愛と哀しみのシャーロック・ホームズ 公演情報 愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-10件 / 10件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    記録

  • 満足度★★★

    コミカルな点はおもしろかったが、深みがない。シャーロックとワトソンに人間的苦悩と葛藤の深みを与えようとした点は、十分な成果をあげずに終わった気がする。俳優では広瀬アリスに見とれてしまった。美人はトクである。
    休憩15分含め2時間25分

    ネタバレBOX

    トランプゲームを使った推理シーンが第一の山場。トランプのカードを配り間違えないでうまくやるのは偉いなあと感心していたら、別の日に見た友人が、「間違えて、アドリブで、トランプを交換していた」と言っていた。やはり、そういう失敗があるんだなあと思っていたら、三谷幸喜自身が「朝日」の連載で「わが演劇人生最大の事件」として、9月26日付夕刊で書いていた。面白い。まだ顛末は途中なので、次週10月3日付夕刊が楽しみだ。

    もう一つ、最後のクライマックスは、夫婦仲の冷え切ったワトスンが、自ら毒を飲んで、その罪を妻におわせようとしていたという話。シャーロックが見事に見抜いて、未然に防ぐ。一緒に見た妻は「同じ話が古畑任三郎にあった」と言っていた。津川雅彦が、古畑の小学校の同級生で出た回だそうだ。よく覚えているものだ。
  • 満足度★★★

    同居を始めたばかりのホームズとワトソンの物語。単調なよくある展開が続くと思いきや、横田栄司氏演ずる兄マイクロフトの突然の登場から舞台は花開く。広瀬アリスさんはとても舞台向き。『ヘンリー五世』のシーンは必見。いつの間にやら巧い女優になっていた八木亜希子さんに驚いた。華があって、笑える楽しい芝居。

    ネタバレBOX

    兄の仕組んだ偽の事件でホームズを喜ばせてやっていたという話。兄の手の上で踊らされていたことを知ったホームズがカードゲームで戦いを挑むことになる。ポーカー風カードゲーム、ランターンがクライマックスに相応しくない。それなりに面白くはあるのだが、兄を乗り越えて『名探偵ホームズ誕生!』のカタルシスがない。エピローグのワトソン夫妻の物語も、もう一度初めから観返してみようという驚きに欠けていた。小ネタばかりで大ネタがないような。ホームズ好きとしては好感を持てる作品なのだが思い入れがない人にはどうだろうか?
  • 満足度★★★★

    三谷幸喜作品を一度は観ておくべしとチケット購入したが、数年前もそう思って観たのを後で思い出した。確かコメディアンの生涯とかで記憶に埋もれていた位で印象もいまいちだったが、比較して今作はなかなかの印象を残した。重大事件に挑んで解決、という筋は「ないらしい」と含み置いたせいか、謎解き要素が複数盛り込まれたのがむしろ加点された感じ。観劇土産になるようなメッセージ性は特段なかったが、戯画化された役たち(演技)であるのに日常の時空に住まう人間の香りが脳裏に残るのは不思議なもので。二、三のアンリアルを除けば、人間を描いた作品であったとの後味である。値段は高いし三谷作品への期待に対してどうであったかはファンには無視できない要素だろうけれど。。
    音楽の荻野清子も楽しみの一つ、以前初シアタークリエ観劇となった芝居で十数年振りの荻野ワールドへの期待が、救いようがない舞台(俳優はうまいが本がダメ)もろとも崩れた記憶が生々しいが、コメディ調の三谷作品と相性の良さを見せていた。だが黒テントが松本大洋のフシギ世界を舞台にした音楽劇で自由奔放に煌めいていた荻野清子をもう一度、どこで見られるだろう。

    ネタバレBOX

    ニール・サイモンは人間の輪郭を浮き彫りにする行動を書き込み、人間の意志を事態(運命)が凌駕する様を描くが、そこに神の配剤を仄めかす劇作の巧みさがある。・・そんな風に言えるとするなら、三谷幸喜は「配剤」が上位にあり人間のリアルが幾許かスルーされる面がある(そうした作品はピン桐で山とある。三谷はうまい書き手である前提での話)。
    今作の美味しい場面。最終局面で兄とのカードの勝負がある。同席者全員参加しての「自分のカードを推測するポーカー(自分のカードだけ見えない)」で、シャーロックが兄と自分のカードの大小を推定していく過程などは三谷が得意としていそうで一つの山場だ。ここで発揮されるシャーロックの記憶力は発達障害の人にしばしば見られる驚くべき画像記憶の能力を連想するし、兄の弟に対する保護本能とある種の嫉妬心もひどく納得が行く(言葉で説明されるのが何ともだがミステリーの謎解きとはそういうものか)。兄が嫌悪するシャーロックの探偵業への適性の実証過程にもなるこの場面は、三谷氏の巧さである。
    一方兄の退散後、喜劇の中心的役回りに八面六臂であったワトソンと、シャーロックの間で余談的に蒸し返される話題は、シリアス調だが人間ドラマの締めとしてはいまいち、というのが私には人間のアンリアルの方が気になってしまう。

    ちなみにカード場面で総出となる出演者は、盟友二人の他、シャーロックの兄、シャーロックに相談に来る能天気な警部、料理が自慢の家政婦ハドソン、医師の夫より人気のある女性医師のワトソン夫人、シャーロックを担ぐため兄が仕組んだ一芝居に協力した売れない大部屋女優(シャーロックに理解を示す)の7人。
    警部は冒頭からシャーロックの出したクイズ(これを解いたら相談を受けるとの約束らしい)に翻弄され、答えを言いに何度も部屋を訪れる。
    大部屋女優はワトソン共々、兄がシャーロックに餌のようにぶら下げた「事件」の真相解明とともに兄の手下だった事が判明するが、この場所が気に入り出入りするようになる(苦労を知る女にシャーロックの影の方が琴線に触れているらしい様子がじんわりと伝わり、本作の唯一仄かな恋愛の要素である)。
    家政婦は兄が所望した「スコーン」を作る最中に起きた小さな事件でスポットを浴びる。
    残るは才媛ワトソン夫人が最終場面、「話題」に浮上しワトソン共々スポットを浴びる訳なのだが、、

    夫人が去り際に渡した「例の薬」によりワトソンが毒死する寸での所でシャーロックに止められる。ここでシャーロックは僅かなヒントを繋げてストーリーを描く彼一流の推理を開陳するが、このストーリーはワトソンという人物や、シャーロックとの関係をより鮮明にして新たな全体像を提示する、事にはならず、若干の無理が滲む。
    最初は兄の依頼で始めたシャーロックと同居を今はむしろ相応しいものと受け入れているワトソン。それは診療所が妻一人で切り盛りでき、彼女のほうが患者を沢山集めている事情もあり、若手の医師見習いの某も順調に育っているとの由。
    だがカード勝負のあった最終日、翌日から妻はヨークシャーでの学会ではなく、ベネチアへ行くと(ワトソン不在のタイミングで)周囲に漏らす。これをシャーロックはワトソン夫人の現在の良人、新米医師とのバカンスだとワトソンに断言し、実は君はその事を既に知っていると告げる。
    後は推察の通り?であるが、ワトソンの「計画」なるものはシャーロックの口に語らせてもなお杜撰さを隠せないが、「それがワトソンらしい所でもある」と、シャーロックはワトソンと一対一の謎解きの弁の最後に付け加える。最後にというのがミソ。つまりそれを言うまでは「まことしやか」に観客が耳を澄ませて聞き入る想定なのである。だがそのかん観客、否私は、シャーロックはいつ「なあんてね」と言って話を中断するかを待っている。少々居心地の悪い時間である。

    私がシャーロックならこの時、ワトソンの「軽卒」や「杜撰」を指弾する前に、その「軽卒」「杜撰」が彼の何を示すものか、を刺すだろう。彼のささやかな復讐は「本気」であったのか、シャーロックに見破られる事を本当は望んでいたのではないか、ワトソンはシャーロックにとって無二の友人であったがワトソンにとってはどうであったのか、そしてそれらの疑問をシャーロックは彼一流の言辞で浮き彫りにさせていくのではないか。
    ミステリー調のこの作品「らしさ」を維持するにはあの程度が丁度良い、との判断もあったかも知れないが、ニール・サイモンならその疑問こそ最大の問題にしたのではないか。。
    クソ真面目に考えてしまった。
  • 満足度★★★★★

    ホームズとワトソンの関係が強固になったことで、以後の探偵小説になった事件が解決されたかと思うと物凄く得心がいきました。

    ネタバレBOX

    他人との関わりが苦手な発達障害的性格を持ちながらも人並み外れた洞察力があって探偵業を始めたシャーロックが、兄が仕掛けた事件の真相を暴き、焼き菓子盗難騒動、ワトソン夫人の浮気を見抜き、さらにそれに伴うワトソンによる夫人を犯人に仕立て上げるための自殺工作を未然に防いだりと、多くの事件を次々に解決し、兄との関係が再構築されたことにより、家長的兄の許しの許、ワトソンと組んでの探偵業に本格的に進むことになったとする話。

    自分のカードを推理するカードゲームが出てきたときには、最近そのようなお芝居を幾つか観たこともあり、これで兄との決着がついてお終いならつまらないなと思ったのですが、ワトソンとワトソン夫人に絡む顛末が二転三転し見応えがありました。

    弟が兄から解放されたのではなく、実は兄が弟に対する共依存的関係から解放されたとワトソン夫人が解説するところに何重もの奥深さを感じました。
  • 満足度★★★

    鑑賞日2019/09/16 (月) 13:00

    座席3階A列21番

     「愛と哀しみのシャーロックホームズ」って、何が「愛と哀しみ」なんだろうという素朴な疑問。端的に「シャーロック」とか「シャーロックホームズ」なんて題名にしたら、観劇に来る人それぞれに、内容をイメージしてしまいかねないので重しとしての冠なのだろうけれど、何か取ってつけたよう。

     内容については、すでに皆さまお書きになっている通りで、正直、推理譚としてみても、ホームズ話としてもどうも物足りない。最初の犯人当てクイズから、なぜ求職した女性が20キロ太るように求められたのか、スコーンを誰が盗んだのか、ランタンゲームの顛末、そして最後のワトソンの計画。うーん、どこに「愛と哀しみ」が、、、、

     ただ、俳優陣の健闘振りは賞賛もので、特に横田栄司のマイクロフトがよい。シャーロックの兄の登場となると、従来であればちょっと唐突感や人物造形に気がいって、物語に慣れるのに時間がかかっただろう。しかし、ベネディクト・カンバーバッチ版の「シャーロック」で、十分にマイクロフトの予備学習を積んだ、現在の我々は、あの嫌味で鼻持ちならず、かつ上から目線の彼を、すんなりと受け入れてみせた。登場シーンの滑稽さから、ラストの秘密のお楽しみまで、そのセリフ1つ1つに凝縮されたマイクロフト節を、横田栄司が大仰
    なセリフ回しで見ごとに演じ切っている。新国立や彩の国で古典を演じ切る彼とは、全く異なる味わいがとても楽しい。
     広瀬アリスも、テレビで観るようなあざとさがなく、コメディエンヌと擦れからし、そして可愛い女性の顔が、スッとこちらに入ってくる。八木亜希子もどんどん芝居が上手くなっているようだし、はいだしょうこの軽妙さも安定感が高い。女性陣の健闘が光る。
     
     ただ、佐藤二朗は少し窮屈そう。福田雄一の元で良くも悪くも天衣無縫、好き勝手やっている感じはなく、三谷幸喜的な枠の中での芝居が求められているのがよく判る。
     だから、前半の小心者のワトソン、後半のシリアスなワトソン、どちらも戸惑いが感じられて、カーテンコールで見せる弾け方もちょっと照れが入っている。これからこなれていくことに期待したい。

    ホームズ好き、ミステリー好きにはお勧めしないが、好きな役者がいる、とにかく楽しい舞台を見たいという方にはお勧め。

  • 満足度★★★

    結構前の方の中央席だったのに、大抵の方が椅子の背もたれから出ているのは首から上くらいの中なぜか私の前のお二人は肩から上が出ていました。そのため第1幕も第2幕もセリフが発せられるまでは、中央上手寄りのソファに人がいるのが全然見えませんでした。その後も見えにくい状態は続いたわけで、仕方ないといえば仕方ないですが、誰でも見やすい劇場というのは作れないものですかね。

    ネタバレBOX

    満足度が★3つなのはその座席のせいばかりではなく、三谷さんの舞台だからと期待したほどでなかったからです。探偵業を始める前の話とはいえ、なんだかチマチマ推理(?)する話で、生演奏のピアノはうるさかったです。
    私が見た回はスタンディングオベーションがありました。ご贔屓の役者さんがいるのか、大枚はたいた舞台は面白かったと思いたいのかわかりませんが、私は立つ気になれませんでした。
  • 満足度★★★

    微妙だった。カード対決の推理の過程とか、推理していく掛け合いとか所々面白かったし、佐藤二朗は舞台がいいな、と思ったし、見所もあるのだけど。
    役者がどうとかいうより、なんか違うという落ち着かなさ。
    シャーロック好きには通じる暗喩めいたものは沢山あって、そこはそれなんだけど。
    シャーロックがエキセントリックさが振り切れてないところとか、マイクロフトが嫌な奴という感じで描かれているところかな。なんか不完全燃焼。カッコいいシャーロック柿澤勇人とマイクロフト横田栄司を観に行ったつもりですが…主役ワトソンじゃん? 佐藤二朗じゃなかったら台無しじゃん? て、感想になっちゃう。

  • 満足度★★★★

    ミステリファンは随喜の涙のホームズ誕生譚である。だが、シャーロッキアンのような物知りファンだけでなく、ただの芝居好きも面白く見られるところがこの芝居がいいところだ。
    かねてミステリ好きを公言し、自作でも著名作品の脚色でもミステリ作品を成功させてきた三谷幸喜ならではの舞台である。
    時代はドイルの原作を踏まえた19世紀末のロンドン。27歳のホームズ(柿澤勇人)が、相棒ワトソン(佐藤二朗)と探偵の仕事を始める前の前日譚である。ところどころにドイルのホームズ原作を織り込みながら、四つの事件が解決される。ことに、最初に持ち込まれる事件が、ホームズ自身の兄弟の物語と重なってくるあたり、巧みな展開の第一幕である。兄(横田栄司)の住まいが芝居の街・コヴェント・ガーデンとか、売れない女優(広瀬アリス)を使っての芝居仕掛けとか、芝居好きも喜びそうな凝った設定である。なるほど、芝居とミステリは、さまざまな点で共通点が多いと納得する。
    二幕は、シャーロック・ホームズが兄との葛藤を経てワトソンと探偵業を始めることを決意するドラマが軸になっている。ここで兄弟の対決をカードのランタンというゲームで見せるが、ここはさすがに苦しい。カードは小道具としては小さすぎて、やむなくスライド投射でスクリーンでゲームの経緯を見ることになるが、そうなると舞台から気持ちが離れて仕舞う。本格ミステリを芝居にすると、証拠品やアリバイのタイムテーブルを見せにくい舞台の難しさである。だが、その二幕でも、ミステリらしく、事件の解決で思いがけない犯人を指摘する。最後は、ドイル原作のホームズ物の第一作「緋色の研究」の冒頭につながって大団円になる。
    ミステリならではの面白さを細部にわたって引き出している脚本で、荻野清子の舞台での生演奏や、幕間的なワトソン夫妻のデュエットなど、お遊び的な仕掛けもうまくはまって休憩をはさんで2時間半、堪能できるエンタティメントになっている。制作ホリプロ、頑張ってA席を一万円以下の納めたのはご立派。

  • 満足度★★★★★

    若きシャーロックホームズとワトソンのほんわか探偵譚。
    60分+15分休憩+60分

    配役は
    柿澤勇人:ホームズ
    佐藤二朗:ワトソン
    広瀬アリス:ヴィオレット
    八木亜希子:ワトソン夫人
    横田栄司:ホームズの兄
    はいだしょうこ:ハドソン夫人
    迫田孝也:レストレイド警部

    この7人ならただ雑談していても満足度は星4つになるだろう。佐藤さんのとぼけた味、横田さんの重厚さはもちろん良いが、私の第一のお勧めは広瀬アリスさんである。明るくはちきれた演技がまぶしい。昨日まではノーマークだったが、すっかりファンになってしまった。

    くどくてくさい三谷幸喜さんのオリジナル作品である。私はTVや映画では彼の作品はやや苦手なのだが、舞台は基本的にくどくてくさい所なので、ぴったり合って気にならない。

    第一幕はヴィオレットが男に追いかけられていると言って飛び込んでくる。ワトソン夫人とホームズの兄というレアな人物も登場して賑やかである。
    第二幕は…と説明するのも野暮なので止めておく。
    しつこい推理の他にしつこいクイズもあったり、三谷流サービス精神の溢れた舞台である。

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