『タガタリススムの、的、な。』 公演情報 舞台芸術集団 地下空港「『タガタリススムの、的、な。』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 逃げ切れ。Facebookから、「カタリ」から供に
    客席は360度取り囲む形で、中央の舞台も四方に黒い格子が覆う。(開け閉め可)こうした舞台構造は珍しいものではない。だが、スタイリッシュな雰囲気と緊張感のある場は、開場時間中さえ観客を呑み込む。


    ※バレてないネタバレへ

    ネタバレBOX



    「空白」を描く行為は「落語」でる。ハリウッド映画というか、洒落た小説家の思い浮かべるような「パーティ会場」「海岸建設予定地」などのシチュエーションは、噺家が 扇子と自らの手で「蕎麦」を用意できるかのごとく、私たちの「空白」を埋めてくれる。

    今、この時代に生きる者にとってみれば、「帝国資本主義」は間違った政治用語だろう。ただ、大英帝国がインドを支配する際、貿易会社「東インド株式会社」へ委任統治させたように、過去の歴史上、存在したシステムなのだ。21世紀の「帝国資本主義」というテーマ性、スタイリッシュな身体表象や、現代的映像技法を交えた構成は、それ自体が「ゼネラル」である。スタイリッシュなそれも、見方を変えれば童謡を唱えるシーンかもしれない。

    これは、「帝国資本主義」を現す固有名詞としてのコンピュータ企業•クルイドダイナミクス株式会社を、「ゼネラル」な舞台構成によって 「複雑化」した形態そのもの を彼らなりに提示した結果ではないか。「Facebook」がビジネスレベルまでSNSの公共化を進め、あらゆる層の人々が「語り」のツールを得た功は大きいと思う。では、人々の本音は「主婦の井戸端会議」か。「Facebook」か。本作は前者の立場だったはず。

    指紋認証など、個人識別社会は目の前に訪れつつある。ラスト10分間の展開はその危険性を警告してくれた。もちろん、劇的な「種明かし」は 伝わりにくい「複雑さ」でもあった。主人公の彼女(外国人出稼ぎ労働者)が裏を知るキー•ガールだろう空気は読み解けたが、いずれにせよ「品」のある演劇だ。無印良品すら顔負けの。

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    2013/11/14 23:53

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