満足度★
観に行ってよかった
表面のストーリーを舐めただけじゃおいしくないのは分かるんだけど、頭を使いながら観ないと中まで味わえないのはめんどくさい。身体に合わないだろうことは想定済みだったけど、どういう風に合わないかは見ないと分からないし。
目を引いたのはまなみ役の椎谷万里江さん。唯一、こころに寄り添える役どころだったこともあるし、空虚と充足の満ち引きに安らいだ。
お目当てだった笹木皓太さんと大森茉利子さん、すごいパワーだった。あんなに消耗して大丈夫なのかと心配になってしまうほど。
灰とか降らせると何かキレイに見える
性的な描写のやるにしても何かしろストーリーがあると思う。そういう性的なものは、それをやるに至る経緯がある。
舞台上でそういうことをやると見てる客には少なからず衝撃(羞恥心に近いもの)があるけど、その衝撃はストーリー上で必要性があって深みを与える、というかよりリアルなものを見せる為にやるのだと思う。
要はそれだけ伝えたいメッセージを観客に運ぶ為にやっているのだと個人的に思っている。
単なるお飾りにしても性描写は重い。普通の舞台にちらっと出てきただけでも。
それが今回はひたすらSMプレイして、これは愛?そう、愛ですの繰り返しで見てる側としては愛の確認してるのか?と思う。
愛なんてどこにも見当たらない。
キチガイメンヘラしかいなかった。
こういう愛の形もある、みたいなことを言いたいんだかなんだかわからないけど。
単純にセックスにSMプレイに調教に、男役者脱ぐ、女役者はブラ、拘束される、ゲボる、ストーカー、殺す、人間の見るに耐えない様だけをひたすら見せて、それに伴うそれだけのストーリーが何もなく、キャラクター同士も特にお話の中で繋がりなく(ただのキャラ上の設定があるだけ)、一方こっちはヤッてますみたいなシーン展開。
昔は性描写は隠されていた。まじで交わる前に暗転とか、核心部は見せないよ流石にっていう姿勢が、今時は結構普通に見せるようになってきた。完全に二人絡まってますけど何か?みたいな姿勢で、それはそういうのを見せることも含めてこの舞台全体の芸術性に関わることだから見せてるんだみたいな、羞恥心をものともしない確固たる意味の元でやってるわけじゃないか、多分。
だから今日、そういう主張を受け入れて性描写がある程度許されてきたと思っている個人的に。
その風潮に託けてただただヤるのは演劇ではない。
そういうのを単なるインパクトのお飾りとして舞台に入れ込んだならもっと中身のある話が必要だ。
今回のはストーリーがないから劇場内でSMプレイを見せてるだけだった。演劇詐欺という新手の犯罪だと思った。
最近は何しても演劇で括れるからあかん。
満足度★
若い(幼い)作品だと感じました。
役者の皆さんの体当たりっぷりは凄まじかったです。
でもここまで受け付けないのは初めてで、むしろ、見に行ってしまってごめんなさいと思いました。
究極の愛を表現したい気持ちはわかります。
映画「愛のむきだし」のような作品を期待して行きました。
でも、結局エロスとか、エゴとか、自己愛とか、愛の一部でしか愛を語れない、未熟な作品のように感じました。
ストーリーに引き出しが少なく、一方向からの愛の表現ばかりで、登場人物の誰も成長せずに終わったことが残念でした。
もっと多面的に愛を語れれば面白い作品になると思います。
これだけ気合みなぎる集団なのだから。
満足度★★★★★
おもしろかった~!
音響の音量の思い切りの良さが好き。あの内容なんだからあのくらいの重い音量で快感です。内容も役者もよくってすごくおもしろかった。難を言うとしたら美術かな。ギシギシしないセットを発注できるようになってね!
色んな意味で、フラミンゴ。
男A「チラシの表紙写真が波紋を呼んだ、期待の公演です」
男B「前説の段階で、『あれは出ません』『これは関係ありません』と、チラシの内容を全否定するのは前代未聞だろ」
男A「チラシの内容を裏切ってはいないので、“狙った”わけでもなさそうです…」
男B「演劇早慶戦でお尻を出せなかった分、色んな意味で弾けた公演だったね」
男A「劇団の公約は、“一年以内に王子小劇場で舞台ができなかったら解散!”だったとか。見事、公約、果たしましたね」
男B「俺はむしろ、青山円形劇場でやってもらいたかったな」
男A「360度、観客がいたら、そもそも あんかけフラミンゴの公演が成立しませんから!」
男B「真後ろの客席に座る蜷川幸雄先生も叫ぶことでしょう“あんかけフラミンゴ!”“あんかけフラミンゴ!”」
男A「ところで、舞台の内容はどうだったんですか?」
男B「なんだろうね。何も言えないけど、作・演出は、“男と女なるもの”へ賭けている感じがした」
男A「どういうことですか?」
男B「だってさ、現実には ああいう弱い女、尽くす女なんて基本的に存在しないんだぜ。正確には、それを必死に表現できる女はね」
男A「なるほど。舞台といえども、メッセージとして強く放てる女性は案外、珍しいのかもしれません」
男B「気になった奴は、“新しいお父さん”。怪しいビジネスの会社社長だけど、本人も奇妙な雰囲気だった…」
男A「ああ。お笑い芸人の“私”についても、考えさせられるものがありました。劇団の母体となった、創造工房には芸人が多数、在籍しているじゃないですか?そういう、横の繋がりが、役者にリアリティを与えたのだと勝手に解釈しましたね」
男B「“最近、何してる?”“さっき楽屋にいた”“そういうことじゃなくて!”」
男A「『THE・MANZAI』とはいかないまでも、普通に笑えましたよ」
男B「さすがに3回目からはウンザリしたけどな」
男A「コンビや、元相方が苦境に陥るなか、壊れたラジオのように繰り返される漫才のネタが、逆にそれを象徴していたのでは?」
男B「どうかな…。何が面白いかって、尻を丸出しにすることでしょう」
男A「悲しい場面でもありましたけどね」
男B「沖縄旅行帰りの尻丸出しは、余計 笑えるぜ」
男A「あっ、そこの部分だけ白いから!」
男B「むしろ全身が“真っ黒くろすけ”でよ。南国でどんな生活を送ってたんだ!という話だろ」
満足度★★★★★
見逃すな。
初日なので序盤のテンポが少し気にはなりましたが、ここは確実に明日から良くなっていくでしょう。そして見るべきはやはり監禁の過程で凄みを増していく役者さん達の演技。特に主演の笹木皓太くんはやはり逸材、徐々に深みに嵌っていく愛とも狂気とも取れない不可思議な精神状態に、透明感のあるエロスを湛えた残酷な魅力を放つ姿は新たな時代の覇者を予感させるに充分。後ほどネタバレ欄に追記したいと思ってますが、とにかく今は「あんかけフラミンゴを見逃すな、笹木皓太を見逃すな」。これから千秋楽に向かってどんどん化けていくだろうこの舞台、それを想定して☆5です。ああまた観たい。凄かったー。