五人の執事 公演情報 パラドックス定数「五人の執事」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    名家の名残り。
    まず、星のホールの広さを大胆に使った美術に驚く。
    シンプルながら、広い屋敷を想像させる造りになっている。

    カズオ・イシグロ『日の名残り』を参考文献に挙げていたが、
    執事スティーブンスを思い起こさせるような5人の面々だった。
    名家の名残りが確かにそこにあった。

    不条理劇としては面白かったが、条理に落とし込む手続きが、
    少しばかり手間取っていたように感ぜられた。
    テキストに細心の注意を払う作者だけに、違和が残った。

    ネタバレBOX

    主人が想像で執事を増やしていくという動機(淋しさ)はわかるが、
    執事を始める動機が今ひとつ汲み取れない。

    そして、決定的な欠陥が一つ。
    「主人の分身である執事たちは顔も一緒だから、写真が残っていない」
    という描写があったように思うが、演劇では限りなく実現不可能である。
    そういう意味で、小説に向いた作品だったように思う。

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    2009/08/03 21:07

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