみんなが互いを大切にしている感じが楽しそうで羨ましい。●妹くに役の朝倉あきさんがいるだけで爽やか風が吹く。登場するたびに嬉しくなって頬が緩むのがわかるほど。健気で愛おしくなる。一葉の魅力に吸い寄せられた男たちから一葉を背中にかばい、やりとりを楽しむシーンが一番好き。やっぱり頬が緩む。●日向を生きるには恋心を抑え、人目を忍ぶ恋を選べば日陰で生きることになる。マスコミを賑わしていることがよぎる。あっても無くても世間はあったと言う。大きな満月が人間の浅はかさや愚かさを見ている。批評家と一葉の対決は、辛口で毒舌ながら、愛の告白。嬉々として見えた。●最期の桃水の「あと30分…」に起きた客席の笑いに違和感を感じた。まだ逝くなという思いではないのか。緑雨の「あなたが書くものをもっと読みたい」に、ジョン・レノンやマイケル・ジャクソンの死に際し、『次にどんな作品を届けてくれただろうか』と思いを馳せたことが蘇った。●世田谷でもそうだったが、お香のような和室や和服特有の香りの演出が為されていたように思う。それだけで時代を飛び越えられる。見事。残念だったのは、客席の上手下手では、向こうを向かれてしまうと台詞がほとんど聞き取れなかったこと。横が広い劇場だと仕方ないのかな。

ありがとねえ!

ありがとねえ!

梅舟惟永企画

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2016/02/11 (木) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

大満足で満腹なのに、おかわりが欲しい
期待の遥か上を飛び越えていった。二人芝居が三本と、四人芝居が一本のオムニバス公演。その充実度1000%。明日が千秋楽。予定が無ければ絶対にもう一度観ちゃう作品。予定が無いなら絶対に観た方がいい作品。オススメ。●梅舟惟永さんて、こんなにも魅力的だったのかと、百面相のように変幻自在に現れるキャラに酔う。『春告花』の哀愁たっぷりの表情と、チラリと見せた涙が印象的だった。劇団で互いを知り尽くした仲間だから成せる技か。斎藤加奈子さんのウエストにも釘付け。ドキッ💕●斎藤加奈子さんの存在感は際立っていた。『父はマニラへ…』での激しさから、おだてに弱いツンデレが可笑し可愛い。『春告花』での遠い目も、伝う涙も、化粧しながらの嗚咽も目が離せなかった。パタパタしてお婆ちゃんへの早変わりに感心。演出も冴えてたね。●川村紗也さんとの息もピッタリ。もしもの話がノッて、ケンちゃんの妄想が高まった後の激しい動揺が、椅子に蹴躓く程にリアルで爆笑。同類な二人のオチが見事だった。●『ジョニー』の鹿野真央さんのオラオラ感に笑った。あんなにイケイケなのに、まさかのヨロメキ。そっちの世界に行ってしまうなんて、なんともったいない。おっと、現実と虚構の境界を見失った。やっぱり美人てイイ。

漂流劇 ひょっこりひょうたん島

漂流劇 ひょっこりひょうたん島

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/02/03 (水) ~ 2016/02/11 (木)公演終了

満足度★★★

やっぱり
意識が遠のいてしまいました。疲れているせいもあるけれど、年末に観た時と同じように後半は別の世界に飛んでしまいました。冒頭の登場しながらの台詞が既に頭に入らないので、当然頭に残らず、思考が動き出さない。だから、何を立ち上げ、伝えようとしていたのかを掴めませんでした。おそらく、震災やら、原発問題やらが、地響きのような効果音から、後ろに大きく映し出される映像から、想像するばかりで確信が持てませんでした。

三人正常ちょっとだけ

三人正常ちょっとだけ

リクウズルーム

長者町アートプラネット Chapter 2(神奈川県)

2016/02/10 (水) ~ 2016/02/11 (木)公演終了

そういえば
アゴラ劇場での『アマルガム手帖+』と『待つこと、こらえること』のアフタートークでも言っていた。「かなり解りやすくなってる」と。そう、つまりは「いつもはもっと難解」だということを。前述の2作品共に、台詞が洪水のように溢れて、その台詞がリズムを伴うようになり、ダンスと融合する。その昇華具合が絶妙で素敵だった。そうした期待を大きくしすぎたためか、おそらく通常のリクウズルーム作品になった今回は、こちらの理解がついていけなかった。この敗北感が癖になるのかな?●こんなに開演前にリラックスできた公演はなかった。それは出演された皆さんの姿勢に他ならない。途中入場された方がリアルなのか演出なのか?となるほどに、それを想定した演出が施されていた。演技場所と入口の関係で途中入場不可にする公演も多い中、見事。

リフラブレイン

リフラブレイン

santacreep

王子小劇場(東京都)

2016/02/09 (火) ~ 2016/02/11 (木)公演終了

満足度★★★★★

たったの4回では勿体ない
ザ・演劇を観た。何のセットも組まず、照明器具もほとんど外してフロア横に置かれ、使ったセットはパイプ椅子と、天板の狭い丸テーブル、後は椅子だったりベッドだったりする重ねられた薄いひな壇。これであのドラマが立ち上がるのだから、演劇って面白い。●とんでもなく不幸な姉弟を、松本みゆきさんと東谷英人さんが見事なコンビネーションで立ち上がらせた。松本みゆきさんて奥深い女優さんだなぁ。これまで観たふわーっとした感じではなくゴリゴリで押しが強かった。デコッぱちの女子高生に出落ちなみに笑った。●松本みゆきさんが見せてくれるキャラクターは、柔らかくても力強くても作品の中でブレることがなく、魅力的。観る度に好きになる。癖になる。中毒性が強い。恋ならヤバイやつ。ちょっと気になり始めると、じわじわと存在が大きくなって、いつの間にか夢中になるヤツ。●目当てのたなか沙織さんは、なんであぁもセクシーなのだろう?夫を大切にする普通の主婦なのに、なんか…こう…そそる。表現が良くないかな?とにかく、素敵だ。●セクシーと言えば、今回のナンバー1は加藤岳史さんだ。あの声は反則だ。あんな声を持っていたら、人生が違うものになる気がする。ウットリしない女性はいないだろう。あの声で口説かれたらひとたまりもないよ。オトコだってオカシクなっちゃうよ。●堤千穂さんの美しさは、万人が認めるところ。あんなナースがいたらダメだ。病気を治す気が無くなるよ。鵺的の白いジーンズも眩しかったけど、白衣もクラクラする。でも、あの串団子のようなおさげ髪は可笑しい。あれで悪戯っ子のような目をするのだから、惚れちゃう。●これを急遽制作できる池亀三太さんは超人だ。本当に、急に決めて、急に集めて、短時間で創ったのだとすれば、作演出、音響に照明までこなした池亀さんは天才だ。短い稽古でこれだけ出来てしまう俳優陣の力量がハンパないな。たったの4回では勿体無い作品。

同じ夢

同じ夢

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2016/02/05 (金) ~ 2016/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

こんな贅沢
このキャストを、こんな使い方で作り出す作品の贅沢さったらない。ひと言で解りやすく言ったら「地味」な作品です。で、その地味さがジンワリ怖くて、ジンワリ滲みてくるのです。それが赤堀作品の真骨頂。そんな関係の男女が、そんなことになっちゃうわけですから、世の中って不思議です。そして、大好きな人と、その人がそんなことをしていたら…どうすればいいのでしょうねぇ。

あぶくしゃくりのブリガンテ

あぶくしゃくりのブリガンテ

東京No.1親子

駅前劇場(東京都)

2016/02/03 (水) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

ワチャワチャしてザワザワする魅力満載
虎の穴だな。あしたのジョーもチラリと見えたけど、愛の鞭、いや、愛とムチを観た。それにしても、安藤聖さんの魅力満載で溺れる。立ち姿を見つめる客席の視線がサクラ色だった。彼女の素敵で大きな口に、みんな呑み込まれてしまったな。惚れたな。●安藤聖さんの魅力。スタイルの良さも美しさも言わずもがな。加えて、あの感情をデフォルメした表情がクセになる。決して自然な演技の女優さんではない。ちょっと濃い表現の毒が全身を痺れさせる。中毒性がある。観終わった瞬間におかわりが欲しくなる。●人間の欲望は果てしない。みんな大きな葛篭が欲しい。大きいもの強いものに抗いながら惹かれるという原理。嫌悪しながらも、憧れる。それも真理。●一見、格好良さそうな口説き文句。それをひっくり返して甘味を破壊し、破滅の物語を展開させる作演出の福原充則さんのセンスに脱帽。ただ、つかこうへい『飛龍伝』もそうだが、弱い男が強い男にオンナを差し出す感じはザワザワする。苦しくなる。

ミラクル祭'16

ミラクル祭'16

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/02/05 (金) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

Bバージョン
『凶悪犯たちの夜』『耳のいい母』どちらも分かりやすいコメディ。分かりやすい演出で笑わせた。安定値。ヒネリが加わればもっと楽しくなる。ステージ床のジュータン?がめくれる程の熱演。気合いが目に見えた。◼︎『「R」』噛み合わない台詞の応酬。かなりの時間、そのストレスに襲われる。終盤で少し話が見えてくるまでの苦痛に耐えれば楽しめると思う。ナンセンスなウェイトレスに笑う。カーテンコール時にテーブル上の料理に変化が。落日の卵が…。

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