伯爵のおるすばん 公演情報 伯爵のおるすばん」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
21-32件 / 32件中
  • 満足度★★★★

    巧みな言葉といい役者さん
    セリフの表現が面白い。
    それ以上に、役者さんの雰囲気がとてもよかった。
    (一番アクセントになっていたのは、メイドさんかなあ)

    いつくかの時期に分かれたお話だが、どれもWitに飛んでいる。
    かなり笑った。とっても笑った。

    全体を通して、強い何かを感じたわけではないのだが、観終わった瞬間なんかちょっと放心する感じだった。

    ネタバレBOX

    全体としてとてもいい作品だと思ったが、

    オープニングが、客席が明るいままですこし長く続いた感じがして、入りで少し緊張感が切れてしまった。

    また随所随所、「ショートコント」みたいに短いコマが繰り返されるので、全体としての流れが個人的にはぶつ切りに頭の中に入ってきたのが残念だった。

  • 満足度★★★★★

    面白い。巧い。また観たい。
    今週は非常に当たりの作品ばかりです。Mrs.fiction。前回に引き続き、楽しませて頂きました。伯爵の矛盾を抱えたキャラクターが非常に巧く描かれていていますね。様々な人間を巧く描ける脚本家は素晴らしい。最も複雑でとらえがたいものを書きとどめることは、技術だけでは困難だからです。人というもの(感情や行動など)に良くも悪くも敏感で、その微細な変化をよく観察することが必要だからです。

    実によくできたドラマでした。自然に流れるようなセリフとボケツッコミのコント技という全く異なるものを巧く混ぜ込む演出も素晴らしい。セリフの言葉選びは、さり気ないのですが、なかなかこう上手くは書けない。身分や性別や道徳を越えた普遍的な愛を、こうも見事に表現した作品はなかなかお目にかかれない。

  • 満足度★★★★★

    優しく壮大な物語。
    ロココのドレスが目に麗しく始まった物語でしたが、現代・近未来・遠い未来へとどんどん物語が進んで行き、あまりの展開の読めなさにワクワクし通しでした。中嶋さんの決め細やかでずっと温かい空気に満たされている脚本、そして岡野さんの人間味溢れる情緒豊かな演技。今村さんの出番が多くなかったのはちょっと残念だけれど、fictionsの良さを2時間超という長い時間堪能できてとても幸せな気分でした。あの年月の中で伯爵が心を寄せた人達との愛の日々・そして別れを目の当たりにして・・・大切な人を大切にしたい、好きな人とずっと一緒にいたいと思わされて。思うに、恋人にプロポーズをと考えている人は、是非お相手とこのお芝居を観るといいんじゃないかなと思います。きっと永遠の愛を誓えると思いますよ*

    ネタバレBOX

    演技がとても繊細で、ルックスも素敵な人がいるなと思ったら、ポップンマッシュルームチキン野郎の野口オリジナルさんでした。以前観たときはバリバリの女装(しかも美しい)だったので、終演後に当日パンフで確認するまで野口さんだと気付きませんでした。伯爵と一緒にいるときの優しい笑顔。そして監禁されて死ぬときの、本当にやつれて息を引き取ったかのような佇まい・・・素敵でした。またその笑顔と演技を観たいと思いました。ただし素顔で(笑)
  • 圧倒的な短さで編む大河ドラマ
    手塚治虫氏の『火の○』に劣らない、壮大な物語を造ってしまった。
    ツッコミの炸裂する「笑い」が暗転を効果的に生かしてリピートし、全編で いつの時代も変わらない「愛」を映す。

    身分だとか、社会的なモラルだとか、男だ女だという性差だとか、人種だとか…。

    生涯5人の人間を愛した、1800年代生まれ の男爵には、時代ごとで愛すべき対象との大きな障壁があった。

    ネタバレBOX

    例えば 初めの恋人を拒ませたのは、登ることのできない「階級」(中世 フランス)である。

    しかし、考えてみれば、次の時代1990年代には「階級」という概念すら政治家の頭にはなくなっていた。
    「階級の否定」に他ならない。

    一方、その時代の障壁は「社会的モラル」である。

    日本で私立高校の保健教師となった男爵の目の前に、「透明な」女子高校生が現れたのだ。
    もちろん、「教師と生徒の愛」など社会的にNOだから、公職の彼は 障壁を破ることすらできない。


    そして、次の時代は2030年代。

    アウトスロー界を浸かった男爵は 、組の構成員の若い青年と「愛の生活」を過ごす。
    これからは近未来の人類の仮定を指すが、「社会的モラル」で人々の恋愛が制限される価値観=障壁も吹っ飛んだのかもしれない。


    こう人類の歴史を辿っていけば、「愛」の障壁は 時代ごとの闘いや草の根の運動によって崩れてきたのだ。

    今、インドなど世界中に身分制は存在し、完全に是正することは不可能だろう。
    だが、人類の潮流、流れ としては、「身分制」を葬り去る方向へ動き(人民の武装)、性差や人種を越える方向を求めてきた(草の根運動)。


    今作が型どった時代は その境目であり、非常に思慮を感じる構成だった。



    「エロいメイドの時代が来ます!」に象徴される「笑い」は、暗転を利用したからこそ生まれる。それはコントの形式で多用する方法だろう。
    だから少なくとも前半は、ショート•ストーリズを重ねた「アップルパイ」のような舞台である。
    逆の見方にすれば「薄っぺらい」感触も感じつつ、チラシ(絶賛したい)にも登場した女子高校生との「愛」「障壁」を映す第二幕でカーテンコールの時刻だと思った。

    しかし、私は冒頭、手塚治虫氏の『火の○』を わさわざ引用している。
    特に、二幕(女子高校生)、それに続く三幕、四幕、五幕がメッセージを帯びており、観るものをゲーテの世界に落としてしまった。

    一幕はメッセージ性というか、貴族社会のショート•ストーリズのようだったが、結局のところ中世フランス時代の「日常観察」の比較で 次幕以降の男爵の姿が浮き彫りになる。
    「人類の歴史」を語るメッセージを放つためには日常的な「笑い」を徹する演出も必要だろう。





    「たまたま窓にカナブンが入ってきただけ」

    男爵は、女性貴族の呟く この言葉を身にまとい、各時代を歩んだのだろう。


    話の中で「フランス領インドシナで日本軍の捕虜になった」事実も明かされた。
    1940年代の幕を描いてもよかった。
    対象は、雑用スタッフとして働く現地人女性か、紛れ込んでいたフランスの女性兵士で どうか。



    「いつ終わるのか」さえ解らない構成で、観客は「時間」のテーマに接しざるを得ない。
    この不安感が男爵に置き換えられる感情だとすれば、「やられた!」の一言である。


    世界的ベストセラー『ソフィーの世界』の光景を彷彿させる内容も 見受けた。

    何か、作品に影響を与えた書作や映画等あれば、聴いてみたいものだ。
  • 打ち上げ
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    伯爵(岡野康弘)…不老不死。橋の下の住人、奴隷、保健教師、ヤクザなどを転々とし、56億年ほどを生き、最期の日を迎える。愛したヒトは計5名。
    ブルボン(小見美幸)…貴族の妻。奴隷の伯爵を買う。母性から伯爵に教養をつけさせようと教育。伯爵と再開後、処刑される。
    佐久間ひよ子(相楽樹)…高校生。心臓など身体的に弱いけど精神的には強い。卒業の日に告白し伯爵の整理を待つが、3年後病死した。
    よっちゃん(野口オリジナル)…伯爵の所属する組と対立する組の下っ端。鉄砲玉として伯爵殺しを命じられるが、監禁され、死亡する。
    UHA(志水衿子)…生命のない地球に訪れた宇宙人の内の一人。伯爵の眠りを覚ます。地球に残ると決意した伯爵とともに過ごすが、結局先に寿命を迎えた。伯爵の子を身篭った。
    コリス(浅利ねこ)…伯爵とともに宇宙の最期を過ごす女性。20歳代。
    モロゾフ(工藤さや)…ブルボンの寝室に勝手に入る貴族。奴隷同士をマグワわせることを想像する。
    ロイズ(関原あさこ)…モロゾフの友人貴族。色んな貴族に会いにいこうとブルボンを誘う。
    右足(今村圭祐)…ブルボンの奴隷。つっこみが冷静な方。宵越しの物はもたない。
    左足(中舘淳一郎)…ブルボンの奴隷。好戦的な方。
    リスカ(佑木つぐみ)…ブルボンのメイド。エロメイドがスタンダードになると予言する。伯爵にふられた。奇跡の人。
    ユーハイム(三嶋義信)…奴隷商人。後に革命派の先導者。
    不二(工藤さや)…高校生。湖池の恋を応援する。
    湖池(佑木つぐみ)…高校生。伯爵にふられた。
    赤城(中舘淳一郎)…高校生。彼女あり。
    カバヤ(渡辺伸一郎)…高校生。ひよ子のストーカー。伯爵との仲を疑う。
    カクダイ(ひら凌一)…体育教師。ひよ子の兄。ひよ子の手紙を持参し、その死を伯爵に伝える。
    江崎(三嶋義信)…伯爵の組所属。伯爵のことが好き。
    ハリ坊(渡辺伸一郎)…伯爵の組所属の下っ端。
    でん六(ひら凌一)…伯爵の組所属の下っ端。レーザー銃を所持。
    ママ(関原あさこ)…UHAの母。パパのマイクコードをサポートする内助の功な妻。
    パパ(今村圭祐)…UHAの父。地球調査員的な宇宙人。人と出会うために生きている。
  • 満足度★★★★★

    哀愁漂う
    伯爵に感情移入しました。好きな人達との別れ。
    最初、無機質だった伯爵が徐々に人間味を帯びていく様子が面白かったです。相楽樹さんは可愛い女子高生を演じると「まんま」ですね。
    「すべての夜は朝へと向かう」を思い出しました。衣装は豪華で華やかでした。

  • 満足度★★★★★

    観終わった直後ですが、
    どんなふうに書いていいかわからないのですが、でも良かったです。自分なりに感じたことは確かにありますが、うまく言葉にできません。でも観て良かったです。ありがとうございました。

    ネタバレBOX

    (ちょっとだけ残念に感じたところ)
    序盤、上半身裸の上手寄りの男性が、腹式呼吸ちゃんと出来てるのかな?と思いました。声が客席前列あたりで失速してるように感じて、自分の席では、ぎりぎりセリフが聞きとれた感じでちょっと残念に思いました。
  • 満足度★★★★★

    しっとり、しんみり
    相楽樹さんの透明さが際立っていました。

    ネタバレBOX

    50億年生きて、宇宙の消滅とともに死んだ不老不死の男の話。50億年で真剣に恋した相手は5人、貴族の奥方、女子高生、他の組のヤクザの若いもん、宇宙人の娘、詳細不明の女性。

    命のこと、愛する人との別れ、宇宙にも寿命があることをしっとりと受け止めました。私も太陽の寿命があと50億年だと思うと、その頃には太陽系外の別の星に移住しているかもしれないと思いつつも虚無感にとらわれ憂鬱になります。

    思い出の人たちとのパーティはしんみりしますが、死の間際にそういう光景が浮かんだら幸せなことですね。

    最後の女性は地球人のように見えましたが、宇宙人と出会ったときには既に地球には他の生命の痕跡はありませんでしたから、50億年後のこの女性ははたしてどんな人だったのでしょう。

    相手役5人はそれぞれの時代にしか登場せず、とても贅沢な配役でした。
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    Mrs.fictionsの単独公演観るのは初めて。短編でのキレの良さがそのままで、長編でもタレるところがありません。時空を超える壮大な物語なのに、かなり卑近で庶民的。シニカルに笑えて、ホロリときます。相楽樹さん演じる女子高生のキュートさがいい。出演者全員の正装もゴージャスでした。

  • 満足度★★★★

    爽やかの中に懐かしさ
     何故、こんなにも懐かしいような感じがするのだろう? 確かに爽やかな中にも心に沁みる作品ではある。然し、それだけでこれ程、懐旧の情を催すだろうか? 無論、そのようなことは無い。

    ネタバレBOX

     伯爵と綽名された主人公は、物語では56億年を既に生きている。その中で、18世紀のフランス革命前夜からが、彼に恋の遍歴を刻む。都合、4人の女、1人の男と恋仲になる。尤も、最初の2人の女は、1人は主人を持つマダム、1人は、女子高生で自分の学校の生徒であった。2人目の女は体が弱く、漸く20歳を超えた頃に他界してしまった。その体の弱い彼女が、高校時代、伯爵に好意の在ることを告白し、卒業証書を貰った日、伯爵の答えを訊きに来たのだ。そして、迎えに来てほしいと頼む。待っているから、と。体が、弱いから、なるべく早く、と。この高校生、ひよ子との恋が、ハイライトだろうか。演じている女優の清潔感と感性の良さが伝わってくる。相楽樹という女優だ。
     因みに、ブルボン家の奥方やひよ子と伯爵との関係はプラトニックである。3人目に何故、ヘテロの彼が男の恋人を持ったか、ということであるが、ひよ子に、「自分以外の人は好きにならないで」と言われ「そうする」と約束をしていたから、女性との恋を自らに禁じていたのである。その後、更に2人の女性と恋に落ち、最後の女性は健在である。56億年に5人の人と恋に落ちた、とは言っても地球誕生45億年頃からであるから、実質、11億年。2億2千万年に一度、本気の恋をしている計算になる。まあ、野暮な計算だが。
     伯爵を演じた岡野 康弘もいい。劇の進行につれて、段々、良い顔に見えてくるのだ。
     今作については余り理屈をこねる気がしない。観て感じて欲しい舞台である。
     ところで、伯爵は、とても普通の人である。長生きであることの他は。だから、あなたの横に何食わぬ顔で居るかも知れない! ほら、そこ、直ぐ隣に!!
  • 満足度★★★★

    不老不死
    時間軸の演出がわかりやすくて良かったです。
    ストーリーや世界観が凄く好みでした。伯爵や伯爵をとりまくキャラクター達も良かったです。

    ネタバレBOX

    伯爵のキャラクターが可愛くて良かったです。もの凄い年月生きているのに最後までピュアなままというか。それに伴い伯爵が好きになる人はみんな良い人ばっかりで、不老不死を哀れんだり、まったく気にしなかったり、不老不死を喜んだり、一緒に長生きするって言ったり、それぞれがそれぞれの形で伯爵を想っていて切ないんだけどあったかいストーリーでした。ラストもとっても良かったです。
    ひよ子役の相良さんとよっちゃん役の野口さんが凄く可愛かったです。
    随所に笑いをとる所があったのですが、私的にはあんまり笑えませんでした。もの凄く笑ってる方もいましたが。
    宇宙人のお父さんがマイクを使う演出は良いんですが、声がこもってちょっと何言ってるのか聞こえづらい所があったのが残念でした。
    あと、衣装がとっても素敵でした!
  • 満足度★★★★★

    相楽サンが好演
    やっぱり安定感の工藤さやサン他、楽しくて時折ホロリ・・・

    ネタバレBOX

    すごく庶民的であったり、壮大であったりの物語を伯爵・岡野康弘氏の抑え目の演技でずっと通した楽しい舞台o(^o^)o

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