満足度★★★
この解釈もあり。
宮本亜門「サロメ」を観る。
思春期の清純無垢なサロメ? 形容矛盾の感があるが、つまりは子どもなのだ。初恋の人に無下にされたから、カチンときて、首をちょん切っておしまい! っとハートのクイーンになったのだ。一人占めしたかったのだ。なるほど、その解釈もあるかもしれない。
従来の文語調では合わないが、平野啓一郎の現代口語訳、それも10代前半?であればしっくりする。しかし、阿部貞のような狂気ではなく、ヌイグルミを欲しがるようにヨカナーンの首を欲しがる。子どもの無邪気が狂気にまで昇華していないところが微妙。
衣装はヨージデザインではなく、ヨージのコレクションからコーディネートしましたって感じでがっかり。ああ、だから衣装協力なのか。音楽も控えめな演出のため、内橋和久ファンとしては物足りなく。
鏡を使って地下の水牢を見えようにした美術も、キチンと見えるのは前列だけで、中央でも見切れてしまい、後列では鏡の意味なし。むー。ラストの白い世界に赤い血が広がるシーンは、いかにもなダブルミーニングでやれやれといった感じ。
麻美れい、奥田瑛二の二人はもちろんだが、多部未華子が予想以上に良かった。振れ幅の大きいキャラクターを上手く演じた。もっとも、ダンスがぐたぐたの演出で残念。全般的に残念感があったが、多部未華子の演技の可能性が見られたので良しとする。
満足度★★★
2階席
新国立の2階席センターなら見易いかなと思って2階席で見たのが失敗でした。
あんなに奥行きがあるのに奥を殆ど使わず、1階客席前方を潰してセットにしてたので、奈落のシーンはほとんど見れませんでした。
多部さんの少女から女性へ変わっていく様子が良かったです。
また、音響のハプニングで一旦中断するという事態にも、気丈に立振舞われてたのが好印象でした。
満足度★★★★★
とにかく主演・多部未華子が最高!観てよかった!挑戦的な舞台セットも面白い。
有名作品を、新訳で上演。
とにかく、主演・多部未華子が最高!
まず、奔放なダンスシーンが素晴らしい。
そしてそれ以降の内面とストレートな表現、魔性の少女、演技もいい。
輝いていました!!
観てよかった!
もう一人の主役、挑戦的な舞台セットも面白い。
舞台全体をモノトーンで統一。
役者の影が映し出される大きな幕のスクリーン、晩さん会の様子が写る液晶テレビ、
ソファーなど白いインテリア、それらを映す鏡面の天井、
中央舞台の周辺を囲うお堀のような溝、
舞台の地下にはヨカナーンが投獄されている牢屋がある。
ダンスでは無邪気に地下の水をはじき散らし、そして血の海に横たわるサロメの美しさを際立たせていました。
満足度★★
イノセントなサロメ
真っ白な現代的なセットの中で、従来の妖艶なサロメ像とは異なる、少女性を強調したサロメが描かれた演出でした。
舞台上空には鏡が吊され、舞台が俯瞰で見えるようになっていて、舞台と客席の間には堀状の空間があり、舞台の地下部分が見える構造になっていて、幽閉されているヨカナーンの存在が常に感じられるようになっていました。
リヒャルト・シュトラウスのオペラだと宗教論争のシーン等の冗長な台詞も音楽として楽しめるのですが、ストレートプレイだと少々退屈さを感じました。最後に床が血の海になるのはインパクトがありましたが、全体的にはドラマとしての盛り上がりに欠けているように感じられました。
サロメを演じた多部未華子さんは、たまに台詞回しが硬かったりオーバーに感じられる箇所もありましたが、表情と声色の多彩さが印象に残りました。特に、欲しいものを尋ねられて「ヨカナーンの首」と最初に答える時の屈託のないイノセントな言い方が可愛らしくかつ恐ろしくて素晴らしかったです。
ヨカナーンを演じた成河さんは預言者らしいミステリアス雰囲気を出していて、台詞回しも若さと威厳が両立していてとても魅力的でした。
ヘロデを演じた奥田瑛二さんは酔っぱらっている設定でそのような演技だったのかもしれませんが、ちょっと台詞が怪しく、演技も一本調子に見えて残念でした。着ていた衣装(ヨウジヤマモト2011年秋冬の、女性のヌードがプリントされた赤いコート)も違和感がありました。
音楽を担当した内橋和久さんが舞台の下手でギターとダクソフォンを演奏して幻想的な音色で雰囲気を盛り上げていましたが、録音で流れる音楽にはあまり魅力を感じませんでした。
満足度★★★★★
良かった!
多部未華子さんのサロメが、無邪気に残酷でとても良かったです。「穢れのない強さ」がありました。
ヘロディアの麻実れいさんは、相変わらずオーラ輝いていました。カーテンコールの時に、目の前でドキドキ。(宝塚時代からファンですv)
ラストの血が広がっていく演出、その血の海が綺麗に水鏡のようになっていて、ヨカナーンの首に求愛するサロメを映し出すところが幻想的で美しかったです。
あれ、どうなっているんでしょうね。
舞台は、白と赤と黒の色使いがとても印象的でした。
個人的にですが、ロ字ック「死と再生のテクノに」でお会いしたベータさんが、その時とほぼ同じ格好で(ちがう・笑)出ていて、なんだか嬉しかったです。
満足度★★★
良くも悪くも多部未華子
狂気のサロメを演じる多部未華子の芝居は、賛否両論があると思う。
精一杯の芝居だけど、他の役者とかみ合っていない感じがした。
白黒赤に特化した美術は、かなり見応えがある。
満足度★★★★
ダークなファンタジー
出演人数が多いけど上演時間は2時間もない。
虫も殺さないような顔して考える事は残酷、10代?のナチュラルな少女から女になる手前の際どさに多部さんの純粋な狂喜ぷりがハマってた。
仄暗い地下の預言者ヨカナーン、朽ち果てた身体つきながら、その成熟な存在と発する声が世の終幕を際立せるような佇まいの聖職者ぷり。
成り上がりぽい風格の王様、あの姫にしてこの王妃ありな風格。
満足度★
何も感じなかった
つまらなかった。
最初のうちは照明暗すぎるし。
テレビモニターなんか小さくて何が映ってるかさえ分からず。
1階の後ろから2列目のサイドの席。
良い席で見れば、また違った感想になったかも。
満足度★★★★
一階席がオススメです
2階B席で見ましたが、天井の鏡や奈落など見づらく、1階席を取れば良かったなあ。。と。1階席は10列目からで、装置が前に出ていたのかな。奈落の底にも水が張ってあり、凝った装置。役者が落ちなきゃいいがとヒヤヒヤしながら観てました。多部未華子、良かった!!処女の官能性を体現し。成河の預言者もそのもので。大勢のパーティの客がずっと舞台上にいるのが、なんか不思議。奥田瑛二の父が、サロメになんとかヨカナーンの首を諦めさせようとあれこれ言う場面が演劇そのもの。ストーリーを観に行くんじゃなくて、そのあれこれを観に行くんだな~と、古典戯曲を観に行くと確認させられます。
満足度★★
現代劇のサロメ
有名なわりに現在では上演される機会が少ない作品。演出は現代風だが、成功しているとは言い難いのでは。税金で運営している手前、意欲作を取り上げているというエクスキューズのために取り上げられたのではと邪推してしまう。
満足度★★★★
魅入ってしまった
多部未華子さんの芝居を見るのは、農業少女以来である。
今回のサロメ役は少女でもあり、成熟した女性でもある様にも見れた。舞台の使い方も、重厚でありながらシンプルに設定されうまく使っていたように思う。
奥田瑛二さんのヘレデ王も、ヨカナーン役の成河さんも、多部さんの引き立て役でしかない様に思われた。
また、色彩を抑えた中での緋色がより鮮やかに迫ってきて、魅入ってしまった。
満足度★★
舞台役者のみで演じてほしい作品
「サロメ」を観るのは、高校の演劇部上級生の、篠井さんの、そして、今回の多部さんで、3度目でした。
昔、映画で、観た記憶も。聖書の会で、牧師さんのご高説を伺ったこともあります。
でも、サロメが、ヨカナーンの首を所望する本当の理由は、未だにはっきりとはわかりません。
オスカー・ワイルドの原作なので、やはり、これは、倒錯愛の物語と取るべきでしょうか?
亜門さんの演出は、何となく、蜷川さん風でした。
映像畑の役者さんも、皆さん、長台詞をしっかり頭に入れ、淀みなく、話されるのですが、でも何か物足りない。
台詞の言い方が、どうしても現代ドラマみたいで、内容と合致しない感じを受けました。
その中で、一人、異彩を放っていたソンハさん。声の出し方からして、違いました。本当に、預言者の声の深みを感じます。
声そのものに、説得力があるんですから…。
多部さんは、それ程の舞台キャリアもない女優さんにしては、驚くべき熱演、好演ぶりですが、でも、こういう難解な芝居には、やはり舞台役者さんでなければ、表現し得ない何かがあるような気がしました。
満足度★★★★
見ごたえ十分
『サロメ』を上っ面撫でた程度だった自分には、こんなサロメもありなのか、というより、サロメってこんなに面白いのかか、という感想。
感覚的に訴えてくる美術も含めて、ほんとに見ごたえがあるステージ。
残念だったのは、当時の宗教事情を把握していないと面白く感じられない箇所が少なくなかったところ。
新しい翻訳ということならば、もう少しわかりやすく砕いてしまってもよかったのではないだろうかと。
にしてもホントに役者陣が素晴らしかった。
「農業少女」のとき危なっかしくてハラハラした多部未華子さんの成長っぷりも凄い。これからが楽しみ。
あと、あんなに抑えた芝居の成河さんは初めて観たかも。
満足度★★★
演出がインパクトあっていい
宮本亜門の演出は素人にも比較的分かりやすくて好きです。
真っ赤な血を舞台一面に広げることでサロメの狂気を表したり、インパクトのある演出でした。
あれがなくてシンプルな舞台上でやられたら印象に残りにくい理解不能な世界で終わってしまいそうなストーリーです。
満足度★★★★★
「悦び」に「呪われている」サロメ
多部未華子のサロメが絶品です。もう他の人が二度と演じることできなくなるんじゃないかと思うぐらいコケティッシュで愛らしくそして残酷な本物のサロメでした。(しかし調べてみるとかつて三島由紀夫が演出し岸田今日子がサロメを演じた「サロメ」があったり、日本で最初にやられた「サロメ」は松井須磨子がサロメだったらしい、いずれももう観ることはできないが観てみたい)
そして、新国立劇場・中劇場の空間を生かしきった素晴らしき美術と演出。S席7350円そりゃかかるだろうと納得の舞台。金を使った舞台はちゃんとああいうことで驚かせてくれないといけないと思うのです。そうして快感を得ることができます。成河、奥田瑛二、麻美れい、キャスティングはばっちりです。初日ゆえ、少々とちりがあったけど、そんなの関係ない。大満足でした。
「金閣寺」に続き宮本亜門さんてすごいと思わされました。
満足度★★★★
多部さんが良かった♪
四人の帰り道で賛否は真っ二つ、だったかな。私は賛。最期に向かってサロメの愛にグッと絞られていく。多部さんが良かった♪ 二時間ないので休憩なし。これでもか!ドーン!ダーン!と一気に観られるのもいいかも。ただ、好き嫌いは分かれますね(笑)。