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- 舞台芸術まつり!2024春
- 応募作品
キラー・ジョー
温泉ドラゴン(東京都)
公演に携わっているメンバー:5人
- 【団体紹介】
- 劇団温泉ドラゴンは、劇団に2人の劇作家を擁し、オリジナル作品を定期的に上演している。日本の演劇界では近年、作品ごとに俳優を集めて公演を行うユニット体制や、作・演出を一人が兼ねることが主流になりつつあるが、劇団温泉ドラゴンは作品のクオリティを担保するために固定メンバーでの作品づくりを行っている。創作した舞台芸術作品を通じ「生と死」「人を愛するということ」「国家とは」といった人類普遍のテーマに挑み、問いかけ、掘り下げる。日本国内のみならず、海外の表現者や観客と交流し、国家や文化の違いを超えて理解しあえる上質な作品を作ることを目指している。
2015年、『birth』が密陽国際演劇祭で戯曲賞を受賞。
2023年、『悼、灯、斉藤』が第27回鶴屋南北戯曲賞にノミネート。
メンバーはシライケイタ(作・演出)、阪本篤(俳優)、筑波竜一(俳優)、いわいのふ健(俳優)、原田ゆう(作)。
- 【応募公演への意気込み】
- トレイシー・レッツの戯曲「キラー・ジョー」は1993年にアメリカで初演されて以来、世界各地で繰り返し上演されている作品である。しかし日本での上演歴は2019年3月にシライケイタ演出で、劇団俳小により「殺し屋ジョー」として初演されているのみである。なおシライは、その際の演出が評価され、その年の読売演劇大賞上半期演出家賞ベスト5に選出されている。
今回は、日本でほとんど知られていない名作を、5年前の創作の反省点に向き合い、新演出として更に発展させた形で上演する。本作品で描かれているのは、アメリカの新自由主義が招いた猛烈な格差社会であるが、これは我々日本人も決して他人事ではない。資本主義と新自由主義の行きつく先の世界の崩壊を描いた本作を上演することで、現代社会に対する危機感と、新たな社会構造や価値観の獲得が急務であることを観客と共有し、誰もが幸福で安全に生きることのできる社会を構築するにはどうすれば良いのか、観客と共に人類の未来を考える契機としたい。
- 【将来のビジョン】
- 将来的には、東京を拠点に良質な作品を創作し、その作品を首都圏以外の地方にもツアーで届けることを今後の目標としていきたい。また、演劇作品の創り方、観客への届け方も、つねに劇団温泉ドラゴンが先駆けて新しい試み、他業界での実践を導入できるような、業界を牽引する団体になることが目標である。
一例として、ハラスメント問題が深刻な演劇業界において、持続可能な活動、そして才能のある人材との協働のためには風通しの良いクリエーション環境が重要であることを踏まえ、稽古初日のハラスメント研修、ガイドラインの作成、ハラスメント相談窓口の設置は毎公演ごとに必ず実施し、俳優やスタッフにとって安全な創作環境を提供できる体制を構築する。
また今回の公演では重要キャストを広く公募し、オーディションを実施し、キャスティングを決定した。このように、閉ざされたコミュニティでクリエイションする従来の劇団の在り方を疑い、よりオープンな姿勢で才能を受け入れ、我々自身の表現をブラッシュアップし続ける団体でありたいと考えている。
公演に携わっているメンバー(5)