満足度★★★★
やはり良い。
毎回テーマがしっかりしていて、それでいてお客さまを楽しませてくれる。脚本・演出・演者の皆様のバランスが抜群。できる役者の方々が、これだけの年齢の幅で演じるとどの年代でも入り込める。観に行って損はしない劇団なのは間違いない。
満足度★★★★
先生って大変!
先生は、教科を教える以外に色んな事を背負っているんだと同情すら覚えました。先生もいい学校で教えたい。生徒もいい先生に出会いたい・・・。
今の大変な時代を反映した、社会の縮図的舞台に私には映りました。
最後は少しだけ救いが見えた気がしてホッとしました。
満足度★★★★
お見事!
社会派エンターテインメントの真骨頂。主宰によれは実際の事件を元にした話とのことだが、教育界の病理をここまで面白く観せてくれるのは流石の一言。主宰と諸富先生とのアフタートークセッションもとても参考になりました。
あっという間の1時間50分…教育現場をサスペンス
「教育新生」は国民が渇望する夢だ。
小中一貫校を制度化し、「箱」を改革していく。これは「教育崩壊」を あくまでもテープで継ぎ接ぎするようなモラトリアムに過ぎない。
毎日教壇に立ち、生徒を指導する「最前線部隊」としての「教員」が この問題の責任者だ。「教職は一般企業の仕事とは違う気がするんですよね」というセリフもあったが。
仮に、「日教組を ぶっ壊す」が「教育新生」への最速手段だとすれば それは一大国民運動となりえる。
修学旅行中の生徒同士の暴力沙汰。
「教育新生」どうこうより、大人のための組織論を学べる舞台だ。
転任教師と教頭の「嫌み」と「嫌み」合戦は、まるで朝日新聞社説のような「頭の良さ」だった。古城氏には脚本構築力がある。もっとも、「築」は鉄筋コンクリート製のガチガチな建造物を指す。
タイトル『毒舌と正義』のうち、「毒舌」といえば故 立川談志だろうか。彼は こう述べている。
「アタシは絶対的に正しい人間だと思ってる。なぜなら“おれは間違ってるんじゃないか”と常々思ってますからね」
対極は役人連中である。
役所は未就学児にも解読できるだろうな「絶対的に正しい」スローガンを公共施設に貼っている。言語を「取り繕う」ことが この国では「公の証明」だ。
「みんな」とか、「地域」とか、「元気」とか、「明るい」とか。こうした文章は「ひらがな官僚作文」と呼ぶ。「ゆるキャラ」も ある種、作文がキャラクター化したプロパガンダだ。
議員への政策案に「等」を散乱させることで「裁量権」を得ようとする役人連中は「私」のコンピュータ付き野生動物だろう。官僚作文は 典型例である。また、関係ないが、外務省は日米首脳共同声明の文章に「軍事コミットメント」を高頻度に載せるなど、英単語を 過剰輸入する傾向がある。
しかし、立川談志からすれば 「公」(絶対的な正しさ)を ひらがな や難解な漢文調で証明(定理化)しようとする役人連中は まさしく「愚の骨頂」なのである。
追記あり
満足度★★★★★
とても印象に残る素晴らしい舞台
同一構造の違う部屋にいる別の人物達を一つの場にレイヤーのように重ねて、同時進行することで時間辺りの情報量を増大させ、平行進行感をだし、かつ本筋を進めながらの構図や状況の説明などを同時に実現している。
単純な「物語の再生装置」から進化した現代演劇のテクニカルな特徴のひとつは「異なる時間や空間を多層レイヤー化して同時再生できる」ということなのかもしれない。
少なくともそれを理解してる一連の演目群には面白いものが多い気がする。
レイヤーを一枚づつ見せて終盤で全て重ねるという荒業は初めて見た。
最大4レイヤーが重複進行する濃密感はすごい。
レイヤーが多層になれば奥行きが増すのは自明。
戯曲(転じて小説・映画・ゲーム)が平行する筋を、章単位等で多層化してきた構造からは明らかに一段踏み出してる。
ニコ動を最初に見たときの動画+テキストの違和感と直後それを乗り越えて既存化してしまう流れに近いかもしれない。
但し共にこれらの良さを口で説明するのは困難だけども。
筋はいたってシンプルで凡庸(金八先生のよくある1話くらい)だが、もともとの主題が
「思ったこと正直に口に出して言ってしまうアメリカ人のような男」と、
「思惑は別にあるのに文脈(空気)を読んで机上の正解しか口にしない人達(とその視点による嫉妬などもないまぜになった憶測)」
の噛み合わない会話劇なのだろうと思うから、筋そのものは凡庸でいいのだと思う。
ついつい「会話の応酬」とか「バトル」とかに目が行ってしまうと思うが、よく思い出すと実はバトルはまったく成立していない。だってそもそも噛み合ってないんだから。意図的にそういう風に創ってあるんだから。
そう考えると、構造的には不条理劇の定番構造にも近い気がした。
少なくとも「学校の抱える問題や現状」とか「現代の教育のうんたら」とかそういうのは本作の主題とはまったく無関係で、「追い込まれた人々を密室に押し込めるために用意された道具立」てにすぎないように思う。
「蝿の王(ゴールディングのほうね)」が「少年たちのサバイバルものではない」というのと同じ。
一方でこのあたりのミスリードを誘発するような意図的な造りもヒリヒリする感じで好みではある。
この辺の見切りがスパッと見切れていてブレがないのはとても素晴らしい。
このような厄介な作品を成立させるに足る技量を持った演者のみなさんには敬意を表したい。
満足度★★★★★
素晴らしい舞台でした
この劇団は初めてでしたが、まずキャストの演技が全員素晴らしく、そして脚本についても緊張感を上手く持続させつつ、無駄も蛇足も無い絶妙な話運びでした。ぜひ次の舞台も見てみたいです。
満足度★★★★★
さすがだ
ワンツーワークスの芝居は観る側に強烈に問題意識を投げかける。今作でもやはりそれは変わらない。どちら側にも正義はある。どこで誰とどのように折り合いをつけて落ち着くか。大小の差はあれど,どこにでもその選択は転がっている。また,考えてもいなかった他人の思惑や行動も。とにかく,この芝居,ホンも演出も演技も申し分ない。最初から最後まで,ただただ物語に引き込まれるだけだった。とっても満足である。
満足度★★★★★
あっというま
に終わってしまいました。それだけ引き込まれてしまいました。教師と言う世界はかなり厳しく精神的にも大変と聞いていましたが、人間関係がすごいですね。かなりリアルになっていたと思います。新米教師のときは皆がんばろうって来るのでしょうけれども次第に・・・。続編作ってくれないでしょうかね。
満足度★★★★
世の中ってこんな風に不条理ですよね。
内容にぐんぐん引きずり込まれました。
こういうことってありますよね。
観劇中には眠くなることがよくあるのですが、全然そんなことになりませんでした。
舞台装置がすごい。演出もすごい。
満足度★★★★
見ごたえありました!
毒舌というよりは正直に生きている主人公に好感がもてる作品。
いくつもの場が同時に進行する展開は最初は戸惑うのですが、慣れてくると幅や奥行が感じられ、物語に厚みが出た印象でよかったです。
演出家さんや役者さんの技術の高さも感じました。
いただいたパンフレットの挨拶文は、そのまま主演の奥村洋治さんの声で読めてしまいます。
ちょっと一癖ある、そこがクセになる魅力的な役者さんです。
安定の面白さで、今回も大変楽しい時間を過ごせました。
満足度★★★★
教育のバックヤード
が、さもありなん、という感じで描かれていて興味深かった。あまり会話バトルに
絡んでこない鬼階先生がそのうち肝になってくるのかな~と勝手に想像していたが、そうならなかったのが残念。照明が変わった途端、ずらりと並んだチェアが浮き上がってくるのは圧巻でした。教育とは、こうして多くの人の目にさらされながら行われるものなのだ、と実感。だから却って隠匿体質になり、ことなかれ主義に走ってしまうんだろうな~。前半の会話バトルがやや冗長だったかな?後半に繋がっていく部分が少なかったように感じた。
満足度★★★★★
後ろから見る客席が白いんです
=高齢の方が多くいらしていた客層の為
それはまぁ置いといて、作品内容は重厚で濃厚な謎解きサスペンスのようでした。
片時も目が離せない魅力的な2時間越えの作品でありました!
満足度★★★★★
王道
相変わらず演技が切れていて上手い。演出も精密なこだわりがある。
今や教師は針の筵のような職業だと思う。体罰だと言われるので無礼な態度を取る生徒を叱れない。モンスターペアレントもいる。
バカバカしいが、今の現実かもしれない。
私には到底無理な窮屈な職業。保身と聖職の苦悩の狭間で葛藤する教師たち。
ドライだと思う今の子供にも、教師を慕う心が残っている生徒もいることに救われる。
斬新なストーリーに敢えて挑んでいる本作品にただただ敬服でした。
満足度★★★★
教師って…
大変なんだぁ~。立場と思惑が絡み合ったセリフの応酬劇…とても面白いというのが第一印象である。
さて本題だが、私立高校の修学旅行時に発生した傷害事件を現時点の問題として、さらにその高校に勤務しているベテラン教師の置かれている状況を過去背景とした”立場と思惑”が交錯したプチ喜劇のような公演である。
一般社会でも見られるようなセリフの応酬(特に責任回避)であるが、学校に設定したことで問題(テーマ性)がより鮮明になり見応えがあった。教育現場で問題となっている苛め・暴力、モンスターペアレントなどは、そのまま会社に置き換えればパワハラ・セクハラ、クレーマーと言ったところだろう。それらの問題を散りばめながら、学校経営及び教育現場に関する提起は鋭い。
しかし、誰もが責任を負いたくない。その結果…結末が安易すぎたのが少し残念であった。
今後の公演に期待しております。
満足度★★★★★
教育は、根幹
教育改悪が急ピッチで進められる中、性質の悪い生徒と世間のダニのような親や教育委員会、直接描かれては居ないが、中教審始め文科省の不見識(竹富町の教科書採用問題をみれば、文科省のレベルは単に見識の問題ではなく、憲法を蔑ろにしている点でも問題がある。及び、狂気政権・安倍の率いる下司共の下知まで考えるのは、大人の観客として当然のことだろう。)VS教育に於ける正義とは何かを考えさせてグッド。(追記後送)
満足度★★★★
話し合い
高校の修学旅行先で起きた生徒達の問題行動、それに対応する様々な立場の引率教師達。宿泊先のホテルの一室で各々集まり会議、また会議。
学校法人の有名進学校から同系列の底辺校に移動させられた阿久津先生を主軸に話は進む。前任校の事件と交差するので、その疑問が解明されるまで最後まで気が抜けない舞台でした。舞台中央を囲む、椅子の配置等も面白い見せ方と思った。もー、教師って大変!って実感した。
阿久津先生と実藤先生の叩きあいは見ていてハラハラしたが。このメンツの中で若い先生たち、奮闘していたと思う。
約110分。
満足度★★★★
いつもと比べるとソフトでした!
教育としては正しいことを貫く人が、組織にとっては疎ましい人間となる現実は寂しい。聖職としての教師なんてものはほど遠い!こんなことやっているから教師の質がオチ、サラリーマン化、酷いのは不祥事に至るばかり、正しいことを教える人がいなくなる。