満足度★★★★★
うへー。
ふつうの人にも、それぞれにドラマがあるわけで、ふつうだからふつうの人生ってわけでもないのですよね、なんて思いましたが、「普通の人」っといわれるより「凡人」っていわれるほうが、なんかこたえるよなーなんて思ったりもしました。
見終って、結構グサっときたです。
満足度★★★★★
期待値以上のお芝居でした
初めての箱庭円舞曲さんでした。
なので、どういう舞台をされるのかとても楽しみにしておりました。
まず、舞台美術が見たこともないようなセット。
舞台セットと呼ぶのは躊躇してしまうような、素敵な芝居空間が創り上げられてました。
劇場内にいるとは思えないほど現実的で、臨場感高し。
その空間の使い方が巧み。
ふたつのおうちにある、ふたつの扉。
その扉を同時に開閉することで、不思議な空間の繋がりを生み出していて、素晴らしき演出。
あれはタイミングがずれたら台無し、でもきっちり合わせてきてまったくずれることがなかった。
出てくる登場人物たちは、けっして平凡ではありませんでした。
だからといって非凡なのかといえば、そういうわけでもなく。
各自の個性を平凡に貫いている、そんな人々。
普通である必要なんてない、普通であることにこだわる必要なんてない。
だからといって奇をてらった行動をとって目立とうとする必要もない。
そもそも「普通」ってなんだ?誰にとっての「普通」なんだ?
自分自身のパーソナリティを大切にすれば、それでいい。
それがたまたま「普通」といわれることと同じであるか、そうでないかというだけのこと。
なんかね、観て、いろいろと内側に潜って思考をめぐらしてしまうような。
そんな舞台でした。とてもとても良かった!!
最後、井上さんと、玉置さんのシーン。
あの光景、あのシーンを観ている間のあのえもいわれぬ感情は忘れられません。
公演DVD待ち望む。
台本は買って帰ってきてはいるのですが、まだ読破できずにいます。
時間つくって、なんとかまたじっくりあの世界に浸りたい。
次回公演は11月。もう今から行く気満々です。楽しみ!
満足度★★★★★
溢れ出す思い
練られたセリフに熱い思いが満載。終盤のセリフには考えさせられるテーマ、視点も多く、心地よい時間だった。熱い脚本に実力派の役者たち。非常に楽しい時間だった。
満足度★★★★★
行ってよかった!
とにかく最初からぐいぐい引き込まれて、あっという間の2時間だった。 「凡人達のセリフ」が、役者の演技とともに計算されつくしたものであることをひしひしと感じ、脚本の力と役者の力を存分に楽しめた。 初めての箱庭円舞曲観劇で、もう今後は絶対はずせないぞ!と堅く決意。 できればもう一回違う角度から見たい。(座席が舞台を挟んだ前後にあるので)
満足度★★★★★
揺れる!
個性溢れるキャラのセリフに聞き入ると、暴力的な感情が沸々とくる不思議な感覚に陥る。だけど笑っちゃうだ変に可笑しいし、何処か可愛い。
満足度★★★★★
ドラスティックな切り口
震災の影響で非凡になってしまった日常の中で観るのは感慨深いものがありました。一般人とは似て非なる凡人を通してみる世界は歪んでいる感じがして、しかしながら歪んでいるのは世界なんだろうか人なんだろうか、それとも自分なんだろうかなんて考えさせられました。
満足度★★★★★
劇団として確かに成長している。
10周年を過ぎてあらゆる意味で円熟してきた。舞台作りの細部がとてもていねいで、その積み上げが我々に感動をもたらす。大きな事件が起こるわけでも、主義主張を前面に押し出すわけでもない。うまい役者陣を見事に使って、骨太の感動を与えてくれる。見事だ。
ラスト近く、父親役の井上裕朗と玉置玲央の台詞の応酬がある。これはまさに名優同士の火花を散らす演技合戦で、観ていてぞくぞくした。今年前半を飾る名シーンとなった。
最近は公演毎に劇団としての成長も感じられ、それもうれしい。
満足度★★★★★
やっかいで愚かな凡人
この世の中には、ごくごく一部の「特別な人」を除いて、あらゆる人たちが凡人なわけです。凡人は、凡人だから、ごく普通に暮らす、でもちょっと特別なことにあこがれる。でも凡人だから上手くいかないし、誰かのせいや社会のシステムのせいにしたりしてもがき苦しむ。
この戯曲の中で起こることは、とても特別なように見えて、鏡を見ているようだ。とてもやっかいなものを見せられた気がする。愚かで弱くて逞しい、私のような、あなたのような、凡人たちの物語。
場面転換のポップな演出がカッコよくてシビれました。
満足度★★★★★
「ニヒル」ではない、問題提起
平凡な人の平凡な生活に潜む悪意を描いて見事でした。
そしてそれは、非凡な人の平凡な悪意を嫌味なく描くことなしには成立しないものだったとも思います。
たくさんの悪意や欲望にさらされて、右往左往する主人公の兄弟。でも実は、この場で明らかになってくるのは、「被害者」風でもある彼ら自身の悪意、そして、いつでも「他者」として生きていたいという愚鈍な態度でもあるのです。
「当事者性」とはなにか。この問題は、震災直後のさまざまな議論を思い起こさせますし、その問いは今も、私達の目の前に置かれています。
ですから、この芝居に簡単に感情移入しようとすると痛い目を見る。では、だからといってこの芝居は、悪意を露呈させて笑う「ニヒル」な作品だったのでしょうか。少なくとも私はむしろ、これが「ニヒルではない」ところが好きなんですけどね。
満足度★★★★★
決意表明か
震災後の社会状況や市民感覚の変化を多分に落とし込んでいた。
結果、最近の作品とは明らかに異なる一歩踏み込んだ力強い作品になっていた。
役者みな好演。力のある人が揃っていた。
特に清水穂奈美からは目が離せなかった。
CoRich舞台芸術まつりのグランプリはこれだな。
満足度★★★★★
渾身作!あぁ~最高に面白かった!
キャスティングを含めた個々の役柄設定が鮮明で、古川さん拘りの脚本・演出に感服です。役者では、ザンヨウコさんの存在感が際立ってました。
さてと、久々に兄貴に会いに行こう。。
満足度★★★★★
ダントツ
これまで観て来た中でダントツの面白さ
今まで以上に箱庭が好きになった
劇場空間にいられて幸せを感じるくらい満足する作品に出会えるのは稀だ
今回は稀な瞬間に立ち会えた
満足度★★★★
静だが果敢に攻め込んだ作品
対面客席、そして二つのアクティングエリアを併存させた舞台美術を効果的に使用した演出が冴えていました。
震災後だからこそ出てきたであろう、身体の内側から溢れ出てくる台詞が、こころに響いてくる良い舞台だったと思います。
ザンヨウコさんのお母さん役は、小劇場界のビッグマザーともいえる存在感は貫禄とも言えるものでした。
次の公演も期待しています。
満足度★★★★
アメリカは…?
駅前劇場でこういう舞台の使い方しているのは、はじめてみました。。
舞台を間に挟んで客席向かい合わせでみるため場所により見え方が違います。
いろいろ面白いキャラがいる中、ザンノさんの泰然とした母が好きでした。姉妹のケンカが恒常的なものという感じが出ていてめんどくさい人のあしらい方、参考になりました(笑)
いろいろな要素と、離れと母屋の同時進行で若干集中が切れたか、後半の展開は疑問が残りました。
満足度★★★★
愚劣極まりない凡人(=私たち)の群像劇
駅前劇場中央に舞台があり、2方向から客席がはさみます。私はいつも客席がある方に着席。その方向から見て下手に一般家庭によくありそうなリビング。上手は築数十年経ってそうな一軒家の玄関先。室内と野外の2つの空間が隣り合っています。中央の通路は人がすれ違う度に空間のゆがみを生み出し、この世に存在しないはずのものを想起させる見事な美術です。
自分の欲望のままに行動し、それが満たされないと他人にやつあたりする。自分のことしか考えていないのに、他人がわがままだと批難する。当事者意識がなく、何が起こっても誰か・何かのせいにする。そしてそのことに自覚がない。登場人物全員がそんな人間であることが驚異的です(笑)。全員に対して「そんなこと言ってるけど行動が全然ともなってないYO!」とツッコミができるほど、約2時間の中に緻密に描き込まれた戯曲でした。
言動や行動がバカ過ぎてうんざりするしイライラするしムカつきます。さらにはそれを通り越して苦笑・失笑するしかない、というところまで徹底した人物造形と空気づくりが素晴らしいです。
1対1の密度の高い会話やほぼ他人同士の3人がおそるおそる話す場面など、緊張が続くことが多いです。それをフっとほぐすポップでメロディアスな音楽と、パっと色を変えるカラフルな照明がいいスパイスになっており、劇団独特の持ち味だと思いました。
劇団員が増加し、集団としての力を蓄えて次の段階へと着実なステップを踏んでいると思えた作品でした。役者さんの中では、リビングにいた主婦役のザンヨウコさんが、いつもながら安定感と説得力のある演技を見せてくださいました。
満足度★★★★
凡人を描くストレートさ
物語はそれなりに積み上がっていくのですが、
これまでの作り手の作品と比べて、
なにかまっすぐに描く力を感じました。
舞台美術や、物語の設定、
さらには人間関係には作り手一流のデフォルメがあるのですが、
そこから浮かび上がってくる人物像は
どこか直球勝負で貫き通されているような
印象を受けました。