公演情報
「しだれ咲き サマーストーム」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
江戸風俗が現代まで続く架空の日本で、落語家の跡目争いから始まる色と欲との物語。
趣向が盛りだくさんで、舞台の面白さの大盤振る舞い、という印象だった。
満足度★★★★★
すでに年に一度のお楽しみになってしまってる劇団の年に1回の本公演。
観に行くのは1度では足りなかったからリピートしたけど、素晴らしい役者さんたちの競演と、粋としか言えない独特の世界観が素晴らしかった。
堀越さんは作家としても、演出家としても、役者としても凄いと言うかその才能が恐ろしいです。
満足度★★★★★
今回が初めましてのあやめ十八番。評判通りの、それ以上のクオリティでした。
舞台美術の美しさ、生演奏、巧みな演者達。
落語を主軸に2020年の江戸というパラレルワールドを、一歩間違えると滑ったノリになってしまいそうなところを、上手いバランスで表現していた。
高さのあるセットだったため、前列だと後半首が痛くなってきてしまったのが難点。
奥行きの活かし方はとてもよく、月と柳が美しかった。
声の通りがよい役者さん達が多かったように感じたが、特に主演の藤原祐規さんはよく通り、強弱から高低まで聴きやすく、なんとも色っぽい声が役柄によく合っていた。二幕からの演技には圧倒された。
期待通りの満足度と高揚感で劇場を後にすることができました。是非この俳優陣で再演をして頂きたい。
満足度★★★★
サンモールスタジオ公演以来2~3年振り二度目のあやめ十八番。自分が観るようなモンじゃないな、と思ったものだが、昨年の「ゲイシャパラソル」は題名にそそられ(観られず)、今回は吉祥寺シアターでやるというので何故だか観たくなった。
予想通り、ではないが期待を裏切らず、目を喜ばす美術が広がる。目一杯高さを利用して渡された橋、階段、舞台面からは闇に溶ける奥行があり、巨大な月の一部が覗いている。箱庭的なカタチに乗っかって、「江戸」のノリと気分が舞台上に持続する。もっとも「現代」要素も悪びれずに現れて共存し、なんちゃって感を祝祭的に高める生演奏の音曲と、江戸らしい啖呵や口上に導かれ芝居は進んで行く。
ストーリー自体は散漫である。最初からその兆しがあり、結句その通りであった、と思う。最終的に作者がどの人物にフォーカスしたかったかは判らないが、答えの一つは千秋楽終演後の挨拶で作者自身が披露した作品解釈=「3人の誰がオチを取るかの奪い合いのようなもの」。なるほど、焦点は定まらなくて自然な訳である。
各人物は互いを牽制しあう事で人間像や生涯像が棲み分けされ、トータルで群像を形成する。群像はその背後に何かを見せる。彼らがうごめく吉原という土地そして江戸という時代。「終わり」へ疾走する終末の気分が支配するのは、欲と金に追われる者共のはやる心のせいもあろうが、「江戸」がやがて終りを迎える時代区分、もっと言えば消え行く文化である事が影響するのだろう。この劇団が(本家の花組芝居も)なぜ「江戸」をやりたがるのか、の回答が芝居の作りににじみ出ており、ある種の憧憬や願いに観客も同意し、架空世界の構築に加担していく。どんな芝居もそうなのであるが、希薄なストーリーでも成立してしまう裏にはそういう事もあろう。
一回目の観劇ではそれ(ストーリー性の問題)がネックになったが、今回は「話」に入り込もうとせず冷静に筋を追いながら観た。ヘタに整理をつけようと言葉数が増えるより、ノリの持続を選った潔さ?を快く受け止めた次第。
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/22 (月) 19:00
座席I列3番
落語の廓噺的なストーリーにシェイクスピアっぽさを加味してドミノ倒しを思わせる構造で見せる、的な。
以前から冒頭と締めが落語風の語りというのはよくあったが今回は物語の中心人物が噺家や元噺家の戯作者(と歌舞伎役者)で、もう本当に立体落語の世界、みたいな。
そして第一幕で牌を丁寧に並べておき、第二幕ではその端の1枚をチョンと突いて以降、牌が次々に倒れるように物語が連鎖してサゲまでスピーディーに紡がれて行くのは快感。休憩込み2時間半を超える尺を感じさせないのは見事。
そんな物語の舞台となるのは「維新がなく江戸風俗そのままに今に至った日本」で、その世界観は佐藤信介監督「修羅雪姫(2001年)」(=鎖国が続いたまま今に至った日本が舞台)と通ずるとも思った。
(背景・トーンといえば「いだてん」、「昭和元禄落語心中」と通ずるのはいわずもがな)
ただ、「役不足」の使い方と「耳ざわりの良い」という語がちょっとひっかかった
「男性の手紙を(女性である私が)書くのは役不足」的な台詞があったが、これ、「役不足」ではおかしいだけでなく、「力不足」でもそぐわないのではないか?……といって、どう言い換えたら良いか思いつかないのであまりエラそうに言えないんだが。
「耳ざわりが良い」は普及しつつあるようだが、やはり抵抗を感ずる。
なのでちょっとだけ減点。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/20 (土) 14:00
座席1階F列18番
2019.7.20㈯ PM14:00 吉祥寺シアター
夏の暑さが戻った梅雨明け間近の吉祥寺の駅から、あやめ十八番『しだれ咲きサマーストーム』を観る為、吉祥寺シアターへ足を運んだ。
劇場に入ると紅殻色の橋から階段へ、階段から中空、地上の左右に紅柄色の格子に囲まれた、廓の部屋のようなものへと繋がる舞台が暗い中に鮮やかに浮かび上がっていた。
江戸時代まで行われていた風習、“ 後妻打ち”の場面から賑々しく始まった『しだれ咲きサマーストーム』の舞台は、2020年の江戸。
“ 後妻打ち(うわなりうち)”とは、妻と離縁して1ヶ月以内に夫が再婚した場合、予告した上で、先妻が後妻の家に徒党を組んで襲撃し、後妻も徒党を組みこれに応戦すると言うもので、刃物は用いず、人を攻撃してはならず、壊すのは家具や物品のみに限り、男は参加出来ないなどのルールがあり、互いの鬱憤を晴らす風習。
この“ 後妻打ち”、落語や時代劇等にも描かれており、「ああ、落語の世界だなぁ」、これはもしや落語仕立ての話かと胸が弾んだ。
舞台は2020年の江戸。江戸と現代が混ざり合いながら、するりと溶け込み違和感がない世界が目の前に立ち現れた。2020年の江戸を舞台に紡がれるのは、
風間東薫という元落語家が新婚の身でありながら、鬼瀬川という吉原の遊女に一目惚れして以来、毎日のように妻のお袖に離婚を迫るも、お袖はこれを頑として聞き入れず、夫婦の話し合いは平行線を辿る日々を送っている。
一方、落語家時代の東薫と同期であった岩鼻牡蠣衛門も、現在は落語家を辞め、戯作者となっていたが、或る日、作家として活動する牡蠣衛門の下に、かつての兄弟子である落語家の大酩亭白菊から新作落語の執筆依頼が舞い込む。
時を同じくして、廓の主から遊女が演じる俄狂言“吉原にわか”の執筆依頼を受けた牡蠣右衛門は、白菊から依頼された落語と“ 吉原にわか”の二つの作品を一つの廓話として成立させようと目論み、吉原とそこに通う男達の間に、様々な騒動を巻き起こし、この騒動の煽りを受けて、東薫は、五年もの間、胸に秘めていた壮大な計画を実行に移していくのだが…という物語。
落語の廓話を軸に、人情噺、滑稽話、色悪の噺など、様々な噺のパッチワークのような噺が展開され、最後のピースがカチリと嵌り、最後にはそれが壮大なジグソーパズルとして完成するような舞台。
自分が七代目大酩酊白菊を襲名せんが為、六代目白菊の娘お袖と夫婦になるが、七代目襲名を狙う兄弟子の策略に嵌り、初めて足を踏み入れた吉原遊廓で遊女鬼瀬川に一目惚れして、身を持ち崩し、七代目白菊を兄弟子に奪われても尚、鬼瀬川に焦がれ続ける東薫、歌舞伎役者の猿若藤七郎もまた、鬼瀬川に恋焦がれ、身請けを目論む。
藤七郎は、自分に想いを寄せる遊女二人に、嘘を吐いて金を工面させ、その金を工面する為に遊女二人は、自分にぞっこんのVチューバーコンビに偽りを言い、借金をさせ金を手に入れ、そのVチューバーコンビは、その金を手に入れる為、自分達の創ったアイドルVチューバーに夢中の藤七郎の弟子雛太郎から、これまた、嘘のクラウドファンディングで金をせしめ、その金を遊女二人に渡し、その金は藤七郎に渡り、その金が巡り巡ってアイドルVチューバーの手に渡りと入れ子のような構造になり、そこに、お袖、鬼瀬川、藤七郎によって苦界に落とされた遊女朝蛾於、廓の主の娘と東薫達が関わり合い、絡み合い、そして牡蠣右衛門によって操られ、胸が透きつつも、男の子身勝手、惚れた男の為に、騙した相手には悪女だけれど惚れた男への女の純情、その純情を自分の欲望の為に踏みにじる男の傲慢と狡さと身勝手さが描かれている。
東薫と藤七郎の破滅、それは、牡蠣右衛門の戯作によって操られ、仕組まれていると見えながら、見えざる神の手、時の采配、人知を超えたものによって下された鉄槌であり、牡蠣右衛門もまた、そんなものに操られていたのかも知れないと感じたのは深読みに過ぎるだろうか。
こんな小難しい事は抜きにしても、江戸と現代、様々な人間模様と噺が入れ子のようになり、パッチワークのように紡がれ、観終わった後は、壮大なジグソーパズルの完成を見るような『しだれ咲きサマーストーム』は、夏の始まりに相応しい、爽快で痛快な一席の落語の中に迷い込んだ面白さに溢れた舞台。
文:麻美 雪
満足度★★★★★
吉原には「八朔」という行事があったという。柑橘類の話ではない。文字通り旧暦の八月一日のことである。家康が天正十八年八月朔日に江戸に入ったことを記念して各大名、旗本、御家人などは白装束で将軍に拝謁したのだが、江戸庶民にとっては、吉原の遊女が白小袖を着て客を迎えたことを意味した。未だ暑い盛りであるから白い小袖は、雪の純白や純な娘にも通じ、粋を尊んだ江戸っ子達の人気を博したようだ。(新暦では大体8月末頃)(追記2019.7.24)
満足度★★★★
鉄鋼場?のような大道具に江戸が舞台にしちゃ大胆だなと思い 和服の若衆の生演奏に期待が高まり始まった女の討ち入り? 確かに面白い風習でした。芝居・落語・小噺を織り交ぜ現代と江戸が混じりあいながらも違和感なく楽しめました。時代がかわっても男どもときたらどうしょもない生き物ね~
満足度★★★★★
劇中劇ならぬ落語劇といった構成である。舞台は現代と江戸時代(吉原)が混然一体となっており、時代を行き来するといった時空間の往還ではない。噺家によって場面が自由自在に操られ、それが落語の世界なのか、噺の劇化なのか...実に不思議な世界観を築き上げており見事だ。同じ舞台に花魁姿の女性がいれば、現代ファッション?のyoutuberの女性も登場するが、不思議なことに違和感はない。
この世界観を支えているのが舞台美術だ。前に観た「ダズリング=デビュタント」の舞台美術も素晴らしかったことから、舞台造形には拘りがあるようだが…。
物語は、説明にある“嫐打ち”の漢字のような女・男・女の愛憎、また至芸への執念や嫉妬といった人間の業(ごう)などを、情感豊かに描き分ける巧みさ。上演時間は2時間35分(途中休憩10分)と長いが、飽きることなく集中して観られる秀作。
後日追記
満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/21 (日) 19:00
座席1階3列
価格4,000円
まず開場に入るとセットから期待は高まり、劇中は生演奏が風景や心の声を加えていく。スッとひとつひとつのシーンに引き込まれ、気付いたらクラウドファンディングが私の胸をひと突き。人の欲は不変。それを自分にも重ね、思い出すたびに笑いが止まらない。私の今年最高作。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/21 (日)
21日14時開演回(途中休憩10分込み2時間35分)を拝見。
大胆な舞台セットに度肝を抜かれ、人々の愛憎が複雑に絡み合うシリアスな題材が、生演奏をバックに、落語のテイストで軽妙洒脱に展開し…『江戸系 諏訪御寮』等、自分が過去に観てきた、あやめ十八番の9作品のうち、今回が最高傑作ではないかと思う。
役者陣。
まずは中野亜美さん。あやめ十八番・代表の堀越涼氏の指導の下、初舞台を踏んだ女子高校生が、2年後の夏、同じ吉祥寺シアターの舞台で主要キャストの一人を立派にこなしているのを目にして、胸熱な気分にさせられた。
次に、メインの役柄ではないが、本作品の軽妙洒脱なテイストを象徴するような役柄を演じた田久保柚香さんが、個人的には、とても印象に残った。
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/20 (土) 14:00
中入り挟んでの二時間半が、あっという間に感じる位に芝居の世界に引き込まれた。
生演奏の臨場感も良かったし、ストーリーも面白くて美しかった。
満足度★★★★★
華やかで楽しいワクワクする舞台でした。遊び人というかダメ男というかまさに落語のキャラクターだった。生演奏も良き。満足感のあるお芝居、堪能しました。
満足度★★★★★
とても見応えのある舞台を観た。最初からワクワク感満載で,途中10分間の休憩はあるものの,最後まで緊張感は途切れない。作品,演技,演出,秀逸である。舞台装置も劇場を縦横無尽に使っており,なんとも大きな芝居感が溢れている。作品のオチもとても好みである。あやめ十八番さん,観劇は2作品だけであるが,いずれも質の高い舞台で,今後も注目したくなる期待の劇団である。