仮の部屋 公演情報 仮の部屋」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.2
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★

    穴の話
    客の想像力任せ、って点は好きですが、

    芝居全体の芯が薄いように見えたのはあまり、ですな。


    シアトリック要素を盛り込んでみたり、

    なんかアングラめいてみたり、

    そういう手法があまり戯曲とあってないように思えました。

    やりっぱなし、のような感じ。

    あれ無かったら、もう少し芯、通るんじゃなかろうか。



    ふやふやしたものを観た感じで損した気持ちと、

    こんだけ色々考えさせてくれてありがたい、という気持ちと、

    二つが同居しますな。



    この芝居、一言で言うなら、

    「穴から穴への物語」



    命のリレー的な何かを感じました。

    ネタバレBOX

    自分が住んでる部屋に、過去に住んでた人達が次々にやってきて好き勝手に過ごしていく。

    その人たちはそれぞれ、自分の秘密の「穴」を部屋の中に持っていて、

    その穴の中を覗くと死体が一杯。

    一方、穴なんてない!

    と言い張る現・住人。



    やがて、部屋にやってきたデリヘル嬢に、穴を見出す…という。



    この、「穴」って一体何なんだろう、と、

    観劇後に大分頭をひねりました。



    行き着いた私なりの答えは、

    「穴」は、歴史とか、御先祖様とか、

    そういった類のもの。

    人それぞれ、それまでの歴史があり、

    生きて、死んでいった先祖がいて、

    私たちは無数の屍の上に立って生活している、と。



    そういうもの、大事にしたいなと思いましたね。



    関係ないけど、

    『ジョジョリオン』の「壁の目」を思い出しましたよ。



    物語の冒頭、

    頼んでしまったものの、キャンセルしようと思ってたデリヘル嬢を、

    最後には受け入れ、

    下ネタだけど、彼女の穴に興味を持ち始める。



    男の、一番の変化はここでしょうか。

    「穴」

    ってのは、きっと、先祖だけじゃなく、

    子孫にも繋がるものなんだと思います。



    観る人によって無数の解釈の仕方があるような書き方なので、これは私なりに考えた事。

    作家は全然違うこと考えてるのかもしれません。



    アフタートークがあったんですが、どうもパッとせず、

    「なんか書いた本人も良く分かってないんじゃないか」

    という匂い。



    もちろん、「わかってる」なんて言葉ほど重い事は誰にも言えるもんじゃないし、

    自分の書いたものを「わかってる」と言い切るほど怪しいもんもないですけど、

    内容がミステリアスな分、もう少し話の持って行き方に方向性があったら良かったんじゃないかと。

    役者も、言葉がどうも上滑りしていたように見えた。

  • 味のある空間で
    味のある不条理劇を楽しみました。

  • 満足度★★★

    彼の部屋
    このテーマなら、もっと観念的でもよかったかな。
    でもたぶん、軽やかな物語にしたいんだろうなあというのは感じられたので、加減がむつかしいところ。

  • 満足度★★★

    メタ
    メタ構造の芝居で、面白かった。

    ネタバレBOX

    演劇における第四の壁(客席の前にある見えない壁)の問題と、
    現実の生活自体が渦中の人間にとっては、相対化しえないものであるという問題などが重ねられて描かれていて、興味深かった。
    表現の革新の追求と、その方法が、単に奇を衒ったものではなく、今日の社会状況への批評にもなっている点はとても素晴らしいと思った。
    だが、どうしてもそれらが観念の域を出を出ていないという印象を持った。
    方法と舞台が有機的に繋がっていないという感じ。

    また、第四の壁をテーマにしているにも関わらず、実際の客席との応答がほとんどなかったのは、残念だった。安易な観客参加が第四の壁を壊すということではないという意志なのだろうか、、、。いずれにしても、それも観念。
  • 満足度★★

    うーん、、
    よく分かりませんでした。。 何か芸術性?抽象性?をこじらせてしまってるような気がしてしまうのですが気のせいでしょうか。。 スノビッシュというか。。 スイマセン。。 役者の方々の自然な演技と話の分からなさにアンバランスさを感じました。(素人の意見です。。)


  • 満足度★★★

    概念の
    普通に面白く見られる作品ではないでしょうか。やり取りのスムーズさ、尺も1時間弱とコンパクトなもので見やすいです。しかし、特に中盤あたりから色々なものを詰め込み過ぎて、僕には難解に思えました。

    ネタバレBOX

    最初の男1と2のやり取り、上手いよりも自然な会話で見れる。普通の会話ではないですが。たまたま住人たちが集まるのはお約束として、性ネタの妙な多さ、笑える妙な間、立ち込めてる作品だなと感じました。
    穴とか死体とか子宮とか自殺とか。頑張って整理しようとするけど、頭が追いつかなくなってしまいました。必要なメッセージ性は感じるし好きな内容でもあると思います。けど難しくて、言いたいことは解るような、解らなような。凝縮度が高くて、捌ける人にはとても有意義に見れるのではないでしょうか。普通に観る分は充分面白い。考えると、?が多くなるかもしれないです。
    前の居住権利者によって、同じ部屋なのに使われ方も、生活の空気も全然違う。窓から見える景色も、変わっていく景色と変わらない光景がある。自分の今いる部屋も、違う人生が前まであったのだと思うととても感慨深くなりました。仮の生き方でなくて本物と言える生き方を目指したいと感じた。
  • 満足度★★★

    ちょっと難しい部分も
    基本的には面白い。個性的で演技力もあり、芝居を堪能できる。ただ、「仮」を表しているのだろう、途中から観念的なものが多くなり、実験的な芝居なのかな、これは何をモチーフにしているのか、自分の理解が消化不良となってしまった。いつか突然腑に落ちるのかもしれないとは思っているが。

  • 満足度★★★

    面白いのだけど・・・
    ちょっとシュールで、いろんな意味で垣根のわからない芝居でしたね。エロっぽいコメディで楽しめましたが、自分の中ではなんとも消化不良です。

  • 満足度★★★

    池袋本町
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    明日取り壊しアパートの一室。ジャージの男(古澤光徳)が家主の男(古市裕貴)に代わってデリヘルを呼ぶ。そのうち、以前ここに住んでいたという元ボクサーで金貸の男(ナギケイスケ)とその女(久保明美)がやってくる。さらに、娘(北見直子)がここで生まれたという父(小林英樹)と娘がやってくる…。

    家主の男には見えない「穴」から覗かれている部屋。そしてこの部屋は自分のものでないという家主は、壁を抜けて舞台を外から見る。

    部屋ってのがなんなのか、自分のモノでもあり他人のものでもあり、そして完全に閉じたものにもなりえないという、不完全で移ろう存在、一過性のもの。
    リアルから入ってフィクションへの垣根をスパッと飛び越えたところに魅力がある。
  • 満足度★★★★

    仮の世界
    視点の置き方が面白かったです。

    客席を観客に見立てたり、劇中に客席を入れ込む舞台は見たことがありますが、意図的に正反対にしているのは初めて見たと思います。
    舞台上を見ているつもりが客席の自分を見ているようにも感じました。

    上演時間が1時間と短めでしたが、もう少し区別のつかない時間を楽しみたかったです。

  • 満足度★★★★★

    無題632(13-057)
    19:00の回(晴、星が見える)。18:22受付、18:40開場。白い正方形の床、男性が二人雑誌を読んでいる。見渡すと、一升瓶(吹上)、缶ビール(金麦)、7-11のさきいか、三ツ矢サイダーのダンボール、ゴミ箱、バケツ、ガムテープに荷造り紐、ウェットティッシュ、雑誌(NEWTON、論語と孔子)、新聞が雑然と置いてある。どうやら引越し前の様子。湯呑で飲んでいるのはお茶かと思ったが一升瓶を傾けている。床の四方に6本の針金が天井近くまで張られ、そこに巻き付いているのは...皮か?19:00前説(70分)。19:01「もしもし...」男の一人がどこかに電話をかける...開演~20:05終演。「白痴」からで2作目(「アイ・アム・アン・エイリアン」は他の劇団でみました)。

    ネタバレBOX

    取り壊される「部屋」の住人、その前の住人、その前の...と取り壊される前に一目見ようと勝手に上り込んでくる。その部屋はお話の中ですら舞台装置であり、壁は「ある」ことになっているが、「ない」ことにもなる。役者はみているが、同時に見られている。

    その部屋には「穴」があって、覗けば死体が累々と。

    童貞(じゃないが)男、すでに上り込んでいる男。高利貸し夫婦、自殺の旅に出ている父娘。冒頭の電話「もしもし」で呼ばれたデリヘル嬢。

    見える人にしかみえない「穴」、なぜ死体が...?
    壁抜けは視点の転移?

    不思議な同居人たちとの1時間(ほぼリアルタイム)の物語
  • 満足度★★★★

    何か解釈に悩みます。
    一言で言えば、掟破りだと思います。演劇の設定を全否定する発想は奇抜ですが、どう受け取ったものか悩みました。

    ネタバレBOX

    穴が女性の体に繋がっている発想が男性的で、生理的に嫌悪感を感じたのかもしれません。また、劇中の親子の心中を止めるために壁が無いと訴える下りですが、劇中の死は虚構なので、心中を止める意味が薄れた感があります。

    序盤は、取り壊すアパートに歴代の住民が集まり、それぞれの仮の住まいだった場を懐かしむ様が楽しめましたが、中盤以降、狐につままれっぱなしでした。チラシやパンフの説明で何となくの主張は分かりますが、表現方法が複雑な気がします。ある意味、芸術的な作品だと思いました。

    開場時から舞台上に役者さんがいたので興味を持ちましたし、冒頭の二人の関係の説明が笑えました。照明が効果的だったので壁の有無がわかりやすかったです。役者さんの動きもスムーズで、自然に話の中心に視線が動くように配慮されているように感じました。

    演技は個性派揃いで面白かったです。どの役も印象深いのですが、娘が経験済みと知った時の父親の動揺ぶりが、それまでの落ち着いた演技と好対照で良かったです。また、デリヘル嬢が普通っぽいのが意外性があって良かったです。

    もう少し分かりやすいと良かったのですが、役者さんの演技力を楽しく拝見しました。


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