深海のカンパネルラ 公演情報 空想組曲「深海のカンパネルラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    深海と宇宙の素敵な出会い
    良くも悪くも銀河鉄道の夜でした。

    ネタバレBOX

    親友を亡くした高校生がショックで引きこもりになるも、最後にようやく立ち直る話。

    銀河鉄道の夜をモチーフにしているだけに、友人が死んだであろうことが初めから想像できてしまうところは弱点でした。前作の親子の和解のような意外性、驚きは感じられませんでした。

    ただ、心の傷というものは不思議なもので、あんなに好きだった親友が思い出せなくなる、いくら思い出そうとしても出てこない、本の読み過ぎで勝手に作り上げてしまったのではないか、そもそもそんな人間は存在しなかったのではないかという疑問が膨らみ、頭が混乱するくらい話に幅が出てきたのはさすがでした。

    二人が親友になったきっかけ、深海(ふかみ)は水族館を見に、深田はプラネタリウムを見に来てサンシャインビルで偶然出会ったというエピソードは、幻想的な深海を走る銀河鉄道の絵を思い浮かばせるとともに、偶然とはいえ普通の日常であったことを認識させとても素敵でした。

    銀河鉄道の夜を最後まで読み切り、深田の死を受け入れた深海でしたが、結局はそれしかないというところでしょうか。

    現実を思い起こさせるために参加した級友や先生や深田の父親などが、銀河鉄道の夜の登場人物にシンクロしていく、しっとりと馴染んでいく中に一人だけ際立って目立つ存在は必要でしょうか。

    フランス料理でも懐石料理でもいいのですが、フルコースの中に一品、醤油を入れすぎた煮物が出てくるような感じを受けてしまいます。好きな女優さんではありますが、そして今更外せないのでしょうが、黒蜜星の乙女が目で演技をしていたように他の女優さんだったら同じ演技をさせたとしてもしっとり感が出るのではないかと思いました。

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    2012/04/19 11:00

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