柏木れいの観てきた!クチコミ一覧

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私もカトリーヌ・ドヌーヴ

私もカトリーヌ・ドヌーヴ

『私もカトリーヌ・ドヌーヴ』を上演する会

上野ストアハウス(東京都)

2015/09/16 (水) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

いい舞台を観ました!
舞台美術や照明が美しい。母役の観世葉子さんの観客を物語世界に引き込む力がものすごくて恐ろしい、けれどとっても魅力的。音楽がまたすてきで物語と一つになって人の心の不安を煽るよう。五感すべてで楽しめる舞台。惜しむらくはシャンソンの歌い方が子供っぽすぎるかな。あれはわざとああいう演出なのかな。歌が下手っぽい感じが無垢な子供っぽさを表していたようにも感じられますが、そのわりに歌の比率が多いので、もうすこし聴かせることのできる歌い方だと尚楽しめたとおもいます。そこがすこし残念。

すばらしい日だ金がいる

すばらしい日だ金がいる

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2015/09/18 (金) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

後半でもう一度行きたいな…。
今回も脚本が秀逸!対話の重要性を強く感じさせるやりとりや、母娘二人のおそらく初めてであろう対話らしい対話のラストシーンなど、観ていて最初から最後まで小気味良かったです。いつも思いますがアマヤドリさんの舞台は役者の動きというか舞台上の配置もとても上手で無駄もなく、いちいちすべてに意味があっていいですね。最後のダンスも物語の一部として機能しているし、こういうものを観ると舞台っていいな、すごいな、って思います。

ネタバレBOX

今回もキツイ!キツイ!「それは誤魔化してるんだ」とか「なぜ?答えになってない」などのセリフの連発とか、面と向かって言われたらそれちょっとなことを囲み舞台の配置で見せられるので、責められてる気分満載です。本質って厳しいものですよね。
それとラストのラストで、タイトルが生きるというか納得させられる。やられたーという感じです。相変わらず巧いなって唸らされました。
劇団めばち娘旗揚げ公演「ツチノコの嫁入り」

劇団めばち娘旗揚げ公演「ツチノコの嫁入り」

OFFICE SHIKA

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2015/09/17 (木) ~ 2015/09/27 (日)公演終了

満足度★★★

映画観てなくても楽しめます!
映画「ピースオブケイク」を観ていないので細かいネタはまったくわかりませんでしたが全体に鹿殺しっぽいテイストが出ていて、劇団バンビ旗揚げ解散公演「裸軍曹の七日間戦争」思い出しました。あれ面白くて鹿殺しの中で一番好きなのです。今まで観た鹿殺しの中で「ツチノコの嫁入り」は最も時代の空気感を上手く捉えてるように思えました。映画からのスピンオフということは口出す人もいっぱいで大変だったんだろうな。歌って踊ってええじゃないか的ラストに若干の引っかかりは感じますが、そこも鹿殺しっぽいのかな。あと傳田うにさん大好きなのですが、もうすこし出番が多いと嬉しいかな、など。チョビさん今まで観たなかで一番好きな感じです。イイ感じに迫力や貫録があってとっても好感持てました。

伝奇浪漫「芳一(ほういち)」

伝奇浪漫「芳一(ほういち)」

劇団め組

吉祥寺シアター(東京都)

2015/07/30 (木) ~ 2015/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★

芳一、良かったです!
舞台美術や照明が洗練されていて美しかったです。人の思念を軸に何層にも重なる時間や空間を舞台の奥行を使ってみせるあたりも流石という感じ。
野村貴浩さん、秋本一樹さん、土山壮也さん、とても素晴らしかったです。
め組は本当に素晴らしい役者さんの多い劇団で拝見するのが楽しみです。

ネタバレBOX

勧行院の心に巣食った鬼が消えるシーンのあまりに早い変わり身には一瞬戸惑いましたが、清水祐美子さんの力技というか、観ている人を惹きつける力の凄さに気がつけば納得していました。
共感できる人物像ではないのですが、人として感じ入るところのある役どころで、ここについては脚本の力というよりは、清水さんという役者さんに負うところが大きいのだとおもいます。
すてきな女優さんです。
岩倉具視も最も魅力的な一人で、今の時代に合った人物として描かれているあたり、大変好感がもてました。こういう人物の喰えない戦いっぷりが未来を明るく照らしてくれるのだろうなぁなんてことを考えながら観ていたのですが、もっとも共感できた役でもありました。
からまる法則

からまる法則

劇団銅鑼

俳優座劇場(東京都)

2015/07/30 (木) ~ 2015/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

今日的なテーマ!
泣かせようとの意図から涙を誘われるというのとは違う、もっと人間の本質というか心の奥底にある何かに触れられ思わずホロッと泣ける作品。今日的なテーマは、なにが大事でどういう方向を向いて生きていくのが人の幸せか、ということをしみじみ考えさせてくれる。お互いの違いを認め合って生きていくこと、そうすることの困難さ、例えどんなに困難であってもそうしようとしていくその先にしかコミュニティの幸せはないのではないか、といったことを共感しやすい形で見せてくれるあたり素晴らしかったです。こういう普遍的なテーマを今の時代にあった形で観せるって本当スゴイなあ。

フォルケフィエンデ ー人民の敵ー

フォルケフィエンデ ー人民の敵ー

雷ストレンジャーズ

サンモールスタジオ(東京都)

2015/07/23 (木) ~ 2015/07/29 (水)公演終了

満足度★★★★

今の時代にあった古典作品で面白かったです。
いつもいろいろなお芝居を観るたび思うのは、なぜ、いま、ここでこれが上演されているのだろう。なにを伝えたくて、この人たちはこれを上演しているのだろう。そういったことで、舞台というものが一期一会の瞬間的なものであるからこそ、その時代の文脈をしっかりと受け止めた、生きた作品に出会えると気持ちが大きく揺さぶられます。
そういう空気に気づかない、あるいは気づかないフリをして、作られたものには、どんなに楽しくその場で笑えたり泣けたりするものであっても、心に響くことはありません。
そんなことばかりを考えて劇場へ足を運んでいますが、このイプセンの名作は、とても130年も前に書かれたとは思えないほど、今という時代にあった物語で、こういうものを取り上げて上演されていることに何より深く感動いたしました。
こちらの劇団さんは初観劇でしたが、これからも注目したいです。

全公演完売!「RUN」

全公演完売!「RUN」

劇団お座敷コブラ

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2015/01/22 (木) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★

箱が大きすぎ…。
KAAT大スタジオ見やすくていい劇場ですね。

舞台の広さを使いきれていなかった演出、演技であったのは残念です。
客席中央あたりで観ていたのですが、半分ほどの役者さんが何を言っているのか聴き取りにくいレベルだったのはキツかった。
芝居の善し悪し以前の問題ですが、最後列で観ても最低でも聴き取れる発声で演じてほしかったです。全員が生声での演技が難しいのなら、マイクをきっちり着けて一人づつ音量調整をするぐらいのことはしてほしい。滑舌の悪さと発声の悪さを補ってもらわないと、後ろで観ていて、何がなんだかわかりません。

全体に無駄が多いわりに大事なことを省略されすぎた本は、客に想像させ補完しなくてはならない部分が多すぎて、それは好みの問題もあるのかもしれませんが、あまり良いとは思えません。

演劇ならではの良さが活かされていない舞台は、演劇を観たことのない人に生の人間が動くことを二次元的に受け入れてもらうにはいいのかもしれないですね。

芝居観が見る舞台ではありませんが、いろいろな需要があるので、そちらに向けて公演を打てば、それはそれで良いのかなともおもいます。

脳内補完でLGBTを意識して観れば、けっこうあちこちで泣けました。

ネタバレBOX

榎音の心の動きがあまりにも描かれていない、役者頼みの本になりすぎている気がしました。役者さんが可哀想。
不自然な殺意。例えば、榎音が和奏に恋愛感情を抱いているだとか、プロデューサーにセクハラを繰り返されているだとか、そういった具体的な何かがあって、それがきちんと本で描かれ演出されていれば、榎音が殺人をするに至る動機も鮮明になり、観客も彼女に共感できるとおもいますが、このままでは彼女が思い込みの激しいちょっと危ない女の子、にしかならず、それでは役があまりに可哀想。
そのわりに笑えないギャグ(客席が静かなまま)が多く盛り込まれていたり、で、全体にバランス悪いです。
最後まで推敲を投げない、きちんと手を入れた本にしてほしかったです。
PUCK(パック)

PUCK(パック)

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2014/11/21 (金) ~ 2014/12/27 (土)公演終了

満足度★★★★

隅々まで行き届いた舞台に感動。
今回は日経貸切公演で観劇してきました。座席は抽選だったのですが幸運にも6列目。普段購入するときは2階席の後ろが多いので、違う視点での観劇に感動しました。後ろではわからないことですが、真ん中で演じている役者ではなくハケていく役者などの細かい演技までもが良く見え、ちいさな部分までが緻密に作られているその様子はとても楽しめました。
レビューなど全体の美しさを観たいときは、もうすこし後ろの座席がいいですが、役者の表情や動きがよく観える前方席での観劇もいいですね。

鈴木忠志の世界 再び!『トロイアの女』・『からたち日記由来』

鈴木忠志の世界 再び!『トロイアの女』・『からたち日記由来』

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2014/12/19 (金) ~ 2014/12/26 (金)公演終了

満足度★★★★

戦いを挑まれたような観劇時間。
「トロイアの女」すごかったです。
圧倒されて筆舌に尽くしがたいのですが、あんなことを何十年もやり続けているというのが、まず恐ろしいです。
74年の初演から何十年ぶりかの再演とは思えない、2014年らしい内容である点も素晴らしかったです。

強姦シーンも、芝居の域を超えたすごいものでした。
襲う側の男たちの動きが、役者が演じているというよりは戦士の動きというか、ホンモノというか、速すぎて動きが見えないというか、いえ、見えているのですが、そこにリアリティがあったというか。とにかく息が止まるかと…。
女として「レイプされる」怖さというよりは、人として「殺される」怖さが優っていたのがリアリティに繋がっていたのかもしれません。
以前違う劇団でも強姦シーンがありましたが、強姦する側の手加減が見えてしまったがために作り物臭さが逆に鼻についたのです。

人形の手をもがれるシーンでは脳内にシリアの映像が浮かんで苦しくなりました。
ただの白い布の人形が、そういうものを喚起させる芝居に背筋が寒くなりました。
ここまで命を引き合いに、真剣勝負を挑まれた舞台というものに出会ったことがありません。
芝居を観てこういう意味でここまで疲れたのは初めてです。
今日の観劇、命のやりとりの迫力に負けました。

「トロイアの女」から「からたち日記由来」への転換の30分は、客席からの質疑に鈴木忠志さんがお応えしてくださるトークタイム。
ある素材もコンテクストの違いでその意味が全く変わると言うお話しなど、大変興味深い話をウイットに富んだ語り口で聞かせていただけて、大変面白かったです。
今の時代、やはり戦争や死は避けて通れないということを、さらっと、けれどしっかりと打ち出してくるその説得力のすごさ。
重すぎて脳も体も疲れましたが、とてもいい時間でした。

海のてっぺん

海のてっぺん

ワンツーワークス

吉祥寺シアター(東京都)

2014/11/20 (木) ~ 2014/11/30 (日)公演終了

満足度★★★

うちわ!
今回のワンツーワークスは奥村洋治さんのアクがあまり強く出ていなくて、すこし物足りない感が残りました。
奥村さんの、あの人を威圧する喋り方や演技は嫌う人は嫌うでしょうがクセにもなりますので、あの感じを観られなくてとても淋しかったです。
芝居としては、笑いあり涙ありで幅広い層が楽しめる舞台でした。
個人的にはいつもの公演内容のような、もうすこし硬いテーマの舞台が好きです。

今回ジャニーズの町田慎吾クンが出演されていたせいか、客層もいつもと少し違いました。
衝撃的だったのは、うちわを持っているお嬢さんたちを客席で見かけたこと。
従姉からジャニーズのコンサートに持っていくうちわを見せてもらったことはありますが、まさか小劇場でうちわを目にする日がこようとは。けっこう本気でビックリしました。

トラッシュマスターズ「儚みのしつらえ」の太田基裕クンや、ワンツーワークス「海のてっぺん」の町田慎吾クンは、それまでのその劇団のお客さんとはちょっと違う層の人たちを劇場に連れてきてくれるので、新しい出会いに繋がっていいですね。
面白い舞台が多くの人の目に触れる機会が増えるのはとてもステキなことだとおもいます。

儚みのしつらえ

儚みのしつらえ

TRASHMASTERS

紀伊國屋ホール(東京都)

2014/11/07 (金) ~ 2014/11/12 (水)公演終了

満足度★★★★★

ものすごくいい舞台!
時代の空気をうまく捉えた作品で、今このタイミングで是非とも観ておきたいテーマ性。何かしら持ち帰り、いろいろを考えるきっかけにできるお芝居ってスゴイいい。
きちんと対話がなされていない現状への危機感のようなものを舞台から強く受け取って、いろいろなことを考えさせられます。
世界中で同時多発的に戦争が起き、どん詰まり感のある息苦しい日々を生きている現状において、こういう演劇というのは、とても意味があって必要なものだと思いました。
頭フル回転させられて疲れたけれど色々考えさせてくれるものってお金出してもなかなか手に入らないから貴重です。

G(ギガ)海峡

G(ギガ)海峡

カムカムミニキーナ

座・高円寺1(東京都)

2014/11/07 (金) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても芝居らしい芝居!
カムカムミニキーナさんの舞台初めて観ました。
観ている側の脳内に漢字でしっかり言葉を置いていかれる感じは押しつけがましいほどに心地よく、けれどそれは役者さんの動きをすこしでも見落とすと言葉の効果が半減してしまうといった種類の言葉の羅列で、観ている側にとてつもない緊張感を強いるお芝居でしたが、それだけに見応あるものでした。
とても面白かったです。もっと早いタイミングでこちらの劇団さんの舞台を観ていれば良かったです。もう一度観たいな。

バーシブル

バーシブル

はちみつシアター

花やしき座 (花やしき内・多目的スペース)(東京都)

2014/08/28 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

泣けて笑えてサイコーです!
面白かったです!はちみつシアターさんの舞台はいつ観ても元気と勇気と明るい笑いをいっぱいもらえます。バーシブルでもいっぱい泣いちゃいました。お芝居の半券で花やしきでも遊べるというのもとってもステキ!吉祥寺で観たときとキャストが違っていて、また違う印象だったのも面白かったです。ひたむきに生きている(生きていない?)女の子は本当に可愛いです。

それいけ小劇場!!

それいけ小劇場!!

劇団EXILE

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/10/08 (水) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★

随所で笑えました!
もう少し脚本を短くしてもらえたら良いとも思いましたが、時間に余裕のあるときに楽しいものを観たいなという人にはオススメかもしれません。
小劇団あるある系の舞台はここ数年で何本も観ているのですこし食傷気味。
そのあたりはプラチナ・ペーバーズの堤泰之さんが素晴らしい本を書かれているので、ついそちらと比べてしまうのも、分が悪いのかもしれません。
数年前になりますが、地方公演を終えた小劇団が東京へ帰る道中に様々なトラブルに巻き込まれながら、なぜ芝居を続けるのかを面白可笑しく芝居で観せてくれた「ブルースな日々-ああガス欠!-」というミュージカルは面白かったですね。
そこにある人間ドラマは重過ぎなくてもいいのですが、あまりに薄いと何も残らないのだなぁと。楽しく観た舞台であるにもかかわらず、殆どなにも思い出せない自分に驚いていたりもします。

vivid contact

vivid contact

WATARoom

劇場HOPE(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★

良い舞台でした。
良い舞台を観ました。
制作者全員が「私たちはこういうものを作りたいんだ!作るんだ!」という熱意が客席にまで伝わるような、ほんとうに良い舞台でした。
柏進さんが中心となって、その熱意に実力のある方々が賛同して集まったのでしょうか。
そんな想像もさせてもらえる心地よい舞台。
いいものを作りたい。
いいものを提供したい。
こういう意図でこういうものを世の中に示したい。
そんな思いが強く感じられるものは、お芝居の内容だけではなく、それ以上のものも客席に注いでくれるようで、ほんとうに素晴らしい。
お芝居も大変面白かったです。
柏進さんのギャルと曽世海司さんのネイリストのお姉さん二人の暮らしが妙にリアリティがあってよかったですし、どうということのない会話なのにイイ気分にさせてもらえる楽しい本で、いっぱい笑って心の底からスッキリです。
日替わりゲストの部分は即興劇ときいていましたが、まるで脚本があるみたいな進行に感動しました。
劇団S・W・A・T!の四大海さんスゴイです。柏さんが心を預けている感じが微笑ましかったです。
この舞台はゲストによってかなり印象が変わったのかもしれませんね。

どんぶりの底

どんぶりの底

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2014/09/26 (金) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★

はじめての流山児★事務所
ザ・スズナリ。ここおトイレは狭いですし、客席も狭いですし、おトイレに関しては下北沢駅前劇場に比べれば天国レベルでキレイですけど、でも出来れば他で上演してくれないかな、と願わずにはいられない劇場のひとつです。が、しかし、なぜかここへは年に数回は行くはめに。お水をばらまいたりしていい劇場が少ないのかもしれませんし、歴史ある劇場ですので主催者側もここで上演することに何かしらの思いがあるのかもしれませんし、お付き合いも長いのでしょうし。そんなワケでスズナリで観劇。きちきちの狭い客席はまるでごった煮状態です。お芝居も、客席に負けないすばらしいごった煮感。ゴーリキー「どん底」にインスパイアされた作品だそうで、底辺の人たちには希望もありませんが悲壮感もなく、閉塞感だけが様々なパフォーマンスによって客席に伝えられます不思議と観終わった後に清涼感の残るパワフルな、演出と役者さんの力で楽しませてもらえた舞台。
閉塞状況のニッポンをカオスとして描くパワフルでナンセンスな人間賛歌…であるのならば、もうすこしゴーリキーから膨らませた本であってほしかったな、と思ってしまいましたが、バカバカしいほどのことを力技で見せきった役者の方々のエネルギーには圧倒されました。

ジルゼの事情(再演)

ジルゼの事情(再演)

OFFICE SHIKA

サンシャイン劇場(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★

今までの鹿殺しの中でいちばん好きです。
観終わった後になんとも言えない爽快感を味わえる舞台。珈琲をいれる時に歌っていた廣川三憲さんの歌がとてもステキでした。鹿殺しは身体能力の高い役者さんが多くて楽しいです。暗闇から抜け出せた感じにホッとする舞台でした。

『KING&QUEEN』鹿賀丈史×濱田めぐみ ミュージカルコンサート

『KING&QUEEN』鹿賀丈史×濱田めぐみ ミュージカルコンサート

ホリプロ

赤坂ACTシアター(東京都)

2014/08/30 (土) ~ 2014/09/02 (火)公演終了

満足度★★★

素晴らしいコンサートでした!
お二人の息のあったトークに聴かせてくれる歌は本当に素晴らしかったです。
鹿賀さんのラカージュやジキルとハイドなど舞台が脳裏に鮮やかに蘇りました。

四人目の黒子

四人目の黒子

弘前劇場

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/07/25 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

すごい舞台でした!
かねてから、いちど観たいとおもっていました弘前劇場。

いろいろと面白い点は多かったのですが、なんといっても客席の雰囲気が劇場っぽくないのは印象的でした。
人がそんなに多くない夕方の美術館で、常設展を観ているときの空気、といったら良いのでしょうか。

観る前がそのような空気でしたので、とても難しい演劇なのかなと、期待半分恐れ半分で開演を待ち……。ですが始まってしまえば芝居にひきこまれ、気がつけばあっという間に終わりにまで心を連れていかれていました。

その場には存在しないはずの人もここにいる人たちに影響を与えているという意味で、それは存在しているのかもしれませんし、そのように考えましたときに、黒子というものが、その象徴のひとつであったのかもしれません。
など、今になっておもったりもするのですが、観ていましたときには、ただ切実に、今このときを生きている人たちの真摯なその姿や、他愛ない会話、そういう小さなことの集積で人は生きているのだと実感しながら、ただ諾々と心に入ってくる言葉を受け入れているだけでした。

なんていいいますか……。ちょっと今までに観たことないほど気持ちよくしてもらえる舞台といいますか……。

こういうことを考えながら生きていても良いのだとか、こういうことに不安を感じながら笑っていてもいいのだとか、見えるものを見えるまま口にしてもいいのだとか。

いろいろなことを肯定されたようで心地よかったのかもしれません。

これは演劇として面白かったとか、そういうことではないのかもしれませんが、私にとってこんなにも息のしやすい空間、時間はかつてなかったであろうというほどに居心地の良い…というのも妙ですけれど、そういう舞台でした。

客席との距離感が良い意味でこんなにも無いお芝居を観たのは初めてです。
しあわせな観劇。

長谷川孝治さんの作・演出の舞台、またぜひ観たいものです。

毒舌と正義

毒舌と正義

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/12 (木)公演終了

満足度★★★★

見ごたえありました!
毒舌というよりは正直に生きている主人公に好感がもてる作品。
いくつもの場が同時に進行する展開は最初は戸惑うのですが、慣れてくると幅や奥行が感じられ、物語に厚みが出た印象でよかったです。
演出家さんや役者さんの技術の高さも感じました。
いただいたパンフレットの挨拶文は、そのまま主演の奥村洋治さんの声で読めてしまいます。
ちょっと一癖ある、そこがクセになる魅力的な役者さんです。
安定の面白さで、今回も大変楽しい時間を過ごせました。

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