橋の上で

タテヨコ企画（東京都）

公演に携わっているメンバー：12人

【団体紹介】

1999年に舞台美術家・劇作家・演出家の横田修と俳優・舘智子が結成した劇団です。 現在24年目。活動中の劇団員8名。
旗揚げ以来、主に横田作演出の作品を上演。2016年からは俳優・青木柳葉魚も演出を担当。穏やかな日常の中に見え隠れする人間の普遍的な機微を、時にユーモラスに時に不可思議に描く横田作品と、泥臭い人間関係を演劇のドラマ性と俳優の熱量に着目して描く青木作品。二人の異なる作風の演目を俳優それぞれが説得力のある存在感と鋭敏な関係性を持って繋ぎ紡いで劇団の作品にしています。
2015年より主宰・横田が活動の場を大阪に移し、現在は東京・大阪を中心に公演活動を展開。山口、茨城、静岡など他地域での公演も行っています。

男性女性二人の主宰者がいること、作・演出家が複数名いることをはじめ、月に一度以上のミーティングで平等に劇団員の意見が出せること、稽古場においても演出家が絶対ではなく俳優・スタッフが皆対等であることなど、意図してきたことではありませんがハラスメントを避ける要素が作られている団体です。
絶対に起こさない。そして、絶対に過信しない。
その事を胸に活動していきます。

【応募公演への意気込み】

SNSの時代になり今まで見えていなかった、いや、見えていたのに無視され続けてきた様々な事柄に光が当たるようになりました。
中でも女性に押し付けられた社会の歪みに関するものが目を引くように思われます。
今回の公演では2006年に発生した秋田児童殺害事件を題材に選びました。
シングルマザー、貧困、格差、虐待、いじめ、孤立。脈々と引き継がれていく負の連鎖。
6人に1人が相対的貧困だと言われる現在の日本で、私たちが抱えている問題の欠片がこの事件には詰まっていると考えました。
17年という歳月を経たからこそ、この事件から気付ける何かがあるのではないか。時代に対して悲観的になるのではなく、もっと展望を開いていけるような何かが。
人の生き死にを描く部分もあり重い題材ではあるのですが、小劇場演劇ならではのエンターテイメント性を保ちつつ、考えることと楽しめることを両立した作品を目指しています。

【将来のビジョン】

１.地域を繋ぐ
東京・大阪での公演を軸にその他の地域での公演を意欲的に行っていきます。2024年度は少人数出演の短編作品を製作し大阪・静岡での公演を予定しています。フットワーク軽く公演を打てるよう小規模作品のストックを増やしレパートリー化していきます。
地域を越えた繋がりをより強いものにし演劇の活性化そして自劇団の活動の普及に努めていきます。

２.苗木を植える
コロナ禍において演劇に触れる人の減少は誰の目にも明らかなものとなりました。
このことに対して私たちは、自粛せざるを得なかったワークショップ活動をただ再開するのではなく、もう一つ前の段階の活動として捉え直したいと思います。「戯曲を読んでみるだけ」「シアターゲームをしてみるだけ」など経験を必要としない、誰でも演劇を体験できる場を提供していきます。
一本一本苗木を植えていくように。そこから再び始めていきます。

３.互いに成長する
小劇場演劇の課題として世代間交流が少なくなりがちで劇団運営や作品に関わる知識・技術などが継承されていかない点があると思います。
主要メンバーが40・50代の私たちにとって若い世代の方から教えられることはとても多いです。逆に、タテヨコ企画には20年以上公演活動を継続してきた実績があります。
劇団員という形にこだわることなく継続的に劇団活動や作品作りに参加してもらえる方を募集し、経験から得たノウハウを次世代の方々と共有することで互いの演劇活動の力にしていきたいと思います。
伝えること。共有すること。学ぶこと。
世代を超えて互いに成長していける場を作ります。