マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人 公演情報 DULL-COLORED POP「マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    毒薬口に苦し。
    史実を下敷きに、毒殺事件の顛末を追う野心作。
    それこそ、鈴木勝秀などがやりそうな仕事に谷賢一が挑んだ。

    誰もが思うことだが、モリエールに似つかわしくない重厚感。
    隙の無い俳優陣は、小劇場オールスターの様相。それでいて油断が無い。
    2時間強の長尺もまったく目が離せぬ。

    そして、物語はとても苦い。中世フランスのことと捨て置かせない説得力。

    それにしても、谷賢一。
    その作風の乱れ具合は、どこか芥川賞作家・平野啓一郎を思わせる。

    ネタバレBOX

    些細なきっかけの毒殺の暴走は、現代社会の事件の有り様を思わせる。
    幼稚な欲望は、貴婦人という仮面に隠れるからこそ戦慄させられる。
    その様を体現できる適役は、清水那保だけだ。
    少なくともその瞬間、そうとしか思わせなかった。

    また、最後の場面での下女(七味まゆ味)と妹(百花亜希)の対峙。
    疑いの目しか向けられぬ結末は、苦々しいが、現実的だ。

    清水那保と堀奈津美のガチガチのぶつかり合いに感服。
    「ダルカラはこの2人がいてこそ」という谷の魅せ方。
    その期待に見事に応えていた。

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    2009/08/20 20:14

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