『タガタリススムの、的、な。』 公演情報 『タガタリススムの、的、な。』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
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  • 満足度★★★★★

    二度観劇・感激しました。
    一言で言うと、もう驚きの連続、どんでん返し。

    こう…今日の問題に対する提起、そんな気も。
    伝えたいメッセージがいっぱいあるような?
    SNSサイト、対人関係、ネット、アイデンティティ、意識操作、etc.
    普段何気なく使っている、twitter、facebook、mixi、etc.
    それを書いているのも、見ていいるのも、全て人。人。人。
    人の声なのだ。人の声って怖いなーっと改めて認識。
    他人、知ってる人、知らない人、同僚、上司、マスコミ、視聴者、全て人の声、怖いものだな、と。

    表情から仕草、些細なところまで、細かい演技。
    一度や二度では全ての表情を見ることはできないので、もう何度でも見て、全方位から見て、全て知りたい欲求に駆られた。

    ネタバレBOX

    入ってすぐ、視覚的に「なにこれ!?」ってなり、大きな箱のような…ブラインドで囲われた大きな箱のようだと思った。

    また入場の際、男性役者さんがおひとり待ち構えていて、腕を出していただけませんかってんで腕を出すと、何やらペンのようなよくわからないもので「カチリ」っと音がして押される。
    内心で「え、え?なに?何か使うの?ってなった。
    その意味が舞台中にわかるけどそれはまた後のお話。
    でももうそのときから、その一瞬から、一客ではなく、一市民、的、な?(笑)
    この舞台の世界の住人の一人になってしまっているんだな、と。
    何も知らない、無知な市民。知らぬ間に、仕込まれている。そんな不思議な感覚。
  • 満足度★★★★

    「ヒデキ」に!?
    40年後のことなのに前半はまるで現在的(そう思わせる必要があるのは分かるが)なのがずるいし、前半と後半でタイムスリップしたかのように状況が異なることに(終演後に)違和感を抱く。時々笑いを取っていたがこの芝居には無用に思えた。実験公演と銘打つだけあって様々なおもしろい試みがなされていてそのほとんどが成功していたように思う。感心したのはブラインドの使い方(手動ではなく自動で開閉できればもっと良かったが、微妙なタイミングは手動だからこそ出来た?)。衣装を統一させたのはどちらかというと気持ち悪いし何よりその意図が見えない。ある時点から結末へ向けて加速度的に進展するのでこちらは頭が心地よくグルグルし(ついていけなくなる)、グルグルしたまま芝居も終わるのだがラストの父の名でグルグルが止まらなくなってしまった。

  • リピしました
    2回見ました。
    一度目はチケットプレゼントで。少し遅刻してしまったこともあってよく分からなくて。でも理解したくてその日のうちに予約して。Wキャストでもないのに。
    こんなことは初めてです。

    初めて見る舞台装置。あれは本当に計算された造りでした。
    ブラインドの使い方も実に効果的。
    役者が袖に下がるように、舞台下部に隠れ、夜の森をその声で表現する所もすごい。
    役者と客の距離がとても近いので、熱が伝わってくる。あの客との距離でも、役者は全力疾走し、立ち回りもあの近さでするなんて…

    脚本はやや難解。理解力の乏しい私は2回でやっと、という感じです。
    でも分からなくても、また見に来たいと思わせるこの吸引力。
    そして言葉は悪いが、足を引っ張っている役者がいない。
    白とジッパーで統一された衣装も素敵。

    秘密保護法案が話題になっている今この時期にこの公演を行うということも、評価します。
    私と同じように、重ねて考える観客はいるのではないでしょうか。

  • 満足度★★★★

    興味深い実験
    中央のブラインドに囲まれたステージを取り囲むように観るスタイル、平面ではなくより立体感を感じさせる演出に斬新さを感じました! 内容は終盤になって解る時代設定ゆえの少しの謎を残して進む展開にひきつけられました! ただ、状況設定を理解するのが少し難しくも感じました。

    ネタバレBOX

    近い未来ではないけれど、そんな時代がきたら嫌なのと、怖さも感じました!?
    ラストのどんでん返しは良かったですが、そのまた後の.... は、なくても良かったかもしれないと少し思いました!
  • 初めてです
    公演中の欄に出てきたので、観覧しました。

    想像を超えるいい公演でした。演技・構成はもちろん、音楽がすごくよかった。
    また見に行きたいと思った集団でした。
    今後に期待しています。

  • 満足度★★★★

    ちょっと綺麗すぎたかな・・・
    全体を通して、無機質で清潔、スマートな印象。

    色々な試みがとても刺激的で素敵なアート体験をしたような舞台でしたがスタイリッシュな分、物語の吸引力が弱いかな。
    途中、何度かその展開に置いてかれましたが、概ね楽しめました。

  • 満足度★★★★★

    裏切られませんでした!
    クチコミで評価が高かったので、かなり期待して行ったのですが、思っていた以上に良かったです。役者さんやフルートの生演奏はもちろんですが、舞台、衣装、美術と全てにおいて統率のとれた作品の世界にすっかり魅了されました。観に行って良かったです!

  • 満足度★★★★★

    無題905(13-334)ー2回目
    19:30の回(曇)。今夜は入口に「受付19:00」の貼り紙あり、時間少し前、中で整列、19:00受付、台本を購入し会場へ。注射し、前回とは違う右サイド(長方形の長辺)、撮影用のカメラが入っていました。左側は演奏者他のブース、座ってみると「増殖島」もこの近くでした(そういえば自分で「椅子」を作りましたね)。当日券はキャンセル待ちだったようで、四方のベンチシート以外に椅子席も出ていました。

    19:31前説(95分)、演奏が始まり〜21:18終演。

    2回目ですが、やっぱり面白いのです、むちゃくちゃ面白い。ちょっとSF、主人公たちの逃避行と困難に立ち向かう勇気、思いがけない運命…これって、昔、SFを読み始めた頃、盛んに(繰り返し)読んでいたジュヴィナイルSFと同じテイスト…何回もみたくなるはずです。主役のお二人、磯村さん(初めて)、田代さん(3作目)、がまさにはまり役。通常、会場は動きませんが、役者さんは目の前を疾走、格闘、「中」と「外」の切り替えなどスピード感に満ち、場内が隅々まで物語で満ちていました。終演後、主宰の伊藤さんにご挨拶した時、それこそ全身全霊を込めて創っているとおっしゃっていました。それでもすぐにまた次回作をお願いしたくなるのです。

    ネタバレBOX

    仕掛けを全部オープンにし、それを「形」としてみせてくれます。暗転せず、主人公たちの状況にあわせ空間は色を変え(明かりと暗がり)、ちょっとした小道具、グラス、覆面、ハンドル…が場面の「らしさ」を深め、響くコーラス、Live感十分な生放送(中継)…どれもが冴えているのでした。
  • 孤高
    役者の皆さん自らが客席へ誘導。他の劇団のフライヤーが全く席に置かれていないなど、群れていない自力な感じに好感が持てる。裏を返せば非常にプライドの高い絶対的な自信を持っている劇団のようで、作りこまれた演出や生演奏にもガンとしたこだわりを感じる。当たれば大きく化けるが、その孤高さゆえに大きく世に発信できるまでには、まだまだ時間がかかってしまいそう。それでよければ、またそれもひとつの潔さ、美学なのかと・・・

    ネタバレBOX

    イスガカタクテオシリイタイの、的、な。
  • 満足度★★★★★

    無題900(13-329)
    14:00の回(快晴)。建物の外で待ち、13:30受付、開場、入って行こうと右へ曲がり…見えた会場はやけに暗く、狭い…大きな倉庫みたいなものがある。その手前で手を出すように言われ左手を出すとペンのようなものが押し当てられる(痛いとか、くすぐったいものではない)。360°ぐるっと、「倉庫」と壁沿いに設けられた「客席」、その間の「通路」、そのすべてが舞台であり、どこで何が起こるかわからない。照明が暗いが「倉庫」の壁がブラインドであることに気づく、中で何か動いている。終演後、本作の美術は「増殖島(2011/12@本会場)」と同じ伊藤さんだと教えていただく(ソウダッタノカ!)、役者さんたちが「通路」でお客さんの誘導、全員、白い衣装、いたるところにジッパーが縫い付けてあり、靴も白。4作目です。14:00前説(90分)、14:02開演〜15:44終演。演奏、小道具、走る、歌う、生映像、芝居に引きずり込まれる「自分」、途切れることのない快い緊張感、会場を出ても感じるこの感覚、あ〜、とっても良かった!! (もう一回行けるか…)

    長方形なので、横からのほうが広く、見やすいかもしれません。縦にみると(横幅がないので))役者さんが重なってしまいます。

    ネタバレBOX

    13:54一部のブラインドが開き、「内部」が見える…(正確ではないが)2.5人いる。田代さんがいないなと思っていたのですが、中でした。

    入口で手に押されたのはLC(リキッドコンピュータ)だったらしい、脳の機能を補完するだけではなく、コントロールされる...。劇中、今が2053年であることが明らかになる。最後まで「会社」がなにをしているのかは明らかにならない。どこまで引っ張れるか..目いっぱい惹きつける力は「増殖島」に負けていません。

    ブラインドを支える四隅の柱、能舞台の柱にも似て、集中力を高め,そこから出てくれば物語がより迫ってくるように感じます。ブラインドの開け閉めがリズミカルに行われ、空気をかき乱します。

    劇中のバグのような、デジタルノイズのような現象、フルートを尺八のように吹く、カメラで撮ったものを天井に写し、モザイクまで施す。

    異色の舞台は健在、何度でも見たくなるお芝居でした。

  • 満足度★★★★★

    現実化するかも
     近未来に実際に起きそうな内容のSF。途中まで分かりにくいかも知れないが注意深く観ること。キーワードが一つ出てくると総ての謎が一瞬で氷解する。
    (追記2013.11.17)

    ネタバレBOX

     LCによって人格をコントロールしようという発想は、その原型をウォールマートとペンタゴンがタグを使って人々の行動を監視し、ペンタゴンは無論、軍事的ロジスティックに、ウォールマートは売り上げ増に利用しようとした経過を思い出させた。
     秘密保護法、日本版NSCが成立間近な中にあって、為政者共の考える民衆支配にこれ程合理的手法はあるまい。実際にこのような秘密研究が行われている可能性はある。そして、科学者という者は、自分の開発した新技術が例え危険な要素を含んでいるにせよ、それを実験してみないことには気が済まぬ好奇心と探求心、悪戯心に溢れた人種である。それなしに、科学研究が進歩することなどあり得まい。まして、国家を牛耳る為政者は圧倒的多数の民衆を何処か心の深い部分で恐怖しているのが常だろうから、民衆は縛り付けておきたいというのが、本音だろう。
     因みにLCと表記したのは、Liquid Computerのことである。これを頭の働きをサポートする為と偽って人々の体に注射器で挿入し、血流を利用して、脳の特定部位に装着、都合の悪いことは総て認識されないように記憶を作り変えたり、脳機能をコントロールして情報にアクセスできないよう、頭痛を起こさせる、吐き気を起こさせる等々、 任意の方法で邪魔をするのである。ナノテクノロジーとIT技術の進歩によって人体に簡単に埋め込むことのできる端末を開発することは可能だろう。それと通信技術を用いれば、SF的に聞こえるかも知れないこのようなことが、実現可能だと自分は考える。ITタグについてウォールマートとペンタゴンが組んだ事実は既に指摘した。彼らは、或る技術者の開発した離れた所からデータを読み取るアンテナ技術を入手しようと躍起になった。それを用いれば、スパイ衛星で埋め込まれた人物から情報を盗むことはいとも容易いからである。言っておくが、現在地球の回りを飛び回っている衛星のうち99%は、軍事目的であると信じている。気象衛星なども、実際軍事に有用なのである。こんなことは、軍事に少しでも関心のある者には常識中の常識に過ぎないが。
     物語は、世界1のシェアを誇るクルイドダイナミクスの派遣労働者Aが、Bを殺害した容疑者と目されることから始まった。フェイスブックに犯行予告が載っていた為である。犯行現場には、別の取材許可を得ていたTV局が入っており、特ダネとばかり実況中継をやり出した。これで事件は一躍、社会性を帯び、尾ヒレがついて大変な騒ぎに発展する。だが、Aの彼女、Cの勧めもあって二人は現場を逃げ出す。ネット社会の怖さで、彼の無実の訴えも中々届かない。逆に、真犯人の流す好い加減な嘘が、まことしやかに広がり“良いね”表示はウナギ登り。真犯人は一種のヒーローになってしまう。このような状況下、AとCは、カージャックをし、自分達の無罪を明かす為に、LCを作っているライバル企業、クマソシステムに乗り込む。彼らの持つ情報から、真犯人を割り出せないか? という可能性と、真犯人が、このライバル企業の社長と専務を殺害すると犯行声明を出していたから犯行現場に乗り込んで真犯人を見付け、自分の無罪を晴らそうという算段であった。拉致されたのは若い夫婦、買物に行く途中を拉致されたのだが、夫は、女装癖を持ち、株をやっていて、クルイドダイナミクスの株に殆ど全財産を投入していた。彼は、株価の損失を少なくする為には、2位の企業の社長、専務が殺害されることが、善であると算盤をはじいている。3人は、何とかクマソシステムのパーティーに潜り込むが。予告通りクマソシステムの2人は殺され、真犯人とAは対決することになる。真犯人は実父、Bは兄、父はLCの無謀なグレードアップの為にBを殺害、Aに罪をなすりつけていたのだ。最終的な答えはどうなったか? 想像して欲しい。
  • 満足度★★★★★

    予想を裏切る素晴らしさ
    予想を大幅に超える素晴らしい芝居でした。実験公演と銘打ってますが、全くスキがありません。
    構成力、演技力、生演奏の音楽、技術を駆使した映像、舞台の使い方。全てがほぼ完璧でした。なぜか悔しさを覚えます。

    ネタバレBOX

    クライマックス以降の話が複雑でわかりにくくなったのだけが難点ですが、芝居全体として見れば気にならない範囲です。
    とにかく、いい役者を揃えたものです。
  • 逃げ切れ。Facebookから、「カタリ」から供に
    客席は360度取り囲む形で、中央の舞台も四方に黒い格子が覆う。(開け閉め可)こうした舞台構造は珍しいものではない。だが、スタイリッシュな雰囲気と緊張感のある場は、開場時間中さえ観客を呑み込む。


    ※バレてないネタバレへ

    ネタバレBOX



    「空白」を描く行為は「落語」でる。ハリウッド映画というか、洒落た小説家の思い浮かべるような「パーティ会場」「海岸建設予定地」などのシチュエーションは、噺家が 扇子と自らの手で「蕎麦」を用意できるかのごとく、私たちの「空白」を埋めてくれる。

    今、この時代に生きる者にとってみれば、「帝国資本主義」は間違った政治用語だろう。ただ、大英帝国がインドを支配する際、貿易会社「東インド株式会社」へ委任統治させたように、過去の歴史上、存在したシステムなのだ。21世紀の「帝国資本主義」というテーマ性、スタイリッシュな身体表象や、現代的映像技法を交えた構成は、それ自体が「ゼネラル」である。スタイリッシュなそれも、見方を変えれば童謡を唱えるシーンかもしれない。

    これは、「帝国資本主義」を現す固有名詞としてのコンピュータ企業•クルイドダイナミクス株式会社を、「ゼネラル」な舞台構成によって 「複雑化」した形態そのもの を彼らなりに提示した結果ではないか。「Facebook」がビジネスレベルまでSNSの公共化を進め、あらゆる層の人々が「語り」のツールを得た功は大きいと思う。では、人々の本音は「主婦の井戸端会議」か。「Facebook」か。本作は前者の立場だったはず。

    指紋認証など、個人識別社会は目の前に訪れつつある。ラスト10分間の展開はその危険性を警告してくれた。もちろん、劇的な「種明かし」は 伝わりにくい「複雑さ」でもあった。主人公の彼女(外国人出稼ぎ労働者)が裏を知るキー•ガールだろう空気は読み解けたが、いずれにせよ「品」のある演劇だ。無印良品すら顔負けの。

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