瀕死の王さま Le Roi se meurt 公演情報 瀕死の王さま Le Roi se meurt」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    熱演でした。
    王様の栗山、熱演でした。

  • 満足度★★★

    集中力が続かなかった
    死の宣告を受けた王さまが、死を目の前にしてもなお、認めない認めたくないのだが、「人は必ず死ぬ」という条理は民も王も平等なのだ。

    しかし厳然たる支配者であったことから、王さまは自分が死地に赴くことなど考えもしなかった。王さまは常に無敵で自分のために多くの犠牲を強いてきた民や家来の命に代えても自分が助かりたいと願い、またその気持ちを正直につぶやく。

    死に向かってうろたえる王さまの混沌さが見ものだったが、自分にはこの物語は長すぎた。

  • 満足度★★★★

    多くの含意を読み取れる作品
    イヨネスコの「瀕死の王さま」をほぼ忠実の上演。

    ネタバレBOX

    しかしながら、観客の合間を縦横無尽に駆け抜ける役者陣とそれを可能にする客席の配置、効果的な映像の挿入など、新しい舞台の可能性を感じさせる作品に仕上がっていた。

    死が現実のものとなったとき、人はどうあがき、どのようにふるまうのか。といった根源的なテーマを、権料の象徴たる王さまでデフォルメした原作の良さが生きていたように思う。

    また、王さまは、イヨネスコの生い立ちを考えるに、ソビエト連邦への反抗を示していようにも読み取れる。

    役柄では、第一王妃マルグリットと主治医の冷静さ、第二王妃と女官の暖かみとがうまく対照的に描かれていた。

    上演時間は2時間30分近くに及び、中だるみ感があったことから、睡魔に何度か襲われた。
    もっと濃縮した舞台にすることも可能であろう。

    役者陣では何といっても、王さまを演じた栗山が出色。
  • 満足度★★★★

    興味深い演出
    東京演劇集団風の良いところは、劇団自ら主催するビエンナーレ国際演劇祭を通じて、海外の劇作家、演出家を発掘し、実際の上演により日本の観客に紹介してくれる点。これは、通常、公共劇場などが行っていることで、観る機会も限られてしまうのだが、KAZEは、レパートリー化しているため、何度でも継続的に観ることが可能である。
    今回の「瀕死の王さま」はイヨネスコ劇場の芸術監督・ペトル・ヴトカレウ演出で、かなり興味深い公演となった。

    ネタバレBOX

    栄耀栄華、暴政の限りを尽くした王さま「ベランジェ1世」(栗山友彦)は死が眼前に迫り、醜くも「生」と「王座」にしがみつこうとする。この演出では、権力と欲望に囚われた人間本来の姿を描くと同時に、「ロシア」という国家の擬人化を思わせる演出だった。
    心を許そうとしない第一の王妃マルグリット(柴崎美納)は米国、第二王妃マリー(渋谷愛)はフランス、侍医・外科医・首切り人・細菌学者(佐野準)はドイツ、家政婦・看護婦ジュリエットは東欧、歌舞伎のような動きの衛兵(白石圭史)は中国・日本のイメージを想定した。疑心暗鬼なところは「リア王」も思わせる。最初に登場した栗山の王さまは、チンピラみたいだった(笑)。柴崎の説得力ある演技、渋谷の愛くるしさに魅力を感じた。
    王さまの圧政を表現するため、政治的な歴史映像も効果的に使われていた。大臣たち(連邦国)に背かれ、領土が縮小してしまったというのもソ連を思わせる。
    フラットなオープンスペースで、客席を王さまの最期を見守る群集のように見立て、俳優たちが縦横無尽に駆け抜ける。
    なかなか死なない王さまの苦悶を延々描く2時間20分は確かに長く、あと20分は刈り込んでもよいかと思った。
    ただ、一般の小劇場系劇団や商業演劇とは一線を画する、これが「風」らしい演劇なのだとも思い、私は楽しんで観ていた。
    この作品、柄本明主演で9月下旬からあうるすぽっとでも上演されるので、より親しみやすい演出を好まれるかたにはそちらをお薦めしますし、興味のあるかたは観比べてみてはいかがでしょう。
  • 満足度★★★

    権力を握った者の往生際の悪さよ!
    まるで箱にあいた穴の中に手を入れて、餌を握り締めてけっして離さずに手を抜こうとしてジタバタする猿の如きである。ジタバタすればするほど見苦しい。国家元首ほどの大物でなくても小物でもその辺にウヨウヨしているではないか。この辺りがイヨネスコが現代でも繰り返し上演される理由かもしれない。ちょっと横長の舞台(演技場?)は、座席が端の方だと向こう端での演技が見えにくかった。衣装やヘアスタイルをすぐ近くで見られたのが楽しかった。第一王妃の衣装が色は地味だけど生地に凝ったものを使っていて美しいです。第二王妃の衣装のデザインは若々しくて素敵だが、水色のマントはちょっとピラピラで安っぽい。衛兵の侍スタイルもおもしろかったし、王様、小間使いもそれぞれ良く出来てます。

  • 満足度★★★

    なかなか死なない
    公演時間2時間20分。今回はとにかく長いと感じた為、後半はちょっと苦痛だった。キャストらは熱演を見せたが、割に単調なストレートプレイで、これまた、なかなか死なない陛下を観ていると、ワタクシ、早く死んでくれないかなー、と願ったほど。また、客席は対面式に設置されており、公演中、客席も明るい事が落ち着かなかった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    不条理劇作家ユジェーヌ・イオネスコの作品。とある王様が、第1王妃と侍医に「あなたはもうすぐ死ぬ」と宣告されるも王様は第2王妃との甘い生活に固執し、第2王妃も王様の死を受け入れられない。国民の命を軽視してきた王様は自分が生きることには貪欲だった。

    やがて、身体がだんだん弱っていくにも関わらず、相変わらず命令する王。しかし国が滅びかかっている一国の王の命令なんて誰も聞きやしない。普遍的な死と死に対する恐怖を描いた物語だが、舞台に登場した王様は秘密のSMクラブで働いてるようなイデタチ。もしかしてチップとか必要なのかしら?なんて気をまわす。しかし見方によってはサタンにも見える。笑

    そんな王様が死に対してジタバタするのだが、この描写がとにかく長い。死にそうで死なない。死んだかと思うと生き返る。笑)
    個人的にはもっと削れるような気がするのだがいかがだろうか?90分くらいで充分な物語だと思った。


  • 満足度★★★★

    深刻な話だが楽しかった!
    死は当事者には深刻な問題ですが、他人にとっては他人事だということが良く分かりました。そして、私も他人ですから、深刻な題材を楽しく観させて頂きました。

    ネタバレBOX

    死を宣告された王さまが戸惑い、慌てふためき、最後は死を受け入れる話。王女、第二王女、次女、衛兵、医師は…、第二王女が悲嘆に暮れる以外は皆冷静に見ている様がとても興味を惹かれます。

    舞台の両側が客席になっており、客席の後ろも含めて出演者がコミカルに走り回ったりしていました。

    王さまは200年に亘る独裁者や国王の象徴でした。王さまはさんざん戦争や弾圧をしてきたのにまだ何もしていないと言い、たった5分前に生まれ、わずか3分前に結婚したばかりだ愚痴をこぼします。

    わめき、愚痴をこぼすことは、自分の死を認める第一歩だと、医師は終末期医療の解説をします。しかし、このような冷静な判断も死が他人事の所以です。

    最後、王女が死を導くような形で、王さまは白い衣装で丸い光の中に向かって行きました。西洋演出家がイメージする衣装なのでしょうが、少し新興宗教的な感じでした。

    王さまの少し崩れた体型が、このお芝居にぴったりでした。
  • 満足度★★★

    イヨネスコ劇場によるイヨネスコ作品
    テンション高めな台詞回しや大袈裟なジェスチャーが、いかにも「演劇」という感じでした。
    それをパロディとしてやっているのか、大真面目にやっているのか分かりにくく、どう観れば良いのか悩みました。
    音楽はシュニトケの『ゴーゴリ組曲』(クラシックの曲をパロディにした作品)をメインに使っていたので、おそらくパロディ的な意図があったと思うので、もっと振り切れた感じがあった方が良いと思いました。

    独特な客席配置で正面性のない空間にしていたのは効果的で良かったです。王さま役の熱演が印象的でした。

    戯曲自体は面白そうなので、異なる演出で再度観てみたいです。

このページのQRコードです。

拡大