Caesiumberry Jam 公演情報 Caesiumberry Jam」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
21-40件 / 45件中
  • 満足度★★★★

    あの村には
    「愛」がありました。
    愛する人と一緒なら住むところなんて関係ない。
    愛する人との思い出がある場所ならずっと住んでいたい。
    あの村の人々にじわじわと染み込んでゆくそれのように、
    私の心にも観たときよりも時間の経過した今のほうがじわじわ染みてきている。
    明日も明後日もきっと考え続けてしまうのだろう。
    時が経ってこのことを思い出さなくなったとしてもきっとずっと忘れることはない。

  • 満足度★★★

    谷賢一の世界が全開
    作演出の谷氏の今の演劇的・世の中的な関心が凝縮した舞台だったように感じた。だから、というわけでもないが、谷氏の作品を観たことがあると、全体の雰囲気に既視感がある。彼ならこう作るだろうという部分が想定範囲内に思えてしまう。

    ネタバレBOX

    子供役の俳優の演技の演出が狙いすぎで好みではなかった。

    土の持つその場所感はすばらしかった。
  • 満足度★★★★★

    フィクションだけれど…
    限りなく現実に近いんだろうなぁ…と思うのは、今だから?
    4年前に観ていたのならそう思わなかったかも。

    役者さんたちはみんな素敵。
    中でも堀さん中村さん石丸さん百花さんたち女性陣が特に。

    観ている最中よりも、後からいろいろ考えさせられる。

    終演後の舞台を眺めていたら切なくなった。

    ネタバレBOX

    上下左右は朽ちたような木材で囲まれ、背景は白い布、舞台上には土が。
    開演前から、どんな光景が繰り広げられるのかワクワクする。

    2人がネガを光にかざすとバックの白い布に背景が映し出され、当時に。
    前半は希望に満ちて明るい笑いが。
    話が進むにつれ残酷な現実(ではないかもしれない)をみせつけられる。
    「わたしはしらなかった」なぜだかとても胸がざわざわする。

    始め、「今」の場面では土がよけられて白い場所になっていたが、いつの間にか過去と同じ土の上に。
    今は過去のあの場所と同じになっているのか・・・とぐるぐる考えるが、よく分からない。

    観終わってから、無性にくるりのWORLD'SENDSUPERNOVAが聴きたくなり、聴いて少し泣いた。
  • 満足度★★★★★

    チェルノブイリ原発事故のその後を題材に
    舞台には湿った土が盛ってあり、この土が壁をスクリーンに見立てた映像に見事にマッチしてリアルな雰囲気を醸し出す。映像なくして物語は成立しないほど、時の流れの残酷さを描写していた。登場人物の名前から察するとやはり場所はロシアの片田舎ナジロチ。原発事故から30km離れた村での情景を綴った物語。クリニカ演じる中村梨那の子供子供した元気溌剌な表情や行動がとっても素敵だ。ナターシャ役の石丸さち子のおっかさん的な演技力が群を抜いて秀逸。惜しむらくはジーナ役の加藤泰子が少々あがってたようでカミが目立ち、ギクシャクしていた。後半は良くなると思うが・・。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    前半、コメディかと勘違いするほど、笑いのネタ満載。後半はゆっくりと弧を描くようにシリアスになっていく。こういった構成は相変わらずお見事だった。

    1986年5月、原発事故は起きた。そこから30km離れたナジロチでも禁止区域のようだが、ここにこっそり数家族が暮らし、自らで学校のような場所を確保して子供たちの教育もしていた。舞台の始まりは元気な彼らが和気あいあいと暮らす情景を描写し、いかにもヨーロッパ的な香りで舞台を満たす。

    そんな彼らを使者(保健省の小役人)が視察し指導をするのだが、言う事を聞かない住民はいつものように数種のベリーを採取してジャムを作り食し、木の実でワインを作り飲んで人生を謳歌していた。タイトルのセシウムベリージャムは、高濃度に汚染されたベリージャムという意味だろう。

    クリニカは六指の手を持ち、うさぎは片足の奇形が生まれ、やがて誕生した新生児は、無脳症だった。無脳症児は妊娠26日くらいにビタミンAの大量投与、葉酸の摂取不足が一因と言われているが、セシウムでもなるのだろうか?

    やがて、彼らはひとり、またひとり・・といなくなってゴーストタウンと化してしまう。愛していた夫を失ったリューダの想いや彼らと関わった思い出をカメラマンの記憶として描写した劇だったが、悲惨な景色や獣奇的な風景はない。ただただ淡々と綴っていった物語だ。人々がそこで暮らし、笑い、酒を飲み、幸福だったそれらが崩壊していくさまをまるでドキュメンタリーのように描写していた。その写しには作家の意図は何も感じられない。また訴える言葉もない。けれどその静かなる叫びはそれで充分なのだ。

  • 満足度★★★★

    チェルノブイリの記憶
    4年前の作品の改訂版だそうですが、あまりにタイムリー。遠い国のお話でなくなった現実を考えると悲しい。メッセージ性が強すぎて、芝居として観るには重かったです。

  • 満足度★★★★

    ほぉ…
    どれも素晴らしかった。

  • 満足度★★★★★

    怖かった
    重いお芝居だった。

    とても4年前に上演されたとは思えない。

    あらためて、放射能汚染や原発問題について考えさせられる。
    演劇が少しでも問題提起になれば、と思わせる作品だった。

    ネタバレBOX

    セットに土が敷きつめられていて、汚染土を連想させた。
    音楽が一切無く役者の演技力が光る。
    リューダのセリフでワーシャが衰弱していく様子がリアルで恐ろしい。
    ラストに出てきた女の子はクリニカ?リューダの子?
    査察官を待つ兄弟のシーンがとても良かった。
  • 満足度★★★★★

    自分ならどうするのか
    過去の事故をモチーフに、放射能汚染された地域がいかに無視され、いかに滅びていったかを描いています。ジャーナリズムとは違う演劇のおもしろさは、目の前の役者の台詞、動きを見ながら「こういう立場に立ったら、自分はどう行動するだろうか」という想像力を、リアルに駆使できることです。この芝居は、舞台の特性を最大限生かしています。

    この芝居のよさは、人々の心の豊かを深く表現している点です。豊かなものが、実感を持って失われていくところに悲劇がある。だからこそ忘れられない芝居といえるでしょう。タルコフスキーの「僕の村は戦場だった」を思い出しました。

    ネタバレBOX

    土といすだけのシンプルな舞台装置ですが、高度に計算されています。細部の話ですが、カメラやバッグをもう少しプロっぽいものにするとか、役人が小成金的な時計をはめるとか、小道具を工夫するのも面白いかな、と思いました。ベリージャムを煮て、時折、わずかに香りを感じさせるのもありうるかと。ベラルーシやロシアではそんな感じのにおいがするのです。
  • 満足度★★★★★

    今でもどこかで起こっていそうな
    今、日本のどこかで起こっていそうな、今後、日本のどこかで起こりそうな話でしたね。恐ろしい。初演は見ていませんが、今回の方が絶対にインパクト大なはず。

  • 満足度★★★★★

    お土産(宿題)一杯、胸一杯。
    たくさん貰って帰って来たって感じで、言葉に困っています。

    特に、コミュニティを拒絶して生きてきた人。
    コミュニティに拒絶されて生きてきた人。
    自分の愛情に自信が持てない人。
    ぜひ、観てみてください。
    もちろん、答えなんて出ないんですけど…。
    でも、自分の世界に今まで無かったものが、伝わって来るんです。

    登場人物は多いので、早めに座席を確保してパンフでの予習をお薦めします。

    それにしても。
    谷さんの演出は、前回の「モリー・スウィーニー」を経て一周り懐が深くなった気がします。
    ニビ色が深くなって行くと何色になるのか、楽しみです。

    ネタバレBOX

    確かに御題はチェルノブイリですが、あくまでも要素の一つと感じました。

    人智の無力と組織の不条理は、古今東西世の常。
    でも「分かっちゃいるけど離れられない、愛着や愛情」について、こんなにズッシリ伝わって来たのは初めてです。

    ドキュメンタリーじゃなくて演劇だからこそ、これが出来るんだと思います。
  • 満足度★★★★

    私たちの話となった。
    セシウムって何?って感じの4年前に見ていたら、たぶん「ふ~ん、そうなのね。」って冷静に見ていられただろうけれど、今は違う。これ、もしかしたら私たちの10年後?!って、思ったら、ほんとに恐ろしくなった。私たちも目に見えないから見ないようにしてるだけ。

    ネタバレBOX

    あの検査官は東京に何しに来たの?最後までわからず。遊びに?
  • 満足度★★★★

    愛の話だと思いたい
    時節がら生々しくなりそうだなぁと思っていたら、
    現代の寓話とも取れる作品だった。
    なるほど、パンフは買ったほうがいいね。

    ネタバレBOX

    イキウメ窪田道聡がゲストの回を観劇。
    すっきり絞って艶やかな堀奈津美とのシーンは実に絵になる。
    「大丈夫か!藤尾姦太郎」と勝手に心配になった(笑)
  • 満足度★★★★★

    Caesiumberry Jam
    面白くもあり上手くもある舞台。
    1986年の大事故後、30km離れた農村に生きる人々の生き様を、薄暗く映し出す快作だった。

    開演前の舞台は一面敷き詰められた土と1台のテーブルというの質素なつくりで、観劇後は小道具が散乱し、荒れ果てて誰もいなくなった寂寥感が充満していた。

    タイトルの「Caesiumberry Jam」。なんとなく惹きつけられる響きだった。

    ネタバレBOX

    大事故後のナジロチ村を取材したカメラマンと、民生委員が2006年の東京から写真を通して過去を掘り返す。そこには、大事故で深い傷をおった(負いつつある)明るい村民の姿があった‥。
    この過去への遡りが、1991、1993、…というように間をあけて行われる手法でとても上手いと感じた。その間の描写をなくすことで時間の経過をしっかりと表現し、村から人がいなくなる場面を際立たせている。

    序盤から明るくpopな空気でもあるが、その後ろにある凄惨な事実がいつ顔を出してくるのか、恐る恐る観ていた。終盤のリューダ(と夫)のくだりとか、一番恐ろしかった。

    演技はみな上手いと思うが、クリニカ役の中村梨那の子供演技が特に素晴らしかった。あと、ナターシャの石丸さち子。いや、みんな上手いんだけど。
  • 満足度★★★★★

    今も
    一夜あけた今日も作品が脳内リプレイしている

    題材の重さではなく、描かれていた命、愛、強さ、弱さに身体も思考も絡めとられてしまった昨日
    写真は、ファインダーを通して被写体へのカメラマンの心情も撮ると聞いたことがある

    だから、余計、人間が私には浮き彫りになった

    そして、この内容であの猫の存在感は強烈だった

    初演は4年前だとか、劇団新感線が髑髏城の七人を7年ごとに再演しているが、この作品も4年ごとに再演でみたいですね
    あと、パンフレットは是非手に入れて欲しい

  • 満足度★★★★★

    これは,是非お勧めしたい!
    ひょっとすると,2011年を代表する作品になっちゃうんじゃないか?って途中から思いながら観てました。
    細かいことは他の方がうまく書いておられると思うんでそちらを御覧頂きたいですが,小劇場とか演劇とかの大切なところと自分が思うところとして,風刺・皮肉などとともに,時代感覚が挙げられます。
    先見性も時には予言と映ります。
    失礼ながら,劇場型結婚式?谷賢一なにしてんの?とか思ってましたが,初観劇ながらこれは恐れ入りました。ナニか持ってるわ,この人。
    次作にも大いに期待いたしております。

  • 満足度★★★★

    泥くさい
    その事実をひた隠すように、まるで何事もなかったように生きる人々。 
    しかし時が経つにつれ否応なしにも悲惨な現実を受け入れなければならない。 

    なぜもっと早く向き合わなかったのか、現実から目をそらしてはいけない、
    しかし生きることはとても泥くさいことなのだと、まざまざと見せつけられました。 

    テーマが重いだけに、序盤、中盤の登場人物はかなり明るい! 
    特に子供役の中村梨那さん、元気な児童で見ているだけでホントに微笑ましかった。

  • 満足度★★★★★

    あわわ
    この作品を4年前に描いていたという事実が恐ろしい。

  • 満足度★★★★

    引き込まれました。
    カエラマンのように俯瞰で見ているようで、いつのまにか引き込まれました。セット、役者さん、物語、そして終演後に配られたパンフ。最後の一言だけはまだ引っかかっていますが、凄く決まった作品だと思います。

  • 満足度★★★★★

    すっきりとした後味の悪さ
    待ちに待ったダルカラの再開公演。まずは復活おめでとうございます!

    内容も期待を裏切らない、素晴らしい作品でした。
    パンフレットも是非手に入れてもらいたい(笑

    ネタバレBOX

    どこまでが戯曲でどこまでが真実かがまったく分からない(笑

    終わり方は暗転後カーテンコールも後説もなく「えっ、あっ終わったんだ・・・」と言う感じ。
    劇場を出た後もなんだか芝居を引きずっている。
    「舞台が終わっても、登場人物の生は続いている」と言う狙いの演出なら、栗山民也の「かもめ」を彷彿とさせる。

    帰りの電車でカラーパンフレットを見ると、登場人物一人ひとりが実在しているようで、これが実際の話かと思うとぞっとした。
    と同時に谷さんの緻密な取材に敬意を表した。

    が、これを書くにあたり、パンフレットにある日本人写真家の名前や作品を検索するも、全くヒットせず。
    果たして真相は如何に!?

    あのパンフレットすら戯曲の一部なのか!?
    現実的な嘘か、嘘のような真実か。
    どちらにしろ、やはりすごい演出だと思う。

    タイムリーな話題でもあり、必ず見て欲しい。
  • 満足度★★★★★

    パンフレットも ぜひ
    今日と、
    いつかの後の日にと、
    で、観て感じることが違うかも知れない と、思う 公演な気がします。

    この舞台を、 観たほうが いいと思います。

このページのQRコードです。

拡大