夕焼けとベル 公演情報 夕焼けとベル」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-20件 / 21件中
  • 満足度★★★

    柱邪魔
    二組の家族単体のエピソード、テロリスト達の単体エピソードは面白かったと思います。
    展開もなかなかスピーディーでよかったです。
    が、それぞれが絡んでくるエピソードを急ぎ描きすぎてるというか、描ききれてなかった感じを受けた。
    また、島の西側に昔から残る風習?(宗教的なものか?)の設定が活かしきれてなかったような。
    まあ、描きすぎるとグロくなりすぎる感があったので、あえて抑えてる可能性もあるが。

    後、真ん中の柱は邪魔。鐘鳴らすロープを繋いでおくだけなら、奥側の柱で代用できると思うのだが。

    ネタバレBOX

    役者陣はどの方々も公演でした。
    特に、甘粕さんは、前作とは全然違った役でしたし、今城さんは実年齢より相当上の母親役でしたが、その年齢に見える母親だ役ったし、久しぶり見た重実さんは、動きが面白かったです。
  • 満足度★★★

    3つのパターンの家族愛
    北陸地方の小さな島に銀行を襲ったテロリスト5人が逃亡してくるが、弟が事件に巻き込まれた女性刑事が私怨で彼らを追ってきて…な物語。
    チラシには「終わる世界の、続いていく話」など終末的な言葉が躍っている割には単なる(しかも既視感のある)クライムサスペンスにすぎないとか、冒頭のアヤしい儀式や死んだ者の臓器を食べてしまう風習があまり活きていない(それによって西部地区のおどろおどろしさは表現されているが)とか、「17時の鐘」もとってつけたようだとか、ツッコミどころは少なからずあるものの、雨降って地固まる的に2人の小学生がちょっこし成長するラストが清々しいし、家族愛に弱い(あるいは甘い)身として「知的障害の姉への愛に気付く妹・妹へ裏返しの愛を抱いている姉・弟への愛によって暴走する姉」なんて3つのパターンを盛り込んでいるし、なので「終わり良ければすべて良し」的な?(笑)
    いや、終盤だけでなく、序盤でのあちこちが軋んでいるようなザラついた感覚とか、島の駐在さんの見合いから現在に至るまでをダイジェストっぽく見せる手法とかも好きだし。
    あと、前腕に被弾した2人がちゃんと流血している(しかもよく見ないと気付かない程度なのだ)とは芸が細かい!(笑)

  • 満足度★★★

    複雑な想い・・・
    統一された時間の概念が崩壊しているメランコリックなイラストに終わる世界の続いていく話。と詠う紹介文、それに加えてファンシーなタイトルから時空が歪んで世界が反転する、時系列シャッフルのダークファンタジーを想像したのが誤算だったようだ。
    家族という誰もが逃れられない奥行きのあるテーマや、描かれる人間ドラマのなりゆきにまったく非はないのだが世界、終わる、という言葉に対するイメージの乖離をなかなか埋められず、少々もどかしい気持ちになった。

    ネタバレBOX

    北陸地方のどこか。定期便の船でしか本土に行くことのできない孤島が舞台。
    2つの家族の日常を交互に描き中盤、銀行強盗に失敗し、島に逃亡してきたテロリスト集団によって物語は加速する。

    ここが海に囲まれていることを主張しているような、しかしそれがまるで義務であるかのように淡々と脈打つことを恐れない波の音が聞こえる複雑な形をした島。
    その島の周りを取り囲むように配置された客席からは、島の住人のものと思わしき使い古された持ち物や、営みを垣間見る道具が見え隠れする。
    暗転になりきらぬうちにのっけから、白装束の集団がまたぞろやってきて円陣をつくり全員揃うと奇声を発声しながら奇妙な宗教的儀式を執り行う。
    この集団は人間の臓物を売ったりしていて、島の住人は彼らとは距離を置いているらしい。

    主人公はこの奇妙な宗教家の教祖の息子、拓。
    彼は父親の後を継ぎたくないから小学校を卒業したら島を出て本土に行きたいと思っていることを、クラスメイトの女の子、静香に話す。静香には知的障害者のお姉ちゃんがいて、お母さんはお姉ちゃんばかり構うから彼女は姉をとても嫌っているけど、島を出て行きたい、とは思っていない。

    この島で生まれてこの島で死んでいくことに概ね満足しているように見える。
    この島に暮らしているひとたちは現実と向き合いながら淡々と毎日をこなしている堅実な人びとでもある。しかし、自分が本当に居るべき場所がここではないとおもう者にとって島で暮らすことは苦痛でしかない。男の子の家のお姉さんふたりもやっぱりこの島を逃げ出したかった。一番上のお姉さんは東京に行くことが出来た。二番目のお姉さんは、男の子のお母さんでもある。

    自分が父との近親相姦によって生まれた子供であることを悟りはじめる拓の心は、お姉さんをひとりにできないこと、島を出て行きたいことの狭間でゆれる。

    一方、すべてを終わりにしたかった男の子の姉はテロリストとなって、力には力でしか対抗できないとの声明文を表明し、銀行強盗を起こし、すべてを終わらすために島へ戻ってくる・・・。

    静香の家族らはテロリストの人質となり、怖いおもいをしたことで家族の絆を思い出し、これからは姉に少し優しくなろうとする静香の小さな成長がとても愛らしい。

    同じ頃、男の子の姉は生家を訪れ妹を殺そうとする。しかしそれも未遂に終わり警察に連行されて再び島を出て行くことに…。
    最後、勢いよく飛沫をあげて発進する定期便の船にゆられる男の子は生まれ故郷を振り返らずにまっすぐ前だけを向いて姿勢を正す。

    閉鎖的な村社会、謎のカルト集団、近親相姦、時刻の異なる時計、何層にも塗りたくられた薄暗く紫色の淀んだ空のイラスト、島を出たい少年。等のキーワードは寺山修司の半自叙伝的映画、田園に死すと共通するものがあるがこちらの作品は、これらのものに対して誠実であろうとしており、また本当の気持ちを伝えるために、一字一句丁寧に話そうとしていた。

    家族。という絶対的な組織には言わんとしていることは伝わるはずだ。きっと通じ合えると信じていたい気持ちと、血が繋がっているからある程度は妥協しなければならないという強制が上乗せされているのではないだろうか。
    その微妙なさじ加減が家族ドラマの醍醐味だとすると、息子と父親の関係性の描き方は少々軟弱なようにおもえてしまった。
    臓物をえぐりだして売ってお金にしている父親みたくなりたくないし、そんな父親の後を継ぎたくない、第一気色悪い、という息子の常識人らしい感性はいいのだが、命を粗末にする父親に、どうしてそんなことをするのか。は、何を言ってもどうせ分かってくれないことを承知のうえで、結論だけではなくきちんと問いただして対話する場面は省略しない方が説得力が増したのではないかとおもう。あと、臓物はどこの誰のモノなの?というのが気がかりだった。なんかこういうのって島の若い女が生け贄になってるイメージだから。

    それから作品タイトルを意識したと思われるベル(というよりも鐘)の舞台美術は非常に凝ったつくりであったのだが、副次的な要因を絡めると、違った味わいが出たかもしれない。たとえばベルを鳴らす日課は父親と拓との約束ごとである、臓物が奉られた時には鳴らす回数が変わるので村人たちは感付く、
    ベルは12歳までの男子にしか鳴らせない、など。なぜって夕刻に鳴らす、という行為が退屈な終わりなき世界を終わらす方法であると同時に、長津田が売りさばく臓物もろもろ死者の霊を、拓が清めているように私には見えたから…。
  • 満足度★★★

    次回に期待で・・・
    盛り込みすぎだと思うが次回に期待で。俳優に差があるのは仕方のないことなのかな。

  • 満足度★★★

    家族の葛藤
    「島」が舞台なのだけど、その設定が活かしきれてなかった
    というか、あまり「島」である意味がなかったのが、残念

    10年ぶりに家を訪れた姉に、想いを吐露するシーンを
    杉亜由子が好演していた

  • 満足度★★★★

    予想と違って
    チラシでみて予想したイメージと芝居のイメージがだいぶ違ったけれど、個人的にはかなり良いほうに予想を裏切られた感。

    スピード感がいい。あと、面白そうな設定を贅沢にふんだんに取り込みながら、それを踏み台にして本筋をのど元に突き刺すような、脚本が小気味いい。個人的には舞台空間の使い方も好き。

  • 満足度★★★★

    初カムヰヤッセン
    鑑賞した場所の関係で、柱で役者の表情が見えないことが
    往々にあったこと以外はとても満足。
    軽快なテンポとしゃべりで飽きさせない芝居だった。

  • 満足度★★

    前作同様に
    いまいち面白さを感じない。魅るべきとこは感じるけど。長津田、タエ、安部の悪しき野蛮な慣習(近親相姦)の話は、デーア・ローアー戯曲作「タトゥー」を連想する。

  • 満足度★★★

    ふーむ
    おもしろくないわけではなく

    かといっておもしろいというわけではないが


    期待はできるのでは


  • 満足度★★★

    魅力は感じたけど‥
    各エピソードごとにそれぞれ違った人物に焦点が当てられていて、しかもそれぞれが大きく趣の異なるエピソードばかりなので、全体的に盛り込みすぎというか”ひとつの物語”としてまとまりきれていない印象を受けた。そのせいなのか、どのシーンもダイジェスト的な感じを受けるし‥。

    登場人物はそれぞれ魅力的に描かれていると思うけど、全体的な感想;としては、決して魅力を感じなかった訳ではないんだけど、コメントしづらいというか、観る側としてどう受け止めれば良いのかよくわからなかった。

  • 満足度

    ベルが聴こえない
    感想を少々。
    偏見にまみれています。

    ネタバレBOX

    「レドモン」からカムヰヤッセンの公演に足を運ぶようになったが、今回が正直一番つまらなかった。

    話のスケールが大きくなればなるほど、役者にとって未体験の事項が増えれば増えるほど、物語を構築していく側には想像力が求められるはずなのに、この劇団にはそれが欠けていると感じた。
    そして物語が散漫なのは、役者それぞれの向いている方向が違うからだろうとも思った。

    観ていて物語が迫ってこないのは、演出のせいなのか、役者の技量なのか。

    期待している団体なだけに今回の公演は残念だった。
    次回に期待したい。
  • 満足度★★★

    纏めたな
    なにか救いの無いラストを予想したが、意外だった。

  • 満足度★★★

    完成しきらなかったのでは?という印象…
    カムヰヤッセンさん、王子小劇場、ともに初体験だったもので、カムヰヤッセンさんの普段のスタイルやこの劇場のスタンダードな使い方は正直わからないのですが、今回の舞台空間の使い方は効果を発揮しきらなかった印象でした。無機質な劇場の壁、役者のすぐ目の前に燈台がきてしまうギャラリーでの芝居などが、いまひとつ入りこめなかった原因の一つであるような印象です。
    脚本としては核となる二つの家族と一つのグループ、女刑事…これらもそれぞれを描こうとしすぎて、フォーカスが散漫になってしまった印象を受けました。

    面白くなりそうなのに、もったいない部分が多かった…そんな印象です。もっともっと面白くなる要素をさすがに感じさせてくれたので、今後も注目させて頂こうとおもいます。

  • 満足度★★★★

    終わりの先の広がり・・・
    初日ソワレを観劇

    劇場の使い方が功を奏して
    閉塞するエピソードがそれぞれに
    広がりを持って絡まっていきます。

    そして、物語が終わって
    さらにそこからひろがる時間の透明感に息を呑みました。

    ネタバレBOX

    劇場に入ってびっくり。
    舞台がドーーンとあって、
    3方の壁際に客席がへばりついている感じ。
    早めに劇場についたのですが、
    逆に席選びにすごく迷った。
    観終わった感じから言うと
    舞台上に立つポールの関係もあるので
    入って右手奥というか角あたりの座席がベストかなとも
    思います。

    客入れが終わらないうちに舞台には役者が現れ
    宗教的な儀式が始まる・・・。

    暗転後
    そこはとある島。
    冒頭から2人の子供と、
    それぞれのどこか閉塞した2つの家庭の雰囲気が描かれていきます。

    駐在さんの家と、土着宗教の教祖の家。
    積み重なるエピソードや回顧シーンから
    それぞれの家庭の裏側が次第に明らかになってくる。
    知的障害のある長女を持った駐在さんの妻のいらだち。
    あるいは、
    近親相姦によって子どもを産んだ宗教家の妻の苦悩・・・。
    大人たちの抱えるものが
    子どもたちすら周りから孤立させていく。

    だからといって、
    どちらの母親とも、
    抱えたものの行き場を見つけられるわけではなく、
    夫はそんな妻が抱えるものに
    何かをしたりできたりというわけでもなく
    日々、鳴らされる鐘の音を聞くのです。

    ところが、
    子が授からず家を出た宗教家の姉が
    テロリストとして爆破事件を起こし
    仲間とともに島に逃げ込んだことから派生して
    緩やかで息が詰まるような雰囲気が
    舞台全体を包み込むような緊張感へと変わっていきます。

    テロリストに弟を殺された女刑事、
    あるいは、前述の姉によって
    次第に変容した組織に従属したテロリストたちまで含めて、
    それぞれの背負うものが浮き彫りになっていく。

    宗教家の長女姉に人質にとられた駐在の妻と子どもたち、
    そして姉に銃を突きつけられた妹・・・。
    足につながれた鎖がいっぱいに伸びきったような
    行き場のなさから、
    追われて鎖が解けて、ふっと前に一歩踏み出して・・・。

    それは、キャラクターたちいずれにとっても
    ある時代の終わりなのだと思うのです。
    でも、時代が終っても
    時間は止まるわけではなく・・・・。、
    その終わりと、終わりを越えた始まりの時間からの感触が
    舞台にしっかりと描かれていく。

    追いつめられたテロリストの
    カレーを食べたいというエピソード。
    あるいは
    言葉の不自由な娘と
    普通に年頃の母娘の会話をする母の幻想・・・。
    さらには同じものを抱える妹として、
    罪を償った姉と話しをしたいという妹と
    囚われた場所で座り込んで
    その思いを受け止める姉。

    行き止まりの先にある
    普通の時間に
    すっと新しい色が生まれ
    道がひらけるような感覚がやってきて・・・。

    その感覚が
    きちんと描かれているから
    終盤、
    家の雰囲気が何か変わったという駐在の二女の言葉や、
    あるいは宗教家の息子が島を出るときの姿に
    素直に希望を感じることができるのです。
    よしんば、その先に新しい閉塞があったとしても、
    終わりを超えて船出する彼らの希望の瑞々しさに、
    観る側の心もゆっくりと満ちていく。

    過去に観たカムヰヤッセンの作品と比べると
    バッサリと断ち切るような切っ先の鋭さは多少薄れているのですが
    ゆっくりとやわらかく重さが積もっていく感覚が
    それにかわって、
    ちょっと別のテイストで観る側を浸潤していく・・・。
    北川作劇の間口がひとまわり広がったようにも思えて。

    役者たちの個性もしっかりと生きて
    従前の公演と多少質感はちがっても
    たくさんの感覚を抱えて劇場をあとにすることができました
  • 満足度★★★

    不思議な感覚
    何か不思議な感覚。テレビを見てるみたいだった。

  • 201004061930
    201004061930@王子小劇場

  • 満足度★★★

    罪深い島
    初見の劇団。作・演出の北川大輔は、去年のクロムモリブデンの公演「不躾なQ友」で、帰国子女の刑事役を演じていた大柄な人。今回は出演していないが、刑事ドラマの要素が入っているところがクロムの芝居との繋がりを感じさせる。しかもかつてクロムモリブデンのメンバーだった重実百合が出ているので、ますます因縁を感じさせる両劇団の関係。

    ネタバレBOX

    ストーリーはけっこう面白いが、描き方にはちょっと変なところがある。

    ある離れ小島が舞台。冬には雪も降るらしいから南のほうではない。たしか北陸だといっていた。いずれにしても架空の場所。島内の一区域には、独自の風習を持つ下賎なものとみなされている部落がある。
    ローカル色を出すために、一部の役者は方言をしゃべっていた。しかもドラマの中の人物関係を無視して九州や関西の方言がアナーキーに入り乱れる。たぶん役者の出身地に合わせて彼らが得意な方言をしゃべっていたのだろう。親が九州弁なのに娘が関西弁をしゃべるというような場面があった。
    にもかかわらず、それが芝居を楽しむ上であまり障害にはなっていないというのが逆に不思議だった。

    島内の特殊地域では、近親相姦によって父親と娘の間に子供が生まれることも珍しくない。姉妹のうち、妹はそうやって父親の子供を産み、産めなかった(産めない体だった)姉は島を出る。この辺のおぞましい土俗的な雰囲気は、劇団乞局の作品を連想させる。
    都会へ出た姉がやがてテロリスト?になり、事件を起こしたあと仲間とともに島へ逃走してくる。たまたま旅行で島に来ていた女刑事がそれに気づくが、島に駐在する警官の家族が人質になる。

    奇妙な形の舞台装置。畳を敷いた座敷ふうの舞台の三隅に柱が立つ。座敷の周囲は海岸めいた岩場。さらに三方を客席が囲んでいる。話の展開にしたがって、舞台はいろんな場面に変わる。座敷として使われているぶんには別に変だとは思わないが、次の場面では土足のままで登場人物たちが畳の上を歩いたりするので、もう少し抽象的な、いろんな場面に応用可能なセットのほうがよかったのではないだろうか。

    出演者は14名。そのうち知っているのは重実百合と劇団競泳水着の川村紗也だけ。川村は競泳水着の前回公演に続いてちょっと怖い役を演じている。いっぽう、重実は小学生の子供役。これはあくまでも非常に個人的な印象だけど、なんとなくナイロン100℃の犬山犬子に似ている気がした。
  • 満足度★★★

    観てきました!
    人間性の回復の物語でした。

    ネタバレBOX

    ノストラダムスやマヤ云々の文章は不要です。全く関係がありません。余計な先入観が入って修正に時間が掛かります!!

    日本海沖の、例えば粟島とか飛島のような島が舞台。

    忌わしい島の因習を守る一部の住民、忌わしい児童虐待を行った長とその家族、巡査の家族、島へ逃げた自己破滅型犯罪者と引きずられた仲間たち、犯人を追う女性刑事…、盛り込みすぎか!?

    あれは革命家じゃないし、5人が一緒に行動すること自体不思議です。主犯の狂気さも不足していました。

    因習の描き方も中途半端でした。

    事件を契機に壊れかけた人間関係が修復されていくところは作者の狙いなのでしょうが、人間性の回復として良かったと思います。

    重実百合さんたちの小学生コンビは素敵でした。
  • 満足度★★★

    アフター
    トークが楽しかった。

    ネタバレBOX

    テロ、近親相姦、土着宗教などを深く踏み込まずに進んでいくストーリーは好感を持てなかったが、終盤に姉妹(兄弟)の物語だったんだと腑に落ちるところもあり、結局じんわりさせられてしまった。
    役者は川村紗也と重実百合がよい。
    クールセクシー&バイオレンスといったおもむきの川村紗也が、意外な役回りで魅力的。
  • 満足度★★★

    TRICKみたいな
    人里はなれた過疎化の進む村に、古い不思議な因習の残る村や事件、そしてそれを追ってくる刑事たち。
    普通の小劇場のお芝居を見ているのとはちょっと違うスケールの作品で、ドラマのTRICKを見ているような感じでした。
    最もそれほど遊びに走った訳ではなく、トリックもある訳でもなく、内容はストレートに。

    ネタバレBOX

    HPでは世界の終わり的な事が色々と書かれていますけど、実際の舞台は世界の終わりと言うわけではなく、もっとスケールは小さくある島で展開する話。

    中心になるのは3組の集団。
    理想を求めて行動しているうちに強盗事件を起こして島へ逃げてきたテロリスト5名。
    一度は島を出たけど島に戻ってきて見合い結婚をして、知的障害を持つ娘を持ち最近家庭の事で色々としっくり来ていない駐在さん。
    そして古い不気味な因習を守る、島外れにすむ母娘。

    それら3つの異なるカテゴリーの集団が、テロリスト集団の存在によってひとつの大きな流れの中に巻き込まれてゆく。

    テレロリストは最初は「映画の撮影」と言って民宿に泊り込むのだが、その民宿の旦那は駐在さん。でも仕事に信念を燃やしているわけではない駐在さんは指名手配されているテロリストの存在に気づかず。

    いざテロリスト言う事がバレて、彼らは民宿の奥さんとふたりの娘を人質に取って逃避行を開始する。でもそんなにうまく行くわけでもなく、仲間割れによってバラバラになって、ひとり捕まり、ふたり捕まり、という感じで捕まってゆく。

    最後に残った女性は最初からそのテロリスト集団の中でも知能が優れて、人の心を思い通りに操る事に長けていた。
    けど、そんな彼女が最後に行き着いたのは、実家の妹のところ。
    彼女はこの島の古い因習の残る一家の生まれで、その家では娘は父親と交わって子供を宿すことになっていた。しかし彼女はそれを嫌って東京へ出てきた。代わりに残された妹が父親と交わり、子供を宿して、その子供ももう10歳になっていた。
    そんな妹と話をしたくて最後に行き着いたのだった。

    でも、そんな所に警察が踏み込んできて、女は妹を人質として銃口を向ける。。。

    ドロッドロの人間ドラマが展開される、家族について考えさせられる物語。

    サスペンスとしてみると良くできていると思います。

    役者さんは、テロリストの女を演じていた川村紗也さんが怪しい魅力満載でした。競泳水着の「そして彼女はいなくなった」よりも全然魅力的。

    駐在を演じた松下仁さんの人の良さを前面に出した、ちょっと頼りないところもよかったです。そしてその妻役の今城文恵さんが、年齢とかけ離れた役柄だと思うのですが、とても印象的でお母さんに見えてくるところが素敵でした。
    次女役の重実百合さんの無邪気な魅力もとても光っていました。

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