
あるいは眞ん中に座るのが俺 2025
株式会社テッコウショ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/12/17 (水) ~ 2025/12/25 (木)上演中

わたしの隣人
趣向
象の鼻テラス(神奈川県)
2025/12/11 (木) ~ 2025/12/14 (日)公演終了
実演鑑賞
象の鼻テラスを初訪問。てっきり堤防の突端にでもある天井の無いステージか何かだと想像していた。当日は急な寒さでしかも風が強くなり、野外ならとても耐えられそうもなく「行くなって事か・・」と挫けかけたが、着いてみればきっちり大きなガラスに囲われた立派な建造物であった。ぬくぬくと観劇。
その安堵感と疲労で途中また寝落ちの時間あり、比喩性の高いテキストの裏を読み取る作業が途中で断絶、不十分な観劇となった。宣伝文でも、アフタートークでもこれは自分の事を書いた初めての劇、とあったが、誰がオノマ女史=自分に当たるのか、どういう体験がこの夢の中のようなふわっとした劇に落とし込まれていたのか、は判らなかった。
趣向は、言語過多な台詞量で(油絵のように何重にも塗りたくって)形をあぶり出すテキストが通常形かも知れない。前に見た一つと今作に共通する事は「語量を抑えた」小品では穴の埋まらなさ即ち伝わりづらさが否めない(勘が良いか同じ感覚を持ち合わせてる人には伝わるかもだが)、という気がする。作者自身にとっては言葉一つ一つに意味が籠められているのだと思うが・・。今回はそんな感想しか書けない。

玄海灘
劇団劇作家
上野ストアハウス(東京都)
2025/12/11 (木) ~ 2025/12/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
今年初めになるか(昨年末だったか)リーディングで有吉女史によるこの大作の脚本化の成果を堪能。圧倒された。第Q藝術の四角の箱の中に演者が揃い、オフの時にも台本を見つめ、皆がそれぞれ作品を語る一人の、一人称の人格となり物語を紡ぐ橋をともにわたる切実感も合わせて全身に浴びた。今回、本舞台での上演に踏み切った。リーディングのレベルには到達しないだろうと予想し、事実その通りであったが善戦していた。不足感を挙げればきりがないが、例えば役人物が変化していくのが要である朝鮮両班の家系の息子のその変化や、歌姫と呼ばれる居酒屋の娘の歌(これは技量の問題か演技の問題か)、朝鮮総督府での日本にこれでもかと忠誠を尽くそうとする男とその日本人の上官の微妙な関係、その彼の地下運動組織への接近、理解、最後の裏切りのダイナミックスなどは、植民地支配の矛盾、渦巻く静かな憤激が沸騰する要素でありたく、石を積み上げるようになりたかった。場面処理の課題があったとは思うが、抽象舞台とした事で、集中が殺がれる瞬間が多々あった気がする。時に居酒屋、時に新聞社、時に総督府、あるいはどこかの野外と、多場面ではあるが、観客の目は「見立て」がうまく行かない所があった。
にしても、物語の力、台詞の力は舞台を押し上げていたのは確か。今後も挑んでほしい作品。

あるいは眞ん中に座るのが俺 2025
株式会社テッコウショ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/12/17 (水) ~ 2025/12/25 (木)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
こりゃ面白い。イエス・キリストの後釜争奪戦?新興宗教が生き残るには、教祖亡き後が大事ですからね。マグダラのマリア役の及川奈央さんが素敵。

ゴツプロ!Presents / ブロッケンver.3 『さよなら挽歌』
ゴツプロ!
新宿シアタートップス(東京都)
2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)上演中
予約受付中実演鑑賞
満足度★★★★★
塩野谷さんありきのお話でしょうね。いろいろな種類の悲哀を実に自然に演じていらっしゃる。いつもながら役者さんたちの上手さが安心して物語に入っていけて、きっとどの世代の人が観ても共感できる絶妙なさじ加減でした。
君の笑顔を見ていたい…最高の愛情表現ですね。
実際にはこんなゆるい闇バイトはないと思うけど、パートナーとの危機とか八方塞がりな現状をこんな風に受け入れることができるのも、心のもちようなんだろうなと。年末にギフトをもらいました。

新装改編版 『世界の果てからこんにちはⅡ』
SCOT
吉祥寺シアター(東京都)
2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)上演中

やばすぎっ
劇団ノックステージ
OFF OFFシアター(東京都)
2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)上演中
予約受付中実演鑑賞
満足度★★★★
クリスマスの鍋パーティーっていう、まあ、今の時期に合わせた芝居なんですが。
そこは松森モヘーさんなので。
下北沢で、北沢っていう田舎町から上京した幼馴染たちが鍋パーティーをする。
こんぐらがる。
二人のゲスト。招かれた一人と、招かれざる同郷の一人。
実際に舞台上で”鍋”を作ります。
この生の食べ物の匂いの演出を、モヘーさんは最近好まれてるなって。
不思議と心温まる気分になる鍋マジック。
序盤こそとっちらかってる感じについていくのに、やや苦労しますが。
嘘って言葉が裏返るあたりからは、引き込まれた。
最後は想定外のやつが踊ってくれます。
面白かった。
幼馴染が集まることで、何かが開くってのは、スティーブン・キングっぽさを感じました。
あと、雪が降るんですよ。綺麗だったな。

くちづけ
タクフェス
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)
2025/12/18 (木) ~ 2025/12/21 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
再々演と
2%と25%の数字は今も変わっていないのかな…
健常者では余り関心がわかないパートを、踏み込んだスタイルで伝え演じる宅間さんは凄いですね〜 自身が演じるのは最後とのことで、拝見出来たのは良かったです!
小劇場とは違う感動🥲が有りましたが、大阪であのボケは無い無い
宮根さんめちゃ老けたな〜

爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK
ヴィレッヂ/劇団☆新感線
新橋演舞場(東京都)
2025/11/09 (日) ~ 2025/12/26 (金)上演中

季節
劇団普通
シアタートラム(東京都)
2025/12/05 (金) ~ 2025/12/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
幾らか多めの登場人物に、幾らか知名度の高い俳優の参入・・がトラムで演るという事。確かに客席を埋めるにはだ。SPTの企画スタッフに手練れが居るのやも。ともかく芝居。一見「普通」以外の何物でもない主宰で作演出の石黒女史はその日のトークに拠れば、全て茨城弁で展開する劇世界は、実体験の記憶を掘っているのであるらしい。一番手で登場する野間口氏は、どうやら老け役らしいが、最初あまり見えなかったのだが段々と、中身は老け男と見えてくる。一か所、ぼやっとしている間に言った誰かの台詞が客席にどっと受けていて、聞き逃した。無念。それにしても地方の親類同士の距離感の絶妙な具合はどうだ、と。完全にああではないがどこか身に覚えのある「親戚同士」(子どもにとっては親が兄弟同士で賑やかしく、こちらは独特の距離感のいとこ同士・・これもまた愉し)の空気感。所在ない瞬間が訪れ、これを飄々として乗り越える者達。意味的には単なる血縁であり、既に機能しなくなり、町内会と同じくせいぜいが法事だとか、自分ちの話をして「心配」し合うが関の山な関係である。地域社会も同様にCONSUMERとSELLERのみで成立する資本主義体制において家族単位はまだ制度的に機能するとしても世帯の異なる「親戚」はある場合にはいなくては困る存在として登場する、という事がない。親が死んだら遺産相続の話、家の処分の話が出るのみ。これとて法に基づき合理的に処理できたなら、これを最後に付き合いがゼロになるケースも結構多いだろう。
「会いたくて来たんだよ」と親戚を訪ね歩くチャーミングな御仁が一人いればまた違うだろうし、名を上げた成功者が殊勝な人で、親戚を集めて一席設けるなどしても「益を分かつ」(裏話を聞くだけでも役得)目的で集うという事も起きるだろう。
身もふたもない話をすればそんな具合だが、舞台上では地方では今もあるだろう親戚づきあい(これに近所づきあいの側面も割り込んでくる)の健気で面白おかしいサンプルが展開している。石黒女史の中にはまだ湧き出てくるネタがありそうである。

『末原拓馬奇譚庫-其之弐-』
末原拓馬
Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)
2025/12/17 (水) ~ 2025/12/23 (火)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/12/18 (木) 19:00
其之一は見逃しちゃったが、其之弍はしっかり見ました。不幸な境遇の者たちが皆で力をあわせて...といういつもの末原節があったり、短いけど過激なものがあったりと、約2時間、万華鏡のような世界に没入。来年のおぼんろ本多劇場も楽しみです。

パーク
甲斐ファクトリー
シアター711(東京都)
2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

サイハテ
演劇企画集団Jr.5(ジュニアファイブ)
小劇場B1(東京都)
2025/12/10 (水) ~ 2025/12/16 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
めっちゃ良かったです。人柄の良さが伝わって来る前説。お芝居はうってかわってシリアスでカオスで。良い意味で裏切られた〜最後まで釘づけ。これだから小劇場はやめられない!

幻魔怪奇劇「DGURA MAGRA―ドグラ・マグラ-RE/再演」
PSYCHOSIS
「劇」小劇場(東京都)
2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/12/11 (木) 14:00
4年前の新宿スターフィールドよりも舞台の幅と高さが増してよりダイナミックかつ洗練された感覚な一方、地下の劇場から地上2階の劇場になったことで泥臭さが薄まり「おすまし顔」になった感が無きにしも非ず。
しかしそれはむしろ「PSYCHOSISらしさ(私見)」がより押し出されたと言えるか?
そしてあの「奇書」を解り易く整理した高取脚本と若林派/正木派を白と黒で対比させたり過去場面を照明でセピア色に染めたりする森永演出との相乗効果で「モダン・アングラ」な娯楽作に仕立て上げたのは原作ファンとしても嬉しい♪

KNOCK UP
2025年度 一般社団法人 神奈川県演劇連盟合同公演
神奈川県立青少年センター・紅葉坂ホール(神奈川県)
2025/12/18 (木) ~ 2025/12/21 (日)上演中
予約受付中
あの冬が、僕らに教えてくれた
Uzume
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)
2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
バスケ部の息子と一緒に見てきました!
バスケ演技が見事でした。息子もバスケ一緒にやりたい、と。
バスケしながら、演技って、すごいです。
ホールもよかったですし、演者と一体になって真剣に応援できました。
お勧めです!
とっても楽しかったです。息子も大満足でした。

恭しき娼婦
新宿梁山泊
ザ・スズナリ(東京都)
2025/12/11 (木) ~ 2025/12/18 (木)公演終了
実演鑑賞
梁山泊にとっても特別な公演であるらしい。この演目は二度目になるが金守珍演出の解釈
はいつも歯切れよく大胆である。唐十郎がシチュエーションの会でやった演目である事が、どう反映されている事かとの興味・期待で観劇。サヘル・ローズはやはりこういう女優であった。詳細はまた。

Downstate
稲葉賀恵 一川華 ポウジュ
駅前劇場(東京都)
2025/12/11 (木) ~ 2025/12/21 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
ポウジュ第二弾。期待を裏切らず、密度の濃い芝居。辛辣な描写が多いが人物造形の秀逸さ(の心地よさ)が観客をこのドラマ世界に巧みに誘い、かつてあって今もある厳しい問いを強烈なトーンで投げて来る。カタストロフに近い結末は、文字通り当事者にとってこの世の終わりにも等しい光景であると想像してみる。静かな夜は、終末を待つ時間のようである(地球の終わりを描いた映画、ラース・フォン・トリアーだったか?をふと..)。現代の病み=闇を見つめて行くと、このドラマにおいては悪役にも見える男の過去と現在の諸々が綯い交ぜの混沌とした憤りが漂白された現代社会と表裏の関係のものに思えて来なくもない。自分に与えられた天分と抗い、また後天的な性質、受動的(あるいは能動的)体験によっても規定される自己に抗って生きる人間が、浮かび上る。そこに単純な正邪、是非があり得るだろうか。
ある置き換えによってこのドラマは日本そのものにも見える。LGBTや精神障害者への「理解」までは出来るが、性犯罪者、精神障害からの犯罪といったものに、理解は遠い。いじめの「加害者へのケア」は今言われ始めたばかり。カテゴライズされオーソライズされた「世間で認知された概念」を許容し、それ以外を冷酷に排除する傾向は世界共通のものだろうか。明治以来概念も模倣し輸入して来た日本では、外来の概念に特に許容力を発揮するが、一方で変化への懐疑は(健全に機能すれば正統保守だが)奇妙な形で合理性を拒否し閉塞に向かう(統一協会の影が賢慮な選択的夫婦別姓拒否やLGBT非寛容など)。三島由紀夫が絶望した日本の系譜は敗戦を機に一夜で態度を変えた日本人の系譜であり、裏付けのない(自分の考えでなく風に靡いただけの)思想的態度を取る、という態度と、「認められたカテゴリー」以外の人間を排除する態度は通底している、という事を言いたかった。

月の入り江
スヌーヌー
MURASAKI PENGUIN PROJECT TOTSUKA(神奈川県)
2025/12/09 (火) ~ 2025/12/13 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
観劇できた。会場も初。戸塚にこういう空間が存在した事も発見。入っても三十人かという空間だが設えが良く、清潔感があり土足厳禁。ステージから客席がそれなりの傾斜ですぐに急峻な角度となる。
笠木泉氏の本作。ある女性の一日を描いたものだがどうやらこの女性(渡辺梓)は高齢であるらしいと次第に分かる。この女性の分身(上村聡)が時折立って観客に物語を語り、信頼のおける情報を届けてくれる。この日は買い物の日、週一回のハレの日である。その準備に掛かる。過去のエピソードもふと思い出される。今は居ない夫はずっと、ステージをゆっくりと歩いている。風景のようだ。
こういう人生晩年のある個人を他の存在たちの手を借りて描写するタイプの芝居は既視感がある(思い出せば幾つか舞台も観ていそうだ)。老いとその肯定(人生讃歌)が主題の作品も多々あるが、淡々と描かれる特筆される事象が起きる訳でもない時間は、にも関わらずじわじわと迫り、抉ってくるものがあった。「筆力ゆえ」という概念を当ててみる。
場所の記憶と共に刻印されそうな観劇体験。

プラネタリウムメロディ
DOOR
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)上演中
予約受付中実演鑑賞
満足度★★★★★
高校生の抱えているであろう問題(親との確執 受験 友達 オーバードーズ等々)を題材に、第二の人生 過去に自分しか見えなかった反省等々の大人が抱える問題も取り上げながら話は進む
誰しも問題 悩みを抱えながら生きている それをどう自分なりに解決するかを考えさせられる作品
泣けました…