満足度★★★★★
珠玉の一作
6月27日に加えて7月7日にも観劇。
一つずつのシーンの丁寧な作りこみと、その重なりに、まっすぐに取り込まれました。
物語をしっかりと受け取って。
でも、物語をどんなに紡いでも、きっと描ききれない想いの刹那が舞台にはありました。
満足度★★★★
観劇
思っていたほどずっしりと重くは無く、
でも、心にしんと降りてくるような芝居。
時代に踊らされる登場人物たちが切なくて愛おしくて涙が出ました。
そして役者さんの技量が素晴らしい。
方言は勿論、朝鮮なまりの日本語が芝居にリアリティを持たせていたと思う。
満足度★★★★
出会いと別れと
あらすじを見て、もっと政治色が強く 民族間若しくは個人のイデオロギーのぶつかり合いを描いているのか思っていましたが、自分には「ああ、これは結局ラブストーリーだったんだな」と感じました。
悲劇を語る単純なお涙頂戴的な話に落ち込まず、テレビドラマに有りがちな、感動の押し売り的な“良い話"げ″感も無く、冷めて突き放している感じが、とても良かったです。
満足度★★★★★
戦争か
初のシアターKASSAIにて風琴工房。「Archives of Leviathan」以来。
うーむ。もう勘弁してくれというくらいの良作だった。素晴らしい。素晴らしい。瞬きをするのが勿体ないくらいの2時間。終幕のシーンが最高。
何なのだろうな、あの空しくてどうしようもないのだけれど、集団になると乗り越えられてしまうという力強い感じ。戦争を精神論で語っても何の意味も成さないのだが、それでも気の持ち様で乗り越えられた困難を見事に描写してくれている。日本と韓国・中国・北朝鮮はまだまだ荒れ荒れな状況だ。ポーランドとドイツとかって実際どの様な関係なのだろうな、現状。やはりこちらまでは情報が届いていない軋轢がやはりあったりするのだろうか。
どこかで一回OFFにしないと、一生子孫に引き継がれ続けてしまうと思うのだが・・・でも加害者側と被害者側では、当然傷の深さが違うのだろう。ただ、加害者側の子孫(我々)って、本当にどう振る舞って良いのか分からないよなあ。戦争は絶対にしてはいけないと思うし、過去の軍国主義を完全に否定する事もできるのだが、被害者側の*子孫*達に「我々が悪かった」と本心で言えるかどうかは難しい。もちろん歴史の過ちは完全に認める事はできるのだが、我々としては「自分たちが係っていなかった戦争の責任云々」よりも、これからもっと前向きに一緒にアジアを強くしていきましょうと言いたいのに、その度に過去の戦争が云々と言われてしまうと、やはり興ざめしてしまうのだ。難しいねえ。
劇場に向かう電車の中で読んでいた週刊ポストの「宿命の子」の中で、笹川良一さんが終戦を迎え巣鴨プリズンへ収監される場面がちょうどあって、いろいろシンクロ。
役者さんが全員素晴らしい!ブルドッキングヘッドロックの津留崎夏子さん、相変わらず美しい。
満足度★★★
役者がすごい
特に朝鮮人役の役者はセリフの負担が高かったろうと想像するが、みんな見事に演じていた。物語も秀逸。史実はほとんど知らないけれど力強く伝わってきた。
折に触れて演を重ねて欲しい
優しく温かく時にはユーモラスでさえある中に「知らなくてはならないこと」「忘れてはならないこと」が包み込まれていて心に深く染み込む感覚。
その語り口に井上ひさし作品(「闇に咲く花」「煌めく星座」など)を連想。
折に触れて演を重ねて欲しい珠玉の作品。
先日の劇団競泳水着にしても風琴工房にしても、「劇空間の居心地の良さ」はピカイチ。
満足度★★★★★
今年これ以上の作品に出会えるのだろうか?
と思うくらい感動した。
素晴らしすぎて何もないです。
だけど、隣の席のおじさんは眠っていた・・・。
演劇って不思議。
満足度★★★★★
声高におススメ出来ます。
「平日はじめて割」を適応させて頂き、1650円で拝見いたしました。…こんな安い値段で見せて頂いて申し訳ない!「ありがとう」を通り越してそんな風にまで思ってしまいました。何より、俳優さんが好演。それだけで声高におススメ出来ます。
満足度★★★★
泣いた
戦争で引き裂かれた人々の心情が痛いくらい伝わって来て、泣いてしまいました。女優陣が好演でした。パクさんも、びっこの床屋さんも良かったです。白菜のシーンですが、大事な台詞を言っているのに白菜に意識が行って気が散ってしまい、戸惑いました。
満足度★★★★★
人間ってほんとバカ
立場が変わらなければ、一生気づかずにいることがたくさんあるのである。この理髪店の兄と2人の妹たちは、この時代にこの場所で、周囲に惑わされず、偏見を持たず生きているのはすごいな。普通の人だけど、とても尊敬できる。優しいだけでは、出来ることではない。と、いうわけで、場面は理髪店だけだが、その外の緊迫した空気や温度まで伝わってくるような芝居だった。私は大満足。細かいことを少しネタバレにて。
満足度★★★★★
自分的には,アワードにしたい...
今まで何度も観るチャンスがあった風琴工房なんですが,初めて行ってみて...ハマってしまった気がします。演出が素晴らしい,というかどういう風にしたらこんな演出になるの?キャストの意見とかを吟味しながら作って行くのでしょうか?そもそも方言やら他国語やらが入り混じっても全く問題なくスッと入ってくるのはどうして? 長く食わず嫌いでいてホントに残念です。この作品を今,改めてみると現在の時事,すなわち,色々工夫はすれどもうだつが上がらない閉塞感と微妙にマッチして...月並みですが秀作です。まだ1週間観られるようですが,行かれる方,ハンカチの準備もお忘れなく。宜しければ,津田理容室を是非ご覧になって下さい...
満足度★★★★★
日常と非日常
ある日が来るまで当然と思っていたことが、境にして当然でなくなり、非日常、非常識にうずもれていく。その中で感情移入しようのない事実と、個々人の想いがぶつかり合い、生き様が映える。なかなかな作品ですね。
満足度★★★★★
当たり前を疑う
座席は、そびえ立つ座高の人の後ろで見るのが大変だった。開演前の劇場の演出、凄く良かったです。まさに辺境。題材への興味の高さからか、お客さんの年齢も比較的上の方が多かった気がします。
時間はトータルだともう少し短くまとめられた方が、より凝縮されて密な作品になると思います。
日本語は世界から見ても難しい言語で、日本人は外国語の日常会話を話せる人は多くない。鎖国や島国なのもあるかもしれないですけど、それでも日本語でどうにかなるでしょという価値観に疑問を持たねばと感じました。
正直在日とか本当に歪んだ人もいますが、立派で素敵な方も沢山います。歴史の偏見に流されないようにすること。簡単ではないけど、可能性や願いも感じれて良かったです。
満足度★★★★
真っ直ぐな気持ちや生き方
太平洋戦争末期から戦後の樺太(サハリン)で暮らしている親の代から続いている理髪店を舞台にした、約8年間に渡る真摯で愛情ある舞台。
この時代の市井の人々の日常生活を描いているだけなのに、戦争が重くのしかかり、過ぎていく。
その当時の思想、民族、本土、樺太、日本人、男と女。
感情に流されず、だけど冷徹になる訳でなく、真っ直ぐな気持ちや生き方がだた素直に胸を打つ。