舞台芸術まつり!2019春

Aokid

Aokid(東京都)

作品タイトル「地球自由!

平均合計点:23.4
川添史子
河野桃子
鈴木理映子
古澤 健
堀切克洋

川添史子

満足度★★★★★

自由に遊ぶように踊るAokidさんというパフォーマーの魅力を堪能するステージ。絵を描いたり、映像を流したり、一人ラップバトルのような場面があったり・・想像をかきたてる楽しいワクワクが詰まっていて、終始、笑顔でながめました。

ネタバレBOX

映像の中の広場へ観客全員で行くような感覚の場面はとても楽しい。そしてこうした一見「感性」の作品を、確かなダンス技術が支えているのも大変好もしかったです。壁で指を弾くだけのちょっとした仕草にもハッとさせられたり、日々の鍛錬も伝わってきました。

河野桃子

満足度★★★★

Aokidさん本人の魅力をかじられるのが、楽しみでもあるし、作品の魅力。うまく踊れば素敵というわけでなく、ダンサーと人と人として近くなるような感覚があるのは、やっぱりそれは素敵なダンサーさんなんだろうな。上演回によって違うことになりそうだし、そういうの苦手な人もいるだろうけれど、そういうリアルタイム感も含めてまた魅力。

ネタバレBOX

席を移動するのは好きではないのですが、それまでにAokidさんに好感を持てていたので、動くのも嫌な気分じゃなかったです。ダンスって、「人」が出ますね。

鈴木理映子

満足度★★★★

Aokidさんの身体能力、自由を希求する真面目さには、目がさめるような感覚を覚えます。開演直後こそ「あ、(他人の)”自由”をにこやかに見守ることを強いられるのかな」という不安と居心地の悪さも感じたのですが、一人ラップバトル(?)のあたりから、俄然、この地球との徒手空拳のコミュニケーションが面白くなり、最終的にはそのオチのない挑戦に切ない感動すら感じてしまいました。

即興的な展開も随所にあり、また、観客とのコミュニケーションもこなれたものではありません。そのこと自体に魅力を感じる一方で、この空間と時間を、より共有できるような点=ヒントをもう少し求めてしまいたくもなりました。同じ点、眼差しを共有しながらも、それを起点に作り手はもちろん、観る人もより遠くへ行けるような作品を、今後も楽しみにしています。

ネタバレBOX

終盤、紙くずの地球を天井から下がるワイヤに吊る場面で、今にも地球が落下しそうになる(実際に落ちた)のも、ハラハラしつつ泣ける、いい場面でした。後で聞くところによれば、あれはアクシデントだったそうですが、そんな破綻も魅力的に取り入れられた作品だったとも思います。

古澤 健

満足度★★★★★

観た。

ネタバレBOX

子どもたちと一緒にもう一度観たい! 脳の中で身体が動いて仕方なかった。子どもたちと一緒だったら、自分も踊れるかも。
冒頭、ローアングルからのライトによって浮かび上がる上半身・頭が大きくなった影。それが「子どもの身体」のようで、全体の主題のように見えた。その場面でのボールを投げるような仕草、ごっこ遊びをしているような仕草、ここが小さな近所の公園であるような感触。そして黄昏どき。もしかしたら他の子どもは帰ってしまったのだろうか? もしかしたら帰る家がない? 待っている家族がいない? ときとして、夜、ビルの前や高架下でダンスの練習をしている10代の少年の姿のようにも見える。客席が中央の舞台を挟んで見下ろすような形が、時折、観客であるこちらがAokidさんの(動かぬ)バックダンサーであるようにも感じた。短い休憩後、観客は今度は階段席から降りるのだが、そのことでことさら中央で踊る「こども」の孤独が際立つ。みんな帰ってしまった後の公園。どこまで彼はひとりきりで「地球ごっこ」を続けられるか。クシャクシャになった紙が宙に吊り上げられたとき、ふと「あれ? 地球って丸くないのかもしれないな」と思った。丸いと思い込んでいたこちらの抽象思考が不意に揺さぶられる。親密な空間であると同時に、孤独な舞台。ダンスが空間を活性化して親密にすると同時に、ただひとりだけの「ごっこ遊び」にも見えてくる。親密さを感じるからこそ、その孤独に健気さも感じる。
驚くような動きに魅了されつつ、そんなことを感じた。
高橋源一郎の『悪とたたかう』をふと思い出したことも付け加えておく。

堀切克洋

満足度★★★★

Aokid初参戦。チケットに公演の流れの「イメージ図」が書かれているのが彼の脳内をのぞいているようで面白かった。構成的なところもありつつ、Aokidの「ゆるさ」が際立つ作品。

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