満足度★★★★★
毒薬口に苦し。史実を下敷きに、毒殺事件の顛末を追う野心作。それこそ、鈴木勝秀などがやりそうな仕事に谷賢一が挑んだ。誰もが思うことだが、モリエールに似つかわしくない重厚感。隙の無い俳優陣は、小劇場オールスターの様相。それでいて油断が無い。2時間強の長尺もまったく目が離せぬ。そして、物語はとても苦い。中世フランスのことと捨て置かせない説得力。それにしても、谷賢一。その作風の乱れ具合は、どこか芥川賞作家・平野啓一郎を思わせる。
ネタバレBOX
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2009/08/20 20:14
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