最新の観てきた!クチコミ一覧

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心は孤独なアトム

心は孤独なアトム

“STRAYDOG”

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/06/05 (水) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観てきました。複数回観るとより面白さが解ると思いました。

ネタバレBOX

アトム兄弟と後半の警察は笑わせてもらってます。

ストーリーも少年期から大人になっている過程が混ざってて、初めてよりか二回観てよりわかる感じでした。
コエコガレ

コエコガレ

戌吸い企画

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2024/06/08 (土) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

描いている内容(テーマ)は、切り口が多少異なるが、この1年で同じような公演を3~4本観ており、既視感があり新鮮味が感じられなかったのが残念。問題意識も高く、訴えていることの重要性は理解しつつも、舞台となると もっと刺激的というか関心・興味を惹かせるものがほしい。あまりにオーソドックスな描き方なのだ。

またカーテンコール(アフタートークのような)で、キャスト1人ひとりが<舞台(公演)についての感想>を述べていたが、異口同音に脚本・演出家への辛口コメント?
実は、自分も劇中における このシーンが気になって…。
(上演時間1時間) 

ネタバレBOX

ほぼ素舞台で、一部凸状になった所あり。動物が戯れる玩具、そんな小道具が散在。
説明では<モノ>であると書いてあるが、チラシの絵柄等から容易に想像がつく。動物虐待・殺処分を取り上げた内容。

主人公 一宮(岡 ちひろサン)は学生の頃、動物を拾い警察に届け出るが、遺失物扱いで不安に思い連れ帰る。しかし 家では飼えず途方に暮れる。なんとか飼い主を見つけるが不幸にも…。この辛い思いから、動物愛護・保護の仕事に就く。捨てられた犬・猫の飼い主探し、そんな橋渡しの仕事に生き甲斐を感じていた。しかし自分の体調変化に気づかず、緊急入院・手術する羽目に…。残された犬・猫はどうなるのか?

物語は何の波乱もなくハッピ-エンド。出来れば幾つかの困難な出来事を入れることによって、内容に幅と深みが増し、観客に考えさせることが出来たのではないか。勿論 演劇的にもハラハラドキドキといった緊張感も得られ、集中力が増す。
劇中で緩い遊びのようなシーンがあるが、これは不要ではないか。キャストから、本編より この緩いシーンの演出の拘りが強った旨、説明があった。

公演は、舞台技術に工夫が観られた。特に照明は、大きさの異なる水玉模様が散らばり、一宮の動きに連動している。その光景は犬・猫の足跡が一宮を追う、そして集まるといった様子を表しているよう。音楽はピアノの優しい音色。
一宮以外は、六匹の犬猫でカジュアルな衣装、耳と尻尾を付けただけのシンプルな姿形。それでも性格なり特徴を表した演技が印象的だ。
次回公演も楽しみにしております。
短編作品集『3℃の飯より君が好き』

短編作品集『3℃の飯より君が好き』

劇団印象-indian elephant-

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2024/06/05 (水) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「メイクアップ」は、ある公共劇場の企画で「子供に伝えたいこと/子供と考えたいこと」というテーマで30分の戯曲として応募したものらしい。この作品はベタな青春ドラマ、ショートムービーといった印象で、朗読劇としては 脳内にしっかり映像化が出来た。その意味で分かり易い作品だ。

「3℃の飯より君が好き」は、夫婦の会話劇であるが、人と社会の夫々の距離感というか関係性、その表し難い内容を舞台を通して描いており面白い。
どちらの作品も照明技術が巧く、眼前で演技している役者の姿、その人影を壁に映し出し、人物の多面的な捉え方を観せているよう。
(上演時間1時間30分 休憩なし)【Aチーム】

ネタバレBOX

舞台美術は、後景に水玉模様のある紗幕、下手にソファ、横並びに椅子が3脚。
〇「メイクアップ」
基本 椅子に座っての朗読。登場人物は中学3年生の女子生徒2名、男子生徒1名。女子生徒は小学生時代にスイミングスクールで知り合い、中学生になり安藤理沙は演劇部へ、山﨑陽子はどこにも入部せず、スイミングを続けている。男子の岡田保は演劇部。最近クラスの女子の間で化粧をする子が…陽子曰く、化粧は男への媚る といった男尊的な感情だという。それに批判的な意味合いも込めて、2人は化粧をしない約束をする。

演劇部の卒業公演で「オセロー」を上演するため、理沙(デズデモーナ役)は舞台化粧をしたいが、陽子は化粧を認めない。約束を破るのか、裏切るのかといった激高。また、保はオセローを演じるにあたって、リアリティを高めるため ブラックフェイスを考えている。このことを陽子が匿名Xで呟き、人種差別とバッシングされ 公演が危うく…。
それにしても12月のプールはベタだなぁ

「メイクアップ」を通して誰のための 何のための化粧か?男女の性差に潜む男女差別、一方演劇「オセロー」を通して、表層的には人種差別。両方に、差別意識・裏切りという共通の言葉が浮かぶ。「オセロー」で黒人 将軍オセローの部下 イアーゴーが、正直者に見せかけているが実は悪党だと言い、「私は私ではない」といった台詞があったと思う。このような論理矛盾が成立する世界観では、真実や正義は1つではない。物事の見方・捉え方は一律ではなく、視点を変えれば違って見えるのではないか、そんな示唆に富むもの。
まさしく子供と考えるに相応しい内容だろう。

〇「3℃の飯より君が好き」
休憩なしで素早く場面転換。舞台美術は、メイクアップで使用した椅子を搬出し、代わりに下手にテーブルと椅子を置く。
或る一夜の夫婦の奇妙な出来事を通して、改めて愛情(個人)そして生活(社会)との関わり、そんなありふれた幸せを描いた作品。

妻が仕事から帰り、夫が夜勤の仕事に出掛ける迄の 小一時間の物語。
洗濯ものを片付け、食事(1年近く前に作り、冷凍していたカレー)といった ありふれた光景。暗転後、突然 妻のお腹が妊婦のように大きくなり、夫の股間は凍り脹らむ。冷たい身体、これは2人の関係性の比喩であろうか。何とか温めて溶かしたい。

結婚して2年経ち、この地へ来て もうすぐ3年が経とうとしていた。妻が言う、新婚っていつまでなの。新婚旅行にも行っていない。夫はいつかと言うが、具体的ではない。カレーは今の冷めた?夫婦関係ー仕事をし家事もテキパキする 今を大事にする妻、一方 売れない詩作、物事を先送りする夫ー。そこへお腹と股間の膨らみは、何らかの啓示か?夫は子を望み、妻はまだ早いという意識の違い。同時に、地域との繋がり(祭りへの参加)を考えている夫、距離を置きたい妻、しかし移住して家賃補助を得ている現実。

ありふれた日常の中に、夫婦の関係や地域との関係、それを冷凍から解凍していくような温かく優しい気持にさせる不思議な物語。
次回公演も楽しみにしております。
破壊された女

破壊された女

お布団

サブテレニアン(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

お布団は昨年7月漸く初観劇してまだ二度目ながら、期待値は勝手に上昇。一人芝居という事で難解さもある程度覚悟して観劇に臨んだが、その覚悟を上回り、汲み取れずに見終えてしまった。
台本を買い、半分を割とすぐ、残りを一週間後に読む。やはり厳しいものがあった。台本から若干端折った部分があったのかどうなのか・・中盤に差し掛かったあたりで台本では台詞を断ち切るように「暴力が発動」、「身体が倒れる。立ち上がる。」と指定するト書きが頻出する。これ、やっていたか、別の動作で代替していたか、も忘れた。途中瞑想の時間が生じてたのやも。ほぼ全編、客席に向かって俳優は語る。例外は、三部構成の二部で「女」が働く現場の描写が(これも語りの台詞を断ち切るように)頻繁に差し挟まれる。「先にお席の確認からお願いします」(カフェでの接客)、その職場を出て、次はコンビニ「いらっしゃいませ」「申し訳ありません。トイレの貸出しは行なっておりません。」・・ここではカスハラ客のネチネチと怒って来るその客の台詞も言う。(このやり取りは「語り」の内容のヘビーさと相まってかなり消耗する。)

第一部は「彼女」の物語。「絶望」や「悪」という、「彼女」が帯びる属性について語られる。他者の物や、人との関係、希望や生き甲斐を「奪う」技に長け、そこにしか「生きる実感」を感じる事がないことを自覚し、それを実践する。
この内面描写的な始まりから、少し進むと叙事詩的展開となる。「彼女」はやがてカリスマ的存在としてカルトの教祖のようになり、「現実を生きづらい人たち」の帰依の対象となる。使徒を引き連れた彼女は「悪」の実践の果てに地上を破壊するが、正義の勇者によって殺される。さらに話は神話的となる。彼女は復活し、再び悪を為す。そして二度殺された後は、彼女という存在がアイテムとして流通し、象徴となり、果てはゲームキャラとなり、消費され尽くす。絞り取られた「彼女」のエキスは枯れた挙げ句ついに完全に消えてしまう。これが第一部。
「彼女」について語った「女」は、さてこれからどう生きるかと現実に立たされている。第二部には現代の風景がある。コンビニやカフェで働く接客場面の台詞、そしてチック症状のような動作が、「語り」の台詞を絶えず中断させる。動作は単純作業(例えばコンビニでの仕事)を手が習慣的に覚えていて勝手にしようとし、それを止める、といったもの。語りはいつしか「女」にとっての「彼女」、を語る「私」の語りになっている。女の内面にある「彼女」の残滓についての言葉は、人は何によって立つか、生の根拠、力の源、といった要素について語っているようで。
そして第三部はどうやら、既存のそれも含めた「神」と、人間の関係を語っているようだ。結語のあたりで、「神は死んだ」という言い尽くされた事実が、もちろん別表現でではあるが据えられ、語りは終わる。この部分が私には、結局着地できなかった思考の経過を見せられたような余韻を残した。舞台を観ての「わからなさ」の理由は、思考が辿る旅が終着点に来たと感じられない自分にあった、のかも。

現代人の存在のあやふやさを、神的な要素をメスとして切り開き語ろうとした試み、それ自体は大変応援をしたくなる内容ではあった。
テキストは現代の生にまとわりつく精神的な「生きること」を巡る困難を想起させる。物語としては成立した(書き切れた)とは言えず、スッキリもしないが、問題の球をガンガンと投げている。

聖ダジュメリ曲芸団

聖ダジュメリ曲芸団

おぼんろ

Mixalive TOKYO・Theater Mixa(東京都)

2024/05/30 (木) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/06/04 (火) 13:00

MIXAでの公演も回を重ねるにしたがって会場の使い方がうまくなり、以前のもっと小さな劇場やテント、廃工場での公演のようなアットホームな雰囲気も徐々に増してきました。

ネタバレBOX

最後には登場人物の殆どが死んじゃいましたが、悲壮感はなかったな。
詳細不明劇

詳細不明劇

B子

イズモギャラリー(東京都)

2024/06/09 (日) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

え、4つタイトルが出てるけどどれを観たのか、それとも全部ふくまれてるのかまるで分らないけど、なんか気になりますね。
象の絵文字はたんなる色違いじゃなくてインド象とアフリカ象じゃないでしょうか(私見)。

あしあとのおと、ものがたり

あしあとのおと、ものがたり

兵庫県立ピッコロ劇団

ピッコロシアター (兵庫県)

2024/05/31 (金) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

舞台美術が凄い❗それだけでも感動なんだが、内容も良かった‼️演技も安定感があり、楽しませて頂きました❗

ケンジの山猫〜銀河の方へ〜

ケンジの山猫〜銀河の方へ〜

アカルプロジェクト

アカルスタジオ(大阪府)

2024/06/08 (土) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

満足度★★★

宮沢賢治の代表作3作品をリミックスして演じる、ファンタジー作品 内容は宮沢賢治が好きな人であれば…舞台も貧弱で演技も…これでこの値段は…
千秋楽でほぼ満員ではあったが、ほぼ関係者
専門学校の部活的なモノ?もっと演技が…

短編作品集『3℃の飯より君が好き』

短編作品集『3℃の飯より君が好き』

劇団印象-indian elephant-

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2024/06/05 (水) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 Aチームを拝見。2作を上演するが、第1部はリーディング公演、第2部が通常の演劇公演である。板上には、2部で用いられる舞台道具も大きな物は予め置かれているが、リーディングで用いられるのは木製の椅子3脚のみなので他の道具は目立たぬように照明で加減している。興味深いのはリーディングでは実験的に効果音迄台詞化されて上演される点だ。第2部6.10 0時20分アップ

ネタバレBOX

登場人物は3名、全員中学3年生、15歳。理沙と陽子は小学校時代スイミングスクールで隣り合ったレーンで泳いでいる際、タイムトライアルでのライバルとして意気投合、親友になった。陽子は中学に入ってもスィミングスクール通いを続けているが、理沙は演劇部に入りスィミングスクールは止めてしまった。もう1人の登場人物は矢張り演劇部の保。
 ところで中三になってクラスメイトの中には眉毛を抜いたり、マニュキュアをしたりと化粧を始める者も何人か出てきた。これらの女子は男子に人気があり、どことなく大人っぽい。これに反感を覚えた陽子は男に媚びる価値観が化粧させるのだと反発し理沙と化粧をしない約束をしていたが、演劇部では「オセロー」を演じることとなり保がオセロー役、理沙がデズデモーナ役と決まった。演劇上でのメイクが一般の化粧とは異なるのではないか? と例外規定として約束違反を認めて貰いたかった理沙は陽子の頑なな態度に遭い絶交してしまう。陽子は陽子で演劇の世界に入って自分の分からない言葉や概念を用い話す理沙との齟齬に対するに、二人とも未だ自らの社会的責任を負うことの意味すら知らぬまま化粧しないという約束をしたことを根拠にストイシズムで対抗する。そして演劇部部室に忍び込んだ際偶然耳にした、保がドーランを顔に塗って演じたいという話を盗み聞き、SNSでブラックフェイスが差別語であるとして炎上させた。この件は、職員室でも問題化されたから卒業記念公演「オセロー」も潰されかねない事態に発展する可能性さえ出てきたのである。ここは演劇サイトであるから「オセロー」観劇経験は無くともシナリオは読んでいて当たり前。裏切りと嘘、偽情報散布が、「オセロー」と交錯している点は誰でも気付く。従って今作は「オセロー」の最も重要なテーマの一つである裏切り、嘘(本当に見えがちな嘘、或いは本当と誤解されがちな虚々実々情報)、或いは様々な見解があるにも関わらず見解は唯一つであるかのようにSNSという検証不完全な媒体に載せて拡散することで歪みを作り出す過程を炙り出す。無論、ブラックフェイスは19世紀英米で隆盛を誇った数多くの役者らによって世界中に広まり、差別問題として取り上げられるようになってからも暫くは用いられたメイクであったが、異論もあり、保の見解もまた差別では無く、人種差別社会で実力だけでトップにのし上がったオセローに対するリスペクトからブラックファイス採用を検討していた。陽子が自分の為したことを保に告白し彼女の行為は露見することとなったが、その解決策があっけらかんとしていて15歳を現すのに相応しい。
 効果音を総て台詞で表現している実験が効果的だとは思わないが、少し深読みすればこれも15歳のストイシズムを、演劇としても演出でサポートしていると観れば極めて面白い実験であり、更に作品を深いものにしているということができる。問われているのは、我々観客の受け取り方の深さと広がりではあるまいか?

第2部はフライヤーでも採用されているタイトルの作品だ。
 今作で最も問題となるのが、このカップルが互いの生殖に関わる器官に抱えることになった氷が何のメタファーなのか? ということであろう。作中、男の目指すもの・ことは頑是ない子供の悪戯書きのような詩を書くこと。一方女は日常的には実生活を重んじるものの、男の夢に賭けることで接点を作り出しファンタジーのような結実を見せる点がグーだ。
 因みに後片付けができない男と夫婦になって2年の二人は新婚旅行にも行っていない。男はソファーに寝そべり洗濯物は取り込んであるものの畳んではいない状態だ。夜勤仕事に出掛ける前に1時間ほどある。そこへ妻が仕事から帰宅。夫が相変わらず部屋を散らかしているのを見て呆れつつも洗濯物を畳むのを手伝う。夫は出掛ける前に食事をする積りである。メニュは夫の誕生日に妻が作ったカレーを解凍して食べようとするが、妻は経年劣化で味が落ちていると反対、中々意見が纏まらない。そんな中の雑談に新婚旅行に行っていない話も出てくるのだがそれらの雑談中、夫が冷凍庫から出したカレーで食事の準備をしに電子レンジのあるキッチンに行っている間に妻の体に異変が起きた。何と臨月を迎えた妊婦の如くお腹が膨らんでしまったのである。而もそのお腹は氷のように冷たい。重さを尋ねると3㎏くらいとの答え。あれこれ対応を考えるがどれも上手く行かない。そうこうしている内に、夫の性器もコチンコチンに冷え固まってしまった。二人は途方に暮れあれこれ考えるも解は無い。仕方なくレンジで温め直したカレーを食べると、二人共同時に氷が溶け始めるのを感じ、実際に氷は溶け去って元の体に戻った。二人は共に手を取り合い舞う。その様は丁度始原の海に初めて出現した命のように、幻想の海に漂い、波と戯れ翻って風と遊び再び海に溶けるかと思われる。このように比喩的で詩的な作品である。解釈は様々だ。自分の解釈は以下の通り。
演劇は、小説よりずっと詩に近い。小説は煉瓦を一つ一つ積み上げて完成に近づける作品群であるが、詩はいきなり本質を手掴みにし言葉の髄で固定する。作中、男の目指す詩は頑是ない子供が落書きしたような詩を理想としていることが語られるが、その意味する処は総てのバイアスを排除し虚心坦懐にもの・ことを観察しそれを真っ直ぐに表現するということだろう。言うは易く行うは難い芸術論である。然し乍ら、妻も夫の理念に共感はしている。掛かるが故に二人は支え合い偕老同穴の契りを結んでいるのであり、掛かるが故に始原の生命体のようなファンタスティックダンスを共に踊ることが出来るのである。タイトルに3℃が入って水の極めて珍しい性質の一つ、約4℃でその密度が最大になることと大いに関係している。何故なら彼らの恋の密度は3℃の水がその比率の多くを占める飯より妻を愛していることになるからであり、二人の体の異常が食物を摂ることによって解消され問題だらけの未来(氷)から問題の氷解した新たな未来へと転化したからである。換言すれば自分の解釈では、氷が表して居たのは未来(問題だらけの)であり夫婦は新たな未来へ旅立った訳だ。これを寿がずして何を寿ごう。
Waiting Room 2024

Waiting Room 2024

劇団 FREE SIZE

サンモールスタジオ(東京都)

2024/06/05 (水) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

6/9(日)チームSの千秋楽!!
アクションあり!笑いあり!感動あり!とても素敵な舞台でした(^^)生の臨場感を久々に味わえて、内容も楽しかったです!また観たいです☆

平和な星

平和な星

ミュージカル座

光が丘IMAホール(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初めてCoRichでミュージカルを観ましたが、想像以上に凄かったです!

あの夏至の晩 生き残りのホモサピエンスは終わらない夢を見た

あの夏至の晩 生き残りのホモサピエンスは終わらない夢を見た

フライングシアター自由劇場

新宿村LIVE(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/12 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

何はともあれ『上海バンスキング』と『コクーン歌舞伎』の名手がシェイクスピアを題材にするとこんな風になるのだ、という演劇であった。
最後に生き残ったアングラ演劇人なのだ!

マスターピース

マスターピース

余人会

イズモギャラリー(東京都)

2024/05/28 (火) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/06/01 (土) 13:00

三人組の演劇ユニット「賛人会(表記は推定)」の記念公演への作品創作過程と劇中劇としてその作品の内容を交互に(シームレスで)見せる構成。
もちろん現実とは違えど、本作もこんな過程を経て生まれたのでは?などと妄想したためか観ている自分もその層構造に取り込まれたように錯覚してラストのヒロインの心情に他人とは思えないほどシンクロしてしまう。何なんだこの感覚!

青い!大劇場結婚式(「劇」小劇場)

青い!大劇場結婚式(「劇」小劇場)

藤原たまえプロデュース

「劇」小劇場(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

終始ドタバタしていて落ち着かない。ストーリーは極めて単純で面白みがない。その分、奇抜な演出とクセ強めのキャラで楽しませようという事か。少々奇を衒っているような気がする。

ネタバレBOX

出演者は結婚式場と控室を行き来するわけだが、(「控室」側の芝居を観てないのではっきりと言えないが)皆訳もなく何となく行ったり来たりしていたような気がする。2劇場同時上演だからそこに意味を持たせてほしいと思う。
作演出の山崎氏は「観客を楽しませること」を第一義としているようだが、私には「笑い」を押し付けられているような気分にもなった。
まあ、藤原珠恵さんが仰るように「お祭り」だと思って楽しんだほうがよかったのかな。
消しゴム山

消しゴム山

チェルフィッチュ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/06/07 (金) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

新しい世界に劇場で出会うことは稀である。「消しゴム」はコロナ以前、2019年の、初演のテキストをほとんど変えていない。というが、激動のあったここ数年を踏まえても、その中身はしっかり現代を描ききり、未来にまで目を向けている。
作品のスケールが大きい。大きなテーマを、演劇の世界に新たな形で着地させようと試みている。五年前の再演ながら、全く古びてはいず、本年随一の問題作であることは間違いない。
舞台には、さまざまな造形物がおもちゃ箱を拡げたように散っている。これが金氏徹平のものグラフィーで、一つ一つ、具体的なモノ(例えば、洗濯機とか椅子とか滑り台とか)を示してはいないが、そういう身近にある人間が作ったものを巧みに表現していて、そこにスクリーンでの表現も加え、視覚的効果を発揮している。舞台は、その道具たちを俳優六人の俳優たちが、日常われわれがモノを使うように移動させながら進行する。開演前から、コンクリートミキサーの回転音がずっと響いていてこれが音響効果になっている。音楽はない。。
二時間の舞台は三部に分かれていて。それぞれにテーマがある。要約すれば、一部はものと人間の関係、二部は拡がった社会(宇宙も含め)の中で人間が他者とどう関わるか、三部は言葉の力、とでも言ったら良いのだろうか、その周囲に現在の世界的な環境問題、移民問題なども、投影しながら現在の世界の有り様を描いていく。一部は、壊れた自宅の洗濯機を直す、と言う解りやすいストーリーがあるが、三部は現代詩の朗読みたいなところもあり、そこはダレる。終わりに近くなるとダレるというのは「ゴドー」みたいだが、前半がわかり良いだけに工夫があった方が良いと思った。つまらない決め打ちの締めよりはいいが。
いずれも岡田利基が今までにも舞台にして見せたことがあるテーマだが、「消しゴム山」では、総合的に一つの世界にしてみようと糸が見えた。世界巡演でもよく理解されたようである。
現代社会が転換期を迎えているように、演劇も又転換期を迎えているのはここ10年ほどの舞台を見ているとよく感じられる。この作品はそういう転換期を象徴する作品になり得る舞台だと思った。それをどのように受け取っていくかは、同時代人の役割である。世田パブは老若男女よい比率の観客でほぼ満席だった。




青い!大劇場結婚式(「劇」小劇場)

青い!大劇場結婚式(「劇」小劇場)

藤原たまえプロデュース

「劇」小劇場(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2劇場をリアルタイムで上演。その結婚式場編を観た。こちらだけでも十分楽しめたが控え室編を観ないと全貌がわからない。必ず観よう。

砂漠の動物園

砂漠の動物園

演劇実験室◎万有引力

ザ・スズナリ(東京都)

2024/06/07 (金) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

見たかった劇団の1番で、やっと拝見出来ました。
コロナで始めた趣味もペースダウン気味で、そろそろいいかなって感じになってますw

ストーリーは置いておいて
開場前から場外でのパーフォーマンス、開場からステージでのパフォーマンスは凄く良かった。
毎度好みの問題なんでしょうけれど、好きなタイプの舞台と思われます。
しかし残念なところもそれなれり多くありました。
・全員で言うセリフのところは正直無い言ってるか聞き取れない
・最前列に座りましたが、前の通路が狭く何度通行人に気を使ったことか…これだけで疲れて帰りたいかも
・入場時に砂がかかるかものお知らせありましたが、目に入ってしばらく芝居どこじゃありません
そんな感じで今回は脚本とこの劇団が合っていなかったのか?
再度違うものを見たときに分かるのかな?
いまのところ自分の中では流山寺といい勝負かもしれない

Dear・異邦人

Dear・異邦人

劇団「楽」

スタジオR(東京都)

2024/06/05 (水) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

男女の少し切ない会話劇といっても話すのは、男性は話せないので、話すのは一人。手話を介しての会話新鮮でした。ラスト女性と男性のこれからに少し差があって、男性どうなったかなあと、思いました。

ゴツプロ!第九回公演『無頼の女房』

ゴツプロ!第九回公演『無頼の女房』

ゴツプロ!

本多劇場(東京都)

2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ゴツプロ!二度目。中島淳彦作品も実質二作目。先般拝見した中島作品と同じく、歴史人物を題材に物した脚本。その前作(昭和の女性漫画家たちの群像劇)がかなり上出来であったので比べてしまうが、中島淳彦世界を堪能。良い。
スズナリ10回行ってやっと1回程度(いやもっと少ないか)の本多劇場。余裕あるステージには日本家屋の広い居間(美術:田中敏恵)が古い木造家屋の濃い茶系で落ち着きがある。最奥に廊下がわたっているらしく、全面窓から緑の庭が見え、その上手寄りに庭へ出る扉、さらに上手袖はその先に部屋々々があるらしい。上手側面の壁には戸付きの棚、それを正面に見た右側(舞台前面)へ消える通路もはけ道。下手手前から袖へ玄関、そこからまっすぐ舞台奥の上方へ、二階へ上がる階段。作家の書斎に至る。
五つの出入り通路を頻繁に行き交う動的な舞台である。見れば演出が青山勝。道学先生の作・演コンビの舞台は拝めないと思っていた(故人の作を再び青山氏が演出する事もあり得た訳だ)。その主要メンバー・かんのひとみの水を得た魚の如き存在感も初めて目にした。一挙手一投足が、美味しい。
他俳優も特色ある存在感で役柄を演じ分け、質が高い。改めて見たゴツプロのサイトにて、所属俳優がある旨を知り、この劇団のネームが入った公演チラシを目にする頻度が高い理由も理解。
ゴツプロ!を初めて観た舞台も別の作・演出だったが、所謂<レベル高め>?な俳優集団が傾きがちな甘めウェルメイドに堕ちず、味付け辛めで好感触。その線は今回も裏切らずであった。

無頼派、と言えば二名の小説家を知るのみだが、事実は小説より○○の世界がそこにあり、作者が魅惑され、見つめたのだろうその眼差しに同期し、なぞって行く舞台。

ネタバレBOX

坂口安吾をもじった塚口圭吾をゴツプロ主宰の塚原氏が演じるが、豪胆、繊細、純な気質と、既に病魔に冒され狂気と背中合せの奇人振りをボサボサ髪で好演(ちょっと二枚目過ぎで時折「地」が出てしまうのは言っても仕方の無い所)。
前回の作と同様、坂口安吾という人の実体と本作とのディテールの差(史実をどう「翻案」したのか)への関心から少し調べてみて、自分の知らなかったこの文学者への興味を焚き付けられた。劇中「豊臣」(おさむ)として登場する人物が太宰治であるのは説明不要であったが、後一名「谷」として登場する面倒見の良い文学者、一文字なら「檀一雄」?と当て推量したが、史実でも深い交流があったらしい(逼迫した晩年は宅へ身を寄せている)。三名の編集者たち、出入りする女中の旦那(軍隊帰り)、面倒を見ている遠縁の変わり者の男をゴツプロ俳優が固め、他に書生、豊臣、彼が連れて来るかつて坂口、というか塚口が「純愛」の相手と自分の小説にも書いて憚らなかった女性、そして主役の塚口の妻が客演。史実上の人物と符合するのがこの女性と、太宰(豊臣)、他の人物らは不明(調べれば出て来るかもだが)。塚口の「奇行」としてドラマを彩っているのが「二階から飛び降りる」、その度に女中(かんの)と書生が布団を出して庭へ飛び出す。必ず「宣言」してから飛ぶ。煮詰まった時ばかりでなく、喜ばしい出来事があったと聞いても、飛ぶ。これが作者の「翻案」だとすれば、よく発案したものだ。
一点、物語の核である妻(史実では三千代)の描写が、前宣伝の文句から期待されるものとは違う。(妻がある時思い定めて態度を変えてから夫=塚口の生き方も変って行く、的な説明書きがあり、どう見てもこれは不要であった。いつその「瞬間」が来るのかと、私は待ちながら観ていた。まあ芝居は面白かったから良いが、核である妻はタイトルにはなっているものの、舞台から受け止めたのは一文学者と結ばれるも孤独にさいなまれる事となった彼女は、夫へを「眼差す人」であり、それ以上ではない。作者はもっと踏み込んだ人物像を想定して書いたのだろうか。(そうかも知れない。)
もっと的確な表現がありそうだが、まだ不分明でこういう言葉にしかならない。
消しゴム山

消しゴム山

チェルフィッチュ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/06/07 (金) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

創作の根底にあるコンセプトや着眼点がかなり未来的かつ独自性が高い。公演資料には「人間とモノ、それらを取り巻く環境とがフラットな関係で存在する世界を生み出すことはできるだろうか」とある。僕は、ロボット社会とその未来、みたいなことを連想したが、おそらくそれも的確ではないように感じる(内包されているだろうけど)。人間と物品(人工物?)の新しい関係性の考察及び実証実験、みたいな感じかも?

ネタバレBOX

舞台上には大小様々な物品が並べられ、色合いもカラフル。ビジュアル的なポップさも感じました。インスタレーションに近い舞台美術と言えます。俳優が出てきて、それら物品と並行的に立ったり座ったり交わったりする。視覚的な意味での「ヒトとモノのフラットな関係」かもしれない。やがてモノローグが始まり、壊れた家電品に関する「ヒトとモノの関係性」が語られる。様々な角度から、創作における実験上演が積み重なり、「このシーンは何を表現している?」と想像する楽しみがあった。実験の要素が強いこともあり、難解と評される上演だと思うが、観劇体験としては刺激の多い上演。体験型とも言えるし、チェルフィッチュの既存作品と比較しても、意欲作であり新しい試みであると感じました。

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