五人の執事 公演情報 パラドックス定数「五人の執事」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    空間に圧倒される。けど・・・。
    入場すると、劇場の使い方に驚かされます!
    これは本当に。

    今までも五反田団やサンプルが星のホールのステージ、客席の柔軟な作りを生かして独特の空間を作っていたけど、このパラドックス定数の舞台の使い方には圧倒されます。
    これは実際に見て感じてみないと分からないかもしれないです。

    話はタイトル通り五人の執事が繰り広げる、自分たちの「存在」「実存」に関しての物語。

    ネタバレBOX

    まず、本来ステージがある場所だけでなく、更に客席も半分以上つぶしてステージを通常の3倍程度の広さにした、スケールの大きな舞台の作りに圧倒されます。
    とにかく空間が広くて高い!

    で、登場人物は執事が5人。
    なんとも贅沢な舞台の使い方。

    でも、見ている分にはスカスカという印象はなくて、広い敷地内に静かに広がる屋敷という雰囲気を作りだしています。
    抽象で作り出された舞台が落ち着いて素敵だし、その空間に佇む5人の執事のタキシード姿も品があって良いです。

    ただ、広く静かな舞台作りには成功しているけど、逆にパラドックス定数が毎回作り出していた、持ち味でもある会話の密度と熱が逆に失われてしまっている感じは否めませんでした。

    今回は静寂と間がかなり大胆に使われているけど、見ていて退屈してしまう感もありました。

    話も、今までは実話ベースに作った密度の濃い熱い話だったのに対して、今回は架空のファンタジーなのでかなり話が弱いと感じてしまいました。

    主人を失った執事だけで主人を弔おうとする内に、主人の残した日記帳を足がかりにして、自分たちの存在自体を疑い、実在していない事に気づいて消えていく。
    話は単純。
    謎は沢山あって、多分自分の中でも十分に解釈できていないけど、それにしても今までと比べて密度と熱気が落ちていて勿体ないと感じました。
    結局彼らはどのようにして生まれ出て、どのような存在だったのか、自分の中で消化しきれませんでした。

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    2009/08/02 20:56

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