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リチャード三世

リチャード三世

芸術集団れんこんきすた

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

前日はシス・カンパニーのイプセン作「ヘッダ・ガブラー」を観て、この日はシェイクスピアの「リチャード三世」…本格的な海外戯曲が連続する形となった。

地下の劇場に続く階段のところに、チラシと合わせて“直近の駅へのダイヤが15分以上遅れない限り、定刻に開演”する旨の掲示がされている。5分程度の開演遅れは当たり前のような顔をしている小劇団が多い中で、こういう姿勢は実に好感が持てる。

チラシは血に塗れた白いバラ…白薔薇はヨーク家の象徴であり、それをリチャード三世が血で汚したということが巧みに表現されている。幻想芸術集団Les Miroirs主宰である朝霞ルイによるデザインだが、感覚が素晴らしい。
シェイクスピアはリチャード三世を狡猾で残忍なせむし男として描いている(この“せむし”という点については疑問も呈されていたが、2012年に発掘されたリチャード三世の遺骨に脊柱後湾症の痕跡が見られたことから、あながち誇張ではなかったことが証明された)。が、れんこんきすたの座付作家であり演出でもある奥村千里は、このシェイクスピアの「リチャード三世」に新たな光を当てている。 

開場されて中に入ると、客席最後列の椅子には頭からすっぽりと黒衣を纏った6人の人物が俯いて座っている。舞台には四角くむき出しのステージが組まれ、その後ろでも黒衣の人物がゆっくりと動いている。開場時から何やら不気味な空気感が客席全体を覆っている。 

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

開演間際に客席奥から黒衣の人物がステージに上がり、うつぶせに横たわる。トイレ待ちの客のために実際の開演は2分遅れたが、既に開演していたと言うこともできる(上演時間2時間40分弱)。
やがて客席最後列に座っていた6人をはじめとした黒衣の11人がステージを取り囲み、客電が消える。一瞬の後に舞台に照明が当たるや、ステージを取り囲んだ11人は黒衣を剥ぎ取り、中世イングランドの男女と化す。彼らは“戦で死んだ最後の王”リチャード三世により汚名を着せられ、あるいは殺された人間たちで、横たわるリチャード三世の死を喜ぶ一方で、彼を生き返らせ、自分たちの恨みを骨の髄まで思い知らせようと話し合う。前王・エドワード四世の相談役であり、その歴史を記していたイーリー司教は「最後の審判が下されるまでは何度でも歴史を書き換えることができる」と言い放ち、やがて彼らは横たわるリチャード三世に近づき、「生き返れ」と強く唱える。と、リチャードが身体を起こす。開演直前に横たわったのは中川朝子であったのが、開演時の一瞬の暗転の内に濱野和貴と入れ替わっている。実はこの部分さえ、終盤で意味を持ってくるのだが、ここらの奥村の構成の見事さが光っている。 

ここから本来の「リチャード三世」が始まる。エドワード四世の弟であるグロスター公リチャードは王位をものにしようと企み、巧みな話術と策略で政敵を次々と亡き者にし、その女性たちを籠絡して見事王位に就くものの、その栄光もつかの間、ランカスター家の血筋を引くリッチモンド伯ヘンリー・テューダー(後のヘンリー七世)が兵を挙げ、ついにはボズワースの戦いで討たれる。
ここで冒頭の場面に戻り、リチャードを取り囲んだ男女は、それぞれに「絶望して死ね!」と叫びながらリチャードを刺していく(この場面、私はアガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」が一瞬頭を掠めた。「オリエント」の方は刺し傷が12ヶ所だったが、このれんこん版「リチャード三世」でもあわや刺し傷が12になろうとする…)。
が、息絶えたリチャードを見ながら、彼らは「これではまだもの足りぬ」と言い、イーリー司教の「何度でも書き直しましょう」という言葉に力を得て、再度リチャードを生き返らせようとする…。 

さて、この終盤で“時の娘”という言葉が2度登場する。“真実は時の娘”というフレーズの一部であり、“時の娘”とは真実や真理を意味し、“真実は、今日は隠されているかもしれないが、時間の経過によって明らかにされる”という意味だとされているが、それと共に思い出されるのは歴史ミステリの名作として、またベッド・ディテクティヴの嚆矢的作品として知られるジョセフィン・テイ作の長編推理小説「時の娘」だ。骨折して入院した警部が退屈を紛らわすために史料を集め、せむし男というイメージや甥の殺害をはじめとした様々な悪行により英国史上“稀代の悪王”というリチャード三世の悪名は、彼を打倒したチューダー朝によって不当に着せられたものであることを証明する作品だ。実際に最近では、リチャード三世の統治下、英国の商工業の発展は著しく、貿易も盛んとなり、国内政治は安定していたこともあり、実際は残忍な王ではなかったとされるようになってきている。
この“時の娘”という言葉が残忍な悪行を繰り返す(と、恨みを持った人間たちの感覚で描かれる劇中劇のような形での終盤の)リチャードの口から出るところこそ、奥村の真骨頂ともいえるのではないか。 
歴史は常に書き換えられる。戦勝国である米国のG.H.Q.によって戦前の日本がいかにも暗黒時代であったかのような教育がなされたのと同様に…。一方、現在の日本に言論の自由があるのはそうした米国のおかげでもあるのだが、その恩恵に浴すばかりで「日本は米国の植民地」だの「日本人は米国の家畜」だのと上から目線で言い募る自称文化人がはびこっているのは悲しいことだ。そうした輩はさっさと理想とする他の国に行けばいい。中国や北朝鮮だったらどういう目にあうか…。 

劇中を通してステージ後方には王族たちが一列で座り、リチャードの所業(と彼らが思い込む事件の数々)を見つめているのだが、中川朝子はほとんどの場面で彼らの後ろに隠れており、たまに登場するとリチャードの影の人間として動き回る。終盤でこれが実はリチャード本人でもあることが明らかになるのだが、そうすることで、一般に信じられている面とその裏に隠された歴史を書き換えた者の思惑といった両面性が巧みに表現されている。
その他の役者陣も皆が熱演だが、殊にヘンリー六世の妃・マーガレット役の高橋仙恵が素晴らしい。佇まいが王妃然とした威厳を感じさせる。 

惜しむらくは台詞を噛む場面(殊にリチャード役の濱野和貴)が頻発したこと。初日といえども完璧に仕上がっていないのなら客に失礼だ。 

あと、こういった歴史劇(殊に西洋モノ)では登場人物の相関関係がわかりづらい。明治大学が毎年、全学を挙げて取り組む「明治大学シェイクスピアプロジェクト」の公演パンフには必ず相関図が付されているが、そうした工夫も必要だろう。 

ともあれ、これは観るべき価値のある舞台だ。
タバコの害について/たばこのがいについて

タバコの害について/たばこのがいについて

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2018/04/20 (金) ~ 2018/04/24 (火)上演中

予約受付中

満足度★★★★

会場ではアントン・パヴロヴィッチ・チェーホフの名にちなんで「行灯パブろびっち」を開店。
受付でドリンクを注文し、小さなおつまみと共に頂きながら開演を待つ。
休憩をはさんで30分のオリジナル作品と60分の「タバコの害について」の二本立て構成。
“キャリアウーマンの妻と生活力のない偏食男”の攻防が始まる。

ネタバレBOX

2016年の公演ではチェーホフの人物像を楽しく見せてくれた後、本編となった。
今回はまず夫妻の日頃のやり取りが再現される。
客席近くに舟形の白い物体、「パブろびっち」の行灯がいくつか吊るされている。

好き嫌いの多いチェーホフと、健康のために野菜を摂らせようとする妻の闘い。
人参・ブロッコリー・ピーマン・ゴボウ、それにキノコが大嫌いなチェーホフに
妻は毎日それらの入ったメニューを出し続ける。
そして次第に若かりし頃のチェーホフと現在の情けない有様を比較して嘆く。
白いバスタブで飼っているピラニアの野生を、夫はとうに喪っている。
そして学校を経営するやり手の妻に命じられて“社会に有益な講演”をすることになった彼は
「タバコの害について」と題して語り始めるのだが・・・。

30年間の結婚生活を嘆く“結婚ぶっちゃけ話”に終始する講演、
これに説得力を持たせる前半の“夫婦の日常”という構成が面白い。
悪妻VS大作家、に見えるが、30年も一緒にいて7人の娘がいるという現実に
“それなりに幸せな男のぼやき”ともとれる。

久しぶりに観る益田さんは以前よりさらに緩急自在、
この誇張された初老の男の嘆きを余裕をもって演じているように見える。
金にならない作品を書き続けていられるのはこの妻のおかげ、
野菜を食べなさいと口うるさい妻の言い分ももっともなことで、
子どもの喧嘩みたいな夫婦のやり取りも愛情の裏返しと見ることが出来る。

講演会場に怖ろし気な妻の人形を持ち込んだのには笑った。
逃げ出したいんです、何もかも放り出して逃げ出したいんです・・・というのは
夫に限らず、妻も密かに夢見る普遍的な野生の夢ということか。

妻役の三輪さん、ろびっち店主の高橋さん、何だかとても洗練された印象。
久しぶりの夢現舎はおもてなしも行き届いていて、
この世界観はやっぱり特別な劇団だ。

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回 子供達には内容が難しいと思い観劇はしなかったのですが
もし再演したら観劇させてあげたいと思った作品でした

In This House

In This House

conSept

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/04/04 (水) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/10 (火)

大晦日の夜、若い男女の車が故障して助けを求めた寂れた農場には、年老いた夫婦がいた。彼らはもうここには住んでおらず、久しぶりの訪れたという・・・電話もなく、一晩彼らはここで過ごすことになった。

どこか憂いを含んだ老夫婦、はしゃぎながらもなんとなく気持の行き違いを感じる若い二人・・・共に過ごすこの夜は彼らの人生の分かれ道・・・・。

時代が変わっても、世代が違っても愛する気持は変わりなくて、すれ違う気持も変わりなくて、完璧などどこにも無くて、だからこそ人は寄り添っていくんだとそんな優しくて、哀しくて、温かいファンタジーでした。



老夫婦を岸祐二さんと入絵加奈子さんが演じ、若いカップルを法月康平くんと綿引さやかさんが演じました。



岸さんの老いた夫の後悔満ちた表情、深い歌声がとても心に響いて、彼が胸に抱いたままの悲しみが伝わってきました。

あの時こうすれば良かった、そうすればもっと違う結末になっていたかも・・・と、思いながらも、ああするしかなかった自分がいたことを受け入れ、妻とも分かり合えることが出来、きっと二人はようやく娘の元に行けたんではないかと思いました。



生演奏もとても素敵でした。



私の中の永遠のアンジョルラスの岸さんですが、本当にいい役者さんになったなぁと思います。バルジャン、ジャベールもまたいつか演じる日が来ると思ってます。でも、これくらいのキャパの劇場で、こういう素朴でしみる舞台をまたやってほしいと思います。



心温まる素敵な舞台を、ありがとうございました

最後の炎

最後の炎

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/28 (土)上演中

 観ながら聴きながらオーディエンス側が各々のイメージを
想起し膨らませてゆくことを強く求められる戯曲。

 惹きつけられる場面もあり全般的にスマートな演出だが一本調子気味な
ところがあるので、次々と繰り出され押し寄せるコトバ(特に、「私たち」
のセリフ)に対するイメージが追いついていかないところもあり、慣れていないと
2時間強の上演時間の間しばしば襲ってくる睡魔と格闘せざるを得なくなる
スタイルの、でも、言葉に鋭敏な役者さんなどは気に入りそうな作品
(より深く鑑賞するにはリピート観劇が必要なタイプの作品で、
現在芸劇ウエストで公演中の『Photo.51』の場合にも、最低限
高校レベルの化学、生物学の知識が必要となる点を別にしても、
劇構造や戯曲の立ち上げ方など同様の印象あり)。

 盆が終始廻る仕掛けは同じで面白いが、視点が逆転する豊洲の劇場で
上演されてきている作品群とはいろいろな点で対極に位置する作品。

Bye-Byeレストラン!

Bye-Byeレストラン!

バズサテライト!!

新宿スターフィールド(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了


下ネタを発しない役柄がいない。
いや、正確には品行さん もいるのたが、下ネタというループがつづく。


売れない「洋食屋」の引き払いの 話。ドタバタする。笑いあり、人情あり、涙あり、という古典だ。

すっきり まとまっている。
そして、具も出てる。

(商店街の幕の内弁当か!)


ついでの「いよッ!」は、通り一遍の古典からのクライマックスだ。


店主は薄っぺらい。20年の料理歴なのに、まずいという とてつもない斬新さ。

声を被せすぎではあった。
下ネタだって、誤解元の「おもちゃ」(幼児用)は何度も登場させてはダメ!



ARTE Y SOLERA CONCIERTO Vol.24

ARTE Y SOLERA CONCIERTO Vol.24

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団

めぐろパーシモンホール(東京都)

2018/04/21 (土) ~ 2018/04/21 (土)公演終了



本場・西班牙が揺れている。


今宵、都立大学を揺らしたのは帰属問題ではなく、フラメンコだ。


スクールでレッスンを受講する生徒さんが たぶん、勢揃い。30人超だったろうか。


かの小林幸子さえ眩いという感想を述べたか述べてないかの カラフル衣装に ポツンと紳士。生徒なのか、わからない。


70代の痩せ型・ロマンスグレーのステップが、今宵も あなたの心を酔わせます。



怒ったのは、スマートフォンを掲げる若い女だ。はっきりいおう。台無しだった。

一部と二部の間にアナウンスされて ブツブツ呟いてたが、こんな奴、即注意してしまえ、と小林幸子も主張するはず。

女、 染色してたっけ。


白髪もピンからキリまでである。





































十二夜

十二夜

演劇集団円

シアターX(カイ)(東京都)

2018/04/20 (金) ~ 2018/04/29 (日)上演中

満足度★★★★★

正統派のシェークスピア劇です。チェックしてみるとほぼ原作通りでした。もちろんちょこちょこと遊びはあってそこも笑わせてくれます。上演時間は 70分+休憩10分+80分くらいです。

all male ということですが美少年ではなく、逆に美くしくない中年でもなく、女装が似合う普通の男性なので自然に観ていられます。とはいえ若干の違和感はあってそれが喜劇を盛り上げています。

役者さんは皆さん安定の演技で楽しく観させていただきました。ただし、歌は私の好みとは少し違っていましたが。

ストーリーの核心が男女の双子なのに顔かたちがそっくりというありえない設定なので、若い頃なら「あほくさ」といって観なかった代物ですが、年をとってくると受け入れられるようになっているのが自分でも不思議です。文庫の解説なんかを読んでシェークスピア劇全体への理解が深まったことも大きいでしょう。

会場はやはり高老年の方が多く。特に最前列はほとんどが白髪頭でした。

A5版12ページのカラー写真入りパンフレットが全員に配布されます。料金4,800円にしては破格のサービスです。

一つだけ苦情を書いておくと、黄色のストッキングの色が薄くてライトが当たるとほとんど白になってしまっていたのが残念でした。

何も目新しいことがないのも確かなので4つ星ですが、パンフレットの件で5つ星にします。

魂-ココロ-推理士 心弦真

魂-ココロ-推理士 心弦真

teamACT

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/19 (木) 14:00

価格3,500円

類型的だったり作為的で「そんなにうまくいくかーい!」だったりなツッ込みどころもあれど、総じて言えば巧みな作劇の心理カウンセラーもの。序盤とクライマックスなどそちらの本業の方が書いたの?な部分さえあってビックリ。
さほど長くないのにそれ1つで「背後」を察知させる台詞が複数あるのにも感心。

また、アヴァンパートの心弦がヒロインに名刺を出したところでオープニングクレジットとなり、名刺風のデザインで出演者名・役名・役の肩書きを投射するのがスマートで膝ポン。
台詞の1つにスピンオフ……ってか前日譚を作れそうなものがあったが、本作の反響によっては実現もアリか?(笑)

ネタバレBOX

序盤でのヒロインに対する上司や恋人の態度がまさに絵に描いたように類型的なのは「やれやれ」ではあるが、「演劇的記号」と解釈することにするか?
また、ヒロイン・夏海と心弦真との出会いが停電によるエレベーターへの閉じ込めで、どうやらそれが偶然ではないらしいことが後から明かされるのだが、そこまで操作できるほどの大組織なのかという疑問は残る。

一方、夏海が「お母さん」と呼ぶ麗が初登場後間もなく「お母さんよりもお姉さん」と言うが、その表現で麗が後妻/継母だと示すのが上手く、終盤で元・課長の河無田が心弦に「ありがとうございました」と言うことで、夏海だけでなく河無田(そしておそらく課の全員が)心弦のカウンセリング(?)を受けてストレスから解放されたことを示唆するのも巧み。

また、「心の持ちようを少し変えるだけで楽になる」とか「心の弱い部分がそういう事象を呼び寄せている」とかの夏海への心弦のアドバイスはまさしく心理カウンセラーが与えそうなものでリアル。

あと、心弦と麗の会話から麗もかつて心弦に救われたことがワカるが、ということはそのエピソードを描いた「エピソード0」的なものも可能ではないか?と、ちょっぴり期待。
青春超特急

青春超特急

20歳の国

サンモールスタジオ(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)上演中

予約受付中

満足度★★★★

テンポよく進んだ歌もダンスも有る良く出来た舞台でした!欲言えばダンスシーンを増やして欲しい気がしますけれど楽しめました。

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

この「二ツ巴」は諸般の都合でDVD化されなかったが、もう一度観たいし、ぜひ多くの人に見てもらいたい作品である。「猩獣」以外の壱劇屋の殺陣芝居7作を生で観てきた上で、心から再演を願っている。なのでCoRich舞台芸術まつり!グランプリの審査を意識して、コメントしようと思う。

「脚本」
台詞はなくとも物語が伝わるからWordless×殺陣芝居はパフォーマンスではなく、演劇である。
作・演の竹村は、人の弱さや醜さからも目を背けず、それでも人を信じて物語を紡ぐ。殺陣をみせるのだけが目的ではない。
台詞がない分、想像の余地が広がり、観客の数だけ物語が生まれる。販売されている脚本を読んでもう一度観たとしても、受け取り方はひとりひとり微妙に違う。
観劇後に私の印象に一番強く残ったのは、ラストのそれでも生活を続けていくヒロインたちの笑顔と、それを見守る父の慈愛の表情だった。

また、この新しい切り口の演劇は、言葉の壁が無いので世界に発信しやすい。2年後の東京オリンピックの時期に再演して、海外の人の注目を集め、2013グランプリの「木ノ下歌舞伎」のようにパリ公演とかできたら、と夢見てしまう。

「演出」
迫力のある殺陣がもちろん、Wordless×殺陣芝居の最大の魅力だ。ダンスの様なきれいな殺陣ではなく、登場人物ごとに必然性のある動きや殺陣筋が感じられる。アイドルのヒロイン2名ともよくがんばっていたが、特に殺陣芝居2回目の久代梨奈の、初めて剣を手にした時の剣に操られるような動きには、目を奪われた。

人力CGや4Dと呼ばれた「水、川」や「矢」の表現は、生の演劇ならではの演出である。
今までも布を効果的に使った演出があったが、プロジェクションマッピングではなくビニールと照明で、こんな幻想的な「水、川」が表現できるとは、驚いた。「矢」が曲がりくねって飛ぶ場面も、エンターテインメントではあるが、生の演劇でしかできない表現である。
この人力CG・4Dは、ヒロイン2名と水神以外の全員が取り組んだ成果である。

「出演者」
演技賞に悪役の久沓をオススメする!
パントマイマーでもある主宰の大熊隆太郎の持ち味を、余すところなく生かした役どころで、操っている時の顔と手は怖いほどだった。

そしてアクションモブの成長にもふれておきたい。昨年8~12月の「五彩の神楽」を観てきたから、その切られっぷりとハケ方の上達がよく分かる。帽子や剣や農具といった最小限の小道具で、くるりと回って表情から動作まで兵士から農民に早変わりする。ビニールや矢で人力CGもやってのける。本当はこの影の立役者たちにも、演技賞をあげたいくらいだ。

「その他のおすすめポイント」
SNSを多用したPR体制、ファンを巻き込むイベントの数々を始め、小道具や衣装(二ツ巴は壱劇屋の安達ではなく植田昇明だが)や音響照明も、しっかりした路線を持っている。

今後も地方、関西から演劇を発信し続けようとしているところも、応援したくなる点である。

他ジャンルの客演を通じて演劇ファンの拡大を図ったり、ワークショップやアクションモブなどで若手の育成をしているところも好感がもてる。

6~7月 Wordless×殺陣芝居での初の三都市公演「独鬼(ひとりおに)」では、なんと枚数限定ながら高校生以下無料の試みに踏み切っている。これも話題性を求めているだけではなく、演劇ファンの裾野を広げるチャレンジでもある。

このコメントが審査員の目に留まって、何らかの参考になれば、幸いである。
そしてひとりでも多くの人が、こんなに力説するファンがいるなら壱劇屋を観てみようかな~と思ってくれたら、とてもうれしい。

アカイイト 2018年版

アカイイト 2018年版

劇団ピンクメロンパン

シアター風姿花伝(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても意味深く中身の濃いものでした。

ネタバレBOX

主人公を本人と心の中、心理状況を自分の内部に存在する6人に展開させながら進めるアイデアはとても面白く感心いたしました。
心の中に創り出したマミ、それが次第に自分でもコントロール出来なくなっていき、離れていく状況に、
不安定な精神状態が生み出す不安からの妄想から破滅的妄想へ、、、、

マミに恋人が出来る度に、裏で相手の男を脅迫し別れさせていた。方法、、
ユキコのセキュリティ会社の立場を利用、
相手のあるひとつの情報を元にSNS,ネットからその人の裏側の本性までをも簡単に入手できてしまうこと、
それが、誰もがその気になれば入手可能である怖さと、警告をも表現されていたように思いました。
更に、このような行為への罪悪感からなのか、新たに”中田”という人物が妄想の世界に出現し、益々混沌とした泥沼の世界へ、、
徐々に自己破滅への道を進んでいくかと、思っていましたが、
会社の後輩からのやさしさに触れ妄想が創り出した虚構の世界から脱出し光の射す扉へ向かい歩き出す。
最後は救われた思いにほっとしました。
 綾艶華楼奇譚 『晩餐狂想燭祭~死~』

綾艶華楼奇譚 『晩餐狂想燭祭~死~』

Dangerous Box

浅草六区 ゆめまち劇場(東京都)

2018/04/11 (水) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

出演総勢100人の圧巻のエンターテイメントショーでした。

ネタバレBOX

エレベーターを降りた瞬間から独特の不思議な空間に入り込んでもうショーが始まっているかのように感じました。
花魁による耽美で華やかなダンス、アクロバット、タップダンス、ポールダンス、エアリアルシルクありと、小劇場でここまでやれるのか、と思うほど次から次に繰り広げられるパフォーマンスと演出に魅了されました。
また、和楽器、洋楽器の構成による迫力ある生演奏で楽曲も歌も素晴らしく、出来たらセリフなしでずう~と物語を進めてほしい!と思うほど素敵でした。
見応え十分な国際的に通用しそうな舞台でした。

マイク、音響設備が良くなかったのが残念でした。
R老人の終末の御予定

R老人の終末の御予定

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターKASSAI(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

ポップンマッシュルームチキン野郎
R老人の終末の御予定観劇。
設定からして謎すぎるのに終わる頃にはいつも古典演劇でも観たかのような深い味わいがあって。
生きとし生けるものだけでなく無機質なものにまで愛を感じずにはいられなくなる。
アダムとイブ。
ロミオとジュリエット。
ヨドバシファミリーVSビックファミリー(あれ?)
家電たちがまた凝っていてミニチュア欲しいくらいでした(笑)

さようなら

さようなら

オパンポン創造社

花まる学習会王子小劇場(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

楽日のマチネ。 初めてこの劇団見てきました。 王子はハズレがないのと、ツイ友の感想が良かったからです。 いや〜濃い濃い。このストレートさがパンチ効いてて良かったです。アンケにも書きましたが、東京には余り見かけないテイストが新鮮でした(東京中の劇団知ってるのか?と突っ込まれそうですが)。 4月に関西転勤した劇友に速攻で連絡です。

さようなら

さようなら

オパンポン創造社

花まる学習会王子小劇場(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/04/22 (日) 17:00

オパンポンさん作品に出てくる人たちは、ちょっとダメな人だったりかっこ悪かったりするけどもどこか愛おしい。

少しの希望と可笑しさに笑うが、頑張っても頑張っても報われなかったりして切なく胸が締め付けられる。

大雨の大事件から、再生に向けてこれまで通りの生活を決めた人の元に、ぶっ飛んだ変わり方をして帰ってくる人に、その人の人生が変わっていくような、爽やかで晴れやかなラストシーンが印象的。

観終わったあとも、その後の登場人物達の人生を想像させてくれる素敵な余韻があります。
観れて本当に良かったです。
ありがとうございました。

怪事街~ミス・サンフラワーの逃走

怪事街~ミス・サンフラワーの逃走

夜光堂

ミニシアター1010(東京都)

2018/04/21 (土) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

本への深い愛情とやさしさに溢れた物語でした。
もしかしたら、自分の持っている本へも愛情を注ぎ大切に扱うことで心が宿るかもしれない、と思わせる
そんな優しい気持ちにさせてくれる作品でした。

地底妖精

地底妖精

Q

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2018/04/20 (金) ~ 2018/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

あくが強く時には不快で、だから見ごたえがある。うってつけの出演者がいたものだ。ほぼ一人芝居の力演。

誰も寝てはならぬ

誰も寝てはならぬ

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/04/18 (水)公演終了

満足度★★★★

短い上演時間の中に、見ごたえ十分な魅力が詰まっていました。

ネタバレBOX

実験の台本がトゥーランドットであることは、オペラを何度か観たことがあるので直ぐにわかりましたが、これが実験に使用する台本?完成までに本当に10年以上かかるな、と思いながら観ていました。

ところが、突然!
目を見張る場面が、、、
密室での事件の発生を契機として一発触発の気まずい雰囲気の中、台本に出てくる3つの難解な謎解きの切り返しで二人の女性の心理を見事に表現して見せた解釈に、戦慄と興奮を覚えました。
なぜ、こんなに難しいものを実験の教材にしたのか理解しました。
ラストシーンもよく出来ていて、素晴らしい。

最後に、
JKさん、 これ書いたのは、 あなたですね(笑)
R老人の終末の御予定

R老人の終末の御予定

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターKASSAI(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/04/23 (月) 14:00

舞台風景の写真だけを観たら侮れられるかもしれませんが、出る役者出る役者技術も芝居に対する姿勢も達者な役者さんばかり、単純な作りの舞台装置ながらも情景の浮かぶ演技、照明、音。本来ならテレビシリーズでやっても良いくらいの素材を贅沢にも一本の芝居に集約させた本も満足の作品でした

ネタバレBOX

ある夫婦の互いを思いやる気持ちに友人が答えたことで偶然生まれたロボットの夫婦(第1世代)奇病により繁殖出来なくなった人類をサポートするために第1世代が自らのコピーとして作成した第2世代、その第2世代が同じくコピーとして生み出した第3世代、増加するロボットへの反動からロボット排斥の機運が高まりロボットたちは絶滅しかけるが、第1世代が人への攻撃を可能とするプログラムの書き換えを行なったことにより、反攻に転じたロボットにより絶滅へ追い込まれる。(第2世代以降は自らプログラミングできない、模倣のみである)人類に勝利したロボットもロボットの殺害を可能とするプログラムの書き換えが行われたことによりロボット同士の殺し合いにより壊滅、人類の時代より徐々に進化を遂げてきた家電搭載の人工知能にその座を明け渡すことになる。家電たちの現状を見る限りロボット殺しのプログラムは受け継がれており、その発展にはロボットたちの関与が感じられるが両者とも自分を破壊するプログラムは実装されていない様子。これはラストの描写に矛盾する。また第2世代、第3世代はともに第1世代のコピーであるはずなのにパーツの互換性がない(割と単純なパーツっぽい)これは何故なのか

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