満足度★★★
この劇団、もうちょっと早くから観ておけば良かった
親子どちらからの視点も持ち合わせている所為かいろんな感情や思いが自分の中に呼び起こされる。
確かに人は日常的に演技しているのかもしれない。
終演後の大戸屋で味噌汁飲んで何だかしみじみと考えてしまった。
演目の振れ幅が凄く、先週のゆめあとは全く違っていた。まるで違う劇団のよう。ネタバレ防止で避けていた感想ツイートを読んでいたら、
あまりにもバラバラで面白かった。
それぞれの視線でそれぞれの思い。谷さんの思うつぼなのかも。
満足度★★★★★
死んだら
死んだら喋らない。喋れない。なのに死者が喋ったら恐い。まして身近な人で、恨みつらみを語るなら尚更。誰だって愛されていたいもの。家族には絶対。恐怖と安心と裏切りと幸せ。このスパイラルは天国へ登るのか、地獄へ落ちるのか。揺さぶられた。ソフトなタイトルで油断すると、心を抉られる。家族だから言えること、家族だから言えないこと。家族だから許せること、家族だから許せないこと。聞きたいけど聞けなかった、あの言葉の真意。渦巻く感情が、遠心力を増して暴れ始める。あの時のお母さんをねこちゃんが見せてくれる。それを見守るお母さんとねこちゃんの表情が雄弁。くろねこちゃんもベージュねこちゃんも感情がシンクロしている。百花さんと梨那さん、全く別キャラで見事なコンビネーション。漱石なら話せるのかな?拗ねて母親に反抗する娘は、きっとあんな感じだろう。深沢未来さんが苛立ちを熱演。嫁の本音とたてまえを奈津美さんが好演。女って、オンナって…やっぱりわからないや。東谷さんの背中から哀愁が漂う。長男としての気概と優しさが溢れた。お母さんの様子を見に行く妹への言葉が堪らない。登場人物みんなの表と裏が見える。その振り幅の大きさで、人間の多面性を渡邊さんが見せてくれる。
女優になれる二人の俳優さんがこの劇団にいる。今回は大原さん。塚越さんがお父さん。逆も観てみたいと思ったのはわたしだけではないはず。大きな声はスイッチ。感情をON.OFFする。静かな語りが思いの深さを伝える。▶二回目の観劇。『全肯定少女ゆめあ』のゆめあと真逆なお母さんがいる。全否定される恐怖と戦っている。ただ、嫌われていたことへの恐怖というより、人生を間違えてしまったのかもしれないということへの恐怖なのだな。お父さんはアレを「捨てた」のか、捨ててないのか。あの問答は、アレの話でありながら人生のことだった。苛立ちを紛らす煙草さえも奪われた末に、穏やかで達観したように話していたけど、お父さんの笑顔は絶望に溺れていた。人生を捨てた瞬間に背筋が凍った。嘘つきケンタ。「いい嘘」をつけたのかな。感動させる嘘。それは誰にとっていいことなのか。それは誰かにとって悪いことにならないのか。やはり嘘は、やがて歪を生むのでは?ケンタの背中越しに見える妻と妹の表情が物語る真実。やっぱりオンナって…。やんちゃなくろねこちゃん。パンクスタイル。石ころゴッコに興奮する姿がリアルパンクで笑える。あぁ、優しさの押し付けは強烈な暴力だな。ずっと怒っていたとも美ちゃん。どんな人生を歩むのだろう。幸せを願うばかり。
満足度★★★★
くろねこちゃんとベージュねこちゃん
タイトルからはまったく想像つかないお芝居。
演劇というのは観た者それぞれの解釈が許されるから好きだったり。
たまに許してくれない時もあったりするけど…
このお話は家族の物語で
観る者がどこへ投影するかで全然違う捉え方をするだろうからそういうところも好きだった。
満足度★★★★
嘘でもいいよ
大原さんが凄い良かった。
観終わったら、よしこさんをぎゅって抱きしめてあげたくなった。
よしこさんを大原さんが演るのは、物凄く意味があるんだと、感じた。
芝居の伝わり方が大きく変わると思った。
よしこ=母親=女優ではない。
そこに、より、大原さんの身体を通したよしこさんの台詞がどしどし、
伝わる感じがした気がする。
観れて、良かったと思う。
観ながら
「嘘」でもいいよって思った。
本当に。
愚かだと思われても、いいよって。
今回、稽古場見学でシーン毎を観させて貰ったのだが、
あの開演前から段々と芝居と流れていく今回の公演は、
俳優さん方の力があるからだなと思った。
「虚構」だけど、その「虚構」へのスイッチの入れどころがあえて
今回は難易度が高い!!でも、この芝居はそれを飛び越しちゃっている。
もう、皆さんが良い!!
だから、観に行く事を物凄くお薦めです。
個人的にぐっときた所お父さんから息子に箇条書きで約束を読み上げる時
「健康に気をつける」が2項目あった点が稽古で
観た時にすでに泣きそうになったポイント。
このシーンの塚越さんがとても好き。
二匹の猫ちゃんと、お嫁さん。
稽古時からの引き出しの多さにびっくりした百花さん、中村さん。
稽古の時より表現がいい意味で観易くすっきりした感じになっていた。
堀さんは、あの感じの役柄がほんとに上手!
100匹ねこちゃん企画も参加したかったけど、諸事情で
Tシャツは購入したんですが
お写真は諦めた・・。
深沢さんは、稽古からぐんと、良くなっている印象が強かった。
自信というか、「こう演じる」というものが明確になった強さを娘としての芝居に感じました。
渡邊さんは、お洋服のたたみ方がとてもお上手でたまたま、
自分の席が端だったのでいわゆるそで位置に居てもきちんと「高梨」さんだったです。
東谷さんは、一番、良い人だったのかな。勝手をしてたけど、いい加減だけど、よしこさんを救ってくれたかな
満足度★★★★★
初演を観て
ダルカラを好きになりました。再演は王子スタジオという小さな空間で、道路を走るか車の音が聴こえる中、演劇の本質は「外野の騒音」とは無関係だと感じさせてくれる質の高い演劇を見せてくれました。感想おそくなりすみませんでした。
家族ってひとつのフィクション
自分の犠牲の上に家族は成り立っていると思い込んでいる(はためいわくな)母親はそのひとつの典型で、その思い込みを守ってやろうとする息子は、家族を思いやっているのか、優しい息子の虚構を生きているのか。みんな、フィクションの線上を歩いている。たぶんだれでも。
満足度★★★★★
誰もが見えない事実の中で生きている
家族 母の想いが空回り 母は家に閉じこもって生きてきた周りが見えない 変わることが怖い 父の遺書 長男の嫁 2匹のネコと思い出を話す母 ネコは母が作り出した話を聞いてくれる友達。 父が亡くなりさらに思考が狭く固まってくる。 長男が読む遺書は作り物 長男の嫁は、実は金と自分の事ばかり 本当のことは言えない 切り口が母なだけではないか 実は誰も 自分では見えない事実の中で生きているように見えた。 上手い役者陣 面白かった。
満足度★★★★★
母親・奥さんと重ねつつ…、普通の家族なのに毒気が…
夫に先立たれた母親。
その寂しさを紛らわせるため、居ない筈の2匹の野良猫と会話し、(楽しい筈の)思い出を振り返るが…、その寂しさ、私の母と重なります。
そして思い出の中では、自分が正しいとしか思わず、自分の考えを押しつけ、他の家族と溝を深める母親の姿…、少し私の奥さんと重なります。
孤独と猜疑心が支配する中、生前、父親が残した遺言書を読み上げ、ハッピーエンドなのか…、と思いきや!
ラストは毒気たっぷりでした!
役者さんの熱演、毒気たっぷりの脚本、素晴らしかったです!
満足度★★★★★
ナットクのお芝居。
・・・なんていうか、解り易いんです、登場キャラクターが。
「よくある熟年離婚話」とかで出てきそうな家族、と言ってしまえばそれまでですが、“こんなバカな女居ねえよ”とか“こんなキモイ男嫌じゃ~ん”ってツッコむ人が居なくて、“あ~~~、居る居る、こんなヒト。”と苦笑してしまう人達ばかり。だから、各人の心理の状態や、ここでどう動くかがなんとなく予測がついたりするのです。勿論、俳優さんの確かな演技力がそれを完成させているのでしょうが。
予測がつく分、サプライズ感もスッキリ感も希薄な結末と言えるかもしれません。誰が間違ってたのか、誰が悪かったのか、じゃあ誰がどうすれば良かったのか、それは観客一人一人が感じ、考え―――でもきっと正解なんか無いんでしょうけどね。
それでも、引き込まれる様に見入ってしまった・・・んだから、やっぱり「面白い」と言わざるを得ないと思いました。
満足度★★★★
本当の家族とは…
これ程 観る人の環境(家族構成・年齢・性別) によって 観方が変わる作品も珍しいと思う。 私の場合は年齢の差は有れど 母視点で観た為 心が深く抉られる想いで 観終わった時 グッタリと… ただ脚本や演出は素晴らしく 違った視点で観ていたならば 違った感想になったかと… 併せて出演者の年齢に幅が有ったのが(実年齢は判りませんが)小劇場では珍しく とても それが活かされた作品だったと思います
満足度★★★★★
初めて観ました
素晴らしい熱演で、再演も納得の面白くて心に深く残る作品でした。
親子や兄妹、夫婦関係など「家族」との繋がりをそれぞれの立場から考え見つめ直すことができました。 そこに「愛」はあるのだけれど、どこか一方的だったり、伝わらない思いが交差して、歯車が上手くかみ合わずズレが大きくなっていってしまうという悲しさや難しさを感じました。
また、父母から子供達への厳しくも愛ある言葉には、共感する部分が多くありました。
関西弁のねこちゃんとても可愛かったです。
満足度★★★★
14時の回を観ました。
王子スタジオは初来訪。
受付&開場時間になってシャッターが開いたら、
ガラスばり&入ってすぐ座席&アクティングスペース&役者さん待機中。
一気に「劇場」感に包まれて、興奮しました。
座席は、受付を起点にして L のように2方向に広がる感じ。
会場が道に面していて、外の車の音などが多少聞こえてきましたが、
役者さんのセリフを聞き取ることに支障はなく。
むしろ、シチュエーションが「佐藤家のリビング」だったので
その音が一般家庭っぷりを増していました。
上演時間は1時間40分。
自分でも知らないうちに泣いていました。
客観視することで、自分の境遇を知る…みたいな感触。
観てよかったと思います。
パンフレット、「売り切れです」と言われたので諦めたのですが、
後日郵送で予約できたのですね…
知らなくてそのまま別のものだけ買って帰っちゃいました( ;∀;)
満足度★★★★★
テキストも役所さんもいい
ダルカラ「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」を2度目の観劇。せっかくなので1度目とは反対側で観劇。そのせいか、父と母が向き合うシーンが、とても印象に残る。このシーン、すごい好き。そしてここからの母の悲しみの表現がいい。
満足度★★★★
お茶会はなかったけど
朝10時からおはようの挨拶で始まる
まぶしい外の光と、母さんの内なる渦巻く思いが対照的
やっぱり大原さんの母に引き込まれるのですが
今回は父親の閉店する時の会話に感情移入しました。
自分も仕事で辛い事があったからなのか?
開演前、終演後は凄いアットホームで開演前は
みんなで体操でもさせかねない雰囲気でしたねー
ゆめあと連続で公演なんでホント凄いですよ。
ショート7の第二弾をやってくれませんかねぇ
(TBは後日)
満足度★★★★★
成長
なにもないところから演劇がうまれる瞬間を観せて貰った。
初演から約3年。随分シャープになった気がするのに深い。
彩りが増している。
観る人観る時間観る場所によって全く違う作品に観える。
劇団として役者としての成長を存分に感じさせてくれた。客演陣もいい。本当に素晴らしいものに出会えた満足感で会場を出た。
大阪、岡山では全く色の違うねこちゃんがいるような気がする。
観られる方が羨ましい。
満足度★★★★★
こんどの猫はしなやかな筋肉質
何年か前にアトリエ春風舎で初演を観ています。
そのときには作り手や役者達がいろんな手さぐりをしながら作品の爪をとぎ、観客を招いている、いわば子猫の印象もあったのですが、今回の猫は筋肉質。
難解さはまったくなく、誰もが舞台の世界にすっと導かれるような平易さや上質のウィットもあり、その一方で、場ごとにもれなく様々な彩でのクオリティが作りこまれていきます。
シーンのひとつずつにくっきりとした意図があり、そこに血液を送り込む場の鼓動や歩みがあり、それをひとつずつ支えるストラテジーを感じるミザンスの作り方があって。初演と比べても、エピソードが滲みなく高い解像度をともなって観る側に入り込んでくる。
家族劇でもあるのですが、不要なべたつきがなく、冷徹でもあり、でも存在するコアのぬくもりが滅失しているわけでもなくて、解け出してくるものに息を呑み、その歩みだしのシニカルさと暖かさの織りあがりにも心を捉えられる。
演劇をあまり観ることがない観客から、観劇経験の豊富な観客までを、それぞれに満たす間口がある舞台だなあと思う。
もたれない軽質さに身を委ねているうちに、シーンの記憶やキャラクターが抱くものや、物語の顛末にがっつりと満たされておりました。
満足度★★★★★
観るたびに違う感覚
どんな受け取り方も可能な多層構造な表現。場面場面のテキストの鋭さ。俳優陣の熱量と技術。笑って泣いて刺さった。3回観たが、都度全く違う部分で揺さぶられる。この奥深さがダルカラの凄さ。小劇場演劇に於ける最高峰の一角が確実に此処に在る。それほどの逸作。
満足度★★★★
初観
この作品は観たことなかったので、予備知識無しに観に行きました。
開場の時点では、まだ舞台は無く、役者さん達もウォームアップの状態でしたが、開演と同時にセンターに食卓が出てきて、役者さん達の生着替え???で、興奮したまま開演しました。。。
お話しの内容ですが、序盤・中盤・ラストからエンディングと、てんこ盛りの内容で、いろんな仕掛けも面白く、良い意味で演劇観た!って感じでした。
役者さん達も派手では無いですがキレのある動きで、それぞれの役をこなしており、やっぱり劇団全体のレベルが高いなぁ…と実感したのでした。
家族間でも嘘が無いと生きていけないのは悲しいけど現実なのかなぁ、と感じたお芝居でした
満足度★★★★
満足度はそこそこでも、
また観たくなる。
遊び心と青くエッジが効いた作劇のブレンドが少し癖になる味わい。この戯曲は二度目。
他所でやった前回のものも、それ程満足度は高くない。
キャストと早期購入特典[キャスト全員のサイン入り上演台本]に惹かれて観に行ったが、相変わらず分かりづらい箇所が有るものの概ね楽しめた。
満足度★★★★★
家族だから、・・・家族だけど
観劇当日の天気と同じ曇りと雨のような、スッキリ快晴ではないが心深くに刺さる家族の舞台であった。だが、間違いなく傑作だと思う!
わずか8人の役者さん達の熱気も伝わる狭い空間で観れて大変良かった。
以下、公演中なのでネタバレで。