日本の問題 公演情報 日本の問題日本の問題」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    B
    同じテーマならではの、各劇団カラーが色濃くでて、魅力的な企画でした。少数気鋭の役者陣も、良かったです。ただ、やはり、約25分1作品は、皆さんキツイのでは?40分3劇団とかは?・・・かえって、ハンパかな?

    中村うさぎさんのアフタートーク、良かったです。4作品の共通点や相違点と、うさぎさんの大人のカッコイイ女ならではの話も聞けて、意味と価値のある、アフタートークでした。

    ネタバレBOX

    『指』  ミナモザ…作演出・瀬戸山美咲さん
    震災後の実際にあった事件から、創った物語との事。

    震災後、持ち主がわからないとはいえ、落ちているお金を盗むのは、罪の意識がないカップル。死体の指から高価な指輪を外せないから、指を切る男に反対する女だが、葛藤の末、なんとか指から外そうとする二人。その遺体が、女の友人と気づいて、躊躇するが、やはり、外そうとする、現実の厳しさに流される人の切なさを感じた作品でした。


    『日本の終わり』  アロッタファジャイナ・・・作演出・松枝佳紀さん
    前半、現実のデータをテンポ良く見せ、後半は理想論を、女子高生の演説として見せる、劇場内バルコニーや客席等も使用して、良かったです。
    地方の優秀な人材が都会に集まり過ぎるので、地方に強制送還して地方分権と活性化、手の触れられる距離や人の絆の大切さを、訴えた。

    経済の活性化と、人情的な関わりが反比例するような現実には、疑問もあるが、個性と独自性の魅力も大切な自分にとっては、構成演出に魅力を感じたので、違う作品も見たいと思いました。


    『枯葉に寄せて(仮)』  ろりえ・・・作演出・奥山雄太さん
    ナンセンスコメディ系で、異色過ぎたが、唯一笑い声が出た作品。
    作品上の女性の言動が、ほとんど理解不能(役者さんは上手かった)だったので、私は笑う程の事はなかったが、場内は、かなり笑い声が響いたので、好みが別れると思った。

    罪を隠す人、冤罪で5年辛い思いをした人、骸骨が出てきたことで、罪が暴れるきっかけ?に、・・・なったかは定かではないが、罪にまつわる物語だったのだろうか?

    描写が下ネタチックで、好みではなかったが、場内は爆笑になる場面もあったので、テーマから重くなりがちな作品群の中、特異さも、ある意味成功だったかもしれません。


    『甘えない蟻』  JACROW・・・作演出・中村暢明さん
    自殺してしまった幸雄の妻と娘、夫の兄弟の4人が、自殺した場所での会話劇。
    そこは、幸雄の家族が幸せに暮らしていた家だが、震災で住めなくなってしまっていた。
    娘の進学等を考え、妻の実家のある東京に、妻と娘は住んでいたが、幸雄は避難所生活で頑張っていた。
    せめて、幸雄の遺書でもないかと、必死に探すが、何も出てこない。
    別居生活故に、すれ違ってしまったのか?近くに住む兄弟なら、もっと何かできたはず・・・幸雄を救えなかった無念さから、残された家族が傷つけあってしまうのは痛いが、想いがあるからこそ・・・

    喧嘩しても、なにも始まらないが、割り切れるものでもない。しかし家を後にして、又、歩いていかなければならない家族達が、見つけたのは、パソコンのスクリーンセーバー。
    <もっと、甘えればよかった。幸雄>
    の文字が・・・

    と私が書くと省略し過ぎで、すみません。もっと繊細に真摯に、創られた作品で、泣き言を言う事や、甘える事での逃げ道の大切さを感じ、今回のテーマに一番合い、なお且つ、力強いメッセージ性もあり、素晴らしい作品だと思いました。

    4役者さん、良かったです。
    特に、蒻崎さんの強くならざるを得ない、女の弱さ脆さは、特に素晴らしかったです。

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    2011/12/01 00:21

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