不思議の国のアリスより 公演情報 不思議の国のアリスより」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-20件 / 28件中
  • 満足度★★★★★

    Rが3つのほう
    上演前に当日パンフのキャラクター説明を読んでたら、兎に角ヘンテコなやつばかりでシュールコメディとして期待感が高まった。

    不思議の国のアリスの世界観から、不思議をこねくりまわし可愛いでコーティングして変態をまぶして召し上がれってなもんでした。

    海賊ハイジャック独特のダークで狂気なテイストとはひと味ちがう面白さがある作品だ。

    終演後の役者面会時に、衣装のままの役者と舞台上で一緒に写真撮影できたりするコーナーが設けられていたのもうれしいファンサービスだ。

  • 満足度★★★★★


    いやぁ~!すっごっく、面白かった!シュールコメディの極みでしょ?って、『笑い』ほど、好みと言う名の感性で、区別されるものはないと思っていますが、私は、とても面白かった。

    テンポが速いので、衣装の可愛さや、キャラ設定の可笑しみに流され、粗筋の上澄みをすくってしまうと、馬鹿馬鹿しくさえ思える不思議の国。奇妙なキャラが、各々に持つポリシーと言う名の偏執に、潜む真実や、宇野流美学と哲学が、魅力でした。

    そして、川添さんは、見た目もキャラ(アフタートーク等で垣間見る)も、清純派カワイイ系なのに、女の打算的多面性の見せ方が、上手い。舞台を引き締め、世界観を色濃くしていたのが、素晴らしかったです。

    正直言って、ハイジャックさんの作品群は、好みが別れる。と言っても、誉め言葉としてです。
    今作品は、いつもとは違う雰囲気です。
    無難な線など狙わないけど、突飛な事で終始することない個性や魅力は、ハイジャックさんでしか味わえないので、見逃せません。
    テンポが速いので、収集しきれなかった事も、あったような気がして、もう一度観たいけど、時間が・・・
    『M』は、もちろん予約済み、楽しみ~。

  • 満足度★★★★★

    楽しい時間をありがとう・・・
    不思議の国のアリス:奇妙などっかのウサギ・奇妙な狂った帽子by劇団海賊ハイジャック

    オックスフォード大学の数学講師,チャールズ・ラトウィッジ・ドットソンは,1862年,三人の少女たちとボート遊びをしました。その中に,アリス・プレザンス・リドル(10)が含まれていました。

    この時の手づくりの本が,ウサギの穴に落ちた『地下の国アリス』で,ドットソンが,ルイス・キャロルその人です。物語のアリスは,設定では,7歳になっています。

    白ウサギは,何をあらわしていたのでしょうか。ドットソンは,白い手袋を愛用していたようです。

    アリスが,若さ,大胆さ,元気を象徴しているのに比べ,白ウサギは,年齢,臆病,よわよわしさを,あらわしているのではないでしょうか。白ウサギは,めがねをかけています。

    「三日月ウサギのように,いかれている。帽子屋のように,頭がおかしい。」昔からの英語表現がそこに再現されています。

    ことば遊びは,とても大事で,想像力を刺激するでしょう。少し,常識を逸脱した会話やら,とりとめもないやり取り,なぞなぞ,そういうものにこそ,おもしろいものが隠されいる。ときには,そこから哲学が始まる。

    クロムウェルの共和制が崩壊し,王政が復古した17世紀後半から,上流階級の楽しみだった観劇は,19世紀なかばから,一般大衆の娯楽となっていきます。上演特許も開放されます。劇場は大衆の娯楽となり,少し品がなくなります。

    1855年頃,『不思議の国のアリス』は,キャロル自身によって,舞台化が意図され,彼は,喜劇の本質,劇的効果,を一生懸命に考えました。

    魅力的なかわいいアリスを,劇のかたちで,大衆に紹介したい。うまくはまり役になってくれる少女がほしい。『不思議の国のアリス』は,舞台化することによって,知的な大人の間にも浸透していくにちがいない。ただ,音楽にも,歌詞・台詞にも上品さを求めたい。子どもは,とても記憶力が良いので,詳細に物語を覚えているものである。

    あの,もし,ウサギさん。今日はなんて,へんな日なんでしょう。
    昨日までは,いつもと同じだったのに。
    夜のうちに,私が変わってしまったのかしら。

    猫さんありがとう。
    あなたは,本当に物知りだわ。
    お話も上手だし。

    罪だとすると,妃や。処刑はできないのだよ。
    不思議の国のまぼろしは,終わり。


    あの哀れな帽子屋は,きっと悪いやつにちがいない。
    目をさましなさい。夢の芝居は終わりです。

    人は,だれでも,何かしらにこだわっている。
    何にこだわるべきか。
    後世に残る傑作とはどういうものか。
    作品に「愛情」があったのか。

    児童文学としての『不思議の国のアリス』に少女は,作品中で友達は見つからない。感銘を受ける大人も出て来ない。性格も結構ゆがんでいて,まわりとの軋轢も多い。ただただ,ほこり高く,好奇心は旺盛である。私はだれなの,どこにいるの。不思議な冒険が魅力だ。自分がだれだかわからない。今朝から,何度も大きさが変わっている・・・アリスは,いもむしに会う。さなぎから,蝶へ,形態が変わる。そういう生き物もいるのだ。きのこを食べると,からだの一部が変化する。相手が自分のアイデンティティを決める世界。

    森の中で,帽子屋と三月ウサギとネムネズミの茶会で,自分の入っていけない閉鎖社会に愕然とする。ただただ無視され,疎外されていく。アリスが去ってもだれも,気にもとめない。

    自己のアイデンティティの決定権を,ほぼ完全に他人にゆだねる。そのようなメッセージが浮かぶ。
    Be what you would seem to be.
    あなたが,そうであると,おもうものに,なりなさい。
    我慢ならない「不条理」の世界。
    キャロルは,娘に上流社会に無理してはいっても,そこは,不毛な世界かもしれない,よと教えたのかもしれない。人は,個人の価値で判断されるもので良い。社会的身分など瑣末なことにちがいない。

    『鏡の国のアリス』につづく・・・
    君の明るい笑顔も 笑い声も,遠くなる。
    私のことなど君はやがて,忘れてしまうだろう。
    でも,いま,君はぼくの物語を聴いてくれる。
    それだけで十分なのだ。

    参考文献:不思議の国のアリス(角川文庫)&出会いの国のアリス(楠本君恵)

  • 満足度★★★★★

    狂気具合がちょうど良い
    MMM:難しいお芝居ですが、見事に演じられていました。

  • 満足度★★★★★

    『Rabbits Rash Rapidly』観劇
    川添美和さんの魅力いっぱい、いいっす。

    ネタバレBOX

    Kawaiiかどうかが判断基準の全て、アリスことヒロコの人生。お姉さんはウメコだっけ。38歳まで惰眠、壁を突き破ろうとするウサギを見て可愛いと思って可愛いを求めて一念発起するもあっという間に54歳に。可愛い時期は短いどころか、人生そのものが短いことに気付かされ落ち込むも、それは私か、例のウサギが一つの壁を打ち砕いて次の壁に挑戦する姿を見て、いくつになっても好きなことを追い求める生き方こそがKawaiiのだと再び前向きになるアリス、かな。

    川添美和さんのツンデレというかデレツンというか、ぶりっ子的お芝居口調からてめぇこのやろ的な小声本音トークへの切り替えの早さは天下一品。衣装も可愛くて色っぽくて、『Madman Moody Mood』とは大違い。

    ヨオーッ、こんな川添さんが見たかったです。楽しくて最高ーッ!
  • 満足度★★★★★

    『不思議の国のアリス』
    『不思議の国のアリス』

    児童文学の世界では,挿絵は,作品の重要な一部である。作家ルイス・キャロルと,画家ジョン・テニエルは,歴史的な出会いであった。さらに,1832年生まれのキャロルは,1852年生まれのアリス・リデルと運命的な出会いをしている。オックスフォード大学の寮に,リデル一家がやって来た。当時,次女のアリスは,三歳であった。キャロルの趣味は,写真だった。レンズを通して,キャロルとアリスは見つめあった。そして,キャロルは,アリスの心をつかんだ。キャロルとアリスの出会いから,約160年が過ぎた。

    テニエルが描いた美少女,実際には栗色のショート・カットであったが,金髪の美少女になっている。テニエルは,パンチ誌に勤務しながら,生涯38冊の本の挿絵を描いた。29歳のとき結婚したが,二年後に愛妻に先立たれた。師であり友であるジョン・リーチは,『クリスマス・キャロル』(ディケンズ)の挿絵画家である。テニエル(1820-1914)は,『船長の降船』で,プロイセン宰相のビスマルクを描いている。普仏戦争に勝利し,1871年ドイツは統一された。1890年皇帝ヴィルヘルム二世によって,ビスマルクは辞職に追い込まれる。そのときの風景である。テニエルは,20歳のとき,事故で左目を失明している。キャロルとの共同作業は,二作。アリスの中に出て来る白ウサギ,それは,どこかで一度は見ているようなイメージがある。ヴィクトリア朝時代,テニエルの挿絵で,アリスに親しみを覚えた。懐かしい気持ちになれたのだ。

    『アリス』に人気が出て,キャロルは,劇化したいと思うようになった。挿絵も,当初自分で手がけようとしていたので,自分で脚本は書きたい。舞台装置も決め,俳優を選び,音楽などの演出もしたかった。キャロル自身,芝居好きであった。未完成ながら,四幕ものを手がけたこともあった。舞台上でアリスを見たいというキャロルの夢は,容易に実現できなかった。ここで,劇作家・演出家,サヴィル・クラークは,『アリス』を劇化しようとキャロルに提案する。キャロルは,これを受入れ,共同で舞台版『アリス』を作る。これは,1886年に上演された。キャロル自身は,二度上演を目にした後,亡くなっている。この演劇は,18回上演された後,衰退する。演劇としての『アリス』には,どのような問題があったのだろうか。

    クラークは,子どもだけで上演したかったが,キャロルは,演技力のある大人をその中に入れるべきであると考えた。9歳下の,マイナーな劇作家に,キャロルは多くの意見を言ったが,演劇において自分はしろうとであるとの自覚はあった。初年度は好評であったが,その後は下火になっていく。キャロルは,演劇においても,もう少し言うべきは言わないといけなかった。

    プリンス・オブ・ウェールズ劇場の幕があがる。妖精たちは,アリスを不思議の国に呼び起こす。わきでイモムシがパイプを吸う。白ウサギが,舞台を横切る。声をかけた白ウサギに,アリスは無視される。アリスは,チェシャ猫と踊り,歌う。そこに,帽子屋と,三月ウサギと,ネムリネズミがテーブルを用意する。帽子屋は悪いやつ。帽子屋は気違いだ。そのとおりさ。そのとおり。トランプたちが,入場する。女王は,チェシャ猫を処刑せよと言う。ハートのジャックには,罪はない。当時,『アリス』は子どものファンタジーに思われていた。その後,あらゆる大人の心をときめかすナンセンスの傑作となっていく。

    挿絵画家テニエルは,『アリス』の持つ魅力を倍増した。これに対し,劇作家サヴィル・クラークはあまり評価されていない。キャロルのアドバイスでは,二作を融合させるのは至難であった。サヴィル・クラークは,凡人だったので,これに失敗した。後に続く者たちは,二作を上手に融合させている。一貫したストーリーはない『アリス』では,むしろ大胆な発想ができる。むしろ奇抜な場面を楽しむべきなのだ。常に新しいものを求めることこそ,『アリス』なのだ。芝居は,常に刷新されるべきものだ。芝居そのものを残すのでなく,人々の記憶に残る作品を作りたい。『アリス』の舞台化に失敗したサヴィル・クラークは,52歳で亡くなっている。1898年,サヴィル・クラークの『アリス』は,ミュージカルではなく,オペラとなった。

    チャールズ・ラトウィッジ・ドットソン(1832-1898)は,牧師の息子だった。兄弟は全部で11人いて,彼が長男であった。11歳のとき,ダーズベリから,クロフトに移住している。母親は,47歳で亡くなっている。1868年には,牧師である父親が急逝している。児童文学としては,『不思議の国のアリス』は,まさに不思議な物語である。兄弟もいないし,友達を見つけようともしない。感銘する大人も出て来ない。冒険により,成長する主人の姿も見えない。ただ,ただ,アリスは誇り高い。キャロルの作品は,どういう出発点から生まれたのだろうか。

    アリスは,未知の国に一人で迷いこむ。私はだれなの?お前はだれ?大きさが変わることは,別人になることなのか,否か。アイデンティティとは何か。イモムシの変態,身体が少しくらい変わっても,別人にはならない。自分がだれかは,自分ではなく,相手が決めるもの。ここにいるものは,みんな狂っている。おまえもだ。自己のアイデンティティの決定権をほぼ完全に他人にゆだねる。我慢ならない不条理の世界に,アリスは投げ込まれる。ひとびとが疑いを持たない地位・身分なんて,脆いものなのだ。背景がちがえば,価値などないのだ。

    キャロルは,成長するにつれて,リデル家と,アリスと切り離されていく。キャロルとリデル家は,もともと住む世界がちがったのだ。横柄で冷酷な女王,人がいいだけの愚鈍な王,彼らのキャラクターは,実在したのだ。アリスを愛するキャロルから,遠ざけた無粋な大人たち。『アリス』作品中に出て来るのは,おかしげな大人の影,理解されないキャロル自身が批判的に感じた価値観だ。しかし,気位の高さ,と使命感に燃えるアリスは美しい。アリスのアリスらしいところは,自分を信じる勇気ある子どもであることだ。

    参考文献:出会いの国のアリス(楠本君恵)

  • 満足度★★★★★

    感謝
    МもRも拝観致しました。
    最近ブレブレで迷って悩んで焦っていた毎日に光が差し込んだような心持です。
    ひたすらに、感謝。

  • 満足度★★★★


    Rとは、真逆のシリアス物でしたが、とても魅力を感じました。それにしても、Rと同じ作家が、書いたとは思えないほど、かけ離れてるようで、相反する物の寄り添わせ方に魅了される、宇野戯曲は見逃せない。

    『真実』にすがりつくと、突き放される。
    求めて止まないのに、逃れたい『無意識』の存在を強く感じました。
    役者陣のレベルも高く、見応えありました。

    中でも、やはり川添さんが、素晴らしい。こんなに違う作品なのに、両作とも主軸となり、違う役柄を演じきるのが見事でした。


    突然、私事、自慢?話ですが、終演後、川添さんと、お話させて頂き、握手までして頂いちゃいました~♪やっぱり、カワイイ~♪

  • 満足度★★★★

    不思議の国のアリス?
    をどんなアレンジにするんだろうと気軽な気持ちで観劇したらあれよあれよ難解でした。観る前のイメージと違い心の準備ができてなかったので付いて行くので精一杯でしたが世界観は好きなので次回作も観たいです。

  • 満足度★★★★


    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。前日案内メールもしっかりしてる。

    ネタバレBOX

    不思議さでランキング(マイノリティランキング)される不思議の国。かわいいを求めるアリス(川添美和)は、変貌を遂げた姉さんのネイサン(丸山翔)にビックリして、38年振りに起きてしまう。ランキング9位に位置するも、かわいいに番号は不要と一蹴。ランキング1位の女王(佐藤由紀子)に無礼を働き、キノコ(白鳥晴菜)を庇い、アリスは追われる身になるが、同時にかわいいを求める。再び、女王の前で審判にふされるアリスは、路上でリンゴを売る刑罰に処され、かつ老いてかわいくなくなり、惨めのどん底に落ちる。そこにネイサンや他のかわいい仲間がやってきて、かわいいに溢れたダンスに興じる…。

    独特なかわいいに価値を置くアリスとか、立つことに価値を置くルールー(山口清裕)やドードー(根来武志)とか、ネイサンとか、マイノリティな価値観を持った面々の、自己自立闘争的舞台。実際変革とかにはならないけど、ラストの笑顔なダンスシーンは良かった。立つってことにプライドを持つルールーらのように、ただそこに存在することの価値を見出しているものたちの賛歌というか、そんなパワーが見もの。

    話的には、女王らとマイノリティらとの格差がもっと鮮明になると、メリハリもつくかなと思ったけど。ひねったようで、ストレートなスタイルは良かった。

    (衣装が)セクシー、かつ(性格が)粗野っぽいアリスは、そのバランス感覚がいい。かわいい者たちの中心にもっと位置づけてもよかったけど、いい役だった。ネイサンとの終盤のシーンとか、王道らしく盛り上げても良かったとも思った。
    女王のランキングは嫌いランキングでしたってネタもいいけど、かわいいたちだけでなく、こっちもランキングの価値が低いという認識でいるので、ちょっとピンとこない。マイノリティ側の描き方に負けないくらいの描写が、王族サイドにも欲しかった。

    中盤、ダレたとこもあったけど、テーマとか終盤の展開とか好みだったのか、楽しめた。
  • 満足度★★★★

    「Madman Moody Mood〜奇妙な狂ったボウシ〜」
    盲点の話から、正しくモノを見る!ストーリー、興味深く面白かったのですが難解でした。 無意識を意識する難しさ、なかなか実践できないですね! 

    ネタバレBOX

    正しくモノを見る=悟りを開く、アリス=聖母マリア 、と解釈すると、なんとなく理解できる気がしたのですが....  風子が自分のことをボクと言っていたのにも意味が合ったのでしょうか!? けっこう後をひくステージでした。
  • 満足度★★★★

    うさぎ
    本作は、いつもと違い笑劇だったように思う。しかしよくこんな脚本を書くなとつくづく感心させられる。
    丸山さんはそんなにマッチョではないけど、まあいいか。

    今まで、開演が7時半だったように思うが7時になっているので、長いのかな思ったが、2時間程度で適度の長さ。

    帽子もみたくなったが、観れるかな

  • 満足度★★★★

    MMM
    都合が合わずMしか拝見できず残念。しかし私が観たかった海賊ハイジャックの良さが凝縮されていてとても濃い時間を過ごさせていただきました。その良さ、というのは見た目の残虐さでもグロさでもなく・・・精神的に物語を追い詰めて行く様。宇野さんの美学が集約された思想劇の中でその世界観を嬉々として演じる役者さん達の生命力に溢れる姿。今回はさすがに難解で、序盤からアンドレ・ブルトンをある程度予習していくんだったなとちょっと後悔してしまいましたが、それでも川添美和さんの瞬きも惜しいほどの繊細な演技に引きつけられっぱなし。ともすると見惚れて物語から置いてきぼりになる危険にも注意しながら、精神を集中して舞台を見つめ続けました。自分自身の理解力の乏しさは否めませんが、それでもクライマックスのシーンには涼水の零れ落ちるようなカタルシスを覚え・・・大塚尚吾さん演じる刑事が真実を投影する場面では、その向こうに安らかな夫(窪田裕二郎さん)の姿が見えるようで胸が締め付けられました。

    ネタバレBOX

    今までの公演は川添美和さんの実力が突出していた印象でしたが、大塚尚吾さんの今回の演技を観て、初めて川添さんと張れる役者さんを観た思いです。また海賊で尚吾さんを観たいです(^o^)
  • 満足度★★★★

    RRR観劇
    疾走感のあるコメディ、まさに小劇場らしいコメディだ
    それでいて、観ていてあまり疲れを感じさせなかったのは良かった。

    シュルレアリズムを掲げるハイジャックだが、このくらいシリアスな部分を覆い隠しているくらいの方が面白いんじゃないか…?

    ネタバレBOX

    舞台装置がやけに簡単で、あの後ろの幕が全部取っ払われる演出があってもおかしくないレベルだと思っていたがMの方を見た後どうやらそれはMのためであったと解った。

    マイノリティとマジョリティの話。この劇についての自分なりの解釈を。

    マイノリティとは大人になると失われるものである。だからアリスは時を止めた。かわいさとはまさにマイノリティだ、そして老いればかわいさ=マイノリティを失う。
    そしてそのマイノリティを維持する、つまり時を止めることの手段として、「立つこと」を選んだ二人。「止まれ、お前は美しい」ファウストについてこういう解釈があるとは知らなかった。
    同じく時を止める要素として、教養、ユーモア、喋ることがこの舞台では登場しそれは偶然にも、ゲーテやカフカが生きたドイツ近代におけるドイツ独自の文学的特徴「教養小説」と似通っている。
    ネイサンと姉さんは同一人物で、マイノリティを求める子供と、マジョリティに染まった大人に分裂したのだと思う。姉さんは裁判官であり、物事にランクをつける至極合理的な存在、まさしく現代の姿だ。

    要するに、まだ神話なるものの面影が残るメルヘンな近代と、合理主義に基づく痛烈な二項対立が潜んでいる作品ではないかと、
    勝手に解釈いたしました。

    コメディでもこういった深読みできる芝居は面白い芝居だと思います。

    最後のシーン、ウサギが壁をぶち破るシーンは、そう来たか!と思わせる演出だった!俗っぽい解釈になるのかもしれないのですが、あの瞬間、ウサギ、アリス、ネイサン含め、ぞろぞろと出てきた人物は死を迎えていて、若さとか老いとかそういうものを超越した次元に辿りついた、って解釈でいいでしょうか…?
  • 満足度★★★★

    Rabbits Rush Rapidly
    客席に入って舞台美術を見た瞬間に「ありゃ?」と思うほどファンシーで出演者の衣裳も(一見)可愛らしいが、冒頭はその中でモロにアングラっぽい台詞が飛び交い、アンビバレンツぶりにニヤニヤ。
    が、やがて可愛さ…ひいては価値判断の規準は何か?なテーマを語ってゆくなんてあたりはさすがだし、終盤でアリスが「アレ」を受ける場面での「ある引用」は知っている身には楽しい。
    あと、ハートのヒールが可愛らしいアリスの衣裳は眼福♪(爆)

    ネタバレBOX

    さらに、最後に「壁を破る」ウサギがイイなぁ。
  • 満足度★★★

    RRR版を鑑賞
    初ハイジャックさん。
    R版を鑑賞、OPからアリスと姉さんのセクシーな衣装で登場しますが、
    物語は汗を流しながら熱演していく不思議な登場人物と哲学的な言葉
    100分にしては勢いのある物語、アリス現代になると強いんだなと感心
    人気でお客さんへのサービス精神を感じる方々でした。
    初心者にはいい感じだと思います。

  • 満足度★★★

    奇妙な感覚
    現実と離れた演技に不思議な感情が芽生える作品でした。

  • 満足度★★★

    【R観劇】ハイジャックの世界観から別世界へ
    ハイジャックといえば、狂気の世界観というイメージだが、
    Rバージョンは違ったかな。
    アリスの話のように、通常の世界観から脱出したのか(笑)
    上演時間100分。

    ネタバレBOX

    Rバージョンは
    ①メルヘンチックな世界観
    ②ギャグな世界観
    ③ハイジャックの世界観

    個人的には、①3②5③2の割合に感じたかな。

    見どころも多いし笑えて面白いとは思うが、ハイジャックに期待している内容とは違ったかも。
    カレーを注文して、いつものような激辛カレーを期待していたら、甘口カレーが出てきたような。。。

    100分の中で短編3本立てなら、俄然食いつくがこの内容で100分は
    ちょっと長く感じてしまった。
    笑えて楽しめたのだが、違うものを期待していたので。

    新しいことにチャレンジすることは大賛成であるが、2バージョン公演なら公演名のつけ方も工夫した方が良いかも。
    例えば、ハイジャックバージョンとか実験バージョンとかコミカルバージョンとか。
    それかパンフレットに記載している内容をネットにも記載しておくとか。

    以前、非常に笑える劇団の公演に「笑えて面白い劇団だから!」と言って友人を連れていったら、その公演は一転シリアスな内容でほとんど笑えず、参った経験がある。。

    他の人も私のような経験をしないよう改善した方が良いかも。

    最初から、そのつもりで観ていたら評価は違っていたと思う。
    面白いことは面白かったので(笑)。

    最後に、今までも他劇団の観劇コメントや掲示板でこんなことをしてみたらと記載してきたが、公演後、観客を舞台に上げ写真撮影を可としていた。
    賛否両論あるかもしれないが、非常に良いと思う!

  • 満足度★★★

    Rabbits Rash Rapidly観ました
    川添さんのキュートさに終始当てられっぱなしでした。話の方はコミカルなダークファンタジーで結構楽しめましたが、少し意味不明なところがあり、中盤以降ちょっと冗長になってきたのが残念かな。

  • 満足度★★★

    『Madman Moody Mood』観劇
    難解でした。

    ネタバレBOX

    薬物摘発捜査の際に夫が警察官に撃たれて死んだのは、カバンから拳銃を取り出そうとしたと誤解されたからですが、そのような動きをしたのは感情の起伏が無くなった夫が何も考えずに普通に行動しただけのことで、そもそも薬物によって精神に異常をきたした夫の脳の一部を除去する違法手術を認めてしまった自分に原因があったということに脳外科医である妻が気付いて後悔するというサスペンスを軸に、不思議の国のアリスの作者や妄想のアリスなどが出てくる難解な作品でした。

    薄笑いのアリスはアリスっぽかったです。

    警察官は何も悪くないのに、手を動かして喋り倒すパフォーマンスの後、精神的に追いつめられて自殺を図りました。あのパフォーマンスを一晩中やると精神が異常に高揚してしまうのか、喋りのスピード感など役者さんの力量には目を見張りました。

    不思議の国のアリス自体が単に眠って見た夢の世界の話などではなく、強烈な刺激を受けることによってしか見ることのできない一段階上の妄想の世界の話だということでしょうか。

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