公演情報
「湿ったインテリア」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
結婚を巡るある男女の三角関係と、育児を巡るある夫婦の日常。そして、結婚、出産、育児というテーマに終始せず、そのさらに上の世代である親と子の関係や、その生い立ちから受ける影響にも眼差しを向けた快作、いくつもの手触りの「生きづらさ」や他者と生きる「ままならなさ」が濃密に紡がれた演劇であった。
実演鑑賞
満足度★★★★
「新しい家庭を築くひとが直面する不条理」
劇場入口へと至る階段脇には幼児向けと思しきちいさな靴と可愛げな装飾が施されている。受付を済ませ扉の向こうに目にしたのはダイニングテーブルにソファとどこにでも目にするようなリビングだ。タイトルの持つ不穏さに似つかわしくない数々に首を傾げながら開幕すると、けだし傷口をえぐるようなブラック・ホーム・コメディがはじまった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
観る人の立場や年齢、来歴によって感想が様々異なるであろう舞台です。しっかりとした物語は構築しつつも解釈は一つを限定させずあえて観客に委ねることのできた、演出の度量の大きな公演でした。
レベルを下げず、ダサくならずに観客の間口を広げることが出来る好例で、主宰の志の高さを感じました。
現在をしっかりふまえた家庭劇で、バカバカしさも愛おしくなる、温かい作品です。
実演鑑賞
満足度★★★★★
前日Xに大量の絶賛感想が流れてきた。ネタバレしたくないため、観終わった後ゆっくり読もうと薄目でササッと飛ばしたが、たくさんの人が大感動していることが分かり、期待も高まり、開演1時間前に会場に着く。
どらま館の階段を登って行った時に、かわいいお靴やスタイなど、赤ちゃんにまつわるものが並べられてて、世界観が始まっていてとてもいいなと思った。
会場に入ると、舞台美術が織りなす世界観が素敵すぎて圧巻であった。ちょっと左寄りにお布団のような布がコの字を描いていて、脇にはぬいぐるみなどのゴミ袋、右脇には観葉植物やキッチン用品があり、生活感があった。テーブルの上のランプがめちゃくちゃ可愛くてどこのランプか気になった。上から吊るされるものが子供部屋にあるものが多かった気がした。右上に宇宙に見えるような、月やフラフープがあって素敵だった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
こんな事あった!うんうん。こんな感情もわかる。そうそう。母たちの気持ちとその子たちの気持ちが交錯してぐるぐる回って。切なさと苦しさと優しさと赤ちゃんの甘酸っぱいような匂いまで心に刺さる。観て本当に良かった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/05/26 (月) 19:30
劇場に入る前の階段から、舞台美術から、開演前のアナウンスから最後の物販まで、お芝居だけじゃなくって至る所がかわいい演出が隠されていて、ずっとニヤニヤしてました。
また再演してほしいです。近い知り合いや親戚に観に行ってほしい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/05/25 (日) 19:00
リビングの世界に引き込まれ
もし自分だったらとか
セリフで家族のことを考えたり没頭し、
赤い糸の刺繍された衣装が可愛かったです。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/05/24 (土) 14:00
本橋龍さんは
演劇界の村上春樹。
現実と幻想のメタな感覚
シームレスに
混じり合う空気感
動く心
内面が深く掘り下げられて
私なら?
母として?
昔の娘として?
と考えさせられる
生きづらさや苦しさを
抱える市井の人々
リアリティの描写。
村上春樹を読破した時の、
そして後の‥
感覚と同じものが流れた
私の 動いた心。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/05/21 (水)
黒澤多生さん/豊島晴香さん/藤家矢麻刀さんの常連に松田弘子さんと根本江理さんのベテランを配してのいつものウンゲツィーファが落ち着いたウンゲツィーファに。シュールでSFチックな愛憎相まみえる物語。そしてアゴラが閉まってからとしてはこれだけ青年団の俳優の方達が出演される公演は初めてではなかろうかと。
実演鑑賞
満足度★★★★★
とっても良かった...110分ずっと良かった。殆ど何も動かさずとも見事にどんどんとそこ/その時になっていく舞台上から眼を離す機会は無くて、親子/家族/或いは/の人々を巡り織り成される愛と生に散発的に涙腺も崩れる。結構笑わされる。ニコニコにもなる。唸る。切なくもなる。ウンゲいつメンの黒澤さん/豊島さん/藤家さんに加えて根本江理さん/松田弘子さんと世代の離れた二人が居て、ときどき多世代の出演陣でこそ生まれる良さに唸っていた(願っていた)ところ大好きなウンゲツィーファでそれを体験体感出来たのも凄く嬉しかった。好きだなぁこの役者さん達と改めて思う。
実演鑑賞
満足度★★★
劇団名ウンゲツィーファはカフカの『変身』が由来、ドイツ語の“害虫”的な意味らしい。そしてタイトルの『湿ったインテリア』、スカした純文学風。本来なら絶対自分が観ないだろう作品、何故かチケット買ってしまった。多分小難しいハイソな討論とか訳の分からないメタファーとか自意識過剰な自分語りを延々する馬鹿女とか勝手に想像してげんなりしていたが···。
いや全然面白かった。マチルダアパルトマンをシリアス寄りにした感じ。
凝りに凝った舞台美術。下手はゴミが散乱、上手はベビー用品が干されている。中央にソファーと貝殻が刺さった灰皿。全く意図が読めない。
語り口が現代文学っぽいな、と思っていたら松田弘子さんの登場から話がぶっ飛ぶ。全くこの話の全体像を掴ませない。かなり個々の家族観の暗部に入り込む。心の奥深く痛いところに深く深く。照明が凝ってる。
「母親に愛されていることがずっと重荷だった 。」
家族から逃げて逃げて逃げて辿り着いた場所にも家族がいる。いや実は自分は逃げているつもりが家族を追っ掛けていたのか?ソラと名付けた赤ん坊がけたたましく泣いている。絶対に幸せにしてやる。そして父親である俺も母親であるお前もとんでもなく幸せにならなくてはならない定めなのだ。俺達が辿ってきた軌跡は間違いなくそれを要求している。
是非観に行って頂きたい。