深海のカンパネルラ 公演情報 深海のカンパネルラ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-20件 / 35件中
  • 満足度★★★★★

    息が出来なくなるくらい、呑まれる。
    2012/04/15(日)19:00
    2012/04/17(火)14:00
    2012/04/17(火)19:30
    2012/04/20(金)19:30
    2012/04/22(日)14:00

    見た直後は頭がぱんぱんで、身体はよれよれで立ち上がれなくて、どうなるかと思いましたが、DVDにもなって冷静に見つめることができて、うまく消化できたと思います。
    振り返ると、2012年に見た中で、ずば抜けて大好きでした。

  • 20120421
    (^・ェ・^)はいけんしました

  • 満足度★★★★★

    空想の産物。
    観終えた時の、
    なんともやるせない切なさ具合が半端なかった。

    特に、
    石黒さんの役柄のぴったりさはどうだ?
    イジメっ子にこれほど適した役者は他にいない。
    と、思わせるくらいピッタリだった。

    これは多分に脚本のうまさだと感じる。


    震えた。

  • 満足度★★★★★

    素敵な役者達のまばゆい競演!
    フライヤーがまずとても素敵で空想組曲のファンタジー世界を見事に表現している。

    素晴らしい役者が揃っているが、中でも中田顕史郎のうまさは別格。もっともっと中田顕史郎を観たいが今回はわざと中田顕史郎を控えめに使ってみましたという贅沢な作り。

    キャラメルボックスの次代のホープ 多田直人が主役に抜擢されているが、多田はこういう少し影のある役をやらせたら絶品。演技に少しずつ色気が出てきた。これからがますます楽しみだ。

    川田希、小玉久仁子、渡邊とかげ、牛水里美・・・と、私の好きな女優のオンパレード。贅沢感満杯の公演だった。

  • 満足度★★

    オマージュは危険
     宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を原案にした芝居は何作か観たことがあるけれども、大体あまり面白くないのは、どうしてもジョバンニとカンパネルラの「友情」に引きずられてしまうせいでしょうか。もともと空想組曲はファンタジーを扱う劇団だと聞いてはいたので、やや寓話的な傾向はあると予想はしていたけども、にしても、宮沢賢治の世界に無批判に寄りすぎたのではないか。オマージュというものは、いつも命取りですね……。
     2つの世界を行き来するのはファンタジーの常套手段で、『オズの魔法使い』でも『果てしない物語』でも『ピーターパン』でも『千と千尋の神隠し』でもなんでも「別世界に行って帰ってくる」ことを通して成長が描かれるわけですが、今作はこの妄想に囚われた男の子の未熟な自意識というものが、わたしには全然響いてこなかった。現実からひきこもって逃避することで生まれる暗い妄念の恐ろしさを、もっと丁寧に描いてほしかった。表層的な世界に留まってしまった感があります。ただ、同級生(渡邉とかげ)が感情を爆発させるシーンは心を打つものがありました。
     あと、うーん、わたしにはどうもこの「やおい」に近い男の子同士の友情(恋愛?)になんだか気恥ずかしいものを感じてしまう。また、テーマや公演規模を考えると、上演時間2時間超えは長すぎたという印象も。冒頭の照明は美しく、期待感はあったのですが。

  • 満足度★★★★★

    生きていくために。
    だいぶ時間が経ってしまいましたが、忘れ難いほど心を掴まれた芝居だったので今さら感想。ここは本当に戯曲が神かと思う。目を逸むけがちな絶望を真正面からとらえてて、見ている最中は「こんなの解決しようがないじゃん」って思えるのに、最後にはきちんと光を用意していてくれる。それも都合良かったり、押し付けがましい光じゃなくて、こっちが目を凝らせばうっすら見える程度の現実世界にちゃんとある光(分かりづらくてごめんなさい)
    親、兄弟、友人、大事な人達との別れを受入れて生きていくにはどうしたらいいのか……という誰でもいつかは向き合わないといけない問題に対して、誤摩化したり、観客に投げっぱなしにするのではなく、作家さんなりに(おそらく)苦しみ抜いたであろう答えをきちんと提示してくれていました。
    当分は見過ごせない団体さん(?)です。
    7月の短編集も楽しみ!

  • 満足度★★★

    ファンタジーと現実の交差点
    宮沢賢治はよく取り上げられる題材ですが、とても難しい題材でもあります。表面的なファンタジーばかりに気をとられれば浅薄に、といってシリアスなテーマにばかり関心を向ければその世界は貧しくなってしまうのです。

    空想組曲は、人間の心理、その葛藤のドラマを、ダイナミックな虚構(ファンタジー)の中で浮かび上がらせることを得意としています。今回の舞台では、ひきこもりの主人公の生きる現実界と「銀河鉄道の夜」の世界とが並行して描かれます。それは空想組曲の作風とも確かに呼応するもので、宮沢賢治をただのメルヘンにしない、面白い取り組みだったと思います。

    また、小玉久仁子さんや牛水里美さんの存在感も絶品でした。









    ネタバレBOX

    額縁舞台の中に、さらに箱形の構造物を置いた舞台はシンプルかつ重層的で、ここに描かれる世界の膨らみを十分に予感させるものでした。惜しむらくは、その語り口が、オリジナル部分や虚構と現実との交差点よりは、「銀河鉄道の夜」に描かれた道程を辿ることにやや傾いてしまったことでしょうか。いっそ、もっと「銀河鉄道の夜」を解体してみてもよかったのかもしれません。もともと、その手法、想像力には定評のある空想組曲ですから、ファンタジーの世界も、現実の問題も、より鮮やかに豊かになったに違いありません。
  • 満足度★★★

    繊細過ぎる心の行方
    『銀河鉄道の夜』の作品世界に寄りすぎていたように見えてしまって残念
    。途中まで『銀河鉄道の夜』を見ているのかと思ってしまう程でした。超有名作品がモチーフなので、物語の展開、登場人物の心の行方はある程度予想がついてしまいました。モチーフとなる作品に主人公を絡ませることでオリジナルの展開が見られることを期待したので、予想を越えてこなかったことが残念でした。
    しかしながら、舞台装置、音楽、照明、衣裳などで宮沢賢治の世界観が違和感なく表現されていたのは見事。キャラクター一人ひとりも魅力的で、くらげと黒蜜星の乙女という真逆の女性の対比が良かった。登場人物たちが主人公の精神世界を揺さぶっていく様はドキドキしました。

  • 満足度★★★

    本の力
    「ドロシーの帰還」以来の空想組曲。

    毎作毎作、観入ってしまう作品を提供してくれる劇団だ。銀河鉄道の夜をネタにした舞台作品というのはもうやり倒された感があるのだが、実はまだまだ引き出しがありそうで、その引き出しの一つを開けた作品に仕上がっていたと思う。悲しみから目を背けるために飛躍した現実逃避をさせるだけではなく、あくまでも現実の状況と対比させて、心が耐え得る最良の答えに導いていく。ほさかようさんの本の力が素晴らしい。

    渡邉とかげさんと中田顕史郎さんが地に足をつけた演技を観せてくれている事でこの作品は単なるファンタジーにならず、そのおかげで「ドロシーの帰還」とは一線を画す作品に仕上がっていたと思う。

    牛水里美さんは直球。いつもの怖さが十二分に出ていた。で、小玉久仁子さんね。超好きな小玉さんが、超好きな感じで出ていた。エラから水が漏れてたね・・・

  • 満足度★★★

    初空想組曲
    ファンタジーと現実世界の間に揺れる心の中を丁寧に描いていて、終始引き込まれた。
    何となくしか原作を知らないが、楽しめた。
    ファンタジーは苦手だが次も観たいと思った。

  • 満足度★★★★

    泥沼からの生還
    自分の狭い世界に閉じて、外部の世界をシャットアウトする主人公に悪意ある者は純然たる存在としてそこにいると咽喉元に突きつけつつ、宮澤賢治の銀河鉄道を利用して一つの回答を見せるのはうなりました。

    ネタバレBOX

    しかし、この話、自分にとって都合の悪い情報はシャットアウトして自己正当化し、どうしても入ってくる他者には自分の都合のいい解釈を押し付ける若しくは無視、攻撃すると言う現代人の病理に対しての、ファンタジーのフィルタを通した作者の問題提起なのかなあ勘ぐってしまいました。
  • 満足度★★★★

    まさに空想組曲
    ファンタジーな世界観は苦手なんだけど、行ったり来たりの精神世界にグイグイ引き込まれて面白かった。
    小玉さんの衣装にビックリ!
    1番光輝いていました!

  • 満足度★★★★★

    タイトル。
    相変わらず、中田顕史郎さんが素晴らしく。

    物語りも、さすがさすが気合の入った出来で、
    個人的にはタイトルの「深海のカンパネルラ」の意味がわかった辺り、
    最後の主役二人のシーンが最高でした。

    時間に関しては、
    個人的にはあと1シーンあっても良かった気もします。
    途中のギャグの部分が長かったような気もしますが。

    次も楽しみな、劇団さんです。

  • 満足度★★★★

    ほさか版『銀河鉄道の夜』
    原作からカンパネルラとジョバンニの友情に焦点を当て、「ほさか版銀河鉄道の夜」を創り上げた。

    シュールレアリスム絵画を思わせる舞台美術が作品テーマをくっきりと表現しているのが秀逸。

    物語が始まる前からワクワクした。

    人間の深層心理や登場人物の二重構造など、ほさかよう氏の作劇の特徴はいつもどおり生かされている。

    「銀河鉄道の夜」は、単なる空想ではなく、ずべて憲治自身が実際に体験したことでは?というほさか氏の読み解き方がすぐれた形で劇に表れていると思う。

    いつも思うのだが、「銀河鉄道の夜」は原作が未定稿ということもあり、複雑で、いまだに解釈が定まらない部分もあり、まったく物語を知らない人には、劇も理解しにくい。

    だから、ある程度物語を知ったうえで、観劇すると、このほさか版の優れた点もより深く理解できると思う。

    今回観て、さらに原作への関心が深まった。本作ももう一度観てみたいと思う秀作。再演を希望する。

    ひとつ難点を挙げるとしたら、2時間10分は少々長すぎると思った。正直、疲労感が残った。

    私は、観客の集中力の観点からも、休憩なしの小劇場演劇は長くても1時間45分までにおさめたほうが良いという持論があり、優れた作者なら、なおさらそれが可能だと思っている。

    学園生活とリンクさせる手法も「遠ざかるネバーランド」と共通しているが、今後、新境地を開くかどうか、作者の才能に期待したい。

    ネタバレBOX

    歪んだ立方体のスケルトンの内と外で、物語が展開する。

    時空のゆがみをも表現した美術である。

    原作には化石の話が出てくるが、スケルトンの外には、過去の生活の記憶を象徴するようなチェストやテーブルが傾いて埋まっている

    照明でモノクロームの世界を表現した冒頭のシーンも素晴らしい。

    ジョバンニとカンパネルラの双生児性を主張する研究者も多いそうで、この劇の2人にもそれを強く感じる。

    星を愛する少年と海に憧れる少年。

    ジョバンニ=りく(多田直人)の白、カンパネルラ=けんじ(篤海)の黒の衣装、一見正反対のようで、背中合わせの似た者同士。

    大切な人を失った時、残されたものは、生死の悲しみの壁をどのように乗り越えていくのか。経験のある者には鋭く迫ってくる。


    寒色系のオーガンジーのモチーフをあしらった衣装や、ライトのつくマグカップで星座をつくる場面(マグカップには銀河鉄道おなじみのアイテム、牛乳が入っている)、視覚的にも楽しませる。

    小玉久仁子お約束のアニメチックで強烈な個性の魚座の女王(魚心先生)に拍手が沸いていた(笑)。

    牛水里美の二面性のある黒蜜星の乙女(黒上)はアングラ劇を得意とする劇団にいるだけあって美しい凄みを感じさせた。

    古川悦史演じるけんじ(カンパネルラ)の父(車掌)の述懐により、りく(ジョバンニ)はけんじの心の奥に入っていき、救いを得るのだが・・・。

    このへんの描写が観客の心に染み入るようであった。

    「りく」という名も空と海をつなぐ存在を表しているのだろうか。

    ザネリを救おうと溺死するカンパネルラは、自己犠牲の象徴と解釈されることが多いが、本作では、そのへんは強調されてはいない。

    足を痛めて泳げなくなりショックを受けていたカンパネルラがあえてとった行動の裏の心情のほうが胸に迫る。





  • 満足度★★★★

    前作に引き続き...
    脚本がやはり別次元の素晴らしさ!才能の違いを感じさせられて,今回も唸りつつ観た次第。

  • 満足度★★★

    よい作品だった
    けど、ちょっと長くも感じた。主人公がやや女々しいので、あまり感情移入はできなかったものの、トータルの作品としてはすごいものを見させてもらったと思う。噂の空想組曲、見れてよかった。

  • 満足度★★★

    統一感のある純なファンタジー
     東京の小劇場界で知名度のある、個性的な役者さんがそろっています。知る人ぞ知る、かなり豪華なキャスティングですね。残念ながら私が観た回は、息が合っていないせいなのか心地よいリズムが生まれず、“いつも通りにいっていない”印象でした。魔女的ポジションの2人(小玉久仁子&牛水里美)が登場したところで面白くなったのですが、会心の一撃が出なかったですね。

     シンプルだけど細部へのこだわりが見て取れる抽象美術に、統一感のあるロマンティックな衣裳。照明で切り替えて場面転換するのは、絵として美しく、メリハリもはっきりしています。音楽および音響効果については、オペレーションのタイミングが合っていない気がしました。開場時間に流れていた曲は憂いを含んだメロディアスな曲が多く、「メランコリックなファンタジー」であることをアピールし過ぎているように感じました。美術、照明、衣裳、選曲などのスタッフワークがきれいにまとまった作品で、見た目は確かに美しいのですが、予想の範囲内に収まってしまったのは残念。

     宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」を下地にした創作ファンタジーであることは、タイトルからもチラシのビジュアルからも明らかです。私としては、そのイメージをもうちょっと裏切って欲しかったですね。繰り返しになりますが、たまたま調子の悪いステージに当たったのだと思います。

    ネタバレBOX

     プラネタリウムが好きなけんじ(篤海)と水族館が好きなりく(多田直人)。サンシャインシティで偶然会った2人の男子高校生が、心通わせて友達になりますが、間もなくけんじは沖縄の海で溺死。たった一人の大切な友人を失ったりくは、受かった大学にも行かず引きこもり、「銀河鉄道の夜」の物語の中に没入してしまいます。銀河鉄道の中では必ずけんじ(=カンパネルラ)に会えるから。そんなりくを救出するために、実の姉(川田希)や高校時代の友人らが、りくの部屋を訪れて説得しようとしますが…。

     親友を失ったティーンネイジャーの傷心というテーマだけで、2時間以上は持たせられないんじゃないでしょうか。無論、他にもテーマはあったのでしょうが、私にはそれほど重要なものとしては伝わってこず。
     宮沢賢治(中田顕史郎)が登場したのには驚きました。そういえば『ドロシーの帰還』でも作家が登場しましたね。入れ子構造をさらに強固にする演劇的効果はあったと思います。でも賢治に実の妹のことを語らせたのは、やりすぎだったんじゃないかな~。

     最初はお葬式の場面でした。当たった対象物が白黒になる黄色いライトが、あの時間だけのために(たぶん)使われているのは贅沢ですね。回想シーンが冒頭に来ていて、終演後に「あぁ、最初はあの場面だったんだ」と思い出し、味わい深くて良かったです。
  • 満足度★★

    好きで嫌いで
    終始、物語に強く引き付けられた。
    その一方で作演出者の表現方法に嫌悪感を感じ続けた。
    少女漫画の様な表現方法。
    こんな演劇体験は初めてだった。

  • 満足度★★★★

    笑いは要らない
    あらためて「銀河鉄道の夜」の素晴らしさを認識させられた。この作品に対してもっと大胆な解釈を提示してくると予想していたので、オーソドックスな再構成は若干物足りない気もしたが、逆に「銀河鉄道の夜」の世界を壊されなかったことに安堵した。この芝居が成功だったとしたらカンパネルラの死に焦点を当てたことだろう。個人的には魚座の女王が出てきたところでかなりひいてしまったもちろん水泳の何とかでも(この芝居であのような笑いをとる必要性ある?)。もしかしたら今まで観た芝居の中で1番かもと思えるくらい照明が素晴らしかった。

  • 満足度★★★

    今回も好きな世界でした。
    前回同様、ファンタジーと苦悩の世界。
    ファンタジー世界では笑も起こるし、現実世界は緊張が漂い
    なかなか脱出出来ない状況と、少しづつ変わって行く後半
    少し長い感じもしましたが、ゆっくりと伝わってくるモノがあります。
    先生が先生である事で、世界が広がった感じがしたので
    後半、見方が変わりましたがいい作品である事は確かですね。
    DVD売り切れてしまったので、次回公演ではぜひ買いたいです!

このページのQRコードです。

拡大