満足度★★★
惜しい。
描かれる世界と、自分との間に距離を感じてしまい、すんなりと入ることができませんでした。
原作を知ってる、西洋の宗教観に詳しいなど、予備知識があればだいぶ見方も変わったかもしれません。
満足度★★★★★
切ない、もどかしい
予備知識なく観に行ってしまったので、少々の後悔。
しかし、それでも、
目の前で繰り広げられるストーリーにずっと目が離せずにいました。
その時代による、どうしようもないもどかしさを感じながら、愛のもつ苦しさ、切なさ、いろんな感情が混ざり合って、
わたしはすごく好きなお話でした。
きっと、観るたびにまた感じ方が違って、より理解も深まるのだと思います。
何度でも観たいと思える作品です。
生で演奏されているのも、出演者の方々が合唱するのも、すべてがほんとうに素敵でした。
満足度★★★
うん
自分が見た回は半分ほど空席でさびしかった
熱量を感じました。好きな人は好きというか傑作なんだろうと思う。
ただ絶望的に自分には合わなかった。
役のキャラと声があってないなと感じる人が数名いただけで悪いとこはとくに見当たらなかったのだがうーん苦手でした
満足度★★★★★
冒頭の歌から鳥肌が
あの傑作「ベルナルダ・アルバの家」と、ほぼ同じキャストだったと思いますが、今回は、ガラリと違うテイスト(方法論)とアイデア豊富な舞台の使い方に驚きました。
若い俳優がとても生き生きとして、新井純さんや中川安奈さんの安定した演技とはまた違った、勢いを感じました。演出の長谷氏は、世界に奥行きを持たせる作りがとても上手いなと敬服した次第いです。南米文学特有の不条理感を歌で綴るアイデアは秀逸で、俳優も全身全霊で躍動していたのが実にラディカルで有無もいわせずにただ魅入って、いや聞き入っていました。場面展開のうまさで物語の展開にぐいぐいと引き込まれていきました。生半可の俳優には、とてもじゃないが今回のような劇世界を出入りするような演技は出来ないのだろうと思いました。
満足度★★★★★
これぞ演劇だと思えた。
劇中散りばめられている重いテーマを持ちながら、気が付くと感動しながらも不思議な可笑しさについ笑っていました。
布とテーブルと椅子だけで目まぐるしく場面を変えて行く、俳優たちの力量が凄かった。そして何役も真逆の役の演じ分けも、お見事の一言。
無駄をそぎ落とし、シンプルで計算され尽くしされた演出は、小劇場では味わえない独特の広がりを持つ世界観を放ち、観客をぐんぐん引き込んでいきます。
私には語られている事、全てを理解することは出来なかったけれど、理不尽な愛と死を描きながら、芝居から放たれる凄まじい気迫と熱量に、私は生きる力をもらえた気がしました。
観劇後のやられた感は実に心地よいものでした。
濃厚な世界
生演奏やコーラスなどを絡めた熱演に引き込まれました。観劇前に原作や時代背景について予習をしておけばもっと楽しめたのにと少し反省… 初日ということで役者陣の緊張感が重めのストーリーをさらに沈めている感じが。本当は重軽の対比も見せ所だったのではないかと推測。セリフの噛みも結構あり、途中から役者さんの苦労が気になって物語に集中できなくなってしまいました。改めて完成型を観てみたいです。
満足度★★★★
重厚
そんなイメージを感じた舞台でした。 救いや安らぎを求めての宗教が、争いや悲しい出来事を引き起こす要因になっている矛盾も感じさせてくれました。 役の演じ分けも見事でした。
満足度★★★★★
期待を裏切らなかった。
とにかく贅沢な芝居の一言につきますね。まいかい趣向を凝らし、美しい独特の世界に浸らしてくれる。今回のメメントモリ、ゴシック調のホラー話かと思いきや、それぞれの登場人物たちの生きることにもがく姿がまざまざと浮かび上がってくる。18世紀のヌエバ・グラナダの厳格な修道院を舞台に、逆説的な語り口で「愛」と「自由」を問うてくる。
大きな力に誘われながらもがく人間の様はどこか滑稽にも思える。
欲をいえば歌がもっと聞きたかった。
濃厚な2時間10分があっという間に過ぎました。
まだ上手く感想がまとめられません。また違う席で観れば、また異なった事を感じられそうなお芝居です。
満足度★★★★★
気が付くと一気に引き込まれてしまいました。
ストーリーはとてもシンプルなのですが、主筋を取り巻く人々の演技が作品に奥行きを生み出しているように感じました。祝祭的な猥雑さから、神父が現れ本筋である少女との出会いへと向かわせ方、実に巧みで自然と不思議な世界に引き込まれていきました。ですが決して情緒的へ引きずらず、観客を一定の距離へと突き放すやり方は上手く行っていると思いました。
衣装や音楽や布を使った場面転換など実に凝っているので目や耳の感覚も総動員して釘付け世されてしまいました。
今を浮かび上がらせていく良い芝居でした。
とにかく綺麗です。
満足度★★
異端の存在
世間から疎外される少女の短い人生を、ピアノの生演奏や歌を盛り込んだ音楽劇の形で描いた、独特の雰囲気がある作品でした。
南米のある貴族の娘が犬に咬まれてから様子が変になり、修道院に預けられ、悪魔が憑いたと彼女を忌避したり、逆に彼女に破滅的に惹かれて行ったりと、周りの人々を惑わす物語で、文学的な重厚感とおどろおどろしさが、レトロな雰囲気を醸し出していました。
異端の存在を巡る物語は現代に通じる所もあって惹かれるものがありましたが、演出や演技の方向性がまとまっていなくて、求心力に欠けると思いました。
前半ではコミカルな表現や歌が多く用いられていましたが、作品の雰囲気に合っていなくてチグハグさを感じ、コミカルな要素無しの方が魅力的になると思いました。
演技のスタイルも、大仰な台詞回しが板についている人とそうでない人のギャップがあり、まとまりが感じられませんでした。1人だけ男性の役を女性が演じていたのも、意図が分かりませんでした。
最初と最後の合唱で物語の寓話性を強調していましたが、物語の重さに比べてあっけらかんとした響きで、違和感を覚えました。
2時間を越える作品なので、長くなり過ぎないように配慮した結果なのかもしれませんが、台詞の間が短くて、もう少し溜めが欲しい場面が何度もありました。
衣装のクオリティーが高く、雰囲気を高めていました。中央に置かれたテーブルとそれをくるむ布の使い方が見事でした。
プリペアドピアノ(あるいは内部奏法)を用いた不穏な響きが印象的でした。
あばずれな母親と禁欲的な修道女の両方を演じた中川安奈さんの演じ分けが素晴らしかったです。
満足度★★★★★
皮肉を込めた、大人の童話のような芝居でした。
雨の中、新宿のSPACE雑遊に出向いた。この作品の予備知識はあまりなかったが、物語はシンプルでナレーションと芝居の台詞が交差して、俳優たちの吐く言葉に力を与えていたと思った。
生演奏の音楽が、芝居が情緒へ流れていきそうになるのを見事に突き放しているので内容が際立ち好感が持てた。
物語の背景になっている当時のヌエバ・グラナダを詳しく知りたくなりました。
観劇後に劇場を後にして傘を差しながら、愛と自由そして孤独と悪霊が、今はどのように存在しているのだろうかと考えながら家路につきました。
どうやら、この作品は二項対立では片付けられない事柄を突きつけているように感じた。
奥深い多様なテーマーを美しく、そしてシンプルに描き出していたように思う。
もう一度、観に行きたくなった。
満足度★★★
人は死んでも髪が伸びる
G・ガルシア・マルケスの「愛その他の悪霊について」から想を得た作品だそうで
“原因不明”と“自由思想”は「悪魔のせい」にする時代を描いた音楽劇。
それにしても、人は死んでも髪が伸びるって本当?
“頭蓋骨から22m11㎝も伸びる赤銅色の髪”ってエピソード、怖すぎ…。
満足度★★
期待感が大きかった
ちょっとレトロな雰囲気のお芝居でした。全編がシリアスなイメージを持って
観劇しましたが、冒頭で「おちゃらけ」なことを唱和されて、テンションが落ちました。その後、何かのりきらず、最後に「これは何やったの」的な肩透かし感があってあまり楽しめませんでした。自分の観劇の仕方を再考するきっかけにしたいと思います。
満足度★★★★
理性と信心
さて、タイトルについて少し考えてみよう。誰がメメント・モリという標語を喧伝したのか、という点についてである。これは、結構重要な視点である。なぜならば、この言葉が盛んに用いられ、絵画などでも表現されたヨーロッパ中世には、ペストの大流行があり、流行地域では当時の人口の三分の一の死者が出たと言われているほどだ。宗教改革が始まる16世紀中葉迄には、既にキリスト教内で分裂騒ぎが持ち上がり、異端審問や魔女狩りが行われた。ペストのような大災厄は、死を人々の間近なものとすると同時に、犯人探しの心理が働き、悪魔の手先と看做された者は、当然のことながら、拷問の末に虐殺されていったのである。
この作品は、ガルシア・マルケスの「愛その他の悪霊について」から想を得ているとのこと。マルケスはスペイン人侯爵の長い髪の令嬢の伝説から着想を得たという。何れにせよ、宗教的権威が揺らぐ時代にあった、スペインの植民国、ヌエバ・グラナダで、狂犬に噛まれた12歳の侯爵令嬢の髪が、その死後も伸び続け、後、発見された際には22mにも及んだ、という。(追記5.19)
満足度★★★★★
演劇の力を感じました。
観に行く前に18世紀の中南米を少し調べて行ったので、とても興味深く観ることが出来ました。
そしてこの作品が観客へ提示しているものを受け止めることが出来ました。
宗教倫理が世界を覆い尽くしていた当時の修道院での自由について語る下りで「自由とは悪霊と同じだ」というような箇所が最後まで頭の中に残りました。
そして芝居を観ながら、自由と愛と悪霊は同義的概念なのだと考えさせられながら物語の世界に引き込まれていく不思議な体験でした。
意味などを超えて、今を振り替えさせられる作品に出会えて良かった。
満足度★★★★
昔はこういうことって本当にあったんだろうな、
と思わせる説得力と重厚感がすごい!衣装、ライティング、それにライブの音楽など素晴らしく、また布を大胆に使った場面転換も鮮やかで、惹きつけられました。宗教の持つ暗黒の一面と理性的なユダヤ人の医者の対比も面白く、登場人物の背景とキャラクターがとても生き生きと描かれていた。素晴らしい脚本だったと思います。これに対し、俳優陣がちょっと残念。何より歌に少し無理があったかな。特に合唱の時、各人が自分のパートに必死で、きれいなハーモニーになっていないのが気になりました。セリフもまだまだ一段も二段もポリッシュアップできるはず。でも、それでもこの難しい劇をゆるみなく演じた俳優陣に拍手です!
満足度★★★★★
本当に素敵でした。
とにかく想像力と思考が目まぐるしく刺激さ、何度も震えが来ました。今と時代が浮かび上がってはひっくり返され続けました。本当に愛というものが美しく恐ろしく、また哀しい、手の込んだ作品でした。俳優の力量と高度な演出を感じました。また観たくなります。まだ頭の中が正理が出来ません。
満足度★★★
なんというか
ダークミュージカルとでもいうのでしょうか。。 ストーリーが鬱な内容でちょっと見ていて辛かったです。。 スイマセン。。 歌、衣装、演技などは素晴らしかったです! 近世?の時代の暗い雰囲気はよく出ていると思いました。