ぬれぎぬ 公演情報 ぬれぎぬ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
21-40件 / 45件中
  • 満足度★★★★

    3回目
    舞台上の冷蔵庫の駆動音すら気になるほどの静かな演出。音響も最低限。淡い照明と陰影の演出はいつも通りだが、群舞はなくガッツリの会話劇。物凄く繊細なタッチで描かれる「悪と自由」の物語。そこにあるのは絶対悪と悪人ではなくて、普通の人の正義と罪のお話。

    ネタバレBOX

    登場人物達が語るそれぞれの価値観は、それぞれに理屈があって何らかの正義がある。社会的には犯罪かどうかで線引きされてはいるが、実際にはどれも罪。なのに自身では悪いと思っていない。身に覚えのない罪=「ぬれぎぬ」というのが、兎に角震えた。

    劇団員のみの公演のため演者の完成度が素晴らしく高い。全員がそれぞれに印象的で心に残っている。敢えてワンポイントだけ挙げると、笹井里美の涙する姿、糸山和則の狂気、松下仁の冷徹さ、小角まやの怒り、中村早香の孤独、榊菜津美のキュートさ、渡邉圭介の気合い。

    衣装も印象的。あの色使い好きだ。どんな意味使いがあったのかは分からなかったけど、皆似合ってて格好良かった。そういえば、榊菜津美、前作からガラッと髪型違ってて吃驚した。まぁ、前作も大概には吃驚させられたけど。
  • 満足度★★★★

    心理を映す会話劇!
    表面的な気持ちと奥底にある気持ちの違いを表現しながら、立場のよって使い分ける見せ方は印象的。
    有島役笠井里美さん難しい役上手く演じられていました。良かったです。

    ネタバレBOX

    印象的シーン数場面。
    有島と門田の接見での門田の犯罪者ならではの身勝手な論理をとうとうと説く場面。
    有島の妊娠相手による対応の会話で、事実婚の夫の向井が有島に求めることとポイントがずれかみあわない上に本音を言わない場面。
    有島の勤め先である派遣会社の人員削減の件で、有島と出向で来ている正社員村田の気持ちのうらおもて。
    門田に妹を殺された姉の門田に対するストレートな表現と、それとは裏腹な事件を探る冷静な分析。
    有島が門田から本当の話を聞きだすために行った方法は見事!
  • 満足度★★★★

    ダンスはなく
    サスペンス的要素があり良かったです。

    ネタバレBOX

    濡れ衣を着せると言うよりは濡れ衣を着る感じ。

    民間刑務所や形式にとらわれない自由な結婚の形が認められた特区において、受刑者や受刑者を更生する会社に勤めている人たち、犯罪被害者を巡る話。

    ストーカー殺人を犯した男と長年に亘り安楽死殺人を続けていた女が受刑者で、彼らの社会復帰に向けて心理面でのケアをするのが社員の仕事です。

    ぶっ飛んだ偏執狂や確信犯的受刑者を更生させることは非常に困難で、イライラするような噛み合わない会話は大好物です。普通にシリアスで、普段のダンスが無いところも好きでした。

    ストーカー犯に思わぬ身代わり疑惑が発覚するなど、サスペンス的要素もあって良かったのですが、浮気によってもたらされた悲喜劇については、婚姻に関する特区に住んでいる割には自覚がなく、既成概念に囚われ過ぎている感がありました。

    夫の子か上司の子かハーフハーフで、それ故に堕ろしたか堕ろさなかったかをさも重要そうに扱っていましたが、そんなことはどっちでもいいと思いました。
  • 満足度★★★★

    初アマヤドリ
    初めてのアマヤドリ。友人の勧めでともに観に行ったがとても良かった。
    都合で観に行けなかった別の友人が可哀想なくらいに。
    また、アマヤドリを観に行きたい。

    ネタバレBOX

    レナちゃんと所長のキャラが好き。「気合い!」
  • 満足度★★★★

    観てきました☆
    話の内容は けっこう重たいものなので、観ていて楽しいものでは ありませんでした。    淡々と続く会話劇で 役者さんの動きも少ないので、少々たいくつに感じてしまうところもありましたが、 熱のこもった演技は素晴らしかったと思います!  
    気になったのは ほとんどBGMが無かったこと。   もう少し効果的に 音を使ったらいいんじゃないかな~ と思いました。。

  • 満足度★★★★

    まずは3日と5日に
    劇団員のみ、特徴的なダンス的表現は封印しての濃密な(とはいえアマヤドリの特色とも言える軽妙な語り口は健在)会話劇。
    人物造形がしっかりしていて、登場人物それぞれに説得力あり。正しいかどうかは別にして「この人はこういう理屈で行動しているんだ」と理解できるというか。
    実は最初に観た時は「どの人物も憎めない」ではないし「各人物に共感」も違うな…と思っていたが、2度目に先述の表現が浮かんでスッキリ。
    1回目で全体像を観たので2回目は各シーンで極力1人の人物だけ見ようとしたりして。(おそらく今後も)
    また、実際の位置関係とはズラした位置関係によって、その人物たちの「心の位置関係」を見せる(と解釈した)空間構成も巧いんだよなぁ。

  • 満足度★★★★

    奥深い
    ソーシャルワーカーたちそして担当する受刑者との緊迫した会話が展開される。登場人物それぞれが抱える「闇」をあぶり出す側と正当化する側の緊迫した対話対決は時に立場が入れ替わり、最後には主役夫婦間にまで及ぶ。善悪も視点によって大きく変わって見える。そんなスリリングな展開が面白い。役者の皆さんの演技も素晴らしく上質の会話劇だった。
    ただし、民間運営刑務所、行政特区、自由婚姻、派遣社員、不倫関係、そんな特殊設定は本筋に対して深い意味があったはずだが、いろんな要素があってそれが十分理解しきれたかどうか疑問。少し消化不良感も残った。奥深い内容だ。

  • 満足度★★★★

    白ネコとはんぺん のような境界線
    私は 酔っ払いサラリーマンに対しても、「丁寧」に対応する。

    相手がへべろけに解らないことを質問すればすぐ教えるし、世間話を求めてくれば、熟睡するまで繰り広げてしまう。


    ピンク色の肌をした男性は 私に こう語った。

    「あんた…本当に親切な方だね、親切な方だねえ。こんな どうしようもない酔っ払いをさ…」




    酔っ払い に限らず、人は老人だとか、ホームレスだとか、そういった弱者と接する時、明確に、その存在を区別しているのではないか。つまり、友達グループのような「輪」にいる、共感者としての自分自身はいない。

    私は それができず、場合によっては子供にも敬語を使う。



    『アマヤドリ』は 世の中の「悪人」に接する、「わたしたち側」の皮肉性だった。
    民間刑務所収容者を更生させる職業人=限定社員が、境界を明確に区別する「わたしたち側」だとしたら、この構図は相当、挑発的である。

    なぜなら、受刑者が陥っている「愛と憎悪」のジレンマを、矯正しなければならい職業人も抱え、それがコーラのバニラアイスのように境界線を曖昧かつ、接合させているからである。


    実際の民間刑務所ではまずないことだろう。受刑者と職業人の間に張られたロープが緩む姿を かなり明示的に演技するキャスト陣だった。

    ネタバレBOX

    ホワイト・デスクが三つ、客席から斜めに配置されている。
    照明が当たらない壁には椅子があり、出番のないキャストは そこに待機することになっている。

    この空間自体、リーディング公演等にも多用されているが、特筆すべきは 幕外にはけるキャストも 同時にいる点だろう。
    これは自然な入り方を守ることで、舞台の哲学、静寂を害さない演出方法である。

    私は、『アマヤドリ』を躍動する身体観から高く評価してきた。そして、シェイクスピアより続く演劇の意味である「愛と社会」の相克を問う立派な劇団であると。


    しかし、彼らは音響、照明、ダンスを排した空間構造のなか、は っきりと内面に深く迫るスタイルを表明してくれた。

    20ステージ以上を予定し、「一日、一日が新しい作品」(広田氏)らしい。


    現在進行形ということである。


    アフター・トークでの広田氏は「愛と憎悪はコインの表裏だ。愛が大きいだけ、悪もパワーをもつ」と述べていた。

    この視点は戦争、民族紛争にも通じる。だからこそ、『アマヤドリ』という団体が政治劇を扱っても、躍動する身体観とは別に また「人間臭さ」が あったのだろう。

    社会派は 彼らのように思想というか、斜めに構える定理なるものを保持する必要はないか。


    アメリカに「マシンガン・ティーチャー」がいる。アフリカ内戦地に赴き、誘拐された子供を救出するため機関銃を手に武装組織と戦う牧師だ。

    実話映画のラスト。実際の牧師が登場するインタビューが流され、「俺を批判する人々がいる。無関心でいろと。しかし、あなたの家族が誘拐されても同じことが言えるでしょうか?」


    私にはこの牧師が広田氏のいう「コイン」を象徴しているように思えた。


    理念こそ「子供救出」という まさに「愛」なのだが、それが当事者ではなく、解釈の範囲を無制限に与えられた立場であるため、「武装組織を殺す」という「憎悪」が羽飛び散る。



    さて、それでもなお、「愛と憎悪」の相克だと偉そーな仮説を設けても、それを包括するのは「利己主義」だと広田氏はいう。


    【悪について書きたい、と思ったのはあまりに自分が善人でイヤ気がさしてしまったからだ。いや、冗談ではない。本気で言っている。嫌なヤツだと思われることは簡単だが、そうと知りつつ悪を行うのは臆病な人間にとってそんなに簡単なことではない。少なくとも善人を演じていたほうが社会というのは過ごしやすくできているし、おかげで僕は、良いと信じて善を行うのではなく、過ごしやすさのために善を選んで生きている。】(ごあいさつ 文より)




    バカ正直すぎる。だが、有島(笠井里美)と向井(松下仁)が妊娠中の子供をどうするか議論する場面をみれば、いかに人間は「利己主義」なのか、直面せざるをえない。

    「愛と憎悪」はストーリーだった。
  • 満足度★★★★

    二回目
    面白いのに、どう面白いのか説明出来ないのが面白い。まだ答え合わせしたくない。もう1回観てきちんと感想を。

  • 満足度★★★★

    ☆4.4
    序盤はスロースタートながら徐々に引き込まれていきました。
    他の方も指摘していましたが、観劇直後はテーマがぼやけていた印象を抱く。色々と繋がりに雑な点があるものの十分見応えあり楽しめます。

  • 満足度★★★

    少し違うアマヤドリ
    前半、物語的にどう進めたい、どちらに進めたいのかちょっとつかみきれず世界観に入りきれない感はあったが、いつもと違うアマヤドリ、なかなかにはよかった。

  • 満足度★★★

    なんとなくモヤモヤ感・・・
    役者さんの演技がしっかりしているので、安心して観ていられます。
    しかし、”特区”の設定の必要性がよくわかりませんでした。

    ネタバレBOX

    不倫に関して揉めるのであれば、浮気OKの”特区”の設定は不要では?また、民間が刑務所ビジネスに参入するには、別に”特区”である必然性は無いわけで、なぜこの設定になったのか・・・?
    更に、ラスト10分になって新たな謎が入って、そしてそれを直ぐに収束という目まぐるしい展開が急すぎました。
  • 満足度★★★

    アマヤドリ
    3年〜4年前に一度観た以来のアマヤドリの作品。出演者が皆さん素敵でした。演出の技がキラリと光るところがいくつも。もちろん劇場の協力もあると思いますが、ログラン公演とは決して容易いことではないでしょう。残りも頑張ってください。

  • 満足度★★★

    正義と悪について考えさせられる
    この劇団の特徴的な要素である詩的な台詞やダンス的な身体表現を用いない、リアリズムの会話劇で、物語と演技の力で見せる作品でした。

    警察や戸籍制度に関して独自の法律が定められている行政特区を舞台に、ストーカー殺人を犯した若い男と、老人の大量安楽死殺人を行った中年の女が、民間の派遣社員であるソーシャル・ワーカー達と対話するシーンを中心にして、ソーシャル・ワーカー達のプライベートでのエピソードも絡み展開し、様々な考え方がぶつかる様子がスリリングでした。
    特区という設定を用いることによって、単純な善悪二元論ではなく法律と倫理の関係についても考えさせる内容になっていたのが印象的でした。

    緊迫した口論や重い沈黙といった深刻なシーンの中にもふとコミカルなやりとりがあったりする、緊張と弛緩のバランス感覚が良かったです。
    机と椅子といくつかの家電が置かれただけのシンプルなセットを動かさずに登場人物の立ち位置のみによっていくつかの場所を描き分けていたのは良かったのですが、家電や途中でわざわざ出してくるあるアイテムを用いる必要性は感じられず、もっと切り詰めた表現でも良いと思いました。

  • 満足度★★★

    4月2日(水)の回を観た
    2公演目。
    なので感想は2週間ぐらい古い。

    私の「アマヤドリ」(ひょっとこ乱舞)への期待度からすると、足りない。

    ネタバレBOX

    ど、ストレートなストレート・プレイになっている。
    私が勝手に名付けている「ひょっとこフォーメーション」の乱舞もない。
    1人の役を2人以上の役者が演じることもない。
    台詞劇。

    俳優が裸にされているようだ。

    そして、確かに面白い。
    2時間近い上演時間なのだが、ずっと惹き付けられる。

    「罪」に対しての距離感がとても面白いのだ。
    犯罪者の冒した「罪」に対しての犯罪者本人とそれを更生しょうとする派遣社員たちの「罪」のイメージ。
    そして、更生させようとする派遣社員夫婦間での「罪」のイメージ。
    それが重なり合うことで、「罪」の意識が浮き彫りにされるという構造がとてもいいのだ。

    前にも書いたが、アマヤドリは、ひょっとこ乱舞から劇団名が変わっただけでなく、変化してきている。
    ひょっとこ乱舞の皮を脱ぎ捨てようともがいているように見える。

    その意味での過渡期の1作ではないだろうか。

    そして、私の期待度から言うと、4月2日に観たこの作品は、少し足りない。
    足りないのは「緊迫感」。

    舞台にキリで穴を開けるような緊迫感で出てこない。
    殺人犯の門田(糸山和則さん)がキーマンではないかと思う。
    彼によって、彼と絡む役者への変化も出てくるだろうから、この作品は大きく変わるのではないだろうか。

    有村(笠井里美さん)と向井(松下仁さん)がガッツリ語り合うシーンや、占部(中村早香さん)のシーンの会話はスリリングであるから、それより前の部分での緊張感が高まっていれば、ドラマはもと動き出すのではないだろうか。
    佐野(小角まやさん)は、役の設定もあり、なかなかいい。

    ひょっとこ乱舞には、物語が大きく動くような一瞬があった。
    そこからぐるりと世界が回るような快感が、だ。

    一見静かで、淡々とした作品なのだが、この作品の持っているポテンシャルであれば、そして、役者&演出によれば、そういうダイナミックさが、静かな芝居を観ている観客の心に訪れることは可能だと思うのだ。

    フリーパスを購入したので、このあと、少なくとももう1回は観に行きたい。
    そこで、2日目に観た、この作品がどう変わっているのか、あるいは変わっていないのかを確認したいと思う。
  • 満足度★★

    焦点がぼやけてる
    殺人を犯した囚人二人と、夫婦のソーシャルワーカーの会話劇。
    囚人役の役者の演技が素晴らしく、間違ってるだろうけど共感もできた。
    ただ、全体的に囚人以外のキャラ設定がぼやけけてて、どんな人なのか最後まで分からず感情移入できない。
    ストーリーも結局何がメインテーマなのか分からず終わってしまった。
    タイトルになっているヌレギヌを掘り下げるでもなく、特区の意味も良くわからず、不倫話にも必要性が感じられず。
    ちょっと残念でした。

  • 満足度★★

    紙一重
    上演時間2時間。理屈やストレスが散在してそれを耐えきると吹っ切れるが、できればもっとお手柔らかに。

  • 満足度★★

    わけワカメ……
    どう書いてよいのやら…
    後日、まとまってから書きます。

    ただ、すっごく「浅い」創りでした。

  • 正に「濡れ衣」である。
    自分も、下記junjuncatさんと同じ公演回だと思います。マナーモードの振動音は決して良いとは言えませんが、それにいちいち激怒する人間の頭の方が問題だと思います。物凄い興ざめ。自身も芝居はしているので、観客の方や役者まで気を使うような空気の淀みが凄く嫌でした。なので4、5くらいに思っていましたが、評価はあえてしないことにしました。お薦めはもちろんします。
    色んな人間のどろっとした感じが出て、一番のところは不明瞭になりがちかもしれないけど、個人としては面白いと感じた。以下

    ネタバレBOX

    セットは色んなシーンを使い分けれるようにテーブルなど配置してあり、動きも空間を意識したものなのかなと思いました。ただ席によっては見づらそうな箇所がありそうでした。
    パワハラ、不倫、法の外の罪。人間はいつも微妙な位置づけで生きてるんだなーと思いました。最初の方はちょっと眠い感じもしましたが、後半に進むにつれ引きこまれます。真犯人に繋がるであろう伏線となるような箇所もわかり楽しめました。ラストのところがちょっとわかりづらく、暗転までは面白かったけど、どういう意味だったのか気になりました。携帯は裏方さんがタイミング良くかけているのでしょうか。音響の音合せでなく、こういうところもチームプレイだなーと思ったり。罪人を演じた、中村早香さんと糸山和則さんの空気が好きでした。
    因みに前述したそのおじさん、終演後は主宰の広田さんと話しているようだった。面倒なのに絡まれているなぁと通り過ぎたけど、どう考えても文句を言っていたのだろう。コリッチ掲示板の方でも、迷惑な観客云々という書き込みを見ましたが、一番の問題はその方ではないかと僕は思います。人気の劇団さんとは言え、スタッフさんはまさにぬれぎぬだなぁと。ありがとうございました。
  • 19:30。
    後ほど。

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