満足度★★★★★
濃厚。
うーんと、おおあたりっ。
普段小劇場だけしか足を運ばないヒトにはどんなだったか知らないけどねー。
なんか現実に戻ってくるのタイヘンだったわ。
残念ながらDULL-COLORED POPという演劇集団は「同じことは2度やらない」っぽいのでコレは伝説の舞台になっちゃうんだろうなー。
といいつつ、ちょっぴりてゆーかすごーく再演に期待だ。
満足度★★★★★
記念碑となる作品!
27歳の演出家が小劇場の役者を集めて、17世紀のブランヴィリエを演るという、一見途方もないミスマッチが、逆に反作用のエネルギーとなって、舞台の質を高めている。小劇場でこんな芝居が出来る劇団が他にあるか!という演出家の声が聞こえてきそうだ。
連続殺人犯として名高い実在のブランヴィリエ公爵夫人を谷賢一がどう料理するかと想像を巡らせていたが、あくまで正攻法でこの猟奇的物語に挑んでいた。そして正面から堂々とこの物語に対しながら、既に事件自体で劇的なこの物語を、ダルカラの色に染めて美しく見せてくれた。すごい演出力だと思う。
チラシを観た瞬間からこの劇団が今回の公演にいかに賭けているかということがよくわかったが、期待どおり見事な作品に仕上がった。
初日で役者が若干噛んだところを除いてはパーフェクトと言っていい。モリエール進出と併せて、DULL-COLORED POPが一段階、駆け上がった記念碑となる作品だ。
満足度★★★★★
凄い
17世紀のフランスに実在した連続殺人鬼(シリアルキラー)を主人公とした舞台でした。
もう完全に舞台に引き込まれて見入ちゃいました。面白いとはいう言葉で片付けてはいけない、凄いお芝居でした。
各出演者陣の衣装も17世紀を表現するに十分で非常に素晴らしく、でもその衣装だけに任せるでもなく、演技も素晴らしかったです。
でもその中でのやはり一番は、主人公のマリーを演じた清水那保さんでしょう。
天使と悪魔の演じ分けはお見事です。まあ、悪魔の顔をそんなに出すわけではなく、表情には出さないが、悪魔の心を感じさせる演技ですが。
それでも、天使的な表情で悪魔を感じさせるのはお見事です。やはり恐ろしい女優さんです。
満足度★★★★★
東京
ラストシーン。
近年まれに見る美しさだった。
これほどに言葉が乱反射し、サイケデリックと言ってもいいほどプリズムとヘドロを織り成すスクリプトなのに、最後の最後で黙った。
言葉を持つ人間が黙ると、こういうことが起こるんだな。
日蝕を見た気分だよ。
満足度★★★★★
毒薬口に苦し。
史実を下敷きに、毒殺事件の顛末を追う野心作。
それこそ、鈴木勝秀などがやりそうな仕事に谷賢一が挑んだ。
誰もが思うことだが、モリエールに似つかわしくない重厚感。
隙の無い俳優陣は、小劇場オールスターの様相。それでいて油断が無い。
2時間強の長尺もまったく目が離せぬ。
そして、物語はとても苦い。中世フランスのことと捨て置かせない説得力。
それにしても、谷賢一。
その作風の乱れ具合は、どこか芥川賞作家・平野啓一郎を思わせる。
満足度★★★★
商才もある谷賢一
これだけの観客動員数を集める商才には秘密がある。それはチケットプレゼントに応募した方にはご存知だと思うが。
ただ惜しむらくは役者の立ち居地に配慮がなかった為、ほぼ中央に座らないと観えない箇所があったこと。
以下はネタばれBOXにて。。
満足度★★★★
アプローチ
作者が対象をどう見つめるかで、こうした物語の雰囲気はずいぶん変わってくると思う。
「こんな恐ろしい女がいたんですよみなさん。信じられますか?」といったような、捕獲したモンスターを見世物とするようなアプローチではなかったと思う。
主人公のやっていることは恐ろしいが、それをまったく理解できないかというとそういうわけではない。作者の見つめる目、想像力がフィルターの役割をしていたからかもしれない。
少なくない登場人物に、不自然さを感じさせずにきっちりと見せ場を与えているバランス感覚はすばらしいと思った。
役者は芸達者な人々がそろっていて、その火花やアンサンブルだけでも見る楽しみがあったが、のみならず、のびのびした台詞の力も感じた。「びびった」、などの現代的台詞などは好き嫌いが分かれるかもしれないが、気にならなかった。
不思議と、性欲を刺激される物語だった。
満足度★★★★
脚本と俳優がすばらしい
毒殺魔という人間を描ききった脚本と演じきった女優に、盛大な拍手を送りたいです。
硬質な言葉にも酔わされましたし、その言葉をモノにしている俳優にも魅了されました。
満足度★★★★
谷さんの行き先
隣の席で観られていたお客さんが終演後に
「本当っぽかったねー」と言っていました。
それ位、力のある戯曲だったと思います。
非常に面白かった。
役者さんも、翻訳調台詞に惑わされることなく
ちゃんと存在していて満足度も高かったです。
ただ、モリエールなので。
後方の端で観てしまったため
大分観られないシーンが多く、かなりストレスでした。
もっと早く行けばよかった…。
満足度★★★★
物語としての面白さ
今回DULL-COLORED POP初観劇でした。
あらすじを見て、演出と脚本が気になり足を運んだ。
小劇場で古典的な作風に出会うことが少ない。
16世紀の作家達を思い浮かばせるようなセリフはとても巧みに作られていて関心した。
舞台はシンプルな素舞台で、作品に集中させてくれた。
うまく言葉が操れてない役者もちらほら…。
普段しゃべらない綺麗なリズムで紡がれた言葉は、感情だけではしゃべれない。この場合は作家の勝ちになるのかな。
世界観は統一されていたので違和感なく見ることができた。
とても完成度が高く、楽しめたんだが、何か物足りない。
額縁舞台の中で、観客に芝居をやってますって感じで終わってしまった気がする。
なんかよくわからないが、人間のパワーみたいなものが舞台上から客席まで迫ってこない。
臨場感がない。
マリーの存在が希薄に感じられ、あまりファムファタールに見えない。
周りの人物の恐怖からマリーの魅力や怖さを際立てようとしていたのだが、なんかうまくいっていないきがする。
マリーの人物像を深く描かないのであれば、もう少し全体のリズムを崩して気持の悪い演出や構成にしてもよかったのかなと。
綺麗で端整すぎるがゆえにマリーに対する周りの人物の恐怖が一辺倒になってしまったのでは。
いろいろ書いたが、演出さんの読物としての戯曲をそのまま舞台にしたという意図があったなら、これは成功である。
いろいろ書いたが
作品的にもとても好感がもてる作家さんです。違った作風でも、また古典的なものでも、いろいろ見てみたいと思わせてくれました。
満足度★★★★
身近なマリー
あいだに休憩を入れるほどの長いお芝居でしたが、全く飽きることなくどんどん引き込まれていく迫力と魅力ある舞台でした。
個人的にはもっとドロリとした何かを予想しておりましたが、意外とあっさりとマリーを受け入れてしまった自分が悲しい。
自分の中にもマリーがいるから。
満足度★★★★
うーむ、すごいな
なにがすごいって、まだ20歳後半の谷さんがこの戯曲を書いたということ。
台詞も古典的かと思えば、突然本音が現代口調で発せられる、
そのたびに、人格の裏側を見てしまったようにはっとさせられる。
近世とか海外とかが舞台になってる作品は、ちょっと観るとき
臆病になるのですが、とまどうことなく完全に引き込まれました。
清水さんはすごかったなあ。なんて悪女っぷり。
難しい長い台詞も多かったのに、言わされてる感を感じなかった。
満足度★★★
観劇
感受性の低い私ですが、きちんと作品に引き込まれることが出来ました。
一瞬、作者の狙う台詞に飲まれているように感じる場面もありました。
この作品の色味が団体の持つカラーであり、そうなるように仕向けた演出なのかなと感じました。初めてですが観れて良かったです。
満足度★★★
キレイな画の大作ですね。
陰鬱でジメジメした世界に、張りつめたそれぞれの思いとか色々表現されてて顛末から終焉まで、不思議な余韻も感じさせるお話しでした。壁などの常設セットがないのに見えるフランス。人が登らないと気が付かない階段が効果的で照明も常に抑えて、時折自画像を隠したレンブラントの夜警のようなシーンに綺麗さを感じました。物語としては3ですが皆様の熱演とモリエールでこれだけ大作感のある作品が見れたので評価3.5位です。詳細はTBした方に書いてあります(ネタバレ注意)舞台を始めて見る方には名前や関係を追うのに慣れてないと大変だと思います。演技の迫力は伝わりますけど