金閣寺 The Temple of the Golden Pavilion 公演情報 金閣寺 The Temple of the Golden Pavilion」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    吃音青年を演じる森田剛さんが
    大きな舞台でしか出来ない演出というのでは宮本亜門さんの空間の使い方は非常に無駄が無くスムーズに展開し、なおかつ派手さ大胆さがあった。観ていて飽きがこない。特に一幕の最後の場面は鳥肌ものであった。最後のセットが解体され金閣寺の燃える場面には少しだけ良い意味でのあそびを感じました。
    正直森田剛さんの吃音持ちの青年役は当たり役だと思った。吃音持ち故の弱さとそこから生まれる強さの幅の出し方が上手かったです。高岡蒼佑さんの役は人間的にも引き込まれる役だったので、自分の道をゆく感じなところは高岡さん自身にも通ずるのではないかと思います。

    ネタバレBOX

    最後の燃えた金閣寺を見ながら、煙草に火をつけて吸うという場面に生きようとする思いを溝口は持つ。燃える金閣寺と煙草に共通する火というのを重ね合わせ、永持ちする美の一つでもある金閣寺が死にゆき、消費されゆくものとしての煙草の火とともに描かれているのは非常にシニカルとも取れる気がします。
    勉強になりました。ありがとうございます。
  • 満足度★★★★

    若者ありがちな屈折感をうまくすくい上げ、「今」にマッチさせていた
    誰が中心に来ても安心な、まるで1つのパッケージのような印象の演出。

    ネタバレBOX

    主人公、というよりは主演を盛り立てようと、共演の役者や演出(台詞の割り方とかセットとか照明とか)がフル活動していたようで、とてもわかりやすく、丁寧な仕上がりになっいた。
    つまり、「1つのパッケージ」となっていて、失礼な言い方をすれば、誰が主人公に収まったとしても、「カタチ」になるようにしてあったとみ言える。
    うがった見方をすれば、主人公がアイドルということで、どれぐらい演出の期待に応えてくれるのかがわからなかったのかもしれないからだろうか。
    単に、演出していてどんどんアイデアがわき、どんどんフル装備のようになっていった結果、なのかもしれないのだが。

    とは言え、主人公を演じた森田剛さんは、繊細な若者を好演していたと思う(少々ワンパターンなところもあるのだが・演出によるものかもしれないが)。
    それは、すべてを切り替え、役になりきり演じていて、見ていて気持ちがいいほどであった。
    そういう役への没頭ができるということは、役者としては当然だと思うのだが、できない役者も多いだけに、他の役も見てみたいと思わせてくれた。

    主人公溝口の痛みは、古今東西の若者に通じ、共感を得るものではなかっただろうか。
    彼には具体的に「吃音」というハンディがあるものの、誰しもそういう何らかのハンディ(劣等感)を背負っていると感じているものであり、「なぜ自分だけがこんな目に」と思っているだろう。

    この舞台ではそれをきちんと見せ、彼がどうあがいて、何にどう苦悩していったのかを、丁寧に見せていく。
    音楽、セット、照明の使い方のうまさがある。

    演出が過剰すぎて、ひょっとしたら役者の力をそれほど信じていないのではないか、と思うほどであった(主人公のモノローグのほとんどは別の役者が行う)。
    が、とにかくわかりやすいのは確か。
    主人公への共感度も高まるだろう。

    ただ、「金閣寺」への高まりはそれほど感じられなかった。
    本当ならば、父親が愛した金閣寺に対する、いろいろな想いが渦巻くことと、「美」への想いが彼を凶行に駆り立てていくわけなのだが。

    ただし、「金閣寺」とそれが持つ存在を「音」を主にして表したのはとてもよかった。
    山川冬樹さんが持つ独特の不気味さと、大駱駝艦のメンバー(田村一行さん、湯山大一郎さん、若羽幸平さん、橋本まつりさん、小田直哉さん、加藤貴宏さん)の存在が光る。
    大駱駝艦にとっては、舞踏ではない動きも要求されていたように見えたが、それも見事にこなしていた。山川冬樹さんと大駱駝艦の登場するシーンは、この舞台に強い楔を打ち込んでいた。
    これにプラス主人公の心情がもっと重なっていけば、さらにインパクトがあったと思う。

    鶴川と柏木を演じた高岡蒼甫さんと大東俊介さんは熱演。とてもよかった。

    ラストの台詞もの凄く意味を持たせてあったと思う。
    それはちょっとあざといほどに。
  • 満足度★★★★

    正気と狂気
    三島由紀夫の原作を読んだ時にも、
    初演の神奈川芸術劇場で観た時にも感じた、疲労感。

    たぶん、上演時間いっぱいに詰め込まれた、感情の渦。
    狂気と正気の狭間に、最後の台詞がぽとん、と落ちてきた気がしました。

    理解は、できなかったと思います。
    理解しがたい、けれど。

    ただひとつ、会場が変わってしまったのが残念でした。
    舞台とセットのサイズが合っていないから、表現しきれなかったことがあったと思います。
    エネルギーが散漫になってしまったというか。

    役者の皆さんは、以前に観た時よりずっと「役」の人でした。
    これは凱旋公演ならではかな。
    特に、森田剛さん、素晴らしかった!


    そして、美しい日本語、は、日本の誇るべき文化だと思いました。

  • 満足度★★★★

    タカ&トシのトシ
    遠めでトシに見えた、声はサバンナ高橋か?
    原作読んだのははるか昔、多分こんな感じでしたよね。
    でも翻案、演出はいい感じでした。
    チケット安く手に入れたのでめでたし。

  • 満足度★★★★

    観られて良かったと思う舞台でした
    今日の2階席は、私の列以外は、全て、男子高校生の団体。

    行った時には、あれ、大変な日に来ちゃった!と正直、思いました。
    クラスの男子の名前を覚えてしまうくらい、開幕前は、大声で私語が飛び交っていました。後ろの子は、「ヘッドフォンで、音楽聴いてようかな」「うん、バレないんじゃん」とか言ってるし、どうなることかと思いました。

    ところが、これが始まってみると、皆が集中して、舞台に見入っているんです。これには、ビックリ!

    完全に、亜門さんの演出勝ちでしょう。

    この手の演出舞台は、過去に何度か観ていますが、これだけの大きな舞台で、空間のあそびを感じさせずに、物語の進行を観客に無理なく浸透させた演出舞台には、たぶん初めて出会いました。

    遙か昔の若かった時に読んだだけの記憶で、どこまで原作と同じで、違うか、よくわかりませんが、あの当時、よく理解できなかった主人公の想いが、この舞台のお陰で、体感として、感じることができました。

    高岡蒼甫さんの存在感が、群を抜いていました。

    ネタバレBOX

    音と、視覚と、映像と、簡易な大道具セットを巧みに使い、全体的に、大変スタイリッシュな演出でした。

    ただ、想像で見せる演出と、リアルな効果音にややギャップを感じました。

    1幕の終わりが、衝撃的で、皆固唾を呑んでいた割には、2幕の展開は、やや冗長や蛇足を感じ、特に、最後の場面近くなってからの回想シーンなどが、せっかくの作品を一気につまらなくした気がして、その点が残念でした。

    金閣寺の表現と照明の色合いは、とても良かったと思います。

    憧れの親友だった鶴川の死に直面し、自分の生き甲斐を失ったように哀しむ溝口の想いに共感し、思わず涙が出る自分に驚いたりもしましたが、それにしても、思春期真っ只中の男子高校生に挟まれての、こういう内容の芝居の観劇は、大層緊張するものですね。
  • 満足度★★★★

    良かった
    普段小劇場しか観ないのでオペラグラスの重要性がわかった。
    原作未読だがあらすじをおさえて観劇。
    スケールの大きい舞台装置に圧倒されたり、小道具を使った演出が好みで長時間の上演も集中が途切れなかった。
    金閣寺の表現がとても面白かった。
    原作の知識がなかったが十分に楽しませてもらった。

  • 満足度★★★

    期待してたより良い!
    ひょんなことから観劇することになったので、あまり期待せずに行ったのですが、思いのほかよかったです。
    主演の森田くんはV6のアイドルとしての イメージが強かったので、たどたどしいしゃべり方がきちんと出来ていて驚きました。
    個人的に中越典子と高岡蒼甫の演技が好きでした。
    ちょうど、演出の宮本亜門さんのトークショー付の回で、宮本さんもおっしゃっていたのですが、やはり原作を理解していて、初めて分かる作品に仕上がっている気がします。
    ただ、原作から変わっている場面もあるので、忠実性の期待はしない方がいいかもしれません。

    ネタバレBOX

    久々に大きな劇場で演劇を観たので、演劇の本質について考えさせられました。
    ホールも大きいし、客席も舞台から離れているので、大きく見せる必要性も重々理解しているつもりですが、逆にセットや音響の爆音で誤魔化された気もします。(特に溝口の心境を表現する時)
    セット自体圧巻で、分解されていくのもすごいのですが、なんていうか「派手」の一言で片付けられてしまう気がします。

    個人的には照明と、道具の机といった細々としたものの使い方が好きでした。あぁいうのは小劇場に慣れている人たちになんとなく親しみやすさを与えてくれる気がします。

    ともあれ、観れて良かったです。
    森田版「金閣寺」はどうやら今回で最後らしいので、今後別のキャストで宮本さんがまた演出されるのであれば是非観てみたいです。
  • 満足度★★★

    暗いけど後味はいい
    最初は寝そうになりましたが、役者の演技と、装置、照明が良くて目が覚めました。
    とくに電車のシーンは電車の一部と流れる景色だけで移動を表していて素敵な装置だと思いました。
    森田剛が思いの外すごくうまくて、おどおど感がよく出てました。
    でも一番存在感があったのは高岡蒼甫で、よく響く声で台詞回しもうまく、足の不自由な様子も完璧でした。
    内容は暗くて屈折した人ばかり出てきますが、ラストを前向きな解釈で終わらせたので後味はいいです。

  • 満足度★★★

    原作とは別物
    美と自意識について悩む青年の思いが手記の体裁を以て流麗な文体で描写された、三島由紀夫の名作の舞台化で、商業系の劇場にしては先進的な演出が印象的でした。
    視覚的、聴覚的に多くの趣向が盛り込まれていて、休憩込みで3時間弱と長めの上演時間の間で飽きることはありませんでしたが、小説の文章から立ち上がって来る濃厚な味わいは感じられませんでした。
    物語自体を楽しむのではなく、原作を読んだ上で、様々な場面がどのように作られるのかを楽しむ作品だと思いました。

    開演前から役者達が『金閣寺』の為とは思えないデザインの舞台上を行き来し、セットは椅子やテーブルを組み合わせて表現しながら第1幕は概ね原作通りに話が進み、第2幕中盤から原作とかなり異なる演劇的な演出で畳み掛けるという構成になっていました。
    かなり話を端折ってダイジェスト的な構成にしていたので、原作を知っていないと話の流れが追い難いと思いました。個人的に重要に思える場面が省略されていたり、省略した部分を繋げるために原作にはない設定や場面があったりして、違和感を覚えました。特に「認識」と「行為」についての思索がかなり削られていたのが残念でした。

    学生の溝口、鶴川、柏木を演じた若手3人はそれぞれのキャラクターが確立されていて、想像以上に魅力的でした。足が不自由でありながら強気に生きる柏木を演じた高岡蒼甫さんが特に良かったです。意外な役を演じ、さらに様々な効果音を声で表現していた山川冬樹さんの存在感が強烈でした。大駱駝艦のメンバーによるアンサンブルも細かいところまで作り込まれていて、観ていて楽しかったです。

    映像、照明等のスタッフワークがスタイリッシュで良かったです。特に小野寺修二さんによる振付はいわゆるダンスではなく、舞台の進行や転換と密接に繋がる動きで構成されていて、素晴らしかったです。
    ただし、音響に関してはBGMや効果音を多用していて、視覚的表現に比べて安易な表現に感じました。

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