「エダニク」「サブウェイ」 公演情報 真夏の極東フェスティバル「「エダニク」「サブウェイ」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「エダニク」
    確かにこれは非の打ち所がない。緩んだシーンがひとつもない。ずっと味わっていたいような空間がそこにありました。

    戯曲は劇作家協会新人戯曲賞作なので出来はお墨付きとして、3人の役者が良い、演出が良い。これをサブウェイと一緒に東京に持ってきた制作も良い。

    中でも伊舞役の夏がすごい。ちょっと見たことないタイプの役者さんでした。

    終演後には肉喰いたいと思った。

    ネタバレBOX

    労働者男3人の物語という構造は、しあわせの会の傑作戯曲「力こぶ」(手塚とおる作 '94年)を思い起こさせる。
    しかし、あちらが男達の間に隠された様々な感情を徐々に暴いていったのに対して、こちらはお互いの立ち位置について徹底して無関心で不寛容なのである。それはもう開演から終始一貫して。
    それでいて終演後に感じる一種の爽やかさはいったい何なのだろう。
    それこそがこの戯曲の巧さなのかも。

    登場人物のお互いの感心の無さというのは、感情を排して作業に徹する屠殺の暗示であって、そこに家畜の意義を問う畜産農家の御曹司がやってきて場を掻き乱しても、そのお互いの立ち位置や無関心さは揺るがない。いや、そんなもので揺らぐほど現実は甘くないのだ。
    それは翻って我々の現実でもあるわけで、日常の会社組織や、原発や、政治や、いろんなものに我々は麻痺して無関心で生きているのかもしれない。

    アフタートークでのゲストの柿喰う客・中屋敷氏の分析にはとても感心しました。
    東京以外の演劇をもっと見たいと思ったよ。

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    2011/08/28 23:41

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