泥花 公演情報 泥花」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-15件 / 15件中
  • 満足度★★★★

    第二弾
    三部作の第二弾、3作品の中では、一番三姉弟の絡みが満喫できる作品だったような気がします。この作品だけハジメ役が異なりますが、一番しっくりきていた思います。

  • 満足度★★★★

    ふくよかな劇空間。久々の再演
    炭坑三部作中「おばけの太陽」と「泳ぐ機関車」は観ていた。似た話があったな~、とは思ったが、他にも近い設定の話はあるし、桟敷童子の劇は「話の中身」自体は深く追わずとも、観劇の快感を得られるので、今回は「観てない」この作を、時間が出来たので前日予約してみにいった。「泥花」が最も完成度の高い戯曲だ、と感じた。みれば2006年初演。桟敷童子の16年の歴史では「前期」に属する勘定になる。特にオープニング~前半が「たまらない」程よい。炭坑の経営者の家族が素性を隠して別の炭坑町へ遠戚を頼ってやってきた訳だが、姉二人(板垣・川原)と弟(外山)の心許ない境遇にあっての結束やすれ違いのドラマ、訪れた町で出会った人達それぞれの人生模様と彼女らとの関わり・・「語り手」である三姉弟の弟の済んだ目に映し出される風景としてそれらが見えてくる。もっとも弟も、「泥花」の逸話とそれを切々と訴えて来る顔を炭だらけにした親無し子(鈴木)に子供らしく心を揺さぶられ小事件を起こす当事者にもなる。件の坑内事故で親を亡くしたという青年(池下)に女としての心を動かされる姉たち、また青年は次第に労働運動に関わるようになり、雇用者の反感を買って身を危うくする。次女がまず彼に思いを寄せるが、彼の心が長女にある事を悟り静かに身を引く。引っ込み思案な長姉だが彼と関わる内に自分の(家族の)「罪」を隠しきれなくなる。深く心をつなぎ合わせた二人だったが、追われる身となった青年は、「闘って下さい」(あなたの人生の闘いを)と言う。・・舞台は上手に三姉弟が身を寄せる部屋、中央に通る狭い裏路地を隔てて飲み屋「稲久」の家屋と半戸外の営業スペース、前つらが通り道。この空間が、そこに出入りする人物たちと相まって、愛すべき世界を形成している。 
    今回は劇団の過去公演の写真の展示がなされていた。旗揚げから数年はいかにもアングラな雰囲気が感じられる美術、衣裳で意外だったが、初期作品を再演という企画もやって欲しい。

  • 満足度★★★★★

    3つの約束!
    姉弟の3人にとっては、炭鉱;暗い過去、ひまわり:明るい未来、幻の花である泥花:現在の境遇のように思えた。
    3人が約束した3つの約束が切なくも力強い!
    そしてラストの末弟の元(はじめ)思いを語るシーンは胸をうつ。
    次は最終章”泳ぐ機関車”だ、待ち遠しい!

    ネタバレBOX

    炭鉱主の父が落盤事故で死者を出し、その責任に耐えられず蒸発する。、残された姉弟の3人は叔母の所にひと夏の間身を寄せることになる。
    3人は叔母の指示に従い出身地を隠して生活するが、そこには故郷の炭鉱で事故で亡くなった人の息子がいた・・・。
  • 満足度★★★★★

    骨太の演出力
    フラットで広大な空間を活かしたエンターテインメント性あふれるステージ。
    オープニングは力強い向日葵に囲まれ
    暗闇に浮かぶ主人公はじめ君の独白。
    とても美しく、そしてこの物語の扉を開ける力強い鍵だった。
    一度死んだ日本が再び立ち上がる生命力と、
    復興という大義に隠された暴力性。
    人間が生きる根源である欲をキレイに具現化した舞台でした。
    セットの転換、時間経過、場面移動、
    すべてが連なる流れるような演出も楽しかった。
    喜怒哀楽をストレートに感じる素敵な時間。
    贅沢を言えばもう少し泣かせてもらってもいいかもしれない。

    ネタバレBOX

    客席まで降り注ぐ花びら、迫りくる機関車、ダイナミックな舞台演出に感動。
    しかしながら、誰がスタッフで誰がお客さんか判らないが
    、扉を入っても通せんぼ、受付のおしゃべりタイムはいただけなかった。
    お芝居がすこぶる良かっただけに残念でした。
  • 満足度★★★★★

    湿っぽいのが気になるも
    泣き(湿り気)が多めの演出であったが、やっぱりいいな。
    遠方から足を運ぶ価値ありの舞台!!

  • 満足度★★★★★

    気になる・・・
    先月の「オバケの太陽」に続き観劇。これまたお見事!良い芝居を観たなぁ。満足感で一杯です。こうなれば,やはり来月も観ないわけにはいきませんね。バックステージツアーもあったかくって,気持ち良い。あー桟敷童子って良い劇団だなぁ。

    ネタバレBOX

    それにしても,ハジメはその後どのような人生を送ってオバケの太陽のハジメに成長したのだろうか?オバケの太陽は忘れていたが,泥花は覚えているのだろうか?彼のその後の人生がとても気になります。
  • 無題1653(15-342)
    19:00の回(曇)

    18:35会場着、受付(セット券)。みなさん総出でお客さんの誘導。

    舞台周辺にはひまわり。中央にひまわりの「絵」...異生物(エイリアン)のような図。

    19:01前説、開演~20:43終演、先月の「オバケの太陽」に続いての観劇で6作目。ようやく次回は初めて観た「泳ぐ機関車」。

    下手に集まる場所、上手に住まい、という前作同様の配置。

    本作、もちろん役者さんも美術も申し分ないのですが、前作と同じくお話しそのものについて少し違うような感覚を抱くのでした。いままで観た作品に外れはなかったのに、お話しが少し広がりすぎているのか、私の視野が狭いのか。

    正直に生きてきたのに、報われない/幸せとはいえない/独りきり/最期の願い。

    2本の黒いひまわりは願いを叶えてくれるのでしょうか。

    死に際に見たものといえばアントワープ大聖堂ルーベンスの絵を思い出してしまうのでした。

    ネタバレBOX

    少年は石炭そのものだろうか。

    黒いひまわりは願いを叶えないのだろう。

  • 満足度★★★★★

    炭鉱三部作第二弾
     以前にも書いたことだが、桟敷童子の強みは、舞台美術迄、皆劇団員総出で作り上げてゆくことによるチームワークの良さにあるだろう。

    ネタバレBOX

     
    通常の劇団が作品の稽古でだけ一緒の時間を過ごすのとは、自ずと異なった自然な相互関係が、成立しているのである。このことは、スタニスラフスキー理論の目標である、自然な演技に繋がってゆく。更に、皆の協力によって出来上がった舞台美術は、大道具から小道具に至る迄、実に気配りの利いたレベルの高い物であり、愛着の感じられるものであることも見逃せない。
     東氏の演出にも型があるのだが、これが非常にオーソドックス。芝居らしい芝居なのだが、観客の喜怒哀楽を司るツボを良く心得た、氏の演出に観客は快く載せられる快楽を味わう。音楽や、大道具、花吹雪や照明も連携して感激を盛り上げるのだが、この演出が決まっていること、役者個々人の持ち味が、クライマックスで最大限活かされている点にも注目しておきたい。
  • 満足度★★★★

    生きるという事
    偉人でもなく、中流の何不自由なく安穏と人生を流れていく事も出来ず、必死にならないと生きていけない人々。
    必死になっても、なおかつまだ苦労を強いられる人々。
    「生きる」ということを強烈に再認識させられる作品であった。

    しかし、何故だか皆明るく感じる。必死さ故か?個人的には、もっと暗い部分が普通の感覚でベースに流れていても良いかなとは感じた。
    やけくその宴会の無理な弾け方が強調されたら、この物語に更なる深みをもたらした筈だと思う。事実、救われない人々なのだから(作者もそういう筆致で物語っていると思う)

    「おばけの太陽」からの繋がりは終盤見事だった。
    しかし、ハジメの性格の変遷の道筋は示されなかった。少年期のハジメは妙に明るい。その明るさが素直な彼の素性をよく醸し出しているのだが、青年・ハジメと結びつかない。不満が残る。

    作品としては、非常に真摯に、一所懸命創りこまれたとても良質な物語であり、愛すべきお芝居である!!!

    次作にも非常に期待している。(この連作はどれも初観劇なので)

    よろしく!桟敷童子の皆様!!!

  • 満足度★★★★★

    観てきました
    炭鉱は自分が産まれる前のもの

    土門拳さんの筑豊の子どもたちという写真集を思いださせてくれるインパクト

    無駄がなくきちんとした時間で終わるのもとてもいいです

    バックステージツアーも暖かくて良かったです。面会とかよりもバックステージツアーで役者さんとお話できるほうが、断然楽しかったです。面会する役者さんがいないものにとって帰り際ってその風景つらかったりしてたので。。。

    最後までみたいなあとまた思ってしまいますね


  • 満足度★★★★

    客入れもいいですよね
    開演の30分前に到着して、すぐに入場。開演を待っていたんです。
    桟敷童子の客入れっていいですよね。お祭り感があって。これからなんか特別なことが始まるんだなあっていう気にさせてくれる。客入れからもう公演が始まっているというか。
    だから30分座っていて何もしないでいても退屈しないんですよね。そんでもって芝居のほうも体感30分ぐらいで終了。公演が終わって外に出て時計をみて、タイムスリップしたような気持ちに。
    もちろん芝居のなかでもタイムスリップしてたんですけどね。男女間のキビみたいなのもよかったです。
    あんまり深く考えてるわけじゃないんですが、構造的に『オバケの太陽』とおんなじで、そのバリエーションというか。ちょっとずつ違う繰り返しなんだなあと。そういう感じもいいですよね、心地よいというか。
    バックステージツアーも楽しかったです。

  • 満足度★★★★★

    凄い...人間の逞しさ!
    炭鉱三部作の第二弾...単に真ん中という位置付けではない。この作品は戦後の混迷期の社会情勢...炭鉱街を背景とした国策・資本と労働という階級闘争を描く。その一方で炭鉱ヤマ主の姉妹弟たちの人としての生き様が力強く表現される。その両方がしっかり融合した内容になっており骨太であり繊細でもある秀作。
    その底流には戦後日本が逞しく復興していくのだ...そんなメッセージと希望が感じられる作品でもある。

    それを象徴するかのようなラストシーン...凄く逞しい。

    ネタバレBOX

    戦後の混迷期に炭鉱という街で危険と隣り合わせで必死に生きてきた人々。舞台には、国策としての「石炭増産運動」と資本(企業)の「祖国復興ノ為ニ 石炭ヲ堀リマショウ」の檄文が掲げられている。また舞台一面に向日葵の花。
    冒頭は炭鉱ヤマ主である父親が落盤事故の責に耐えられず失踪し、姉妹・弟が残されたシーンから始まる。その後、親戚宅に身を寄せることになる。この場面が一瞬のうちに転換する。このひと夏の姉妹弟の生活を中心にするという焦点を絞った演出が見事である。この夏に経験する出来事が今後生きていく上で重要な意味合いを持たせている。

    炭鉱ヤマ主の子供ということで、裕福な生活を送っていた。本当に働くという意味すら知らなかった。親戚宅にいる時に、父親の炭鉱で働いて命を落とした人の息子と出会った。その人物は労働運動に身を投じることになるが...。
    この登場人物において、資本(雇う側)の家族と労働(炭鉱夫)という対立構図を自然に描き込む。
    しかし、この芝居では”恨み言”という、人間の持つ嫌らしい面ではなく、「泥花」という炭鉱に生きた人に共通の言葉を少し謎めかして興味を惹く。この「泥花」こそ、炭鉱で働く人の守り花だという。
    何回も繰り返される「石炭は人間の苦しみと悲しみ」「機関車は苦しみと悲しみを食って走る」など、石炭に対する”恨み言”のようでもあるが、ラスト近くに「泥花」は泥が花(石炭)に...その恩恵をさりげなく、しかし理由は明確に言う。そしてその花は幻で、その花を見た者は願いが叶う...しかしそれを見るのは人間が死ぬ間際で、それは美しいとも。まさに死と隣あわせである。それ故、その詩的な台詞が愛おしい。

    公演全体を通して、当時の社会世相...特に炭鉱を中心に形成されている街で働き、生きている人々を優しく観ている。しかし現実の社会は厳しい。
    だからこそ、タイトルに込めたメッセージ...「泥花よ咲け、今日が駄目ならまた明日、泥花よ、咲け」が輝く。
    本作にも機関車(「DOROBANA51」号)が疾走し、それがラストシーンに繋がる。また、機関車の見せ方も「オバケの太陽」のように正面ではなく、横向きにするなど工夫と変化を持たせる。

    ラストシーン…舞い落ち花吹雪の中、ハジメが正面(客席)に向かって両腕を大きく振り、足を踏み鳴らし力強く歩く姿が、日本の復興に重なる。

    次回公演(泳ぐ機関車)を楽しみにしております。

  • 満足度★★★★

    泥花に将来を託す悲しさに胸いっぱい
    7日午後、錦糸町のすみだパークスタジオで上演された劇団桟敷童子・炭鉱三部作の第二作目『泥花』を観てきた。劇団桟敷童子はこの数年頻繁に観始めた劇団なのだが、上演している炭鉱三部作『オバケの太陽』『泥花』『泳ぐ機関車』の初演は自分が観始める以前の作品で、今回観るのが初めて。作品の事前評価の参考になるのは、フライヤーにあった『オバケの太陽』第15回鶴屋南北戯曲賞最終候補作品、『泳ぐ機関車』第16回鶴屋南北戯曲賞受賞その他の受賞歴と、初演の年度。それによると、各種賞の候補にもなっておらず初演が他の作品よりも早い2006年という『泥花』は、他の2作品より完成度が劣る作品のような印象を持って上演に臨んだ。しかし、この先入観は大きな誤りだった。笑わせる点と泣かせる点の振幅の大きさ、焦点のハッキリしたテーマ提示は前回『オバケの太陽』を上回っており、見応えのある作品であった。

    ネタバレBOX

    赤堀炭鉱で落盤事故を起こし、その責任のため行方不明になり親無し子として地元にいられなくなったヤマ主の長女・千鶴、次女・美代、長男・ハジメの三人は、母の親戚を頼り一夏だけ炭鉱町鶴山で過ごすことになる。将来を悲観しつつもパートで働く千鶴、洋裁の勉強をしたい美代、そして鶴山の親戚に預けられることになったハジメ。親戚や町の運送会社の社長や従業員、食堂の夫婦を巻き込んで、炭鉱生き残りの難しさと兄弟姉妹3人の今後への不安。ハジメは、死に際に観ることの出来て望みを叶えてくれる泥花に姉たちと自分の将来を託そうと、浮浪少年敏と自殺未遂事件を起こしたりする。そして夏が終わり、結局3人は別れ別れに。ハジメは、泥花を見るために先立った敏に、自分たちの将来の幸福を託すのだった。
    炭鉱閉鎖の相次ぐ時代の暗い話を、食堂経営の妻と運送会社社長の浮気を絡めながら特に明るく、特に社会問題点に突っ込む舞台。話の内容は、実はかなり悲しく奥深い。その救いともなる泥花も、死が前提。よく、ここまでの舞台に仕上げたものだと感心した。

    今回の舞台は、飛び抜けたヒーロー或いはヒロインはいない。ハジメ役の外山博美の奮闘と、前作でも活躍した池下重大扮する運送会社従業員、それに浮浪少年・敏(鈴木めぐみ)が舞台のカギを握っていたと言えるだろう。

    舞台装置では、前作同様最終シーンで大きな蒸気機関車が登場。前回は62という数字がプレートに書かれていたが、今回は51。これは、C62、D51を想定したものだろう。鉄道ファンも泣いて喜ぶこだわり。次回は幻のC63をもじって63かな?

    安定した舞台で楽しめたのだが、ただ一つ気に入らなかったのが、舞台中盤で出演者全員によるダンスというかパーフォーマンスというか、そういう類のシーンがあったこと。個人的に、舞台内容に密接性のないそうしたシーンを挿入することは好ましいと思っていない。むしろ嫌いである。そのシーンがなければ満点の舞台と言えただろう。
  • 満足度★★★★★

    みてきた
    100分が80分位に感じました。たしかに重いと言えば重いですが、序盤に小ネタで笑わせてるんでバランスとれてて私には良かったです。

  • 満足度★★★★

    安定感
    安定感

    ネタバレBOX

    間違いない芝居ではあるけれど、
    どうしても感傷的で良い話というのが私の好みではないので、
    星4にしました。悪しからず。

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