満足度★★★★★
冒頭の歌から鳥肌が
あの傑作「ベルナルダ・アルバの家」と、ほぼ同じキャストだったと思いますが、今回は、ガラリと違うテイスト(方法論)とアイデア豊富な舞台の使い方に驚きました。
若い俳優がとても生き生きとして、新井純さんや中川安奈さんの安定した演技とはまた違った、勢いを感じました。演出の長谷氏は、世界に奥行きを持たせる作りがとても上手いなと敬服した次第いです。南米文学特有の不条理感を歌で綴るアイデアは秀逸で、俳優も全身全霊で躍動していたのが実にラディカルで有無もいわせずにただ魅入って、いや聞き入っていました。場面展開のうまさで物語の展開にぐいぐいと引き込まれていきました。生半可の俳優には、とてもじゃないが今回のような劇世界を出入りするような演技は出来ないのだろうと思いました。