桜の森の満開のあとで 公演情報 桜の森の満開のあとで」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-19件 / 19件中
  • 満足度★★★★

    文系大学のアクティブなゼミの様子をバックに社会問題も浮き彫りにする感じ。さすがは南慎介!

  • 満足度★★★★★

    某大学のゼミに参加するというふれこみ。

    教授役の男性(ちなみにシアターミラクル支配人)は前説で「タバコを吸うシーンがある」と述べたが、いまどき そんな大学生いるか。





    大学生たちは「模擬カンファレンス」という討論で成績に差をつけられるゼミに属する人々であり、利害関係者の役になりきって特定のテーマで「賛成」「反対」の意思表示をとり、多数決の方が評価を稼げるというシステムだ。意見を言わないで多数派に追随してもよいが、稼げる評価は少なくなる。ただし少数派には評価がつかない。



    そして、テーマとなったのが近未来、架空の自治体(福井県の実在の市をモチーフ)における「高齢者から投票権を取り上げる」条例だ。これを賛成する市長、商工団体、電力会社の代表者らに対し、地元NPO青年らが反対する。

    市長役の女性がキャリアウーマンのような出で立ちだ。どぎついものの知性があり、場の中心となる。対して やや誇張だったのが電力会社員役の男性。



    毎週のように集まり、クールダウンよろしく休憩をはさみつつ、席に着く学生たち。

    白熱の議論はロジックで、観客である参加者に配られる詳しい資料も相まって、さながら『朝まで生テレビ』視聴者だ。ここは照明を明るくしたり、開演中でも読み込む時間を用意した方がよかった。



    この議論は劇中劇である。


    だが、それが現実の人間関係に影響を与え、しかし現実の人間関係が論戦を覆していき、衝撃を辿る。



    専門的な見地からいわせていただくと、シルバーデモクラシーが非難の的となっているからといって、高齢者から票を取り上げるのは反対だ。高齢者をアイコン化し、「高齢者だから高齢者のための候補者に票を入れるはずだ」というのは個人を無視している。仮に100人中99人の高齢者に そういう傾向がみられたとしても、1人の投票権を喪失させていいのか。

    また、「高齢者だから高齢者のための候補者に票を入れるはずだ」がダメだと権力側が決めつけるのは絶対主義だ。善し悪しは有権者の判断に基づくものであり、相対的でなければならない。それを極化すれば、権力側が「善い」とする投票結果を得られるまで投票権の属性を絞ることになるからだ。(被成年後見人の投票権剥奪は憲法違反とし、個人の権利は復旧されている)

    そのような社会が健全かは言うまでもないだろう。


    だから、申し訳ないが、専門的な見地からはゼミの「結末」というものも首を傾げたくなる。















    半端の「地方分権」ほど、この国を陥れるものはない。福岡県などでは憲法違反の「条例」を制定し事実上、施行してしまっている。本来、国を縛る最高法典として憲法があり、その下に法律があり、条例がなければならない。だが、現実には、法律としては憲法違反の疑いが強いから「条例」として既成事実化し、国民を縛る働きをするケースもある。あれを法律でやろうとしたら法制局がサインしたかどうか。憲法では日本の最高機関は国会であるとされているが、政治家や官僚、メディアのスクラムによって この国の長に祭り上げられたのが地方自治体である。



    専門的になってしまうが、日本の自治体に権力分立はない。二元代表制ということにはなっているものの、圧倒的多数の議会で首長の提案する予算・条例が通過(全提案、全会一致)しており、議員の提案も 枯れるほどしかなく、「なれ合い」という日本的関係が続いている。いわゆるオール与党である。ここまでの経済規模を有する国で、自称・民主主義でありながら一部の県・市・町政を除いて対抗軸がないというのは、実は驚異的である。



    自民党の石破茂氏は憲法改正において、参院議員を「地方の代表」選出とする内容を主張している。これは、自身が県連幹部を務める鳥取県が、お隣の島根県と合区の対象となったことによる。つまり「地方の小さな声を、より拡大して国会へ」という思考なのだが、このことは、国会議員を「国民の代表」とする現行憲法とは真っ向から衝突する。それをつぶさに検証すべきだろう。


    第一、仮にも都道府県を戴く中央集権制のこの国において「地方自治体」を選出主体とするのは、北海道の代表や沖縄の代表といったアイデンティティと政治的基盤を一層強固にするものであり、単一国家観を揺らがせることは言うまでもない。それはさておき、自民党は制度的に地方分権する道州制に関しては導入の立場をとってきたはずだ。いつのまに変えたのだろうか。もちろん、石破氏も導入を期す法案には賛成していた。

    憲法で、合区をなくすために地方自治体を書き込むことは、道州制の導入を放棄することとひとしい。なぜならブロックごとの人口単位が一千万にもなる道州制は、一票の格差という点では予め均等になるからである。書き込む動機がない。


    無責任なのは石破氏に限らない。もし合区が都道府県への帰属を壊すのが嫌で憲法改正したいのであれば、道州制については どう総合するのか、自民党は明らかにすべきだ。




    たとえば旧母体保護法の補償問題では宮城県が突出して違憲行為をしていた。調査ジャーナリズム・ワセダクロニカによると、各界が一体となって不妊を広める広報をおこなっていたという。この問題は当時の厚生省が推奨していたので分権論のみでは扱えないが、日本が、中央集権制で水平に この国を指導していったわけではない。


    そして今日、違憲の疑いが強い「条例」も採択されている。そうした「自治の暴走」においては、中央が責任を以って地方を是正すべきだ。




  • 満足度★★★★

    与えられた役になりきった、白熱した議論!だけで終わらなかったのが良かったです。
    できれば、もう少し役ではない素の部分のバックボーンが見えていたら⁉︎と思いました。
    議論の中身もなかなか考えさせられるものが多かったです!

  • 満足度★★★★★

    臨場感があるゼミは見応えがありました。

    ネタバレBOX

    ゼミで使用するテキストが手元にあるのはいいですよね。とてもわかりやすいです。キャラが濃く、個性のある学生がそれぞれの持ち味が出ていたなあと感じました。強、強、弱、強、弱・・といった感じで、熱のこもったセリフのバトルというよりも、切なさも時折感じる展開に、いっそうの面白さがありました。いろんなタイプの学生がいて、教授がいて、バランスがとれていて、とてもひきつけれたのです。
  • 満足度★★★★★

    3年前よりさらに面白く感じた
    これはきっと自分が議論を経験してきたことや
    観劇経験を積んで、当時よりも舞台の見かたが上達した事が要因だと思う
    役者や制作側だけじゃなくて、観客も成長することにより作品を面白くできる
    この歳になっても成長をしていける、それが嬉しかった
    考え方ではなくて立ち位置だと
    自分は「門前」の様な形で議論するタイプなので
    作品を見ながらずっと、今の重心はどこだろうとか
    議論の筋はどうするか、反論はできるかなど
    完全に会議に参加しながら考え見てて
    それがとても楽しかった
    この作品は本質を常に求めさせる踊り場

  • 満足度★★★

    始まってすぐ、「議会」と「勧進帳」が大声で怒鳴っているが何を言っているのか分からない。オープニングのアクセントかと思ったが本編に入っても相変わらずだ。肝心の会話にも論理の冴えがまるで見られない。大体「憲法違反」が出た時点で終わる話を何故か引っ張っている。ここに至って、これは何かを真剣に議論する劇でないことを悟った。さらに、補助金の存在などの裏事情が明かされて、これはむしろ「現実の会議なんてこんなものよ、真面目にやる意味なんてないよ」と主張する「反会議劇」あるいは「現実会議劇」とでもいうべきものだと結論した。feblaboは「ナイゲン」も上演しているのでその真逆の(屁)理屈の全く通らない会議を描いたのだ。

    もっとも「会議劇」の部分はこの弁当の一番大きなおかずではあるが、他にも青春劇、政治劇などといった小さなおかずも乗っている。しかしここで出てくる日本の困った事情は誰でも切実に考えているもので改めて言われても困惑を繰り返すだけだ。

    さて、しばらく時間をおいて、あの無意味な怒鳴り合いを考えてみると、芝居においても現実においてもそれは虚しいものだと言いたいのではないかと思うようになった。そうでなくても何か意味はあるよね。

  • 面白かったです。

  • 満足度★★★★★

     無論、5つ☆。

    ネタバレBOX

     ディベート物は面白い。科白の無い時でも、役者陣は、常に設定されたキャラや討議の流れの中で受け身の緊張とこれらの条件下での演技を強いられる為、芝居にたるみが出ないからである。無論、この程度のことに気付けないようなら、こういった作品に出演させて貰えない。演出家・プロデューサーがしっかりしていれば、キャスティングで実力のある役者しか選ばないということである。シアターミラクルが主催するディベート物は、プロデュースがしっかりしているから、いつもレベルの高い作品を提供してくれる。今回も例外ではなかった、再々演ということも、評価が高いことも当然のことだろうと頷ける内容だ。それは脚本内容の発想の面白さや練度の高さ、白熱した論議を演ずる役者陣の演技、内容と噛み合う舞台美術の使い方の上手さ、効果的な音響。照明以外にも当パンと一緒に渡されるしっかりした資料等、気配りも充分だ。
     討議のテーマ自体の深刻な内容も観客を芝居に巻き込むことに貢献している。解決策も見事である。一方、拝見しながら、今作とは異なる解決策はあり得ると考えてもみた。その実現可能性は、今作の解決策より可也低いが、より革命的、ラディカルではある。では、それはどんなことかというと、現代資本主義体制を支えている根幹、金融をいじる作業だ。現在行われている銀行業務とは、リアルな実体経済をひとまず「根拠」と名目上置いた上で、信用貸しをすることによってバーチャルを理論的には100倍程度迄(日本の都市銀・地銀の場合)融資することで、右肩上がりに縛られたバーチャル経済を機能させることである。だから、このシステムを壊せば現在病的・狂的なまでに暴走している経済を健全なものに戻すことができる。そしてそれができれば、争いを誘発し、煽って肥大化させ、殺し合わせて後戻りできない所まで追い込み、武器を売り込んで設け、破壊された建築やインフラを修復すると抜かして更に儲ける糞共の狙いを、儲けという目的を阻むことができる。その方法の一つとして考えられるのがイスラム金融(元来利息を認めない)や地域通貨の代表として政府通貨を発行することである。戦争やその懸念に各国民は膨大な富を消費させられており、死の商人とその甘い汁を吸う下司・政治屋共によって個人的に何ら恨みも無い人と人とが殺し・殺されるのが現在である。こんな下らない、不毛な争いや何の役にも立たない兵器を捨て去ることも射程に入る。
  • 満足度★★★★

    ナイゲンとかを連想しました
    なかなかに濃い内容だった(^-^)
    (まぁ隣で時々眠気と戦ってる方はいたけれども・・・)

    さすがに再演ともあり
    ブラシュUPしてるんだろうな~とかを感じた
    目が離せない2時間の作品でした

    ネタバレBOX

    劇中で使われる資料は個別に当日パンフと共に手渡されて
    なかなか臨場感を醸すのに一役買っていました♪

    オチもなかなかに好みだったかな~と

    12人の怒れる男~みたいな会話劇は
    作りが丁寧で積み上げた感じが好感もてます

    仲の悪くなった親友が・・実は
    というハッピーエンド風なオチも
    なかなか付け足すには理解し易く微笑ましかった

    また劇中で各人が見る資料と同じものが
    当日パンフと共に手渡されて
    劇中共に資料の確認が出来るのも
    参加型の芝居みたいで臨場感が良かったデス
  • 満足度★★★★★

    見ごたえのある会話(会議)劇。初心者にモックの概要説明をするくだりは、個人的に今イチだったものの、今回初めて観たので、面白さの方が上回った。池田さんもすごくよかったし。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/03/26 (火) 15:00

    価格2,500円

    初演・再演とも観ているが、記憶力の衰えにより(爆)概略はともかく細部の記憶がとんでいるため割と新鮮な感覚で観る。(「あぁ、そうだった!」な部分もあり、全く忘れてしまった部分もある)
    そして、「発見した」と思ったこと2つのうち、1つは初演・再演時とも感想に書いていたことにビックリ!(爆)

    それにしても、「ある部分」が、以前観た時より現実味を帯びて感じてしまうのは恐ろしい。

    また「入れ子構造」の使い方が本当に巧み。

    ネタバレBOX

    議論が膠着した時に多数派リーダー(?)である「議会」が「採決して反対派の数が変わっていなければ折れろ」というのは「12人の怒れる男」にもある論法だが。「12人」では少数派がそれを口にするから良いが、本作のように多数派がそれを提案するのはいかがなものか?……と思ったが、それは初演時、再演時にも思っており、再演時には初演時にそう思ったことを忘れていたのも過去ツイートを検索して判明。(爆)

    もう1つ、ミユキとワカナがルーズリーフの1ページを引きちぎって「書かれていないことを読む」のは「勧進帳」だねぇ、というのはおそらく3度目の今回初めて気付いたこと。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/03/25 (月) 20:00

    価格3,000円

    再再公演になりますが全然作品が劣化していない。この「芝居二重構造」がとてもユニーク。役なのかそのまた役なのか。ときどきそれは入り乱れて話は進んで行きます。

    若い役者さん皆さんとても良かったです。ご本人にも伝えたが勧進帳と商店の熱演が好きですね。あと農連は顔も好みだ(笑)。
    タケカワ教授から全員にA評価をさしあげていただきたい。

    冒頭タケカワ教授がワカナに説得されたときの顔が良かったんですよね。池田さん昨日はいつもより気合入っていた気がしたけど気のせいかな。
    終演後役者面会のとき偶然南さんとお話ができました。超嬉しい!
    前回土佐まりなさんが出たときのエピソードやこの作品をこれからどうしたいか・・ネットでは拾えないお話ができました。

    そう言えば。過去公演2つのDVDが販売されていました。迷わず即購入!売り子がフジタさんでビックリ!

  • 満足度★★★★★

    現在の我が国の問題を浮き彫りにする、強いメッセージ性を持った舞台でした。

    ネタバレBOX

    最初は単位取得や“A”を取る目的で学生達が参加したはずのモックカンファレンスでしたが、国家の目論見迄が露見したことによる後半の展開は圧巻です。
    当初は単なる田舎町の姥捨山条例の制定の可否を問う、といった一見他愛のない話に見えました。が、実は国策を進める為に日本の過去の黒歴史を知っている者を排除していく。という国家の陰謀が学生達を洗脳し、巻き込みを謀る驚きの話でした。
    議論終盤の武川教員からの一言により、なぜ教員が市長として学生達のディベートに参加していたのか、賛成派の「議会」と「総電」が学生の言動を超えた動きだったのか、という冒頭の疑問が全て払拭されるのですが、同時に新たな恐怖心が芽生えてくるんですね。
    原発についていうと、舞台上の時間設定は今から2年後、即ち東日本大震災から10年後ということになります。福島第一原発は震災後40年で廃炉にするということでしたが、燃料デブリの取り出しが出来ず、ロボットで中を覗いているだけで手が付けられないんですね。除染土や放射能を帯びた冷却水の処理も目途が立っていない状況です。これらがどんどん増え続けて事態はより深刻になってるんですね。
    また自衛隊の話でいうと、自衛隊は“後方支援”のみであり、戦闘は決して行わないはず、というのが全国民の認識だと思っていたのですが、何故か米海兵隊との軍事訓練を行っているんですね。仮想敵国に日米で交互に実弾で攻撃を加える練習なんですが、これを戦争といわずに何というのでしょうか。観劇前はあまり現実味を感じていなかったこの舞台でしたが、学生の自衛隊員の兄の戦死や原発の地域との親密化、といった話があり、現実味があり過ぎて驚きでした。
    舞台評価になりますが、今回の役者の皆さまの熱演は本当に素晴らしく、中でも国家に贖えない苦しみを演じた池田智哉氏、冷静沈着にディベートをまとめ上げたニュームラマツ氏、この二人の迫真の演技は高く評価させていただきたいと思います。
    演出面に於いては賛成派と反対派が文具とネームプレートを持って座席移動させたことによる対峙感効果はとても素晴らしかったです。
    密室劇に於けるfeblaboさんの空間醸成の上手さには大いに敬服いたしました。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/03/22 (金) 20:00

    115分休憩なし。
    議論の会話劇。濃厚な時間。とても面白かった。物語の構造としては、「十二人の怒れる男」や「12人の優しい日本人」に似ている理屈ものだけど、大学のゼミの設定が加わると劇中劇的な要素もあり全然違って見える。若い俳優さんがやるとリアル。資料見ながら観劇したのは、初めてかも。

  • 満足度★★★★

    この演目2度目の観劇。やはり躍動感のある会話劇は見ごたえ十分。社会啓蒙的にも、多くのひとに観てもらいたい内容です。また役者としての池田智哉氏も実にいい。

  • 満足度★★★★

    議論の展開や結末に多少の不満はあるものの、これは高校生に必修で見せるといいのでは?あと、安吾はぜんぜん関係ないのね。

  • 満足度★★★★

    「桜の樹の下には 屍体 ( したい ) が埋まっている! 」は、梶井基次郎の短編「桜の樹の下」の冒頭の一文。その後に続くのが、「桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか」。弱き者を切り捨て、その上にある見た目の幸福(美しさ)...この公演そのもののようだ。

    公演は、大学のゼミの卒業をかけた模擬会議。そのテーマは”老人から成人としての権利を放棄させるという条例”の制定の是非を巡る論議である。模擬会議の喧々諤々を通して現代日本の諸政を抉る秀作。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    客席はコの字、空いているところには窓、その両側に紐が絡むように張られている。まさしく議論が絡むような。また喫煙場所でもある。この部屋で政治学科タケカワゼミの卒業試験を兼ねた模擬会議<モックカンファレンス>が行われていく。その12人 1幕会議劇は観応えがあった。

    説明文から、舞台は日本海を臨む古い街道都市・安宅市。安宅市が独自に提出した、通称「姥捨山」条例…老人から選挙権を放棄させるという条例である。この条例の是非を問う会議の議論がされるが…。面白いがいくつか気になるところもある。

     テーマとして描く姥捨山条例の解決策。「老人」とは議論からすると65歳以上と思われる。この条例可決とセットで「若者(年齢定義は不明)」に被選挙権を与えない。これによってそれぞれ態度表明の機会が失われること、行動表明が制限されることになり、政治への関心を失わせることにならないか?「政治に答えはない」はゼミ内の常套句のようであるが、今後の安宅市政に誰が責任を持つのか。時代の情勢や状況に応じて最善の施策を施さなければならないのは自明の理であろう。そう考えた時、政治の答えに近づくための施策に責任を持つ者たちは誰か。
     大学ゼミにおける役割は年間を通して同じ。確かにその立場の理解力が深まり、また人物に同化できる。一方、政治学科の学生として色々な立場の経験(視野狭窄にならない)が必要ではないか。立場が変われば見方も違う。何となく政治とは別の意味で成績評価の平等性が保たれていないように思えるが…。

    安宅市のこの種の会議は全会一致で可決という、一見、民主主義のお手本(連帯責任の押し付け)のようにも思えるが、そこに潜む問題が悩ましい。多数決では少数意見(意見表明)が残るが、全会一致では、何時までも少数意見(反対ばかり)を貫くことは難しいように思える。その特異性を国政レベルの思惑で”あるモデル市”にするという発想の提示は鋭い。
    大学授業の模擬会議としつつも現実問題を考えさせ、同時に大学ゼミの成績に直結させ感情と思惑を煽るという巧みな構成は見事。
    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    今、日本社会が抱える、そして多分、将来確実に切実になるであろう問題についても、いろいろと考えさせる見ごたえがある濃厚な舞台でした。

    これは、単なる大学ゼミ生の模擬会議としての域を遥かに越えています。特に、中盤以降が凄い。
    各登場人物の背景の落とし込みがしっかりされて、白熱した議論がリアリティーに繰り広げられ、とても面白かったです。

    お勧めです。

    ネタバレBOX


     入場時に劇中で使用する会議資料が渡され、その資料は丁寧で実に詳しく、授業の狙い、内容、模擬会議のルールや地域状況把握の出来る地図、議題、参考データ等が書かれていて、自分も会議に参加しているかのように、よりリアルな感覚になりました。

     模擬会議の演習議題
    【老人の選挙権を奪うか否か】

    条例『高齢化した市民による投票権の放棄、それに付随する追加条例』
    ①65歳以上の高齢者は選挙権を放棄する
    ②当要請を受けた高齢者に関しては手厚いサービスが受けられる

    市議会で採決された特区のための議案の是非を問う。

     民主主義国家において、一見無謀とも思われる議題に、賛成派と反対派の白熱の議論が展開されて、条例に賛成すれば、国から助成金が10年間200億円貰える。と反対派への揺さぶり。
     また、原発が誘致される地域は財政が貧しい地域で、補助金で潤おわせ、足元の弱みをみたやり方で反対派を黙らせるという従来から行われているようなやり口が見えてくる。
     反対派有利になった時に市長の諦めともとれる悲痛な一言…そこから見えてくる日本の“民主主義”の現状… 耳障りのよい表向きの大義名分の裏に巧妙に隠された真意...

    しかし、
     全ては、クライマックスの後方支援で海外で戦死した兄を持つミユキの一言、『当事者でない』だから、反対!に集約されているように思えました。
     この言葉には、何も反論が出来なくなる....
    とても重く、胸に鋭く深く突き刺さる言葉でした。
     国の重要な事項を当事者でない者に任せていても良いのか?口を閉ざさず、積極的に係わらなくていけない。と言っているかのように思えました。

     後にして、窓を締めた(耳を閉ざした)行為は、当事者になりうる危険性があるという意識がない現在の若者そのものである、と

     この作品の中には、いろんなメッセージが込められていると感じました。

  • 満足度★★★★★

    ひと幕会話会議劇と言ったら「ナイゲン」ですが、とても笑って見ていられるようなものではなく、いちいち内容が身につまされる感じと、ああ、そこ私にも言わせて!!の内容でとても面白かったです。

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