不思議の国のアリスより 公演情報 劇団パラノワール(旧Voyantroupe)「不思議の国のアリスより」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    RRR観劇
    疾走感のあるコメディ、まさに小劇場らしいコメディだ
    それでいて、観ていてあまり疲れを感じさせなかったのは良かった。

    シュルレアリズムを掲げるハイジャックだが、このくらいシリアスな部分を覆い隠しているくらいの方が面白いんじゃないか…?

    ネタバレBOX

    舞台装置がやけに簡単で、あの後ろの幕が全部取っ払われる演出があってもおかしくないレベルだと思っていたがMの方を見た後どうやらそれはMのためであったと解った。

    マイノリティとマジョリティの話。この劇についての自分なりの解釈を。

    マイノリティとは大人になると失われるものである。だからアリスは時を止めた。かわいさとはまさにマイノリティだ、そして老いればかわいさ=マイノリティを失う。
    そしてそのマイノリティを維持する、つまり時を止めることの手段として、「立つこと」を選んだ二人。「止まれ、お前は美しい」ファウストについてこういう解釈があるとは知らなかった。
    同じく時を止める要素として、教養、ユーモア、喋ることがこの舞台では登場しそれは偶然にも、ゲーテやカフカが生きたドイツ近代におけるドイツ独自の文学的特徴「教養小説」と似通っている。
    ネイサンと姉さんは同一人物で、マイノリティを求める子供と、マジョリティに染まった大人に分裂したのだと思う。姉さんは裁判官であり、物事にランクをつける至極合理的な存在、まさしく現代の姿だ。

    要するに、まだ神話なるものの面影が残るメルヘンな近代と、合理主義に基づく痛烈な二項対立が潜んでいる作品ではないかと、
    勝手に解釈いたしました。

    コメディでもこういった深読みできる芝居は面白い芝居だと思います。

    最後のシーン、ウサギが壁をぶち破るシーンは、そう来たか!と思わせる演出だった!俗っぽい解釈になるのかもしれないのですが、あの瞬間、ウサギ、アリス、ネイサン含め、ぞろぞろと出てきた人物は死を迎えていて、若さとか老いとかそういうものを超越した次元に辿りついた、って解釈でいいでしょうか…?

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    2013/06/30 00:46

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