日本の問題 公演情報 日本の問題」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-20件 / 38件中
  • 満足度★★★★★

    Aチーム観劇
    わかりやすく、面白く、深い。見て、いま、こんな世界に生きているんだと新鮮な感動を覚える二時間。そもそも「日本の問題」という企画が良い。1劇団20分弱で「日本の問題」という大きなテーマについて作品を作る無謀さは勿論ある。でも公演のチラシ見た段階から、各劇団の8様の想いが伝わって来て、その無謀さを超えた世界が見れるのではと信じて観劇。結果、想像以上の演出、言葉の力、役者の魅力。こういう世界の見方もあるんだとAチーム4劇団とも息つくヒマ無く感動しました。20分だと、時間的な制約から1アイディアで突き進むしかないけれど、とても刺激的。アフタートークも含めて充実した空間を満喫できました。

    ネタバレBOX

    アフタートークは当たりハズレがあるんでしょうか?僕の見た回は「永井愛さん」だったので、断然当たりでした。もっともっと話聞きたかったなぁ。

    作品の感想の合間に、「3.11」や大阪市長選に触れながら、我々にとって身近な政治との関わりについて、また情報統制の怖さについてお話されてました。「情勢を皮肉った喜劇のつもりの作品が、時間が経つにつれて喜劇でなくなる」というご自身の話が印象的でした。
  • 満足度★★★★★

    舞台でなければできないことがある
    仕事としてのすべての表現が、仕事の枠の中で規制された息苦しい世界で、唯一、演劇だけがそこにいる観客に向かって、自由な言葉をぶつけているということもできるでしょう。

    好き嫌いいろいろあります。でも「おかしいじゃないか」「なんかできるんじゃないか」という内面の声を、外に振り絞ること。言葉だけでなく、全身で。混迷する世界での演劇の可能性を見せてくれたイベントでした。

    舞台でなければできないことがある。それをすることで舞台の外も変わっていく。元気をもらいました。

  • 満足度★★★★★

    何故演劇で「日本の問題」を?
    という疑問も多少ありはしましたが、「このタイトルを聞いただけで誰もが日本の問題について少しでも考えるきっかけになる。それって素敵なことなんじゃない?」くらいの軽い気持ちで観に行きました。
    結果、純粋に「演劇」として高揚感を以って楽しめました。同じテーマで、同じセットで。8団体が全く違うアプローチで臨んできて、団体によって作品のクオリティに差はありましたが総じて満足です。4時間という上演時間が苦にならないほど楽しかったー!

    ネタバレBOX

    今回一番の収穫は、DULL-COLORED POP。
    最初はあまりの騒がしさに「え?」と思ったのですが、次第に18人の役者さん達が、その大人数にも関わらず驚くほど「統制された喧騒」を演じていることに気付いて、その演技能力の高さ、それを演出できる演出家の力に戦慄を覚えました。その光景は、まるでモーリス・ベジャール振付のバレエの「ボレロ」のようで。それはそれは美しく(いや、表現しているもの自体は美しくはないのですが)、人間の持つ力の可能性を感じさせてくれました。初めて見た谷さんの役者としての姿も◎でした。(素かも?)

    そして前評判を聞いて一番楽しみにしてたMrs.fictions。
    今村さんが「サヨナラサイキックオーケストラ」とは全くの別人で目を疑いました。3人の役者さんの掛け合いがおかしくておかしくて。面白かったー。

    そしてそして、もう大のお気に入りの、ろりえ。
    ここに於いてもまさかのバカっぷり(注:褒めてます)。ああもう、大好き。笑いすぎて死にそう。演出家と、多分その父親以上の年齢であるあのじじい(注:前回本公演の役名です)とが、嬉々として稽古してる場面を想像するとなんだかそれだけでも笑えます。重い演目が多い中、ある意味清涼剤(?)のようにも思えました。

    アロッタファジャイナは、物語としては非常にシンプルなのですが、作演が伝えたいことを役者さんが実感として身に着けていてそれを演技に乗せて確りと伝えられる、という役者力に引き付けられました。政治経済について分かりやすく説明し具体的に改善策を提案するというストレートな手法は一番ダイレクトにテーマを伝えてくれて好感度大。

    ミナモザとJACROWはずっしりと重い空気感を感じさせてくれましたが、ある意味「想定内」の出来の良さで、意外性はありませんでしたがその分安心して観ることが出来ました。しかしどちらも人間一人一人の「尊厳」を「問題」として提起していて、ちょっと似た印象だったかも。JACROWの女子高生可愛かったなぁ。
  • 満足度★★★★★

    無題212
    どれも面白かった。ヘンな意味じゃなくて、中学生あたりがみてどんな感想をもつのか、なんて思いながらみていました。何十億ものひと、それ以上の「生きとし生けるもの」、答だってさまざまなんだろうし、劇場に回答をもらいに行っているわけでもない。

  • 満足度★★★★★

    また観たい!!
    凄く良かったです。座談会を含めて良かったです。
    今回観たのがAチームだったので是非Bチームも観たいです。
    テレビに飽き飽きしていたので、興味深く観れました。
    学生の方も気になる!!

  • 満足度★★★★★

    AとB
    伝えようとする言葉と、 伝わらないのではと意図されていたのかしらな言葉とか、 私にでもわかるようなひびきの言葉が、 飛んでいました。

    それぞれの団体の色が なんとなく感じられて、
    いつかどこかで やっているならば、今度はどういうことを やるのだろうかと 思ってしまうかもしれないと 思ってしまいました。




  • 満足度★★★★★

    B班を観た。4本とも面白い。
    A班の後だったので、B班も同じ傾向になるのでは、と思っていたら、違っていた。
    B班は面白い。4本とも面白い。
    こういう別劇団によるオムニバスで全部が面白いというのは、なかなかない。
    20分なのに深みもある。
    これを膨らませたら本編できるのでないか、と思ったりもした。

    もし、『日本の問題』を観ようと思っていて、両方は観られないと思っている方がいたら、迷わずB班をオススメする。
    A班のみ観て「…」の方にもB班も観ては? と言う。
    もちろん、私の個人的な感想なので、「商品の効能や効果を表すものではありません」と付け加えておく。

    ネタバレBOX

    <ミナモザ『指』>★★★★★
    やや一本調子ながら、とても深みがある。
    多くの人の命が失われる中、非道な火事場泥棒をしている夫婦にとって、越えられるラインと越えられないライン。
    それは、極々個人的なものであり、「善悪」のラインとも違う、単に「モラル」という切り分けもできない、「感情」だけのラインだ。
    「誰の指だったら切れるのか」ということを考えてみると、…いや、考えたくもないけど。
    つまり、「自分のラインは、どこにあるのか?」を問う作品である。
    もちろんそれは「指を切る、切らない」ではなく、あらゆることに対しての、「自分のライン」を考えることになる。
    「善悪」ではなく「モラル」でもない「感情によるライン」のある場所を、だ。
    それはつまり、他者を思いやる感情にもつながるのではないだろうか。他者にとっても「感情によるライン」があるということだからだ。
    それが「あるということ」を「知る」ことは、社会で生活していくために、「最低限必要なこと」を「知る」と同等なのではないか。
    「日本の問題」は、そこから考え直していくべきではないか、というメッセージととらえた。
    後で述べるJACROW『甘えない蟻』と同様に、「日本の問題」と言う表層より、さらにいつにおいてもあり得る「人」のことを描いていた。
    何もない荒野の中にいる、2人が手を携えるラストは、美しい祈りのようにも見え、泣きそうになった。


    <アロッタファジャイナ『日本の終わり』>★★★★★
    テンポがとてもよく、それをあえてラストの動きのない演説に集約させていくところが憎いと思う。構造的にはチャップリンの『独裁者』を思い出してしまったのだが。
    この劇団の投げるボールは、内角ギリギリ、というか、ピンボールだ。
    「孤独死」から「一極集中」の解消を目論むのだが、「地方分頭(脳)」という(そういう言葉は出てこないが)、「地方に頭を配分しよう」という実にお節介で、思い上がった(笑)施策を考えたのだ。
    「頭脳の一極集中」は、作の松枝さんの実体験から発しているのだろうが、それを「地方に強制送還させる」というアイデアは、なかなかナイスである。
    「ナイス」と言うのは、「ピンボール」としての「ナイス」さなのだ。
    「地方に強制的に戻される」ということは、地方から出てきた者からは当然猛反対をされるだろう。もちろん、この演劇の稽古の間もそういう声が出てきただろうことは想像できる。
    また、地方から言えば、「何? 地方には頭がないだと!」いう怒りの声も上がるだろう。
    そもそも、「トップになれない、頭のいい人」というのは、その程度の人ということでもあるし、トップになることがすべてではなく、向き不向きもある。だからそういう人たちがうじゃうじゃいても、「だから?」なのだ。
    「手」「足」と言い切る人たちにも、「頭」は必要であり、逆になければ、「手」「足」だって効率的に機能しない。トップダウンがすべてではないのは、企業マネジメントを見てもよくわかる。
    そいう批判的な見方があることを、わかった上での、この作品なのだ。
    だから面白い。
    「廃県置藩」という言葉も発想も面白いと思う。のだが、いっそ、何もなくして「弥生時代に!」と言わないところが、経済の発展や近代化の歪みという導入だったところからの道筋として、いかにもロジックな印象を与えていく、という虚構への突入の仕方がうまいのだ。
    だから、この結論となるアイデアがどうした、こうした、みたいな反応は、作者としては、してやったりで、ほくそ笑んでいるのではないだろうか。
    女子高生から一気に首相のもとへ向かうストーリーも、女子高生の「ありそうな不幸話」も、引っかけのひとつであり、虚構の楽しみを演じているのだ。
    よく見ると、女子高生と友だち、そして彼女たちとその母親たち、首相と秘書がきちんとつながっていて、さらに、最後は女子高生と首相がつながっていく、という様は、実は「孤独死」と「人の人との分断」というテーマを解決していくこの演劇にとって、「あり得ない」設定だ。
    ここが大きな仕掛けなのだ。
    そして、そういう仕掛けを乗せて、20分突っ走る。
    結果、「問題」として俎上に上がることが狙いであり、「日本の問題」の本質はここにある、という強いメッセージがそこにある。


    <ろりえ『枯葉によせて(仮)』>★★★★
    突拍子もないオープニング。
    いや、全編、突拍子もないのだが。
    母子2組が1人の父を巡る物語。
    信じられるものは自分しかない、という世界。
    放射能なんて知らないし、(父)親なんて知らない。
    いじめられても、誰にもすがることはできないけど、やっぱり誰かを求めてしまう。
    「血」ではなく、「想い」のみが人と人を引きつける。ラストではやっぱり「血」なのかな、と思わせるのだが、そうではなく、それはストーリー上のお話でしかない。
    グリコ事件とか、端々に面白さを散りばめながら、会話の素っ頓狂さがとても愉快。そして、乾いた笑いは、放射能汚染にふさわしい。


    <JACROW『甘えない蟻』>★★★★★
    JACROWらしいヒリヒリ感のする会話劇。
    淡々としながらも、ちょっとしたきっかけで、ギスギスしていくところがいい。
    4人の声のトーンの絡み具合(低音な母親と高音な娘の対比とか)、方言かどうかの設定等々、巧みだ。緩急の呼吸もさすが。
    4人いて、実はまったく血のつながっていないのは、母親だけであり、その微妙さがもっと底流に太く流れているところを見たかった気もする。
    PCのモニターで父親からのメッセージが流れるのだが、これは観客を意識してのサイズだと思う。しかし、ここは、観客から見えるとか、見えないとかは無視して、送り損ねたメールが保存フォルダ内にある設定でもよかったのではないだろうか。内容をどう読み上げるかは腕の見せ所として。
    とは言え、吐き出して、最後に、この状況を引き起こした父に救われるというラストがいい。
    そして、娘が辛かったときに父親から譲られた人形を、辛かった父に捧げるという、ラストシーンにはとてもぐっときた。
    ミナモザ『指』と同様に、今の状況を舞台設定にしながら、その特異な状況だからこそ見えてきた「日本の問題」の「核」となるような、「人」、そして「人と人」をえぐり取って見せたうまさがあった。


    それぞれの「問題のとらえ方」については異論はない。
    作者たちが一番グッとくるテーマを選び、かつ、演劇として耐え得るか、を考慮した結果だからだ。
    だからテーマの選び方というより、「テーマへのアプローチ方法」「見せ方」のセンスが問われていたと思う。

    しかし、及び腰になってはつまらない。何かにターゲットをきちんと絞り、「発言」してほしいのだ。

    もちろん、「問題」に対しての、劇団側(作者側)との距離感や、観客側の距離感、スタンスがあるのも事実だ。
    しかし、このテーマで「今」やることの「意義」は、大きいと思う。
    そのチャンスを、すべての劇団に活かしてほしかったと思う。

    結果としては、(個人的なものだが)「テーマの選定」よりも、「演劇として面白い」ほうに軍配は上がった。しかし、それはイコールだった。
  • 満足度★★★★

    Bバージョンを観た。
    この日のトークは宇野常寛。誰か黙らせろ!と言いたいほど良くしゃべっていた。

    ネタバレBOX

    「ろりえ」はちょっとエロく「日本の問題」なんてどーでもいいわ、みたいな描写。正直言って、どーでもいい作品。
    「ミナモザ」があまりにも素晴らしい。人間の生命を維持するために醜い現実を受け入れて生き延びる、という感覚。実はいざという時は綺麗ごとでは済まされないこの世の物語。
    「JACROW」家族をテーマにとある家族の夫が頑張った末にポキリ・・と倒れ、残された家族の葛藤を描いた作品。強がらずに甘えていいんだよ。といったバイブルを潜める。
    「アロッタファジャイナ」日本の歴史を綴りながら優秀な人材こそ地域に戻って地元を豊かにするべき。という現在の日本が抱える問題を提起した作品。

    総合で★4つ
  • 満足度★★★★

    Mrs.fictions…☆5、風琴工房…☆4、チームAの他2団体…☆3
    Mrs.fictions→観た後、静かな幸福感を感じた。何だろう、この感じ。

  • 満足度★★★★

    B
    同じテーマならではの、各劇団カラーが色濃くでて、魅力的な企画でした。少数気鋭の役者陣も、良かったです。ただ、やはり、約25分1作品は、皆さんキツイのでは?40分3劇団とかは?・・・かえって、ハンパかな?

    中村うさぎさんのアフタートーク、良かったです。4作品の共通点や相違点と、うさぎさんの大人のカッコイイ女ならではの話も聞けて、意味と価値のある、アフタートークでした。

    ネタバレBOX

    『指』  ミナモザ…作演出・瀬戸山美咲さん
    震災後の実際にあった事件から、創った物語との事。

    震災後、持ち主がわからないとはいえ、落ちているお金を盗むのは、罪の意識がないカップル。死体の指から高価な指輪を外せないから、指を切る男に反対する女だが、葛藤の末、なんとか指から外そうとする二人。その遺体が、女の友人と気づいて、躊躇するが、やはり、外そうとする、現実の厳しさに流される人の切なさを感じた作品でした。


    『日本の終わり』  アロッタファジャイナ・・・作演出・松枝佳紀さん
    前半、現実のデータをテンポ良く見せ、後半は理想論を、女子高生の演説として見せる、劇場内バルコニーや客席等も使用して、良かったです。
    地方の優秀な人材が都会に集まり過ぎるので、地方に強制送還して地方分権と活性化、手の触れられる距離や人の絆の大切さを、訴えた。

    経済の活性化と、人情的な関わりが反比例するような現実には、疑問もあるが、個性と独自性の魅力も大切な自分にとっては、構成演出に魅力を感じたので、違う作品も見たいと思いました。


    『枯葉に寄せて(仮)』  ろりえ・・・作演出・奥山雄太さん
    ナンセンスコメディ系で、異色過ぎたが、唯一笑い声が出た作品。
    作品上の女性の言動が、ほとんど理解不能(役者さんは上手かった)だったので、私は笑う程の事はなかったが、場内は、かなり笑い声が響いたので、好みが別れると思った。

    罪を隠す人、冤罪で5年辛い思いをした人、骸骨が出てきたことで、罪が暴れるきっかけ?に、・・・なったかは定かではないが、罪にまつわる物語だったのだろうか?

    描写が下ネタチックで、好みではなかったが、場内は爆笑になる場面もあったので、テーマから重くなりがちな作品群の中、特異さも、ある意味成功だったかもしれません。


    『甘えない蟻』  JACROW・・・作演出・中村暢明さん
    自殺してしまった幸雄の妻と娘、夫の兄弟の4人が、自殺した場所での会話劇。
    そこは、幸雄の家族が幸せに暮らしていた家だが、震災で住めなくなってしまっていた。
    娘の進学等を考え、妻の実家のある東京に、妻と娘は住んでいたが、幸雄は避難所生活で頑張っていた。
    せめて、幸雄の遺書でもないかと、必死に探すが、何も出てこない。
    別居生活故に、すれ違ってしまったのか?近くに住む兄弟なら、もっと何かできたはず・・・幸雄を救えなかった無念さから、残された家族が傷つけあってしまうのは痛いが、想いがあるからこそ・・・

    喧嘩しても、なにも始まらないが、割り切れるものでもない。しかし家を後にして、又、歩いていかなければならない家族達が、見つけたのは、パソコンのスクリーンセーバー。
    <もっと、甘えればよかった。幸雄>
    の文字が・・・

    と私が書くと省略し過ぎで、すみません。もっと繊細に真摯に、創られた作品で、泣き言を言う事や、甘える事での逃げ道の大切さを感じ、今回のテーマに一番合い、なお且つ、力強いメッセージ性もあり、素晴らしい作品だと思いました。

    4役者さん、良かったです。
    特に、蒻崎さんの強くならざるを得ない、女の弱さ脆さは、特に素晴らしかったです。
  • 満足度★★★★

    B班
    今の日本の現状を、それぞれが描いていて面白かったです。
    トークショーも楽しめました。
    ただ全体に、3.11の出来事が大きいのかなぁ〜と.....
    個人的にはアロッタファジャイナ『日本の終わり』が好みでした。

  • 満足度★★★★

    B班観ました
    短編オムニバスだけど、劇団のテイストの違いがよく出ていて、どれもハズレなしに楽しめました。ホントに好企画。A班も観たかった。

  • 満足度★★★★

    意義ある公演
    個人的には、有意義な時間を過ごせた!
    楽日に観劇。
    「日本の問題」をテーマに8劇団による芝居が展開された。

    ネタバレBOX

    あくまで個人的な感想です。

    <感想>
    私の中では、MVPはアロッタファジャイナであった。
    作品の中で「日本の問題」が明確に語られており、観劇初心者にも分かり易い作風であった。
    主張が正しいかどうかではなく、芝居として楽しめた。
    他の作品も良いものはあったが、テーマから少しずれていたり、分かる人には分かるといった作風な気がした。

    <次回公演>
    もしあるならば、テーマはもう少し絞った方が良いと思う。
    たとえば、「日本の問題」政治編、社会福祉編等。
    「日本の問題」とは思えない作品もあったし、ある程度テーマを絞った方が
    観劇する側も分かり易い。
    また、今回のような各劇団の持ち時間が少ない場合、観客に設定を理解させる時間は短い方が良い。設定を説明する件だけで時間を要してしまっては勿体ないと思う。

    <アフタートークについて>
    私の観劇した回は、関西の著名な方が来ていた。
    あくまで個人的な感想ではあるが、ゲストは不要な気がした。
    なんだかゲストのコメントがまるで正解のような雰囲気となった気がして、「これってどうなの?」って思ってしまった。
    あのような方式をとるなら、観客に投票させる等した方が、各劇団にとっても公平感があるような気がした。
    もしゲストにコメントを求めるなら、投票結果発表後にコメントしてもらった方が楽しいかな。
    それか、ゲストはいない状況で、もっと各劇団の主宰同志で激論してもらった方が楽しいような気が(笑)。
  • 満足度★★★★

    おなかいっぱい
    まあまあ楽しめたが、「日本の問題」を8本観ると疲れる。

    アフタートークはゲストが必要だったのか。せっかく作演が8人そろったのに、発言に遠慮(萎縮?)がみえたような気がした。

    ネタバレBOX

    経済とH「金魚の行方」‥男が3.11の数日前にスリップする話。女もスリップしてきた2020年?何があるのか。
    Mrs.fictions「天使なんかじゃないもんで」‥津波後の廃ボーリングセンターでの話。シスター(山口オン)が笑えもするがやはり現代的な寂しさに溢れる。明日があるようなラストは好き。
    ダルカラ「ボレロ、あるいは明るい未来のためのエチュード」‥マスコミ批判か、国民批判か、政治批判か、そのすべてなのかわからなかったけど、批判の「次」を観てみたかった。面白い提示方法。
    風琴工房「博物学の終焉」‥未来のエリート学校での博物学の話。分類が人類の活力みたいなくだりは納得した。ATでもいってたけど、通常の公演のほうがより「日本の問題」していると思った。
    ミナモザ「指」‥津波被害のあったところで、窃盗にいそしむ男女が同級生だったと思われる女の指から指輪を盗る話。日本の問題というより人間の問題かなと思った。
    アロッタファジャイナ「日本の終わり」‥女子高生が総理に代わって演説する話。国を300に分けることが国を良くすることにつながるという演説は理解できなかった。鎖国も込みの話?。
    ろりえ「枯葉によせて(仮)」‥エロSFか。老人と派手な色の女は、放射線の影響ということか。
    JACROW「甘えない蟻」‥被災住宅に住む男が自殺した後の家族・親族の話。面白かった。スクリーンセイバーの遺書とか、変なとこに気の利く自殺者だな。
  • 満足度★★★★

    観ました
    「日本の問題」に各劇団がどう取り組むのか興味があり観に行きました。もっとハードな内容になるのかと思いきや、それぞれの切り口で興味を持って観ることができました。ただし、最終日のアフタートークはせっかく全劇団の演出が揃ったのだから、ゲストを呼ばずに各劇団のクロストークにしても良かったのではと思いました。各劇団の思いが聞きたかったです。

  • 満足度★★★★

    8劇団連続
    同じテーマ、同じ舞台セットで各劇団の個性が出て面白かった。
    ストレートな主張があったり、シニカルな笑いだったり。
    自分の好みはAチームはDULL-COLORED POP。
    Bチームはミナモザ。

  • 満足度★★★★

    【A班】観劇
    各劇団20分では指摘はできても解決するところまでには至らずという感じ、もっとも時間があってもどうだかですが。

    ネタバレBOX

    「金魚の行方」、ニュートリノによるタイムマシーンによって地震被害や放射能汚染は防げるかや、格差社会問題を取り上げ、経済評論家でもある佐藤治彦氏が客席からコメントするシーンもあったりして一興。

    「天使なんかじゃないもんで」、原発事故で誰もいなくなった土地に逃げてきた女性が鰯の頭も信心から的生活をしている話。鼻血の理由がアフタートークで明らかになりましたが、放射能の影響を表現したものだとか、ちょっと分かりづらかったです。髪が抜けるとかの方が分かりやすかったような気もします。

    「ボレロ、あるいは明るい未来のためのエチュード」、首相がコロコロ変わる政治を皮肉った話。首相の空疎な演説と周囲の人達の身勝手な喧騒、ゴングなどの激しい音響が不協和音を醸し出し、息苦しく吐き気を催すほどの物凄い時間を体感することができました。

    「博物学の終焉」、三話からの間髪置かない繋がり方は良かったですが、未来の話、地上には建物と人間しか存在しないような社会、環境破壊を憂いてのこととは思いますが、はたして現代日本の問題と言えるのかと思いました。
  • 満足度★★★★

    A班観劇
    「日本の問題って何?」って急に聞かれると、多過ぎて意外と答えられないかもと思った。 それほど演目で取り上げてる問題は多岐にわたる。 

    政治・経済、コミュニティー、はたまた倫理観まで日本は問題だらけということを見せつけられた。 

    演劇単体としては、A班では特にMrs.fictionsさん面白かった! 
    3人芝居の演出と今村圭佑さんの演技が笑いを誘ってました。 

    DULL COLORED POP はとにかくアグレッシブ! ここ数年の内閣縮図の描写、揶揄の仕方が見事! また役者さんの力量がもろに試される・見られる演目だと思う。

  • 満足度★★★★

    企画コンセプト…☆5、JACROW…☆5、チームBの他3団体…☆3
    【企画コンセプト】…大変良いと思う。政治や日本全体のことに興味があってもなくても自分達の生活に影響はあるわけだから、きちんとそこに目を向けて舞台をつくっていくという企画コンセプトはいいと思いました。

    【JACROW】…脚本、演出、役者4人全員、総じてレベルが高かった。30分に満たない舞台だったと思うが、ストーリー、場に流れる空気がとても濃密だった。決して明るい話ではないが、人物や背景がしっかりとしていると思った。チームBの4団体の中では唯一「観てよかった」と思えた作品。

  • 満足度★★★★

    B班観劇
    ミナモザの演目は一見「日本の問題」と何の関係もないと思われるようで、実はかなり深いものだということをじわじわと感じ始めたころには、張り詰めた緊張感とともに一番魅入って観てました。 

    そして「ろりえ」は短編でも「ろりえ」らしかった! もしかすると本編以上に「ろりえ」節が展開していた!? そんな演目なのに松下結衣子さんや杏実えいかさんといった美女ぞろいのキャスティングで、後々振り返ると貴重な公演だったかもと思わせてくれそう。

    8団体中、日本の問題に、日本の政治に唯一意見を提示したアロッタファジャイナの演目、『日本の終わり』。 

    日本の優秀な人材は関東圏に集まっているが、それを有効に使えていないという事実。 それを解消することにより日本の政治へテコ入れをできるのではないかという演目の想いは、実現可否はともかく客席へ伝わったのではないかと思います。

このページのQRコードです。

拡大