くろねこちゃんとベージュねこちゃん 公演情報 くろねこちゃんとベージュねこちゃん」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★

    この劇団、もうちょっと早くから観ておけば良かった
    親子どちらからの視点も持ち合わせている所為かいろんな感情や思いが自分の中に呼び起こされる。
    確かに人は日常的に演技しているのかもしれない。
    終演後の大戸屋で味噌汁飲んで何だかしみじみと考えてしまった。
    演目の振れ幅が凄く、先週のゆめあとは全く違っていた。まるで違う劇団のよう。ネタバレ防止で避けていた感想ツイートを読んでいたら、
    あまりにもバラバラで面白かった。
    それぞれの視線でそれぞれの思い。谷さんの思うつぼなのかも。

    ネタバレBOX

    自然光の中での芝居は風琴工房のガラス張りのビル以来かな?
    夜はまた違った感じなんだろうなぁ。
    外から通りすがりに見えたらどう思われるのかなぁ。
  • 満足度★★★★★

    死んだら
    死んだら喋らない。喋れない。なのに死者が喋ったら恐い。まして身近な人で、恨みつらみを語るなら尚更。誰だって愛されていたいもの。家族には絶対。恐怖と安心と裏切りと幸せ。このスパイラルは天国へ登るのか、地獄へ落ちるのか。揺さぶられた。ソフトなタイトルで油断すると、心を抉られる。家族だから言えること、家族だから言えないこと。家族だから許せること、家族だから許せないこと。聞きたいけど聞けなかった、あの言葉の真意。渦巻く感情が、遠心力を増して暴れ始める。あの時のお母さんをねこちゃんが見せてくれる。それを見守るお母さんとねこちゃんの表情が雄弁。くろねこちゃんもベージュねこちゃんも感情がシンクロしている。百花さんと梨那さん、全く別キャラで見事なコンビネーション。漱石なら話せるのかな?拗ねて母親に反抗する娘は、きっとあんな感じだろう。深沢未来さんが苛立ちを熱演。嫁の本音とたてまえを奈津美さんが好演。女って、オンナって…やっぱりわからないや。東谷さんの背中から哀愁が漂う。長男としての気概と優しさが溢れた。お母さんの様子を見に行く妹への言葉が堪らない。登場人物みんなの表と裏が見える。その振り幅の大きさで、人間の多面性を渡邊さんが見せてくれる。
    女優になれる二人の俳優さんがこの劇団にいる。今回は大原さん。塚越さんがお父さん。逆も観てみたいと思ったのはわたしだけではないはず。大きな声はスイッチ。感情をON.OFFする。静かな語りが思いの深さを伝える。▶二回目の観劇。『全肯定少女ゆめあ』のゆめあと真逆なお母さんがいる。全否定される恐怖と戦っている。ただ、嫌われていたことへの恐怖というより、人生を間違えてしまったのかもしれないということへの恐怖なのだな。お父さんはアレを「捨てた」のか、捨ててないのか。あの問答は、アレの話でありながら人生のことだった。苛立ちを紛らす煙草さえも奪われた末に、穏やかで達観したように話していたけど、お父さんの笑顔は絶望に溺れていた。人生を捨てた瞬間に背筋が凍った。嘘つきケンタ。「いい嘘」をつけたのかな。感動させる嘘。それは誰にとっていいことなのか。それは誰かにとって悪いことにならないのか。やはり嘘は、やがて歪を生むのでは?ケンタの背中越しに見える妻と妹の表情が物語る真実。やっぱりオンナって…。やんちゃなくろねこちゃん。パンクスタイル。石ころゴッコに興奮する姿がリアルパンクで笑える。あぁ、優しさの押し付けは強烈な暴力だな。ずっと怒っていたとも美ちゃん。どんな人生を歩むのだろう。幸せを願うばかり。

  • 満足度★★★★

    嘘でもいいよ
    大原さんが凄い良かった。

    観終わったら、よしこさんをぎゅって抱きしめてあげたくなった。

    よしこさんを大原さんが演るのは、物凄く意味があるんだと、感じた。

    芝居の伝わり方が大きく変わると思った。

    よしこ=母親=女優ではない。

    そこに、より、大原さんの身体を通したよしこさんの台詞がどしどし、

    伝わる感じがした気がする。

    観れて、良かったと思う。

    観ながら

    「嘘」でもいいよって思った。

    本当に。

    愚かだと思われても、いいよって。




    今回、稽古場見学でシーン毎を観させて貰ったのだが、

    あの開演前から段々と芝居と流れていく今回の公演は、

    俳優さん方の力があるからだなと思った。

    「虚構」だけど、その「虚構」へのスイッチの入れどころがあえて




    今回は難易度が高い!!でも、この芝居はそれを飛び越しちゃっている。

    もう、皆さんが良い!!

    だから、観に行く事を物凄くお薦めです。




    個人的にぐっときた所お父さんから息子に箇条書きで約束を読み上げる時

    「健康に気をつける」が2項目あった点が稽古で

    観た時にすでに泣きそうになったポイント。




    このシーンの塚越さんがとても好き。

    二匹の猫ちゃんと、お嫁さん。

    稽古時からの引き出しの多さにびっくりした百花さん、中村さん。




    稽古の時より表現がいい意味で観易くすっきりした感じになっていた。




    堀さんは、あの感じの役柄がほんとに上手!

    100匹ねこちゃん企画も参加したかったけど、諸事情で

    Tシャツは購入したんですが

    お写真は諦めた・・。

    深沢さんは、稽古からぐんと、良くなっている印象が強かった。

    自信というか、「こう演じる」というものが明確になった強さを娘としての芝居に感じました。

    渡邊さんは、お洋服のたたみ方がとてもお上手でたまたま、

    自分の席が端だったのでいわゆるそで位置に居てもきちんと「高梨」さんだったです。




    東谷さんは、一番、良い人だったのかな。勝手をしてたけど、いい加減だけど、よしこさんを救ってくれたかな

  • 満足度★★★★★

    初演を観て
    ダルカラを好きになりました。再演は王子スタジオという小さな空間で、道路を走るか車の音が聴こえる中、演劇の本質は「外野の騒音」とは無関係だと感じさせてくれる質の高い演劇を見せてくれました。感想おそくなりすみませんでした。

  • 満足度★★★★

    14時の回を観ました。
    王子スタジオは初来訪。

    受付&開場時間になってシャッターが開いたら、
    ガラスばり&入ってすぐ座席&アクティングスペース&役者さん待機中。
    一気に「劇場」感に包まれて、興奮しました。

    座席は、受付を起点にして L のように2方向に広がる感じ。

    会場が道に面していて、外の車の音などが多少聞こえてきましたが、
    役者さんのセリフを聞き取ることに支障はなく。
    むしろ、シチュエーションが「佐藤家のリビング」だったので
    その音が一般家庭っぷりを増していました。


    上演時間は1時間40分。

    自分でも知らないうちに泣いていました。
    客観視することで、自分の境遇を知る…みたいな感触。
    観てよかったと思います。



    パンフレット、「売り切れです」と言われたので諦めたのですが、
    後日郵送で予約できたのですね…
    知らなくてそのまま別のものだけ買って帰っちゃいました( ;∀;)

    ネタバレBOX


    開場時間中、役者さんは音楽に合わせて動きまわったり、
    物販の案内板を持ってリズムをとっていたり、
    ちょこちょこ遊んでいる様子もかわいらしかったです。

    そんな役者さんたちが、
    諸注意の唱和を経て衣装に着替え「家族」に変わる様は圧巻でした。



    お話は、ふつうの一家の話。
    7割は「家庭」のシーンでよくある会話、
    よくある風景で構成されているのではないでしょうか。
    それをリアル、かつ飽きないように見せる
    役者さんたちのこまやかな演技に惹かれました。

    そして、税理士だった父親が亡くなって、
    脚本家を目指して家を出た息子(&その妻)と、
    パソコンで仕事をしている娘が久々にリビングに揃い、
    そのタイミングで父の遺言書が見つかって…という大きな山もあり。


    母親の脳内に存在する2匹の「猫」が、
    若き日の母親の行動をなぞり、
    それを老いた母親が白昼夢として見ている…
    と、いうシチュエーションが何度かありました。

    動きや喋り方がとても可愛らしい2匹の猫は、
    母親が今まで押し殺してきた
    (…と自分は思っているけど、実はずっとだだ漏れだった)
    自由気まま、マイペース、自分勝手な感情の象徴だったのかなぁ。
    母親が黙り込むうしろで喚きたてる、猫2匹の姿が印象的です。

    子どもの気持ちも経験済みのことなのでわかるし、
    母親の気持ちもそろそろわかる年齢になった自分にとって
    観ていて胸が締めつけられるような場面もありました。

    母親は痴呆が入りかけているのでしょうか。
    「自分は幸せだ」「私は愛されている」「あなたたちを愛してる」と
    相手に向けてるようで自分に言い聞かせているようなところ、
    それゆえに自分の価値観を押し付けてくるところ、
    家庭内での自分の役割を守ろうと必死になるところ、
    「哀れだなぁ」と思いつつ、「でも幸せそうだなぁ」とも思いつつ。

    母親を男性の役者さんが演じている(しかもウィッグや化粧もしていない)、
    虚構性全開のキャスティングでしたが、
    観ているうちに違和感がすっかり消えてしまい、ゾクゾクしました。

    「家族だから」許容している部分、
    「家族だから」超えないでいる一線…などを浮き彫りにする
    家政夫・長男の嫁という人物のありかたも面白かったし、
    ドキドキさせられました。

    水面が波立つような音、
    猫たちが戯れる時の愛らしい音楽(と猫=母の暴虐っぷりのギャップ)、
    もわもわと変わっていく照明の色も白昼夢らしくていいなぁと思いました。



    終演後に発売される遺言書(1000円)で、
    さらに深く(黒く?)ドラマを感じることができました。
    公演を観るだけでもその内容はなんとなく予想はついてたけど、
    実際に文章として目にすると、もう。

    それ以上に、母親についての記載が…ってところが衝撃でした。
    それが彼女にとって一番つらいんだろうなぁ。
    読み終わって「こんなのって…」と、思わず口から出てしまいました。

    誰も悪くないし、みんな家族を愛してる。
    各々、ウソを愛情でくるんで抱えている食卓。
    その温かさとうすら寒さ、居心地の悪さと母親のめいっぱいの笑顔、
    終演後チラシの絵を見て、また胸がぎゅうっとなりました。
  • 満足度★★★★★

    テキストも役所さんもいい
    ダルカラ「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」を2度目の観劇。せっかくなので1度目とは反対側で観劇。そのせいか、父と母が向き合うシーンが、とても印象に残る。このシーン、すごい好き。そしてここからの母の悲しみの表現がいい。

    ネタバレBOX

    男性が演じているのに、ダルカラは役者全員良いが、そのなかでも大原さんはすごい。
  • 満足度★★★★

    お茶会はなかったけど
    朝10時からおはようの挨拶で始まる
    まぶしい外の光と、母さんの内なる渦巻く思いが対照的
    やっぱり大原さんの母に引き込まれるのですが
    今回は父親の閉店する時の会話に感情移入しました。
    自分も仕事で辛い事があったからなのか?
    開演前、終演後は凄いアットホームで開演前は
    みんなで体操でもさせかねない雰囲気でしたねー
    ゆめあと連続で公演なんでホント凄いですよ。
    ショート7の第二弾をやってくれませんかねぇ
    (TBは後日)

  • 満足度★★★★★

    成長
    なにもないところから演劇がうまれる瞬間を観せて貰った。

    初演から約3年。随分シャープになった気がするのに深い。
    彩りが増している。
    観る人観る時間観る場所によって全く違う作品に観える。
    劇団として役者としての成長を存分に感じさせてくれた。客演陣もいい。本当に素晴らしいものに出会えた満足感で会場を出た。

    大阪、岡山では全く色の違うねこちゃんがいるような気がする。
    観られる方が羨ましい。

  • 満足度★★★★★

    こんどの猫はしなやかな筋肉質
    何年か前にアトリエ春風舎で初演を観ています。
    そのときには作り手や役者達がいろんな手さぐりをしながら作品の爪をとぎ、観客を招いている、いわば子猫の印象もあったのですが、今回の猫は筋肉質。

    難解さはまったくなく、誰もが舞台の世界にすっと導かれるような平易さや上質のウィットもあり、その一方で、場ごとにもれなく様々な彩でのクオリティが作りこまれていきます。

    シーンのひとつずつにくっきりとした意図があり、そこに血液を送り込む場の鼓動や歩みがあり、それをひとつずつ支えるストラテジーを感じるミザンスの作り方があって。初演と比べても、エピソードが滲みなく高い解像度をともなって観る側に入り込んでくる。

    家族劇でもあるのですが、不要なべたつきがなく、冷徹でもあり、でも存在するコアのぬくもりが滅失しているわけでもなくて、解け出してくるものに息を呑み、その歩みだしのシニカルさと暖かさの織りあがりにも心を捉えられる。
    演劇をあまり観ることがない観客から、観劇経験の豊富な観客までを、それぞれに満たす間口がある舞台だなあと思う。

    もたれない軽質さに身を委ねているうちに、シーンの記憶やキャラクターが抱くものや、物語の顛末にがっつりと満たされておりました。

  • 満足度★★★★★

    観るたびに違う感覚
    どんな受け取り方も可能な多層構造な表現。場面場面のテキストの鋭さ。俳優陣の熱量と技術。笑って泣いて刺さった。3回観たが、都度全く違う部分で揺さぶられる。この奥深さがダルカラの凄さ。小劇場演劇に於ける最高峰の一角が確実に此処に在る。それほどの逸作。

    ネタバレBOX

    1回目は、観たまま真っ直ぐに遺書の文面に泣かされて、その後唖然と。2回目は、ねこちゃんズ演じるよし子が自らの母に重なり、自身が母に対していた接し方そのものに慚愧の念を抱かされ号泣。3回目、本物の遺言書を読んで観るとやっぱりけん太が言うように「嘘じゃない」と思ってボロボロと。確りと刺さりました。
  • 満足度★★★★

    初観
    この作品は観たことなかったので、予備知識無しに観に行きました。

    開場の時点では、まだ舞台は無く、役者さん達もウォームアップの状態でしたが、開演と同時にセンターに食卓が出てきて、役者さん達の生着替え???で、興奮したまま開演しました。。。

    お話しの内容ですが、序盤・中盤・ラストからエンディングと、てんこ盛りの内容で、いろんな仕掛けも面白く、良い意味で演劇観た!って感じでした。

    役者さん達も派手では無いですがキレのある動きで、それぞれの役をこなしており、やっぱり劇団全体のレベルが高いなぁ…と実感したのでした。

    家族間でも嘘が無いと生きていけないのは悲しいけど現実なのかなぁ、と感じたお芝居でした

  • 満足度★★★★

    満足度はそこそこでも、
    また観たくなる。
    遊び心と青くエッジが効いた作劇のブレンドが少し癖になる味わい。この戯曲は二度目。
    他所でやった前回のものも、それ程満足度は高くない。
    キャストと早期購入特典[キャスト全員のサイン入り上演台本]に惹かれて観に行ったが、相変わらず分かりづらい箇所が有るものの概ね楽しめた。

  • 満足度★★★★★

    家族だから、・・・家族だけど
    観劇当日の天気と同じ曇りと雨のような、スッキリ快晴ではないが心深くに刺さる家族の舞台であった。だが、間違いなく傑作だと思う!
    わずか8人の役者さん達の熱気も伝わる狭い空間で観れて大変良かった。
    以下、公演中なのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    家族の為と、息子、娘、そして夫と数々の問題を一緒に乗り越えてきたと自負する専業主婦の母親。だが、乗り越えてきたのではなく、大きな溝を作ってしまっていた。家族の為でもあるが、結局は自分の希望を押し付けてきただけかもしれない。この辺の、家族間の関係を描く心理描写が圧倒的に上手い。家では吸わないと決めていた夫が最後に1本だけとタバコを吸うシーンだけでも、脚本、演出の見事さが伝わる。
    また、母親にしか見えない猫を登場させ、またその猫が過去の回想シーンで母親を演じる事で、少しだけ暗く重くなりがちな話を緩和している。
    結局は家族だから、理解され許されている事もあるが、そこに家政夫が入る事で、他者では理解されないという現実も突きつけられる。息子の嫁が最後に見せる本性もまた同じく。
    家族だから、でも許されない感情が渦巻くタイトルからは想像できない、凄味のある舞台でした。

    役者さんは、8人とも熱演で何方も素晴らしかったです。

    遺言書の本物が、終演後に物販されており買おうかと思いましたが、舞台が素晴らしかった為に、逆に真実を完全に知らない方がと良いかと思い、思いとどまりました(笑)

  • 満足度★★★★★

    生々しい
    今、初演のときの自分のプレビューを読んで、ああ観劇前に読まなくて正解だったなと思いました。

    新鮮に驚きました。

    ネタバレBOX

    演劇の世界に入り、実家から所謂勘当され、今は脚本家になった長男が、妹を説得して母親を泣かせないという約束を口実に、父の死後少し惚けた母親に、不動産は母親が相続するというでっち上げた遺言書を読み上げ、母親を安心させるとともに既成事実化させ、相続排除の状態から千万単位の相続が将来得られるようにシナリオを仕立て上げたという話。

    働き詰めの父親と世間体や家庭内秩序にうるさい母親、思うように育たない子供たち、適度に回想シーンを交えながら、どこにでもあるような家族の、私のどこが悪かったのでしょうか的な話からの急展開は素晴らしかったです。

    そして、驚きなのが、その背後にさらに優秀なシナリオライターとも言える長男の嫁の存在があったことでした。ずーっとおとなしく猫をかぶって存在感を消していた状態からの終盤の変貌振りはさすがでした。

    ただ、公証役場に保管されていると読み上げたのはどうなんでしょう。父親の知人には頭のいい人が揃っていますから真相にたどり着くかもしれません。

    まあ一般的に言われているフレーズではありますが、演劇に全く関心のない母親が、いい本書いてるのなどと言うのか疑問に感じました。素人なら台本とか脚本とかシナリオとか言いそうな気がします。

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