満足度★★★★
間仕切。
美術が凄くて静からしい、ということを頭に入れて観劇。台詞が少ない分、注意して観ないと解釈に違いがでやすい作品に思いました。まるで水槽の中で演じる人を遠くから眺めるのは面白い経験で、なんというか古いロシアのアニメーション。人、廊下、階段、壁、ソファー、机、赤い日記帳の配置がよく考えられていると思いました。一人ずつ消えていく時のスローモーションが印象的。パッといなくなるより黄砂に混じって消えてゆくイメージ。真上からみたら人生ゲームみたい。なかなか好きでありました。帰りは道に迷い駅まで45分歩いた。なんでかな。
満足度★★★★
チラシに偽りなし
わー、なんという贅沢。だったんでしょうか。空間の扱い方、俳優の演技力、脚本の筆力、どれをとっても珠玉の苦くて濃いチョコレートを一口含んだような感覚でした。
満足度★★★
おもしろかったんですけど
序盤、主人が死んだといったり、消えたといったり
生きているといったり、現状が理解できないうちに
どこを不審に思えばいいのか判らないまま話が
進んでいくところは、うとうとしてしまいました‥
いろいろな要素が盛り込まれているのですが、
A and ( B or C ) ならまだしも A or B or C だと
どれでもいいから話を進めてくれという気持ちに‥
4人の執事が主人の妄想であるというのは面白い、
けど、もう少し演出面で伏線を打ってくれていると
もう一度観て確かめてみたい気持ちになるのかな。
満足度★★★
シツジが1匹、シツジが2匹・・・
執事というものを実際に見たことのある日本人はかなり少数派だろう。映画や小説から、イギリスのお屋敷で働く男性の使用人というのをイメージするのがせいぜいではないだろうか。
私自身は、カズオ・イシグロの小説を原作にした映画「日の名残り」で、アンソニー・ホプキンズの演じた執事がいちばん印象に残っている。
映画を見て感じたのは、執事というのが単に屋敷の使用人の一人ではなく、何人かいる使用人を監督する、いわゆる召使い頭だということだった。
そう考えると、この芝居のタイトルが示すような、一つの屋敷に執事が5人もいるという状況はそもそもありえないのではないか。
序盤からそういう状況設定への疑問を感じたので、なかなか話の内容にすんなりと入っていけなかった。
ただ、話が進むにつれて、執事が5人いるということの疑問は解けていく。
しかし、執事とは何かということに前半で神経を使ったために、込み入ったストーリーを充分に消化できないまま終盤を迎えてしまった、というのが正直なところ。
終演後、作者の野木萌葱が言っていたように、脚本を読めばストーリーの疑問点はそれなりに解消するのかもしれない。しかし、いまいち脚本を買おうという衝動は起きなかった。
満足度★★★
大胆な美術
圧倒的な空間から生まれてくる間を楽しむような舞台だったように思います。
登場人物の感情や行動のすべてを空間が吸い込んでいくような感じは、異様なものがありました。
ただ、観客がこの物語を読み取り、瞬間瞬間を楽しむのには、舞台上で立ち上がっている情報量の少なさは致命的な気がしました。何に対して集中力を持って見たらいいのか、ということも分かりませんでした。
満足度★★★★
静寂
実際のお屋敷での公演かと思わせるホールの使い方にびっくり。
いつものパラドックス定数ならばセリフの応酬が魅力なのですが、今回はセリフとセリフの間の静寂をじっくり味わうべき舞台じゃないかと思うです。
冒頭の静かな雰囲気は好きだな。
満足度★★★
名家の名残り。
まず、星のホールの広さを大胆に使った美術に驚く。
シンプルながら、広い屋敷を想像させる造りになっている。
カズオ・イシグロ『日の名残り』を参考文献に挙げていたが、
執事スティーブンスを思い起こさせるような5人の面々だった。
名家の名残りが確かにそこにあった。
不条理劇としては面白かったが、条理に落とし込む手続きが、
少しばかり手間取っていたように感ぜられた。
テキストに細心の注意を払う作者だけに、違和が残った。
満足度★★★
空間に圧倒される。けど・・・。
入場すると、劇場の使い方に驚かされます!
これは本当に。
今までも五反田団やサンプルが星のホールのステージ、客席の柔軟な作りを生かして独特の空間を作っていたけど、このパラドックス定数の舞台の使い方には圧倒されます。
これは実際に見て感じてみないと分からないかもしれないです。
話はタイトル通り五人の執事が繰り広げる、自分たちの「存在」「実存」に関しての物語。