深海のカンパネルラ 公演情報 深海のカンパネルラ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-20件 / 35件中
  • 満足度★★★★★

    今さら言うまでもないですが
    二時間経ったとはとても思えないくらいの、濃縮された、それでいてまろやかで負担のない幻想的な時間。

    最初とてつもなく嫌な顔に見えた主人公の顔に、最後にはどうしようもないくらいの愛着を感じる不思議。

    主演級の役者があちこちで諸々のエピソードを紡いでるのに、違和感のない一体感。予想の一歩先を斜め上にいかれる展開の安定感と爽快感。

    マンネリ化の気配も衰える気配もみじんもない。。。

  • 満足度★★★★★

    きれいな舞台でした
    終わりの方までかなり心をえぐられるような話でした。でも終わり方はすごく美しかった。幸せって難しい。現実って難しい。
    楽しい話が好きとか教訓染みた話が嫌いな人とかは嫌いなのかも。個人的にはかなり好きな舞台でした。

    ネタバレBOX

    絶望に引き返せなくなるほど溺れて、夢の終わりの絶望に、新たな人間関係と希望を見出す。舞台の終わりには私もジョバンニと同じような、なんともいえない気持ちと涙を抱えたまま、銀河鉄道を降りていました。
    光の使い方や、現実と銀河鉄道を行き交うゆらぎが素敵でした。
    あと、うお座の女王がおもしろすぎました・・・笑いあり涙あり。銀鉄好きにはたまらない。
  • 満足度★★★★★

    なんかもう・・・
    決してきれいではなく、むしろ酷なお話なんだけど、とても素敵でした。
    途中から涙がダラダラ止まらなくて、自分でもちょっとびっくりした。
    『銀河鉄道の夜』をもう一度読みたいと思った。

    ネタバレBOX

    覚えていたいのに記憶は薄れて曖昧になったり、忘れたいのに事あるごとに鮮明に思い出したり、なかなか都合よく行かない。
    それでもいろいろ受け入れていくのが生きるって事なのかしら・・・。
    りくの『妄想』が繰り返される度にりくが残酷に振舞う様とか、段々けんじが思い出せなくなってく焦りとか、けんじの存在までもなかったんじゃないかと疑い始める動揺とか、観ているうちにどんどん苦しくなって、お願いだから誰か彼を救って!・・・と祈ってしまう。

    大好きな小玉さんが相変わらずの飛び道具っぷりで嬉しい。
    ダラダラ溢れた涙の7割くらいは多田さんと中田さんのせい。
    残酷なのか優しいのか分からない台詞を淡々と述べる中田さんが素敵。
    真直ぐさと脆さと闇とをもった少年『りく』を役を演じた多田さん、スゴイです。

  • 満足度★★★★★

    タイトル。
    相変わらず、中田顕史郎さんが素晴らしく。

    物語りも、さすがさすが気合の入った出来で、
    個人的にはタイトルの「深海のカンパネルラ」の意味がわかった辺り、
    最後の主役二人のシーンが最高でした。

    時間に関しては、
    個人的にはあと1シーンあっても良かった気もします。
    途中のギャグの部分が長かったような気もしますが。

    次も楽しみな、劇団さんです。

  • 満足度★★★★★

    生きていくために。
    だいぶ時間が経ってしまいましたが、忘れ難いほど心を掴まれた芝居だったので今さら感想。ここは本当に戯曲が神かと思う。目を逸むけがちな絶望を真正面からとらえてて、見ている最中は「こんなの解決しようがないじゃん」って思えるのに、最後にはきちんと光を用意していてくれる。それも都合良かったり、押し付けがましい光じゃなくて、こっちが目を凝らせばうっすら見える程度の現実世界にちゃんとある光(分かりづらくてごめんなさい)
    親、兄弟、友人、大事な人達との別れを受入れて生きていくにはどうしたらいいのか……という誰でもいつかは向き合わないといけない問題に対して、誤摩化したり、観客に投げっぱなしにするのではなく、作家さんなりに(おそらく)苦しみ抜いたであろう答えをきちんと提示してくれていました。
    当分は見過ごせない団体さん(?)です。
    7月の短編集も楽しみ!

  • 満足度★★★★★

    空想の産物。
    観終えた時の、
    なんともやるせない切なさ具合が半端なかった。

    特に、
    石黒さんの役柄のぴったりさはどうだ?
    イジメっ子にこれほど適した役者は他にいない。
    と、思わせるくらいピッタリだった。

    これは多分に脚本のうまさだと感じる。


    震えた。

  • 満足度★★★★★

    好きです
    世界観がとても好きです。
    2時間10分ガッツリ堪能致しました。

    ネタバレBOX

    役者のバランスも良く、特に舞台美術・照明の美しさに圧巻。
    特に手前左右にある黄色のライトの効果による色味の魅せ方が素晴らしかった。
  • 満足度★★★★★

    素敵な役者達のまばゆい競演!
    フライヤーがまずとても素敵で空想組曲のファンタジー世界を見事に表現している。

    素晴らしい役者が揃っているが、中でも中田顕史郎のうまさは別格。もっともっと中田顕史郎を観たいが今回はわざと中田顕史郎を控えめに使ってみましたという贅沢な作り。

    キャラメルボックスの次代のホープ 多田直人が主役に抜擢されているが、多田はこういう少し影のある役をやらせたら絶品。演技に少しずつ色気が出てきた。これからがますます楽しみだ。

    川田希、小玉久仁子、渡邊とかげ、牛水里美・・・と、私の好きな女優のオンパレード。贅沢感満杯の公演だった。

  • 満足度★★★★★

    息が出来なくなるくらい、呑まれる。
    2012/04/15(日)19:00
    2012/04/17(火)14:00
    2012/04/17(火)19:30
    2012/04/20(金)19:30
    2012/04/22(日)14:00

    見た直後は頭がぱんぱんで、身体はよれよれで立ち上がれなくて、どうなるかと思いましたが、DVDにもなって冷静に見つめることができて、うまく消化できたと思います。
    振り返ると、2012年に見た中で、ずば抜けて大好きでした。

  • 満足度★★★★★

    こころをぐわんぐわんと
    心を揺さぶられたような衝撃を感じました。

    ネタバレBOX

    恐ろしく、
    きれいな 景色が見えました。
  • 満足度★★★★★

    前半の作りこみががっつり効いて・・
    前半部分が
    粘り強く豊かに描きこまれていて・・・。
    戯曲の構造に加えて
    その世界を飽きさせずに
    観る側に刻み込んでいく役者たちの秀逸なお芝居が
    後半解けていく世界にしなやかに結実して・・・。

    その世界が束ねられて
    向こう側に
    生まれた俯瞰に強く浸潤されました

    ネタバレBOX

    比較的長めの作品なのですが、
    その前半が
    主人公が組み上げる内心での物語の
    執拗なスクラップ&ビルドの表現に
    費やされていきます。
    少しずつ外側の枠組みを、組み込み、時には刺し入れながら
    その心に浮かぶものを具象していく。

    「銀河鉄道の夜」を土台にして
    時には恣意的に、
    あるいは、逃げ込むように浮かび、
    時には道を外れ、広がり、ビターに染まり、行き詰まり、フラッシュ音とともに崩されてしまう内心の物語たち。
    サザンクロスにまでまっすぐに至ることない
    寄り道や逸脱までが生まれる物語に
    様々な風景が交錯して・・・。
    原作に忠実に描かれる刹那、
    時には箍が外れて戯画的に広がる世界、
    あるいは耽美に、または暴力的に描き、重なり、
    行き詰まり、刹那に崩れていく・・。

    役者たちが、
    世界を塗りこめてしまうことなく、
    しなやかに、
    シーンやキャラクターたちの実存感やトーンの濃淡で
    空気の質感をコントロールし
    心風景のテイストを生みだしていきます。
    そこには観る側が受けとる寓意の
    平易さと深さのしたたかな組み上がりがあって、
    絶妙に変化しながら何度も重ねられていく物語の顛末を
    飽くことなく追い続けてしまうのです。

    そうして、形作られたボリューム感があるからこそ
    執拗な組み上げと崩壊自体が
    コンテンツたちにとどまらないニュアンスを持ち始める。
    やがては、物語で覆い隠していた彼の内心の枠組みが現れ
    観る側にさらに向こう側にある現実を
    さらけ出していく。
    引きこもる彼の姿と
    そこから彼を引き出そうとする姉や周囲の姿と・・・。
    痛みと苛立ちが観る側にまで浸み入ってきたその先。
    視座が逆転して現れたエピソードの
    なんてナチュラルなこと・・・。
    天空と深海の寓意がそのチケットに集約されて、
    でも、チケットを巡るシンプルな誤解が
    それまでのシーンたちから受け取ったものと共振し始めたとき、
    思いもかけず涙が溢れた。

    冒頭に物語の土台として語られる、
    「銀河鉄道の夜」が
    再び語られる時、
    それは主人公が、さらには人が生きることの
    普遍への俯瞰となって・・・。
    そのなかで前半のシーンも解け、
    役者たちの献身的な演技が
    その景色のなかに具象するものを
    しなやかに編み込んでいたことにも
    改めて思い当たって・・・。

    作り手が描きだす世界と
    昔々読んだ「銀河鉄道の夜」のあやしい記憶に
    凛とした空気と、
    そのなかに歩む感覚と
    偶然に重ねられていく刹那の
    広がりが重なって・・。
    ダブルコールの終演後
    劇場を離れても、、
    さらに広がり心満たされていくものが
    いくつも巡り降りてくる・・。

    とても深く心を捉えられた舞台でありました
  • 満足度★★★★★

    期待以上
    大切なものを失ってもずっとずっと生きていかなきゃならないジョバンニの、行方を見届けられるお芝居でした。

  • 満足度★★★★

    溢れる涙…
    まさかこんなに涙が溢れるとは思いませんでした。心をぐわっと大きく掴まれました!観に行って、ほんとによかったなぁと思った作品です(^^)

  • 満足度★★★★

    生きるとは
    最初に、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をカムパネルラ視点で再構築したお話ではないと断わっておきます。そういうお話ではないのです。
     
    「りく」という青年が出てくる。それから「けんじ」という青年が出てくる。彼らと「銀河鉄道の夜」がどう関わるのかは観て頂くしかない。
     
    未来、現実、過去、記憶、妄想。軽めの、笑いのシーンもあるが、苛酷で残酷、「酷」という字で表したくなる場面も出てくる。だから賛否両論、万人受けはしないと思う。でも心に刻まれる「何か」はあると思う。

    ネタバレBOX

    ところで、初めて『銀河鉄道の夜』を読んだ時、「え、これで終わり?」と思った。ジョバンニは、カムパネルラに起きた事を受け入れることができたのだろうか。次の日からどうやって生きたのだろう。あのモヤッとした感覚がこの作品で活かされていると思う。
     
    劇中の主人公と「先生」の会話を観て、ブルカニロ博士のことを想った。ブルカニロ博士とは、初期版の『銀河鉄道の夜』でジョバンニに助言を与える重要な役を担っておきながら、改稿によって姿を消したレアキャラである。宮沢賢治はなぜブルカニロ博士を削ったのだろう。なんのこっちゃ?と思われた方は、やはり、劇場でこの舞台を観て頂くしかないと思います。
     
    照明がすごくキレイ。あと牛水里美さんがステキすぎる!
    長文失礼しました。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
  • 満足度★★★★

    深海と宇宙の素敵な出会い
    良くも悪くも銀河鉄道の夜でした。

    ネタバレBOX

    親友を亡くした高校生がショックで引きこもりになるも、最後にようやく立ち直る話。

    銀河鉄道の夜をモチーフにしているだけに、友人が死んだであろうことが初めから想像できてしまうところは弱点でした。前作の親子の和解のような意外性、驚きは感じられませんでした。

    ただ、心の傷というものは不思議なもので、あんなに好きだった親友が思い出せなくなる、いくら思い出そうとしても出てこない、本の読み過ぎで勝手に作り上げてしまったのではないか、そもそもそんな人間は存在しなかったのではないかという疑問が膨らみ、頭が混乱するくらい話に幅が出てきたのはさすがでした。

    二人が親友になったきっかけ、深海(ふかみ)は水族館を見に、深田はプラネタリウムを見に来てサンシャインビルで偶然出会ったというエピソードは、幻想的な深海を走る銀河鉄道の絵を思い浮かばせるとともに、偶然とはいえ普通の日常であったことを認識させとても素敵でした。

    銀河鉄道の夜を最後まで読み切り、深田の死を受け入れた深海でしたが、結局はそれしかないというところでしょうか。

    現実を思い起こさせるために参加した級友や先生や深田の父親などが、銀河鉄道の夜の登場人物にシンクロしていく、しっとりと馴染んでいく中に一人だけ際立って目立つ存在は必要でしょうか。

    フランス料理でも懐石料理でもいいのですが、フルコースの中に一品、醤油を入れすぎた煮物が出てくるような感じを受けてしまいます。好きな女優さんではありますが、そして今更外せないのでしょうが、黒蜜星の乙女が目で演技をしていたように他の女優さんだったら同じ演技をさせたとしてもしっとり感が出るのではないかと思いました。
  • 満足度★★★★

    初日
    観てきました・・。

    あとでもうちょっと書きます。

  • 満足度★★★★

    3本目
    組曲「空想」から3本目。
    相変わらず好きな空気です。
    終わった時は「面白かった」と純粋に思ったんですが時間が経つとなんだか心に刺さりますね!

    個人的には集中力がもたないから
    30分くらい短くてもいぃかなぁと…

  • 満足度★★★★

    笑いは要らない
    あらためて「銀河鉄道の夜」の素晴らしさを認識させられた。この作品に対してもっと大胆な解釈を提示してくると予想していたので、オーソドックスな再構成は若干物足りない気もしたが、逆に「銀河鉄道の夜」の世界を壊されなかったことに安堵した。この芝居が成功だったとしたらカンパネルラの死に焦点を当てたことだろう。個人的には魚座の女王が出てきたところでかなりひいてしまったもちろん水泳の何とかでも(この芝居であのような笑いをとる必要性ある?)。もしかしたら今まで観た芝居の中で1番かもと思えるくらい照明が素晴らしかった。

  • 満足度★★★★

    ほさか版『銀河鉄道の夜』
    原作からカンパネルラとジョバンニの友情に焦点を当て、「ほさか版銀河鉄道の夜」を創り上げた。

    シュールレアリスム絵画を思わせる舞台美術が作品テーマをくっきりと表現しているのが秀逸。

    物語が始まる前からワクワクした。

    人間の深層心理や登場人物の二重構造など、ほさかよう氏の作劇の特徴はいつもどおり生かされている。

    「銀河鉄道の夜」は、単なる空想ではなく、ずべて憲治自身が実際に体験したことでは?というほさか氏の読み解き方がすぐれた形で劇に表れていると思う。

    いつも思うのだが、「銀河鉄道の夜」は原作が未定稿ということもあり、複雑で、いまだに解釈が定まらない部分もあり、まったく物語を知らない人には、劇も理解しにくい。

    だから、ある程度物語を知ったうえで、観劇すると、このほさか版の優れた点もより深く理解できると思う。

    今回観て、さらに原作への関心が深まった。本作ももう一度観てみたいと思う秀作。再演を希望する。

    ひとつ難点を挙げるとしたら、2時間10分は少々長すぎると思った。正直、疲労感が残った。

    私は、観客の集中力の観点からも、休憩なしの小劇場演劇は長くても1時間45分までにおさめたほうが良いという持論があり、優れた作者なら、なおさらそれが可能だと思っている。

    学園生活とリンクさせる手法も「遠ざかるネバーランド」と共通しているが、今後、新境地を開くかどうか、作者の才能に期待したい。

    ネタバレBOX

    歪んだ立方体のスケルトンの内と外で、物語が展開する。

    時空のゆがみをも表現した美術である。

    原作には化石の話が出てくるが、スケルトンの外には、過去の生活の記憶を象徴するようなチェストやテーブルが傾いて埋まっている

    照明でモノクロームの世界を表現した冒頭のシーンも素晴らしい。

    ジョバンニとカンパネルラの双生児性を主張する研究者も多いそうで、この劇の2人にもそれを強く感じる。

    星を愛する少年と海に憧れる少年。

    ジョバンニ=りく(多田直人)の白、カンパネルラ=けんじ(篤海)の黒の衣装、一見正反対のようで、背中合わせの似た者同士。

    大切な人を失った時、残されたものは、生死の悲しみの壁をどのように乗り越えていくのか。経験のある者には鋭く迫ってくる。


    寒色系のオーガンジーのモチーフをあしらった衣装や、ライトのつくマグカップで星座をつくる場面(マグカップには銀河鉄道おなじみのアイテム、牛乳が入っている)、視覚的にも楽しませる。

    小玉久仁子お約束のアニメチックで強烈な個性の魚座の女王(魚心先生)に拍手が沸いていた(笑)。

    牛水里美の二面性のある黒蜜星の乙女(黒上)はアングラ劇を得意とする劇団にいるだけあって美しい凄みを感じさせた。

    古川悦史演じるけんじ(カンパネルラ)の父(車掌)の述懐により、りく(ジョバンニ)はけんじの心の奥に入っていき、救いを得るのだが・・・。

    このへんの描写が観客の心に染み入るようであった。

    「りく」という名も空と海をつなぐ存在を表しているのだろうか。

    ザネリを救おうと溺死するカンパネルラは、自己犠牲の象徴と解釈されることが多いが、本作では、そのへんは強調されてはいない。

    足を痛めて泳げなくなりショックを受けていたカンパネルラがあえてとった行動の裏の心情のほうが胸に迫る。





  • 満足度★★★★

    まさに空想組曲
    ファンタジーな世界観は苦手なんだけど、行ったり来たりの精神世界にグイグイ引き込まれて面白かった。
    小玉さんの衣装にビックリ!
    1番光輝いていました!

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