花いちもんめ 公演情報 花いちもんめ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-10件 / 10件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    一人芝居にとてもひきつけられました。重い内容、胸に迫る勢いが有りました。これからも忘れずに考えていかなければいけないと感じました。良いお芝居でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/05/08 (木) 19:00

    戦争がもたらす悲劇を痛烈に感じました。これまでアジアの反日感情という言葉は知っていても、あまり理解してませんでしたが、今回の演劇で少し実感することができました。また、その日の食べ物に苦労する世界、今当たり前に食べられることの有難さを実感しました。
    主人公の母親(鈴)は、収容所生活を辛うじて生き抜いていきますが、下の息子が病気になった時、上の娘を養女に出すことを決めます。別れの挨拶もできず黙って去る鈴。娘も売られることを分かっていたことを知り、鈴はさらにショックを受けます。その後、成人して家庭を持った娘が母親探しに日本へやってきまが、鈴は名乗りでませんでした。
    娘のためになぜ名乗り出て会わないのかと疑問に感じましたが、鈴がラストシーンに「乞食巡礼」という言葉を口にしたとき、この人はもう死出の旅に出ているということが分かり、言葉に表せない気持ちになりました。
    現代もどこかで戦争は起き、肉親や同朋を失う人々がたくさんいます。鈴の孤独は舞台の上だけではなく、現実に起こりうる出来事であることを忘れてはいけないと思いました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    一人の女性の壮絶な半生期を
    一人芝居見事に演じきってた
    約65分の作品
    結構 心に刺さりました

    ネタバレBOX

    四国お遍路をしているところ
    誰かにつけられてると
    駆け込んでくる女性が一息ついて
    自らの半生を一人語りする形でした

    最初は夢の国 満州の首都ハルビンにて
    素晴らしく優雅な生活をしていたと語るも
    あまりの虚飾に自らが本当の事を述べ
    川を挟んでソ連のトーチカの見える
    開拓村での生活から日本の敗戦により
    ハルビンまでの行軍で現地民の方位
    ソ連兵の略奪から暴行により
    辱めを受けた女性らの自決の話から
    やっとたどり着いたハルビン収容所の
    とても厳しい生活にて遂に子供を売り
    身も心もボロボロになりながらも帰国し
    置いてきた娘が実母である自分を探しに
    日本に来ても捨てた娘に会えるはずもなく
    お遍路しているが
    それでも気になり中国残留邦人のニュースを
    ラジオで聞いていた悲しい行動を
    見事に演じきっていました

    タイトルの回収は
    売られることが解っていても
    明るく母と雪の降るクリスマに
    歩いていた時に母娘共に歌った
    曲なのでありました

    ロシアと名が変わっても
    やる事が同じ国だよなぁと
    未亡人襲うために壁を戦車で破壊して
    家に侵入したり 金品略奪したり
    現代のウクライナでやってるし
    迂回しようとした車を急旋回して
    踏み潰す映像も見たしなぁ

    チフスにかかった息子に
    満足な治療もできず
    せめてクリスマにケーキを食べさせたく
    娘を売るも 実は娘は売られることを
    理解していて 救おうとした息子も
    結局病にて亡くなりと
    底が抜けたような悲劇の積み重ねが
    何とも心に強く刺さりました

    効果音とか雪の降るギミックとかも
    いろいろ工夫されていました
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    下北沢の玄関口OFFOFFでこの趣の公演は珍しいのでは。予習無しで観劇したがこういう題材のこんな作品があったとは不勉強であった。見れば宮本研脚本、初演が1982年。そして結構な頻度でしかもプロアマ問わず地域を問わず演じられている・・。

    題材はズバリ中国残留孤児。テレビがこの話題を伝えていたのを微かに覚えているが、第一次帰国が1981年即ち本作初演の前年、以後90年代まで続いた帰国事業。
    戦後36年、今に置き換えると阪神大震災・オウム事件が30年前。当時は既に戦争は遠くなりにけり、経済成長を経てオイルショック、低成長安定期に入り、バブル前夜。既にYMOがデビュー、ジャパンアズナンバーワンと言われる海外進出が始まる頃か。中国は中国で、建国後の比較的明るい時代から暗黒の文化大革命を潜り、ようやくこの問題に手が付けられる時代を迎えた・・。
    残留孤児の大半が満州からの逃亡の途上での行き別れや、赤子を現地人に預ける形での離別と言われ、時代を超えて戦争の記憶を蘇らせる存在が出現した、といった衝撃的な出来事だったのだろう。
    宮本研はこの題材を、お遍路の旅を行く女性に、供養という事に繋げて過去の体験を語り出す一人芝居にした。この形式が効果的である。無論一人芝居の難しさもある。語る出来事と当人の距離感、微妙な感情の揺れ・・記憶を幾度となく反芻し、湧き出す感情と付き合い、己の行為について自問し、弁明し、意味を問うて来て、お遍路という一つの「行動」でしか処し得ないその問題が、どう語られるのか。・・演じる人それぞれの形がありそうだ。今回のがどうだったとは(比較対象もないので)評しにくいが、川口圭子氏は想像以上の「妙齢」、持ち前の本人キャラだろうか?裏表のなさ・闊達さを滲ませ、OFFOFFの間近な距離の観客の目に身を晒し、引き付けていた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    今年は戦後80年、戦争を扱った公演が多いと思うが、本作は民間人の それも母という視点で語り描いた一人芝居。80年経ち 戦争体験者が減り、その悲惨さをリアルに聞く機会が少なくなっている。周年だから反戦劇 ではなく、演劇の役割の1つとして平和文化への思いを観客と共有することが大切ではないか。その意味で、本作は舞台上の孤独、それを見つめる観客という構図そのものではなかろうか。

    冒頭 川口圭子さん演じる遍路姿の女性 鈴(スズ)が旅路の理由を話し始める。そして鈴を 追ってくる何ものかに向かって牽制するような言葉を浴びせる。物語は、旧満州(中国東北部)に渡った開拓団の暮らし 逃避行での悲劇をモチーフに、残留孤児問題に切り込んでいる。

    何で読んだか または聞いたか忘れたが、親を亡くせば過去を、配偶者を亡くせば現在を、子を亡くせば未来を失うと。物語では夫も子も喪い、現在も未来もない そんな孤独な影が付き纏っている。鈴の後に付いてくるものは、子を手放した後悔であり、戦争の影のような不気味さ。現に世界のどこかで戦争が起きている。グローバル化社会において、けっして対岸の火事ではない怖さ。

    民間人の視点で見つめたリアルな体験談、その客観的な語りと 物語における主観的な母としての台詞、それを巧みに演じ分け 社会的な状況と人間的な心情を見事に立ち上げている。
    社会的な状況は、満蒙開拓の希望と挫折ーその表と裏を浮き上がらせる。日本から多くの人が移住し開拓を進めたが、相手からすれば他人(自分たち)の土地を収奪していること。だからこそ 鈴たちの開拓を遠巻きに眺めており、日本の敗走とともに奪還していく。
    一方、人間的な心情は 残留孤児のこと、生き長らえさせるためとはいえ人身売買にも等しき行為、その哀切が情感豊かに演じられており感動。一民間人の視点から鋭く捉えたリアルな戦史。
    見応え十分。
    (上演時間1時間10分 休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は 太い柱を境に上手/下手、主に下手には段差を設え 奥に地蔵菩薩。至るところに外塔婆が立ち 哀切・寂寥感が漂う。登場人物 鈴の出立ち はチラシのような巡礼衣。

    物語は、鈴が旧満州へ渡った暮らし振り 敗戦により地獄のような出来事を生き延びた、それを心情込めて順々に語る。国策によって移り住んだ地、始めの語りでは裕福な環境のようだが、実は願望であり夢物語。それでも開拓し収穫する喜び。その結果、他国の侵略に手を貸すことになった。そして敗戦による混乱、生き延びるため 2人の子供を連れての心労の絶えない長旅。

    旅の途中、下の男の子(4歳)が腸チフスに罹り 医者に診てもらうことも出来ない。上の女の子 はなちゃん(5歳)を現地の人に預け(売り)、その金で 男の子へケーキを買う。子供たちは知っていた。男の子は、鈴に はなちゃんは売られることを知っていたと言う。鈴の慟哭、はなちゃんは 一言も言わず「花いちもんめ」(人身売買の意も含まれている)を歌いながら 鈴と一緒に出掛けた。男の子は亡くなる。鈴は、はなちゃんの様子を見に行き、声を掛けるが振り向かない。自分は売(捨て)られたと、同時に 鈴は はなちゃんに捨てられたことを悟る。

    戦後(中国との国交正常化<1972年>以降)、残留孤児たちの実親探し。しかし、鈴は名乗り出ることはしなかった、いや出来なかったのだろう。その心情 哀れみが心を打つ。巡礼は、許しでも諦めでもなく 死出の旅路のよう。はなちゃんとの別れ、実際 子役が演じていたら涙腺が崩壊していたかも…想像しただけでも胸が苦しくなる。

    公演は、川口圭子さんの熱演は勿論だが、音響・音楽や照明といった舞台技術が物語を支える。旅の一休みに湧き水を飲む様子、厳冬の中 はなちゃんと一緒に出掛ける際の雪 などの効果。はなちゃんとの別離に、浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」を劇中に取り入れ聞かせるといった工夫。観客の心を揺さぶり響かせる、その演出が見事。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/05/09 (金) 14:00

    教科書に載せるべき歴史がわかり、凄く良かったです!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     戦争の内実を端的に示した必見の舞台。(追記2025.5.13)

    ネタバレBOX

     板上下手客席側コーナーに地蔵菩薩、小さな平台の上に載っているのはやや盛り上げた礎石などの台を示していよう。この奥に柱が立ちその奥、ホリゾントには卒塔婆が連なる。地蔵が祭られた場所の奥には泉の湧く場所があるようだ。この泉の上手は大小の平台が重ねられ四国四県の空海ゆかりの霊場八十八カ所(全長1400㎞)を巡る巡礼の旅(お遍路)の道程を表している。その長い道程には難所もかなりあり、殆ど身一つの旅は難行である。板中央から上手に重なる平台の傍には矢張り墓や卒塔婆が見える。
     物語は中国東北部に大日本帝国が「建国」したと主張し13年間「存在」した満州国(面積は日本の約3倍)末期、ソ連との国境沿いに存在した開拓村団員の方々が経験した事象の有様を、史実を基に演じる一人芝居。
     自分には個人的に様々な縁のある作品であった。縁の深い親戚が満州引き上げ者であったこと。自分の仲良かったライターの父親が満鉄社員であったこと。更に自分の勤めていた出版社の経理の方が矢張り満鉄社員であったこと。取材で訪れた夜間中学に中国残留孤児の方々が何人もいらしてお話を直に伺ったこと等々と自分の親友もお遍路をしたことだ。   
     親戚に関しては伯父は戦中に亡くなっていたのでお会いしたことは無かったが従弟たちは満州の話をあれやこれやしてくれたものの、伯母は一度も満州の話をしなかった。亡くなる迄一切。如何に悲惨であったかは想像できるものの、実際に何が起こったのかは想像する他ない。
     満鉄社員だったお二人は極めて優秀な方々であった。友人は大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞を受賞した一流ライターであったし、お父様、お母さまも実にしっかりなさった方々で流石に出来のよい娘の親と感心させられた。ご両親にお会いしたのは友人の葬式の席であった。お母さまとは電話で何度かお話させて頂いていたが、お父さまとは初めてであったがとても大きな葬式で著名人も多く訪れる中、特に娘と親しかった者の一人として格段のご配慮を賜った。経理をなさっていた方は明治生まれらしく気概が昭和世代の我々とは全く違う覇気に溢れ自らの高い能力をフルに発揮してことに当たる方であったが、この方に我ら編集部員が皆「“侍”だね」と言われたことが嬉しかったことを思い出す。
     夜間中学を当時文科省は正式に認めていなかった(現在がどうかは関心ある読者ご自身で確かめて欲しい)。が実際に存在していたし、実際の中学校で開校されていた夜間中学校教室と中学校の校舎を使用せずに運営されている夜間中学の二通りが在った。自分が取材したのは前者の一つ。ちゃんと給食も出るのは昼間就労している方も多いからである。残留孤児以外に、様々な理由で登校できなかった方々、正式な国籍が無い(出生時に未登録を含む)為、就学できなかった等々本人の責任は全く無いにも関わらず義務教育の機会さえ奪われ社会の最底辺で苦労なさっている人々の例えば電車に乗る時。彼らは最低運賃である初乗り料金の切符を買い、下車駅は車内放送を聞き逃さぬ様注意して乗っており下車駅が告げられるのを目安に降りて精算するという話(理由は分かろう)を伺った時は、余りの落差に唯呆然とする他無かった。引き上げの方々では親を探したが見付かっていない、との話をなさる方々がいらして今作の内容と引き比べると言い出せないお母さまもいらっしゃるのであろうと、その深い、余りにも深い苦悩に胸が痛む。お母さまにとっても、子供(たち)にとっても。
     お遍路をした親友は医師である。日本を代表する大学の医学部出身であるが、天下の秀才には珍しいどこか鄙びた村の村長さんのような人間味溢れる男である。極真空手、柔道等武道を嗜むが無論右翼などではない。常に弱者の側に立つので万が一に備えてのことである。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/05/08 (木) 19:00

    価格4,000円

    旧満州に渡った一人の女性が、戦後の巡礼旅をしながら当時の記憶を再現した物語。
    満蒙開拓の歴史を切り取った川口圭子の一人芝居は、歯切れの良い台詞回しと目力の鋭い表情、台本の役どころにも相まって見応えのある1時間でした。一人芝居は孤独な戦い。それを今回の題材と上手にマッチさせた「花いちもんめ」作品そのものも、文学的で良かったと思います。

    ネタバレBOX

    最近はダラダラ尺を伸ばしただけで観疲れてしまう作品も多いのですが、
    こうした密度の濃い1時間を観て帰る方が、余程充実した気持ちになれますね。
    観客の目には舞台の中心にいる劇団「川口圭子」に皆意識が行くわけですから、舞台の魔物に…怖さもあると思う。その中で本公演を観られた甲斐があったと思いました。科白には語り手としての巧みさ、母(鈴)の台詞としての巧みさ、時に滑稽な語り(歌)で強弱をつける巧みさ、作品全体を通して雪の演出や場転の照明・背景など、非常にクオリティが高かったです。
    一人芝居としての題材も、戦争を通じて人身売買や息子の死、兵士による残虐な行為など、目に浮かんできそうな表現を用いる事で、他人の感情に訴えかける要素となり、心に刻まれるようにも思う。
  • 実演鑑賞

    良かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    『大地の子』の母娘版だったのですね。中国残留孤児ではいろんな人の思惑が絡んでいるのでオールキャスト版も見てみたかったな…とも舞台を観て感じました。あと、今回の舞台を観て『大地の子』の1人芝居も観てみたい…とも思いました。どの人物の視点で脚本書くかにより舞台かなり違ったものになるだろうな…と思いました。

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