「エダニク」「サブウェイ」 公演情報 「エダニク」「サブウェイ」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-20件 / 25件中
  • 満足度★★★★

    勿論「エダニク」の一点張り!
    作“横山さん”、演出“上田さん”、“夏さん(椅子の座り方を含め、チャラい青年実業家)・原さん(何気ない素振の全身演者)・緒方さん(成りきり職人さん)”適役お3方の演技を含め、全く申し分の無い秀作。以前、「食の安全」を勉強していた頃、食肉加工センター(最新鋭設備導入)の見学会に参加した事を思い出しながら観させて戴きました。最後は、若き事業家“夏さん(元クロムモリブデン)”が、真摯に職人“緒方さん”の教えを乞う為に、作業場へ向かわれたもの・・と思います。
    本作は、確りとした取材に基づいた渾身作で“横山さん”の引出の多さに驚かされました。何時観ても飽きない作品作り、これからも期待しています。併せて「売込隊ビーム」の無期活動休止明けを切に望んみます。
    <アフタートーク等>
    「芝居流通センターデス電所」“竹内さん”舞台全体が血糊ベッタリの展開を予想され(結果:ハズレ)、御自信の演出であれば必ずその様に演出されるとおっしゃっていましたが、本作で使われた「牛の延髄(実際に牛の他の部位を購入され使用)」等グロテスクなものに関しては、気持ち悪いので「NG」と、常人の理解を超えた?演出への拘り・・、そして「劇団鹿殺し」“丸尾丸さん”、“原さん”と同じく関西学院大の御出身で「劇研究部」と「サークル」の違いこそあれ【ガチ・タメ】との事、相変わらずの生真面目そうなお人柄を表すコメント・・等々、本作の関係者各位を含め個性の豊かさを垣間見る事が出来た、とても面白いイベントでした。
    出口ロビーにて「クロムモリブデン」の“久保貫さん”をお見かけしました。舞台と同じく、熱く語っておられました。
    <ハナモズクさんのコメント>
    幼い頃、実家で両親と祖母が赤牛を食用として育てていました。愛情一杯に育てていましたが、農作物が不作の年は生活していくために・・、牛の解体の細かなところまで描かれ、脚本・演出、役者さん達の演技もとても旨く、良い芝居でした。☆4

  • 満足度★★★★★

    『サブウェイ』
    進化論と歴史観から現代を見直した「失われた20年」に対するひとつのアンサーとしてみた。観念的でありながら人類愛にあふれ猛烈な独創性とエネルギーを惜しみなく発揮した超大作。

    ネタバレBOX

    『地下鉄』を利用する人々の群れ。
    そのなかから年齢・性別・職種・行動パターンの異なる7人(30代の保険屋、大学生、女教師、フリーター女、バイト君、看護師、図書館司書の女)の
    月曜日から日曜日までの一週間をインタビュー形式のモノローグとして一日一人づつカメラは捉える。

    レンズを向けられた人々は、各々の属性と近況について語る。
    本音を吐露するような深刻な素振りはみせず、飄々としてはいるものの、
    しかしどこか空疎で心、ここにあらず。といった感じ。

    そんなポーカーフェイスな人々のイメージは白い装いという形で具象化され、
    清潔で無機質、そしてほんの少しの冷たさを醸し出す。

    彼らの心理、アイデンティティは如何なるものか。そのルーツは一体どこにあるのだろう。

    それを突き止め、ドキュメンタリータッチで映画化しようと試みる一人の外国人映画監督の果敢な挑戦が、完成試写会の舞台挨拶というシチュエーションからドラマ仕立てで語られる。

    また人間があくせくとなかばルーティーンワークで一週間をこなしている日常の最中、時同じくして一週間で天地を創造した神(創世記)について触れ、進化論も並列される。

    更に近未来の視点から過剰供給される情報や行き過ぎた消費社会に毒された現代にフォーカスを当て『この時代は無意味だ』とぶった斬る。
    そして、そんな世界をつくってしまったことは紛れもなく人間の責任である、ということも。

    もともと『ひとつ』だった世界に多くを望んだひとびとはやがてバラバラになって気持ちを伝えあうことすら困難になってしまった。
    しかしそのことにすら、目を向けず、目先の利益のためだけに動いている。
    そんな世界はあまりにも絶望的だ。
    ではどうしたらいいのだろう。
    正解がみつかればきっと誰も苦しみを味わうことはないのだろう。

    作品は聖書の約束の虹を誰かがぽつんとひとりごとのように呟いて終わる。

    現実的には綺麗ごとだけでは済まないことだらけで、出口のないトンネルを行ったり来たりするような閉塞感に包まれているけれども、昔も今もぜんぶ『おとぎ話』なんだっておもえれば、少しは気がまぎれるかもしれないし、それがすくわれる方法なのかもしれない。なんて。
  • 満足度★★★★

    サブウェイ
    「サブウェイ」の意味は、それがすべてではないよねぇ?という疑問

  • 満足度★★★★★

    二日に分けて。「エダニク」「サブウェイ」
    この真夏の極東フェスティバルと言う企画。
    どーしようもなく両極端な劇の組み合わせで、
    それがまた面白かった。

    ネタバレBOX

    ・エダニク
    まさにストレートプレイ! と言った感じで、
    純粋な現代口語演劇。だと思う。

    脚本の力強さと役者の技量があいまって、
    とても見ごたえのある作品でした。

    ・サブウェイ
    しっちゃかめっちゃか分け分からん感じ。
    最後にサブちゃんウェイというとんでも結論もとびだして。
    結局のところ、意味なんか求めたら負けなのか。

    随所に散りばめられたシーンは面白く。

    見ていたのはドキュメンタリー映画。
    引き込まれて、知らぬ間に終わる。
    それでも日常は続いてく。
    そんな感じ。

  • 満足度★★★★

    サブウェイを観た!
    関西の注目ユニット、真夏の會と極東退屈道場が合同で東京に進出し、王子小劇場で素敵な公演を行った。私が観たのは極東退屈道場の方。


    うまい役者が揃っていて、一人芝居をつなげたような構成の作品だが、それぞれが一人で場を持たせる力を持っていることに感心した。全員素敵だったが、特に後藤七重とののあざみに魅力を感じた。

    真夏の會も私の周囲では大変評判がいい。見られなかったことが残念でならない。

  • 満足度★★★★★

    【真夏の會『エダニク』 】シンプルで、美しいと言ってしまう、会話劇
    3人の役者のバランスもいい。
    しかも再演ということもあってか、台詞も役も身体にぴったりしていて、うまい。標準語と関西弁の関係もいいのだ。
    なんとなくのユーモアととぼけた感じもナイス。
    劇作家協会新人戯曲賞の講評でマキノノゾミさんが「満点」と言った意味がわかる

    ネタバレBOX

    関東のどこかにある、屠畜場の休憩室として使っている1部屋が舞台となる。
    登場人物3名で、シンプル。

    「美しい」と言ってしまいそうになるほど、きれいに台詞が組み合わされた台詞劇。
    3人(夏さん・原真さん・緒方晋さん)の役者のバランスも素晴らしい。
    「息」がぴったりと合っている、というのはこういうことを言うのだろう。
    「その人」が見えてくる。
    「人」がいる感じがする。

    スクエアの上田さんが演出というのも頷ける。スクエアがそうしたあたりをきちんと押さえていく劇団だからだ。

    また、劇作家協会新人戯曲賞受賞というのもよくわかる。
    そのときの講評で、マキノノゾミさんが「満点」と言ったのはこういうことだったのか、と。
    特に、関東を舞台としたことで、玄田の関西弁が活きている。関西の人が見てもそう感じないのかもしれないが、ツッコミの言葉がいいのだ。とてもいいアクセントになっている。リズムが出てくるというか。

    屠畜という仕事を通じて、「命」と「仕事」というキーワードのぶつかり合いになるのだが、そこが強くクローズアップされるわけでもない、微妙なバランスがいい。
    「仕事」そのものに込められている、さまざまな現実と想いが描かれていると言ってよいだろう。
    それに対しての疑問が、この仕事の場合の「命」であり、このキーワードを投げかけることで、屠畜という仕事(あるいは食)についてクローズアップするだけでなく、「働く」こと、「仕事」することに、意識が向かうのだ。

    職人として淡々と仕事をこなしながらも、プライドがあり、力量もある玄田、自分の仕事に対して、(家族との関係で)なんとなく負い目のようなものを感じている沢田、そして、やっと仕事に就いたばかりで、口先だけの青臭い理想を語る(しかし、その発する言葉には、根源的な重みのある)伊舞、彼らの三者三様の「仕事感」がそこに浮かび上がる。

    剥き出しな彼らのぶつかり合いが面白いのだ。駆け引きのような台詞が楽しい。

    とは言え、ギスギスした感じよりは、独特のとぼけたユーモアがどことなく漂うのがいいのだ。
    脚本もあるのだろうが、やはり、演出の呼吸がいいのではないだろうか。

    息子に認められたと(あるいは、思い込んで)喜ぶ沢田、怪我をさせてしまった相手に対して負い目を感じていた玄田は、今回の事件を通して、相手のことをもうあまり深く考えなくていいと思い始めたように見え、また、本格的に仕事の第一歩を踏み出した伊舞など、いろいろあったけど、また次の日がやってくる、というラストもなかなかいい。

    真夏の會、また観たいと思った。
  • 満足度★★★★

    両方の作品、観させていただきました。
    『サブウェイ』
    不思議な地下鉄の空間でした。地下鉄を舞台にお話しが繰り広げられるのかと思っていたら、予想以上に抽象的な舞台でした。
    空間の使い方や不可解な動きの取り入れ方が 面白かったです。見逃してついていけなくなってしまった要素もありますが…。
    広告くどいなと私も思いましたが、それほどのものに囲まれて生活しているのかなとも思います。
    『エダニク』
    こちらは具象で、ストーリーそのまま観ればよかったので、頭が働かない状態でも、楽しんで観られました。賞をとっただけのことはあるなと。物語がとても面白かったです。また、三人の役者がとても合っていて。笑いどころではないのかもしれないところまで、その真剣さを軽く皮肉るような笑いが出てきてクスクスしてしまう作品でした。
    自然でいやらしさのない、かっこつけたりしない劇でしたので、快く観られました。いやぁ、面白かったです。

  • 満足度★★★★★

    「エダニク」
    確かにこれは非の打ち所がない。緩んだシーンがひとつもない。ずっと味わっていたいような空間がそこにありました。

    戯曲は劇作家協会新人戯曲賞作なので出来はお墨付きとして、3人の役者が良い、演出が良い。これをサブウェイと一緒に東京に持ってきた制作も良い。

    中でも伊舞役の夏がすごい。ちょっと見たことないタイプの役者さんでした。

    終演後には肉喰いたいと思った。

    ネタバレBOX

    労働者男3人の物語という構造は、しあわせの会の傑作戯曲「力こぶ」(手塚とおる作 '94年)を思い起こさせる。
    しかし、あちらが男達の間に隠された様々な感情を徐々に暴いていったのに対して、こちらはお互いの立ち位置について徹底して無関心で不寛容なのである。それはもう開演から終始一貫して。
    それでいて終演後に感じる一種の爽やかさはいったい何なのだろう。
    それこそがこの戯曲の巧さなのかも。

    登場人物のお互いの感心の無さというのは、感情を排して作業に徹する屠殺の暗示であって、そこに家畜の意義を問う畜産農家の御曹司がやってきて場を掻き乱しても、そのお互いの立ち位置や無関心さは揺るがない。いや、そんなもので揺らぐほど現実は甘くないのだ。
    それは翻って我々の現実でもあるわけで、日常の会社組織や、原発や、政治や、いろんなものに我々は麻痺して無関心で生きているのかもしれない。

    アフタートークでのゲストの柿喰う客・中屋敷氏の分析にはとても感心しました。
    東京以外の演劇をもっと見たいと思ったよ。
  • 満足度★★★★

    安心感と緊張感
    舞台装置は、みすぼらしい限り(あえて?)なのですが、それをもってしても、収穫ありの観劇でした。
    台本、そして役者の演技力、この両輪がしっかりしていると、安心して劇の世界に浸ることができるものです。
    今回は、そのどちらもが満足のいくものでした。

    会話中心の劇、といってもいいのでしょうが、それを楽しむと同時に、いつ「爆発」するかもしれないという緊張感も一緒に体験することができて、あっという間に終わってしまった感がありました。
    とりわけ、「沢村」役の原真さんの演技力に惹かれました。よどみない台詞を、ひとつひとつ抑揚を変えたり、間をとったりと、これこそ「プロだなあ」と思わせました。

    屠殺場という舞台だけに、内容的に難しいところもあったことだと思います。ただ、その点については、意図的か、または無意識にか、さりげなく「流した」感じがしました。(「差別問題」が絶対ではありません)

  • 満足度★★★

    「サブウェイ」
    悪くは無かったが、長いなと感じた。あと、ちょっとごちゃごちゃしすぎな印象。一見シンプルなのが好みなので。

    ネタバレBOX

    エダニクの3人が映画の予告を鑑賞しているという小ネタあり。ここから映画が始まる(開演)という趣向。こういうのは面白い。
    映画監督へのインタビュー(ここは映画の一部ではない?)で、「(この映画は)エンターテイメントなのかドキュメンタリーなのか」という問いがあったが、観劇後、エンターテイメントでありドキュメンタリーでもあるなと思った。

    内容は、地下鉄を利用している人間のインタビューとその生活を描いていくもので、主軸は風刺にあると感じたがどうなのだろうか。
    それぞれの芝居は結構面白く感じた(好みでもあった)ので、全体の流れというか構成が合わなかったと思う。毛嫌いするほどでもないけど、ちょっと疲れた。
  • 満足度★★★

    「サブウェイ」
    思っていた感じと違った。
    地下鉄で通勤する人々の群像劇だがイマイチ引き込まれず。
    CMのパロディとか長すぎて疲れた。
    「サブウェイ」のオチが・・・。
    ダンスシーンや地下鉄の表現とか素晴らしいところはあったが、全体的に退屈道場だった。

    前説的な『エダニク』の出演者パフォーマンスが面白かった!!
    『エダニク』に興味を持ったが日程が合わず断念。

  • 満足度★★★

    サブウェイ 漠然
    一晩寝かして頭を整理してみましたが,漠然としすぎていて意味が掴みきれません。断片が散らばりすぎていますが,祭りやバベルの塔,約束の虹あたりで何となくこういうことが言いたいんではないか?とは考えましたが,それまでの断片がそれとは嵌らないのです。全体を通して面白くなかったわけではありません,もちろん退屈などしてはいないのですが,モヤモヤしている。なんか消化不良です。というわけで,初めて芝居を観る方には勧められないと思います。あと,女優さん,結構キレイな方が思いっきり変顔していましたが,根性ですね。

  • 満足度★★★

    サブウェイ?
    タイトル「サブウェイ」には隠された秘密があった。

    ネタバレBOX

    でも、北島三郎 Way ってそれはないでしょう。

    ストーリーはあるようでないようで、CMネタなどのパロディをたくさん取り入れたコント集的不思議な舞台でした。

    言いたいことは何か、どう解釈すべきか、さっぱりわからなくて、考えずに観ればいいのねと思いつつもCoRichに何を書こうか迷っているうちに答えが出ぬままエンディングが来ました。
    悔しくて家に帰ってWebで出演者紹介ページを観てみると、なんと役者さんたちも「わけわかんない」んですね。安心しました。でも悔しいです。この劇は難解さで観客に印象付ける逆説的表現方法を採用しているのでしょうか。

    役者さんは個性的な方々が多く皆さん熱演されており、観ていて楽しかった。長くて早口のセリフも滑舌良くこなしていましたね。
  • 満足度★★★★★

    「エダニク」
    笑いと真剣演技が絶妙にブレンドされた3人芝居。見事でした。

    パンフの「再演にあたって」が面白い文章だった。クスッとした。んで、制作費80万(相場知らないけども)、役者3人+音響照明舞台2人の5人という、シンプルスマートな舞台らしい。
    「いつでもどこでも高品質」という言葉に大きく期待して観劇したが、とても満足できた。

    ネタバレBOX

    とある屠殺工場の休憩室。妻子を持つ沢村(原)と、ベテランの玄田(緒方)が飯を食べているところへチャラそうな若者(夏)がふらっと入ってくる‥。

    若者(伊舞)の、チャラ演技が上手くニヤニヤしてしまうが、沢村の上からトーク→お得意先の御曹司発覚にふきだしてしまった。まあ、そうなるよねと思いつつ。そんな笑いの雰囲気を持ちつつ、今度は伊舞と玄田のカラミが始まるも、今度はシリアスな香りが漂いだす。
    御曹司でチャラい伊舞+働き口を気にする沢村+無くなった(とされる)延髄の処理に困り、友人(林?)を気にかける玄田の3人がそろってからは、舞台がよりヒートアップし、食い入るように観ていた。そんな中でも、夏のしゃべりとかがコミカルでなぜか笑えてくる。
    シリアスな進行の中に笑いを入れるのは好きでないのだが(なんか舞台の熱が冷めてしまうように感じるため)、この舞台はそれを感じさせない巧みさのようなものがあった。演技が上手かったからなのか。

    ちなみに、玄田の「命をこっちに押し付けるな!」という言葉が印象的だった。
    アフタートークに登場したデス電所の方の、「ラスト、夏は玄田を殺しにいったんでしょ」という読みが面白かった。
  • 満足度★★★★★

    真夏の會『エダニク』観ました
    やはり関西の劇団にハズレなし。のめり込んでしまいました。屠場という微妙な立場の所を舞台にした発想が実にいい。かみ合わない会話が徐々に広がって、話が膨らんでいく様が秀逸です。大満足。

  • 満足度★★★★

    スリリングな『エダニク』(真夏の會)
    屠場の一室で繰り広げられる3人の議論が、小細工のない演出で描かれ、スリリングな会話に引き込まれて90分間があっという間でした。

    気弱で現実主義的な沢村、情に厚い職人肌の玄田、チャラチャラしていながら時折感情的になる伊舞、とタイプの異なる3人の優劣関係が入れ替わりながら展開するのですが、どの人物も単純に共感できるような性格には描かれていないので、3人の関係の緊張感が最後まで持続していて物語に強い推進力がありました。
    舞台上には登場しない人物も巧く話に取り込んでいて、物語に広がりが出ていました。
    職業差別や命の尊さなどのトピックにも触れていましたが、そこに深入りして情に訴えたりはせず、所々にコミカルな場面を盛り込みつつ価値観の異なる労働者の関係性にフォーカスを合わせていたのが清々しかったです。

    役者の声の大きさや間の取り方が絶妙で素晴らしかったです。特に時折見せる無関心なそぶりの表現が良かったです。
    舞台の上には机と椅子と電話のみしかなく、照明の変化やBGMは転換のときだけしか使わないという必要最低限な道具立てでしたが、3人の会話のやりとりが面白く、全く飽きることがありませんでした。

    今回合同企画をした極東退屈道場の様々な仕掛けが施された作品とは正反対のストレートなワンシチュエーションの会話劇で、対比が興味深かったです。

  • 満足度★★★★★

    堪能
    役者さんの熱量が同じって素敵だ
    ものすごく本も力があって、面白かった
    本編からアフタートークまでお腹いっぱい

    見られたことに感謝

  • 201108251500エダニク
    201108251500エダニク@王子小劇場

  • 満足度★★★★

    「サブウエイ」を観た
    舞台はかなり抽象的だ。序盤、なんとなく、むちゃくちゃでコント集のような感覚に陥るが、終盤にかけて、彼らの言いたいことはなんだか、神、世界の創世記、バベルの塔を引き合いに出し、観客にエラク壮大に感じるように騙す手法は、案外、レベルが高いのではないかと感じた。笑
    舞台は初心者向きではない。好き嫌いに激しく分かれる表現だ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台の描写は風変わりだけれど、世界の情勢や世相を映し出す。映し出す、と書くとまるで映像として画面を見るように受けてしまうが、画像は一切ない。役者がスクリーンに映る映像のごとく演じるのだ。どんだけアナログなんだよ。と突っ込みたくなるほどアナログ丸出しだが、表現する情報量は膨大だ。しかもものすっごく早口なので、ワタクシの耳が追いつかない。

    こりゃあ、楽しむ他ないな、とか考えて、腕組なんかしちゃって、ついでに足投げ出して、まるで姐御が若いもんを叱咤してるような体制。笑
    こなると異様なほどの迫力がある、らしい、ワタクシ。(緊張するらしい。(ある役者の後日談))

    そんなこんなで役者らは必死の形相で、一日目から七日、月曜日から日曜日までを台本どおりに演じ、虚構をまるで現実のように表現していた。
    ワタクシが好きだったのは図書館員とじいさんのとぼけた会話劇だ。このとぼけた感じがずっと続けばいいな・・。なんて腕組しながら上から目線でド迫力で観ていたが、新聞紙の紙ふぶきが舞ってきた時には、「やっぱりアナログだ。」なんて妙な親近感を覚えちまったよ。
  • 満足度★★★★★

    【エダニク】「タブー」にチャレンジした意欲作
    「エダニク」って何だろう?外国語かな?と思っていたら、
    「枝肉」のようだった。

    はじめは、職場の休憩室らしいテーブルと椅子だけの簡素な部屋で、
    男二人が登場し、カップ焼きそば談義という、
    いわばどうでも良い話から始まる。
    なんかユルイ話だな、こんなのをずっと見ていたらたまらんなあ、と思っていたら、話は次第に面白くなってきた。

    ネタバレBOX

    ここに若い男がもう1人入ってくる。
    口の利き方もイマイチだし、色々話してみると、
    どうもアルバイト以外に勤めた経験が無く、ニート歴が長い様子。
    職場の工場部分で何やらもめ事が起こっているらしく、
    社員のうち年かさの男は出て行き、若い方の社員と、ニート歴の長かった男の2人だけとなる。
    社員の方は結婚して、子供も1人いる33歳。
    ところが元ニートは30歳で3歳しか違わない。
    そこで、ついつい、「社会人の先輩」として説教を垂れる。

    ここまでの話から、この職場が食肉工場、つまり屠殺業であり、
    社員2名は屠殺に従事していることが次第に分かってくる。
    さらに、元ニートと思って小馬鹿にしていた青年は、
    実はこの食肉工場に仕事を出している畜産農家の御曹司であり、
    父親が社長、息子は今日は父の運転手役として来ていたのだった。
    それを聞いて、いままでの先輩口調が、敬語に変わる(笑)

    ここで、年かさの社員が戻ってきて、若い社員と交替する。
    ところが、この男は、得意先の御曹司と知っても、
    ぶっきらぼうな態度を改めないどころか、
    「お前のところは面倒な仕事を出す」とまで言ってしまう。

    完全に次期社長になる御曹司を怒らせてしまったところに、
    若い社員も戻ってくるが、会話はますます険悪になり、
    しまいには刃物まで登場する・・・。

    きれいに生肉に加工するために熟練と体力を要する職人的な側面や、
    ヘマをすると自身が怪我をしかねないという厳しい側面を持つ一方で、
    屠殺業従事者がやはり差別の目で世間から見られている側面等々、
    中々演劇のみならず他の分野でも中々取り上げられないし、
    言い換えれば取り上げにくいテーマを、しっかり捕えていたと思う。

    さて、これらのやり取りの中で台詞に登場するのが、
    屠殺従事者への色々の見方、考え方。
    畜産農家は、食肉として売り渡すために、牛や馬を丹精込めて育てる。
    しかし、それを食肉工場に売り渡す時は、
    やはり(多少なりとも)寂しく悲しいもので…
    せめて、心を込めて解体してほしいもの…。
    たしかにそうかもしれない…。

    一方、食肉会社に勤めていれば、一々悲しんだり哀れんだりしていては
    仕事もできないし、ほとんどの人は肉を食するのだから、
    肉を食べる人が屠殺従事者に偏見を持つのはおかしいだろう…、
    と思いながらも、やはり家畜が苦しみながら死んで行くのは確かだし、
    また、我が子の一言一言が気になったりもする。

    ちなみに、実は私はベジタリアンでございまして、
    肉を食することはあまり好まないのだけど、
    それは、例えば特定の宗教の戒律にしたがって、
    食べたいけど我慢しているという話ではなく、
    言わば単純に「私は食べたくない」という話なので、
    同席者が肉を隣で食べていても平気だし、
    他人にベジタリアンになれ、とも言わない。
    それに、もしも屠殺が悪いことと考えるなら、
    辛い思いで屠殺をする人よりも、他人に辛い屠殺をさせて、
    美味しく肉を食べる人の方が、一層よろしくないとも思っている…。

    やっぱり世の中には、地球規模では大規模な虐殺も無くなっていないし、
    日本でも、死刑執行、妊娠中絶、屠殺、動物実験・殺処分…と言った
    普段中々取り上げられない「闇」のような世界が、厳然と存在して、
    そしてそれらが日々行われているのも確かなのである。
    ある意味、私はこういう世界にも目を背けないでいたい、
    と勝手に思っている…演劇の素材となるかどうかは別として。
    以上、余計なことも書いてしまったが、
    それほどこの芝居にインパクトを受けてしまったという次第である。

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