マリーバードランド

やみ・あがりシアター（東京都）

公演に携わっているメンバー：15人

【団体紹介】

　2012年旗揚げ。主宰・脚本・演出の笠浦静花と、役者・加藤睦望による劇団。「ヒトのやんでるところとあがってるところを両方、病気が治ったばかりのようなハイテンションでお届けしたい」というコンセプトのもとに芝居作りを行う。
　脚本はロジカルで文学的、演出はポップで音楽を多用する。佐藤佐吉賞2017と2021において最優秀脚本賞、若手演出家コンクール2017において優秀賞を受賞。
　2020年2月に第16回公演を上演後、感染症の流行により、とりまく公演環境が一気に変わりました。私達やみ・あがりシアターは2020年6月にマスクを民族衣装としてとりいれた、ソーシャルディスタンスマスク演劇『謁見』、同年10月に舞台を透明な板で閉じ込めた『完全な密室』、紙芝居と人形劇を取り入れた一人芝居シリーズ「オーダーメイド」など、この2年間で6本の公演を行い、演劇を通じて今を映し出すことに挑戦してきました。
　本作は2年ぶりのナンバリングタイトル、第17回公演です。とても気合がはいっています。

【応募公演への意気込み】

　本作『マリーバードランド』は、南極で挙式披露宴をするというお話です。旅行会社とウエディング会社が共同して、南極ウエディングツアーを企画し、その現地調査で南極入りしています。しかもこれを機に両社の社員同士が本当に結婚するのでみんな祝福ムードです。
　南極大陸は日本の約37倍の大きさで、地球上の氷の約90％がここにあります。もちろん寒いですが、大気中の塵が少ないので、吐いた息は白くなりません。遠い場所というのは、それだけで日常で味わえない感動があります。このロマンチックなロケーションをビジネスチャンスにしようと尽力する人々、襲うトラブル、そして真実の愛、といった要素盛りだくさんの過酷な旅となる予定です。
　劇団として最大動員を目指しております。会場が15階にありますので、景色も良いですし、いらっしゃったお客様にはこの芝居を通じて、「遠くまできた」かのような気持ちを感じていただきたいです。海外旅行も容易でない世の中になりましたので。

【将来のビジョン】

　劇団は今年10周年、転機の年としたいです。旗揚げ以来、本公演や番外公演を合わせて24回の劇団公演を行い、すべて新作を書き下ろしてきましたが、今年は初めての再演にチャレンジします。こちら、WEB上でお客様に「再演希望アンケート」をとり、全公演のなかでもっとも票数を集めたものを上演いたします。2月7日まで投票受付中です。
　ここ2年以内の目標は、ツアー公演を行うことです。東京が大好きで都内でのみ公演を行ってきましたが、たくさんの方に公演に来て欲しいという思いが、むしろこちらから出向いて観てもらいたいという思いに変わってきました。
　向こう10年の目標は、もちろん素晴らしい作品を作ることですが、劇団として「憧れの存在」になりたいです。私達が誰かに憧れて演劇を始めたように、誰かにとっての目標やきっかけとなれるなら、演劇そのものへの恩返しになると思うからです。そのために、作品に集中するだけでなく、活動の場を広げ、客席との、また社会とのコミュニケーションを劇団として重視していきたいです。